GOD EATER:救雷の神鳴   作:ひょうたんふくろう

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141 神と喰らう者たち

 

 

「よーしみんな、グラスはもったかぁーっ!?」

 

 ──ルゥゥゥ!

 

 私・イン・マイ別荘ッ!! 今夜はフィーバーしちゃうぜええええ!!

 

「ちょーっと風景はよくないかもだけど! そこは雰囲気を盛り上げてカバーするってことでよろしく!」

 

 はいそこ、盛り下がること言わないの。恐れ多くもここは私の別荘──訓練室ですわよ? 私の実家であるエイジスとは別に、私だけのためにあてがわれたちょう巨大なお屋敷(?)の一室なんですわよ? そりゃあ、なんか微妙に床とか壁とか焦げた跡がついているけれど……。

 

 ……うんごめん、自分で言っていてなんだけど、さすがにここをパーティ会場にするってのはだいぶ無理がある気がするわ。

 

「す、すっごーい……! こ、こんなご馳走があるだなんて……!」

 

「普段飯を食わない場所で飯を食うっていうのなら……これもピクニックってことになるのか?」

 

 さて、真面目な話をすると。

 

 今から始まるのは──ティターニア討伐☆おつかれさま会だ。極東メンバーにフライアのメンバー……今回の一連の事件で駆り出されたみんなが、この私の別荘となった訓練室にラフな格好をして集まっている。榊博士やラケルせんせーといった偉い人はもちろん、あんまこういう場が得意じゃなさそう(?)な九条博士までいるという盛況っぷり。いないのなんて、それこそグレム局長くらいだろうか?

 

 んで、私たちの目の前にはちょう豪華な料理がこれでもかってくらいにいっぱいに並べられている。ビュッフェ形式……とはちょっと違うけれど、ピクニックみたいな感じでどれでもより取り見取り、好きなの選んでねって感じのスタイル。

 

 何もこんな訓練室でやることはなかろうに……と思ったけれど、ここなら私も参加できるっていう粋な計らいのためだろう。あと、地味に初のご対面となるムツミちゃんがチハルちゃんの背中に隠れつつ私のことをおびえた様子で見つめている。まさかピクニック会場にこんなデカいアラガミがいるだなんて思わなかったんだろうな……こいつぁ後でいっぱい甘やかさねばなるまいな?

 

「今日は無礼講! 好きなだけ飲んで好きなだけ食べてくれ! それじゃあ……かんぱぁぁぁい!!」

 

「「うぇぇぇい!!」」

 

 ──ルゥゥゥ!!

 

 かんぱーい、の声に合わせて私も吠えておく。ムツミちゃんに配慮してちょっぴり控えめな声量に抑えるあたり、私ってば配慮の行き届いた完璧なアラガミなのでは?

 

「肉! 俺その肉が良い!」

 

「あっ、私も! そのおっきいやつ!」

 

「そっちは俺が予約してたやつだし! 《血の力》の制御のために栄養付けとかないといけないの!」

 

 おーおー、若いのが肉に群がっているっていう。……いやマジに普通にお肉が美味しそう。パッと見た感じも、匂いすらも普通にお肉なんだけどどういうことだコレ? お肉って配給でもあんまりでなかったような気がするんだけど……豆腐ハンバーグてきな何かを頑張ってお肉っぽく見せているのだろうか?

 

「お前たち……あんまりみっともない真似は控えるようにしてほしいんだが……」

 

「まぁ、今日くらいは羽目を外してもいいだろ。それにほら、俺たちは戦友で……フライアの流儀で言えば、家族ってやつなんだから」

 

「リンドウ殿……いや、確かにそうかもしれませんね」

 

「……ほら、ジュリウス。俺らも飲もうぜ。これを逃したら次に酔えるのなんていつになるかわからない……というか、酔った勢いでもなければ言えないこと、お互いに結構あるんじゃないか?」

 

「えっ」

 

「一瞬だ。一瞬だけ胃が痛むだろうが、その一瞬さえ過ぎちまえばお互いに楽になる……と、思う」

 

「その言葉で、なんとなくいろいろ察することができるようになってしまった自分が恨めしいです……ええ、今日はとことんまで話し合いましょうか」

 

 リンドウさんとジュリウスが、酒瓶片手に若者たちを見つめつつ何かを話し合っている。あの雰囲気から察するに、きっとそこまで楽しいお話ってわけじゃあないんだろう。榊博士にラケルせんせーという良くも悪くも何考えているのかわかんない上司がいる者同士、愚痴を言いあっているのかもしれない。

 

「……本当に、あのときケイトさんがいたのかな」

 

「おうおうギル、なーに辛気臭い顔してんだあ? 無礼講だ、もっと景気よく飲もうぜ!」

 

 少し離れたところで、グラスを持ったハルさんがギルに絡んでいる──のはいいとして、なんかいますごいことサラって言ってなかった?

