次の階層に進むため移動を開始した誠達。
先頭をハジメ、キャロ、ジン、ユエ、誠の順で進んでいる。
「なんとも雑な作りの階段だな」
ハジメが言うように下に降る階段は雑な作りだった。
階段というよりも凹凸した坂道と言った方が正しいかもしれない。
その先は緑光石がないのか真っ暗な闇に閉ざされ不気味ね雰囲気を醸し出していた。
「ジン達は下の階層に行ったことは?」
「私はないです。危険だと本能が叫んでいたので」
「ワシもだ」
「キャロはともかくジンが避ける程、危険な場所か・・・」
ハジメがキャロとジンに降りた事があるか聞くが、2人は否定した。
ハジメの言葉にキャロが、どういう意味ですか!?とハジメにツッコミを入れる。
「因みにだが誠この暗闇の中見えるか?」
「見聞色の覇気を使えば問題ない」
ハジメが誠に暗闇でも見えるか聞くと、誠は問題ないと言う。
「あの~その見聞色の覇気というのは?」
キャロが遠慮気味に聞いてきた。
「ああそれはだな・・・」
誠はユエ、ジン、キャロにメルド達にした説明をした。
「凄い」
誠の説明を聞いたユエはそう呟いた。
「場所と時間があれば3人にも教えられるのだがな」
「ワシは指銃を覚えれば、更に攻撃力があがるな。それと武装色も」
「私は月歩、嵐脚を覚えたいです。見聞色も使えば空間把握できそうです」
ジンもキャロも六式と覇気を使いたいと思った。
「そのためにはまずこの迷宮を攻略しないとな」
そう言い左手に緑光石を持ち、暗闇へと踏み込んだ。
不意に左側に嫌な気配を感じたハジメ。咄嗟に飛び退きながら緑光石を向けると、そこには体長二メートル程の灰色のトカゲが壁に張り付いており、その金色の瞳でハジメを睨んでいた。
その時、その金眼が一瞬光を帯びた。次の瞬間、
「ッ!?」
ハジメの左腕がビキビキと音を立てながら石化を始める。石化は直ぐに緑光石にも及び、ものの数秒で石化させるとバリッと音を立てて砕け散らせた。光源が失われ辺りを暗闇が覆う。その間にも石化は進んでおり既に肩まで浸食していた。
ハジメは懐のホルスターから神水を取り出し一気に呷った。すると石化は止まり、石化部分を正常に戻していった。
「やってくれたな!全員目をつぶれ」
そう言い腰のポーチから選考手榴弾を取り出し、金眼トカゲのいた辺りに投げ込んだ。
瞬間、カッ!と強烈な閃光が周囲を満たし、視界を光で塗りつぶした。
「クゥア!?」
恐らく今まで感じたことがないだろう光量に混乱するトカゲ・バジリスクの姿が闇の中に浮かび上がる。
ハジメはすかさず発砲した。絶大な威力を秘めた弾丸が、狙い違わずバジリスクの頭部に吸い込まれ頭蓋骨を粉砕し中身を蹂躙する。弾丸は、そのまま貫通し壁の奥に深々と穴を空け、シューと岩肌を焼く音を立てた。電磁加速させているため、当たった場所が高温を発しているのだ。熱に強く、硬いタウル鉱石だからこその威力だろう。
ハジメ達は周囲を警戒しつつバジリスクに近づくと、素早くその肉を切り取りその場を離脱した。
暗闇で食事をしている余裕がないので、一先ず捜索を進めることにした。
体感で何十時間と捜索を続けていたが、階下への階段は未だ見つかっていない。
「そろそろこれ持ち運びに不便だな」
誠が言うように全員道中で倒した魔物や採取した鉱石を持っていた。
「ハジメ殿そろそろ持ち運び限界ですよ」
「そうだな・・・」
ジンに言われハジメは適当な場所で壁に手を当てて錬成を開始する。
特に問題なく壁に穴が空き、奥へと通路ができた。
奥に広い空間を作り全員がそこに座った。
「さて、じゃあ、早速飯にするか」
ハジメはリュックから容器(錬成で作製)に入れた肉を取り出す。そして纏雷でこんがり焼き始めた。本日のメニューは、バジリスクの焼肉と、羽を散弾銃のように飛ばしてくるフクロウの丸焼きと、六本足の猫の丸焼きである。調味料はなし。
「いただきます」
ユエはハジメが調理を開始したタイミングで、誠の首筋に噛み付き吸血を始めた。
「誠の血、やっぱり美味」
「ユエ飯食うから、ちょっと離れてくれ」
「・・・むう」
ユエが誠の血に満足している中、誠が飯を食べるため離れるように言うと、ユエは不満そうな顔をして誠の背中に抱きついた。
「・・・イチャつくなら出ていてくれ」
甘々な雰囲気を醸し出す誠とユエにハジメはげんなりとした顔で言う。
「別にイチャついていないが」
((主人それはない/ですよ・・・))
ジンとキャロはそう思ったが口に出さなかった。
「むぐ、ふぅーごちそうさま。さて、ステータスは・・・」
そう言ってステータスプレートを取り出すハジメ。ハジメの現状は・・・
南雲ハジメ 17歳 男 レベル:23
天職:錬成師
筋力:450
体力:550
耐性:350
敏捷:550
魔力:500
魔耐:500
技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地]・風爪・夜目・気配感知・石化耐性・言語理解
天歩はキャロとは別の蹴りウサギを狩っており、風爪はジンの爪を少し切って食べており技能を得ていた。
「なあ誠、この中で六式と覇気と似ているのは、天歩と、夜目、気配感知だよな?」
「そうだな天歩は月歩、夜目、気配感知は見聞色で代用出来るな」
ハジメが聞くと、誠は答えた。
「なら誠、少しずつでいい出来ることから教えてくれ」
そう言いハジメは誠に頭を下げた。
「ワシからもお願いします」
「私からも」
ハジメに続いてジンもキャロ頭を下げる。
「お前たち頭を上げろ」
誠の言葉に3人は頭を上げて誠を見る。
「元々教える予定だった。六式は広い場所が必要だから、見聞色と武装色の触りから教えていくぞ」
「頼む」
「「お願いします」」
誠はまず覇気に必要な事から説明を始めた。
因みにユエは終始誠の背中に抱きついたまま、眠った。