短編なら書ける気がしたので書いてみた。

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リンボなので書けました()


目が覚めたらリンボだったのでヒロアカを爆速で終わらせてみた!

ぽたりぽたりとしたたり落ちる何か。

おおこれは大変、血でした。

ささっと拭ってその出所を探す。

さてさてどこか。

そうそう、この辺りですな。

それぐさりと。

 

「―――――!?」

「ええはい、殺しますとも」

 

拙僧味方ではなく。

どちらかといえば敵でありますが故に。

 

「それではさようならおーるふぉーわん殿? おや、死んでしまいましたか」

 

 

 

 

 

 

目が覚めたらリンボだったのでヒロアカを爆速で終わらせてみた!

 

 

 

 

 

少し前の話。

拙僧――そう、偽物とはいえ拙僧はリンボ、蘆屋道満。

なのでこう、この世界の歪さはとても好ましい。

まるで地獄の様相である。

 

ふむふむ。

個性という名の異物を内包している人間のサガ。

そしてそれを受け入れざるを得なかった世界。

とても素晴らしい!

 

拙僧の()()()()()()()()()の話ですか?

それは最早存在などないに等しく。

拙僧にかかれば浸食して成り代わってぽーい、でございます。

ええ。

はい。

 

というわけで拙僧はこの世界の条理に則り、弱者を踏みにじり強者を嬲るという感じで行きたいと思います!

ええ、はい。

おーるふぉーわんなどという魑魅魍魎、この拙僧の作り上げる世界には不要。

わんふぉーおーるという特異点も消しておきましょう。

危ないですからね、はい。

 

 

 

 

と言った感じで冒頭に戻ります。

 

「―――――ンンンン」

 

ナイフは呪物。

とても恐ろしい蛇の毒を混ぜ混ぜして作った鉱物を使った特製のそれ。

それに刺されたものは激痛に苛まれながら石化するというとても珍しい物。

 

「それにしても不思議ですか? 拙僧から個性が奪えないのは?」

 

おーるふぉーわん殿の疑問もわかります。

ええ、わかりますとも。

しかし、この世界の理とは異なる世界の法則に従っている拙僧に、個性の有無は無駄。

 

「というわけで、申し訳ありませぬ。死んでくだされ」

 

さくーっと首を刎ねる。

ついでに体と頭は石化させる。

完璧に殺した。

ええ、完膚なきまでに。

 

「さてさて、次は……おーるまいと殿ですか」

 

たーげっとを思い出しながら、拙僧は魔術を行使する。

転移の魔術です。

目的地は彼が教師をしているという学校の校舎内。

そこに向かう。

 

 

 

到着。

そして目前にしなびた大根のような男が見える。

そう、あの男がおーるまいと殿。

それも弱体化している。

そうであれば、拙僧が勝つことは確定的に明らか。

ええ、木っ端微塵にしましょうぞ。

 

「ンンンンン」

「むっ! 何者かっ!」

 

何者か……と問われる。

その問いに答えるのは拙僧ではなく、依り代の少年でしょうか。

否、それはない。

拙僧が顕現している以上、拙僧が答えるものでしょう。

 

 

 

「―――――た、すけて」

 

 

 

おや。

おやおやおやおやおや!

まさか!

まさか少年の意識が残っていたとは!

拙僧驚きですぞ!

ンンンンンン!!!

 

「助けを求められてしまったら……助けないわけにはいかないなっ!」

 

ううむ、拙僧弱者を虐めに来たというのに、何やらあちらはやる気を出している。

これは困った。

困りましたねえ。

楽しいですねえ。

 

「今回は顔見せだけ。次は全力で」

 

そう言い残し、拙僧はこの場を去る。

なあに、切り札は最後まで取っておく。

めいんでぃっしゅも最後にとっておく。

そういうことです。

 

 

そして。

紆余曲折ありました。

敵対したり、味方したり。

はたまた第三勢力になったりと。

腐れ縁、という間柄にまでなっていましたが。

拙僧、我慢しておりました。

 

 

 

「それもこれも、今日という日を楽しみにしていたからこそ!!!」

 

 

 

目の前にはおーるふぉーわんを継承した少年。

そして、死に体となって転がるヴィラン連合の長。

 

「何を言ってるんですか、リンボさん!」

「ンンンンンン」

 

拙僧、彼の少年には味方として接していました。

何故ならばそれが少年の成長につながるから。

そして、絶望へと向かう最高の素材となることを知っていたからでございます。

 

「拙僧一度も……ええ、拙僧は一度も()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「……!」

 

そう、そしてこれは決別の証。

少年が信じた、味方だと思っていた存在が敵であった。

そしてその敵に踏みにじられる瞬間。

最高の瞬間でしょう!

それを感じる為だけにかなりの時間を費やし、人員を使い潰し、世界を歪めた。

 

しかし……それも今日までの事。

今日この時のために全て準備してきたこと!