 

「ハルさん……ハルさんは、気にならないんですか? ナナが嘘をつくはずがないし、あの時は不思議なことがあまりにも起きすぎてるんですよ。だから、もしかしたら本当にケイトさんが……」

 

「……どっちでもいいさ、そんなこと」

 

「え……」

 

「ケイトはあの日、旅立った──んで、今も俺たちを見守ってくれている。けれど俺たちがあまりにも不甲斐ないってんでつい手を貸しちまった……そんなところだろ?」

 

「……」

 

「あいつらしいじゃないか。それに──もし、お前の言う通り本当にケイトがいるのだとしたら。それならまたいつか、きっと逢える。だから……あいつに説教されないように、胸張って前向いて生きていこうぜ?」

 

「……ですね!」

 

 ハルさんとギルがグラスとグラスをぶつけ合って、どこか吹っ切れたように笑いあっている。なんだかこう、映画とかゲームのエンディングのワンシーンを見ているみたいな気分。

 

 ……ケイトって言ってたよね? えっ? なんか話の雰囲気的に、あの時一緒にケイトさんも戦っていたってこと……? 追憶キャラってゲームのおまけ的な要素のはずだよね……? いや、死んだロミオが生き返るくらいなんだから、死人が追憶キャラとして協力してくれるくらいなら普通にあり得るのか……?

 

 あああ……! できればその辺詳しく聞きたい……! けれど私のワガママダイナマイトボディじゃこっそり近寄って聞き耳立てるなんて絶対無理……! ちくしょう、なんか二人してほろ酔い気分で思い出語り合っちゃってっさあ……! ええおい、幸せになってくれよマジでよぉ……!

 

「だーかーらぁ! 別にあいつとはそんなんじゃないからっ!」

 

「いいや! 三年前を知っている神機使いの大半が、件の少年とキミのことを知っている……! そうでしょう、カノンさん!」

 

「はい……! もう、本当に甘酸っぱい感じで……! 私たちみんな、任務の合間に三人の姿を見るのが本当に楽しみになっていたんですよ!」

 

「ほら! どう考えてもそういうことじゃあないかッ! ……許さないとは言わない! けれど! せめてその少年がキミを託すにふさわしい相手であるかどうかは確かめねばなるまいッ! わが親友も絶対そういうに決まってる!」

 

「エミールさんの言うことはともかくとして……しばらくはゆっくりできそうですし、久しぶりに三人で会ってみるのもいいのでは? エリナちゃん、神機使いになってから……会っていないでしょう?」

 

「うー……そうだけどぉ……」

 

 あっちの方では、エリナちゃんとカノンちゃん、そしてエミールが盛り上がっている。推測するに、あのほほえましい三角関係のことでも話しているのだろう。いったい何がどうしてそんな話になっているのかはわからんけれども、まぁ話に花が咲くことに悪いことはなかろう。

 

 あと個人的に、カノンちゃんのお菓子をもっと食べたいところではあるんだけど……私のおててもおくちもおっきいから、あればっかりは【あーん♪】してもらえないと食べられないのよね。そうじゃないと箱ごと全部食べちゃうことになっちゃうし……。

 

「あああ……もぉ……! いったいどうなってるんですかアレは……!」

 

「ま、まぁまぁ……」

 

「愚痴ならいっぱい聞いてあげるから、ちょっと落ち着こう……?」

 

 ……おん? あっちではヒバリさん、リッカちゃん、フランちゃんが三人でサンドイッチみたいなものを食べながらお話している。地味にちょっと珍しい組み合わせ……というか、リッカちゃんとフランちゃんの絡みって実はあんまり見たことがないのよね。二人とも、ヒバリさんとはよく絡んでいるからなんとなく仲良しのイメージがあるけれども。

 

「あの蒼い神機兵! 全然制御ができないからって! 【お前が一番好かれやすいんだから、お前が調教してこい】ってグレム局長が!」

 

「あー……」

 

「そういえば、男の技術者だとあんまり言うこと聞いてくれないって話らしいね、アレ」

 

「そうなんですよ! 聞くことには聞いてくれるんですけど、なんか嫌々聞いてあげてるって感じがして! そのくせ、女性が相手だと喜んで動くし!」

 

「うわあ……まんま、ルーの挙動と同じじゃん……」

 

「あはは……通信機越しの制御も、男性オペレーターよりも女性オペレーターのほうが上手く動かせるって話でしたもんね……」

 

「あの厳つい見た目の神機兵が、ルーみたいに懐いてくるんですよ……!? 悪気がないのはわかってますけど、毎回毎回心臓が破裂しそうになるんですよ……っ!! でも、量産運用のためにも確実な制御と調教は必須だからって……! もし、私が失敗したら開発費の回収が……!!」

