トレセン学園であった怖い話   作:塩化プラス

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【第三話】エアシャカール/F4~分岐orNEXT

わかッた。じゃあ次の場所に行くか。

あンまし言いたかねェけどよ、普段と違う雰囲気を味わえるの、面白味があンな。

……コレ、ファインに告げ口とかしたら張ったおすかンな、覚えとけよ。

 

しッかし……思ったより結構距離あッたな。

四件しか挙げられなくて済まねェが、ここが三つ目のポイント、映画研究部だ。

ここの噂は怯えるようなモンじゃねェぜ。

映画研究部に備え付けられている特定のデッキ。

このデッキを使ってDVDやらBDを再生すると、映った人間と会話が出来るンだッてよ。

 

前二つに比べりゃ少しばかり格落ち感が否めねェが。

まア、十分に七不思議してるだろ?

ウソにせよ、ホントにせよ。

確認してみる価値はあると思うぜ。

さあどうする、入ッてみるか?

 

1・入る

2・入らない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おッ。ここで来るか、スズカ。

了解、鍵は映研の部員から借りてッからな。今開けるぜ、ちょッと待ッてろ。

おッし、開いたぜ。

ンで、電気……これか。

うおッ……流石に突然明るくなると結構目がしんどいな。

 

ええと、ああ、多分コイツだな。目印付けとくって言ってたが、こンなデカデカと……ヤバいブルーレイレコーダー! なァんてポップ置かなくてもなア……

まア、分かりやすくていいか。件のデッキってのはどうもコレのようだぜ。

……なんつーか、どッからどう見てもフツーのレコーダーデッキなンだけどな。

噂と部員からの話によると、この場所に置いたデッキはみんなさっき言った異常が起きるようになるらしいンだよ。例外なく、な。

 

あア、そうだ。

細かいこと説明しなかッたが、映画とかアニメとかは端っから論外だぜ。

第一条件として無編集であること。あとは多人数過ぎてもダメらしいからな。

そンな条件を満たすモノ、ちゃんと用意してあるンだぜ。

 

 

そういってシャカールは机に置いたノートPCのディスクドライブ部分に指を添わせ、中にあるものを私たちに見せた。そこにあるのは無地のDVDかBDのディスクだった。

 

「コイツに数分間だけ、オレがボーッと突っ立ってるところを記録してある。この映像に語り掛けて、反応が返ってくりゃ証明完了ってワケだ」

 

そう言いながらシャカールはデッキにディスクを挿入する。

チャプター等の表示はなく、スムーズに映像が再生され始める。

テレビに映っているのは白い壁だ。今のところは誰もいない。

 

「アレ? シャカール、スタートはいつデスカ?」

「いや、もう始まってるッつーか……そもそもこンなの撮った覚えねェ……」

「どうも皆々様、恐らく時間はこんばんはかな?」

 

誰もいない画面から声がして、すぐに恐らくピースサインだろう、二本の指が撮影している部分に割り込んでくる。

 

「ハア?!」

「あれっ、この声って……」

「そうですわね、もしかせずとも……」

「ファイン?」

 

私たちが声を合わせて現れるだろう人物を推察すると、やはり。

よっとなんて風に言いながら。ファインモーションその人が画面中央へと現れた。

 

「やっほー、シャカール。夜のツアーはお楽しみかなー?」

 

知らねえ知らねえと繰り返しながら、シャカールはリモコンの停止ボタンを一心不乱に乱打している。けれど、画面の動きは一切止まる気配を見せない。

 

「いやいやいや……なンでお前が出てンだよ……?!」

「ふふふふ、すり替えておいたのさ! あの時シャカールがやけに真剣な表情で棒立ちしてたの。見てなかったとでも思ってたの~?」

「撮影の時……見てやがッたのか……!」

「ご明察~。だからちょっとだけ悪戯しちゃおうかなって。どう、びっくりした?」

「当たり前だろ、驚くわこンなンよォ!」

「うふふふ。だったら大成功だね。私の歴史にまた一つ、大切な思い出が刻まれましたわ。うふふふ……」

 

私たちそっちのけで展開する会話の応酬だが、笑ってスルーするにはどうにも違和感の方が勝っていた。

既に撮った映像とする会話にしてはあまりに流暢が過ぎるというか。

どれだけシャカールの性質を読み切ったとしても、ここまで完璧な受け答えはできないんじゃないか。

 

「ねえ……」

「はあい、何かしらスズカ?」

 

ファインの映るテレビの画面へ。

頭を抱えるシャカールをよそに、意を決して私は訊ねた。

 

「あなたは……本当にファインなの?」

「……ふふ。どうかな?」

 

彼女は唇に指を当てながら悪戯っぽく呟き、そこで画面は暗転した。

レコーダーより突き返されるBD。それをそっと取ってシャカールに渡……すのはやめておき、私はシャカ―ルの元へと近寄った。

 

「なンなンだよクソ……とンだ恥かいた……ふざけやがッて……帰ったらゼッテェ許さねェ……」

「まあまあ……」

 

憤るシャカールをなだめながら、私は考えた。

アレは結局、ファインが作ったフェイクムービー的なものだったのか。

それとも、本当のオカルトが介在しているものだったのか。

それを確かめる術はひとつ。レコーダーデッキでBDを改めて再生することだけだが、この調子じゃ流石に叶いそうにない。

 

「とりあえず……戻りましょうか?」

 

私の問いかけにみんな頷いた。

シャカールも不機嫌そうだったけど、頷いてくれた。

どうにも判然としないままだけど、私は多目的室の方へと踵を返した。

 




休憩しますか?

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