 

「最高の瞬間……そう、最高の断末魔を上げてくだされ! デク殿!!!」

 

油断はなく。

慈悲もなく。

ただ単調に首を刎ねる。

ただそれだけのはず。

 

 

 

―――――だった。

 

 

 

「いや、それは困った。邪魔してしまったね」

 

 

 

しかしそれは、死に体となった少年から発せられた。

 

「そうだね、君は……道満君は思い上がりをしたね。たかだか石にしただけで殺しただなんて、そう思っていただなんて」

「おや、おやおやおやおや」

 

声が響く。

なるほど思い出した。

その声はそう、おーるふぉーわん。

その人の声だった。

 

「さて。ワンフォーオールを継承した少年、ミドリヤイズク君」

「っはい!」

「この子はもう限界だ。しかし、君に力を貸したい。どうだろう、その身体に僕を乗せてくれないか?」

「それは……!」

 

まさか。

まさかまさかまさか!

わんふぉーおーるとおーるふぉーわんが合体すると!

手を取り合って力を合わせて戦うと!

 

「一緒に力を合わせるというのですか!」

「そうだね。この子がそうして欲しいって言ったからね」

 

それは。

少年の気持ちを汲み取ったのか。

それとも他の理由があるのか。

拙僧には理解しがたい感情で動かされていたようだった。

 

「―――――わかりました。力を、貸してください!」

 

そして、デク殿はその手を取った。

なんと。

まさか。

今まで敵として戦っていた相手の手を取る!

なんと!

なんと愚かしい!

 

 

 

「それでもヒーローですか!?」

「そう、僕は―――――みんなを救うヒーローだ」

 

 

 

それは決意の証。

かつて無個性と蔑まれた少年の決意!

なんと。

なんとまぶしく、美しい物でしょうか!

 

「それをこの瞬間、最高の場面で食い潰すのが、拙僧のやりたいことでしたが!」

「おや、どうしたんだい?」

「やめました」

「ええっ!?」

「はい。やめました」

 

拙僧は魔術を行使して飛翔する。

誰も近寄れない。

追って来れない。

しかし、眼だけは拙僧を見据えている。

 

なるほどなるほど。

しかし拙僧は怯まない。

何故なら拙僧はリンボ、蘆屋道満なのですから!

 

 

 

「―――――だがそれを許すほど、私達は弱くない!」

「!?」

 

 

 

遥か上空から声。

その姿はまるで異形。

右腕だけが異常に隆起した、不可解な姿。

それが、遥か上空から落下してくる!

 

「お前の中にいる誰かの為にも、私は! 今この場で! 全力で殴る!」

「ン……ンンンンンンンン!!!」

 

急な方向転換は不可能。

あの速度で全力の一撃を加えられてしまえば絶命も必至。

 

どうする。

転移か。

否。

準備ができていない。

身代わりか。

否。

準備ができていない。

ならば。

ならばならばならば。

 

 

「受け止めましょう、その一撃を!」

「潔し! デトロイトォ―――――」

 

 

 

―――――スマッシュ!

 

 

 

 

 

直撃!

しかしそれでも。

拙僧は生きている。

無事でございます。

 

「確かに受けました。しかし……拙僧の方が一枚上手でした」

 

ただの一撃。

因果律さえ捻じ曲げる一撃。

それを止めるならば、こちらも()()()()()()()()()()()()

 

「ンンンンンこの世界との縁はなくなりました。暫くすれば拙僧、この世界から消え去ります」

 

とはいえ無傷ではなく。

依り代となった少年の身体を犠牲にして受け止めたため、この世界に存在することが困難になりました。

ええ、とても残念です。

 

「これでは、ただ単にこの世界を地獄にすることしかできませぬ……!」

 

だがしかし。

ええしかし。

目の前には少年が一人。

 

「そんなことはさせない!」

 

ワンフォーオールを継承し、オールフォーワンも継承した、恐らく最強にまで駆け上った存在。

それが目の前にいる。

 

「ンンンンンン言葉だけならば! 誰でも吐ける!」

「それでも! 言葉にしなければ始まらない!」

 

力そのものは十全。

術式も臨界点を突破している。

ただ放つだけで全ては終わる。

 

そう、だがしかし。

しかしだ。

そう、試したいこともあった。

 

「拙僧、力比べをしたいと思います」

「え?」

「拙僧が勝てば世界は地獄。しかし、御身が勝てば……そうですね、術式開放をやめましょう」

 

そう、それだけだ。

ただ単に術式を開放しないだけ。

その選択肢を与えた。

 

 

 

だがしかし。

拙僧が負けるはずがない。

魔術のフィードバックを受ければ戦闘力も問題なく、少年の命を削れば時間も持つ。

負ける要素がないのだから、この賭けは成立しない。

しないが、相手は受けるしかない。

 

 

 

「行くよ……!」

「ンンンンンンンいざや参らん!」

 

 

 

 

この日、世界は晴天に包まれたという。

 

 

 

 

 

 

 


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