トレセン学園であった怖い話   作:塩化プラス

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【第三話】エアシャカール・深夜の校舎徘徊ツアリング
【第三話】エアシャカール/冒頭~A分岐


……あァン?

なンだよ、肩ツンツンしやがッて……あ、あァ。そういこうことか。

イヤすまねェ。少しぼうッとしてたわ。お次はオレの番ってことだよな。

じゃあまア……とりあえず、自己紹介。

オレの名前はエアシャカール。

ま、この場にいるヤツ全員、んなことぐらい知ッてるだろうけどよ。

早速こッからの話、させてもらうぜ。

 

あァ、そういやあ。フクキタル、お前に聞きたかったンだがよ。

……この企画の語り手に、なァンでオレが選ばれたンだ?

同学年組で呼ぶにしたッて、適任は他にもいたはずだろ?

オカルトなんかロジカルの対極じゃねェか。

この催しになんでオレが呼ばれたのかマジで分かんねェ。

だってヨォ、ホラーが苦手なヤツとかやんごとなきヤツとかはともかくだ、オカルトにもエッセンスを欲しがるタキオンやら、なンでも運否天賦に結びつけたがるナカヤマとかな。候補はいくらでも上がるじゃねェか。

あとは存在そのものがミステリアスで構成されてるヤツとかも……なンつゥかこの学園にゃ数多居る。だからそのへんを疑問に思ッてよ。

 

あァ?

なんとなくゥ?

オレなら良い感じの話を聞けそうだって思ったァ?

……こりゃドトウの入れ知恵じゃ……

ッたく、アイツなァ……

 

あ~……自分なりに納得した。そろそろ移らねェとな。

語り手が語り手になンだかンだ聞くのは、聞き手を蔑ろにしてると言われても仕方ねェ話になっちまう。詮索はこの辺で打ち切ッとくぜ。すまねェな。

それになんだ、その辺に沸いてくる霊現象ってヤツを、ゼロとイチの集合体として集計して、そのデータを解きほぐすのには……興味あッからな。

言い訳臭ェしムード盛り下がッからあんまし言いたかねェが……

いくらなんだってメリット無しじゃ受けねェよ、この手の話題。

オレだってそれなりに忙しいンだ。夜はちょいと不安がちな……ドトウのコトもあるしよ。

 

あー、いけねェや。前置きが愚痴っぽくなっちまッたな。

さっさと本題に移るか。オレが提案すンのは、シンプルに学園探索だ。

つッてもガキくせェ肝試しなんかじゃねェぜ。見えている種も組み込んだ仕掛けだって存在するか分からねェ、ちょっとやそっとじゃ見つけられねえような、ガチガチのミステリーツアーだ。今日のお題目にゃピッタリだろ?

 

あア、問題ねェよ。探索ッても全部を見て回るワケじゃねェ。

つーか全部覗きに行ったら時間がいくらあっても足りねェからな。オレでシメッてンなら別だが、この後も話は続くンだろ?

だから一か所確認したら、実地は終わりさ。オレが確認してェのはそういう変数の情報だからな。恐怖体験とか出来なくても許せよ。

 

とにかくよ、コイツを話として語る以上、色々と準備はしてきたンだぜ。

この日のために、学園にあるだろう様々なデータをパルカイに食わせて演算したンだよ。どっから持ってきたかッて?

ウチの学園ッてよ、ネットに交流掲示板みてェなのあンだろ、あの辺からザックリ浚ってきたンだよ。一応抽出にあたって有象と無象を仕分けるようにプログラムを走らせてよ。ンで、なるたけマイナスのバイアスがかかるようにシステムを調整してな。それで見つかったのが、コイツってワケだ。

 

「ええと……」

 

そういってシャカールは彼女がパルカイと呼ぶパソコンの画面を私たちに見せる。

そこには何やら一部の場所が赤くマッピングされた、トレセン学園の見取図が映っていた。

 

「これは?」

 

私が訊ねると、シャカールはどことなくシニカルな……

いや、寧ろ楽しそうに口端を空へと持ち上げた。

 

 

意外とピンとこねェか。突貫工事で作ったアプリケーションじゃこんなもンだよなァ。

なら……一応説明しとく。一目見てわかるようにこれは学園の地図……ッてか断面マップだな。デパートのエスカレーター近くによく掲示されてるフロアマップ。ゲーム好きなヤツだったらこういうの見たことあるかも知れねェな。そーいうのよりもだいぶ詳しく抜き出したモンだ。

 

そしてこの赤点がホット・スポット。ノイズの多い要素が詰まったエリアだ。

よりオカルトに寄せるなら、霊障って言やァいいのか?

ソイツが比較的起きやすいッつーか、実際に起きたらしくて恐れられてる場所とかだな。

ま。理屈付けられない事象なンざ存在しねえとオレは思ってるけどよ。

 

……イッテェ!

オイいてェからやめろ!

誰だコラって……フクキタル!

ポコポコすんじゃねェ、お前シバかれてェのか?!

あア……?

いや違ェって!

有るとか無いとかを詳らかにしてェんじゃねェんだよ、オレは!

この世にロジックのないモンなんざ存在しねェと思ってるだけだッての。

別にお前の信仰にネガティブ叩き付けたいワケじゃねェ……

オイコラ、笑顔でメソメソすンな、茶化してッと更にキレっぞ!?

 

……ハァ。まァ……いいわ。

で、だ。スズカ。

こっからはお前の判断次第だぜ、だって聞き手はお前なンだからな。

お前はオレの提案に乗るか、それとも反るか?

どうする?

 

1・見回ってみよう

2・見回るのはやめよう

 

 

 

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