 

「…………なるべく早く、技術的に制御できるように協力するよ」

 

「わ、私も……たまになら、一緒に調教訓練に参加するので……ね?」

 

 あらまあ。ぐすぐすと涙目になったフランちゃんを、リッカちゃんとヒバリさんがこぞって慰めている。二人して背中をポンポンと叩いて、その肩を優しく抱きしめて……と、思う存分に甘やかしてあげている。こういうちょっとした何気ない優しさ、私ってば大好物ですわ。

 

 それにしても……あの蒼い神機兵、マジでどうなってるんだろうね? 一応暴走神機兵のはずなのに、それなり程度には制御できているっぽい? ロボットみたいに操ることはできなくとも、ちょっとした動物みたいな感じで調教しているのかしら……?

 

 まぁ、各支部に数機体も配置されれば十分に活躍してくれることだろう。時々興奮しすぎてアラガミらしさがでちゃうけれども、それ以外はマジでつよつよ神機兵なわけだし。適当に配置しておくだけで勝手にアラガミを食べて勝手に充電(?)までしてくれる優れものなんだから、きっと買いたいと望む支部もいっぱいあることだろう。元の素体さえあれば、私が雷を当てるだけでできちゃうわけだし、量産性もばっちりだ。

 

 問題があるとすれば──それをグレム局長がどれくらいのお値段で売るのかってところだろう。せめて、倫理道徳に反しない範囲での価格で販売してほしいところ。そこらへんはレアせんせーや榊博士にも目を光らせておいてほしいけれど……まぁ、あまりにふっかけるようなら、私がヘソを曲げれば済む話だ。

 

「なあ、レイナ……」

 

「うん……本当に、本当だったんだね」

 

「──私に何か用か?」

 

 雨宮ツバキさん──それも、クレイドルの制服に身を包んだツバキさん。少なくとも私の記憶の範囲ではクレイドル仕様のツバキさんなんて見たことがなかったけれども、ともかくそんなツバキさんが新入り二人に絡んでいる……いやこの場合、新入り二人のほうからアプローチをかけたというべきか?

 

「どうにもさっきから視線が気になってな……確か二人とも、最近入隊したばかりだったな?」

 

「は、はい……その、チハルさんたちからツバキさんのお話は伺っていまして。その、チハルさんたちの先生だったとか」

 

「あいつらの先生というよりかは、この極東の神機使い全員の先生と言ってもいいだろうな。クレイドルに配属されるまでは、新人の教練担当だったから。お前たちのように、私に関わりのない神機使いのほうが珍しいくらいだ」

 

「そりゃまたなんとも……ぜひ、機会があればご指導いただきたいです」

 

「……ふふ。迂闊にそんなことを言っていいのか?」

 

「えっ……?」

 

「キョウヤは私のことを【鬼教官】だとか、【スパルタ】だとか……そんな風に言っていなかったか?」

 

「あっ……い、言ってたような……」

 

「ヤバい女王様だとか、舐めた口を利いてめちゃくちゃしごかれたとか言ってた……」

 

「──やっぱり(・・・・)、言ってたんだな?」

 

「「あ゛」」

 

「──久しぶりに、教え子の根性を鍛えなおすとしよう。せっかくだ、お前たちも一緒に受けてもらおうか」

 

 くっくっく──と、ツバキさんが楽しそうに笑いながら上機嫌にお酒を飲んでいる。一方で、ケイイチとレイナちゃんは顔がさーっと青くなっていた。改めて見てみると、ド派手な女王様が若い子をからかって遊んでいるようにしか見えない。

 

 まぁ、極東の神機使いはみんなツバキさんの洗礼を受けるし、これもある種の通過儀礼みたいなものなのだろう。ヒトはそうやって成長していくのだから仕方がない。

 

 あとケイイチ、今のツバキさんはめちゃくちゃ上機嫌だと思うぞ? そうじゃなきゃお前、それだけ露骨にチラ見していてお咎めなしなんてありえないからな? 鬼の指導のあとじゃそんなこと考える余裕すらなくなっているだろうし、マジでお前今とんでもないことしてるんだからな?

 

「な? ほら、やっぱなんとなくユウとヒロって雰囲気似ているよな!?」

 

「そ、そうかな……?」

 

「なんか、そう言われると逆に恐れ多いと言うか……」

 

「……似てるな、やっぱり。それにお前ら……戦い方もそっくりだ。ユウもブラッドアーツが使えるようになったわけだし、ますます似てきている」

 

 あっちの方では主人公の二人がコウタとソーマに囲まれて感動(?)の対面を果たしている。や、正確に言うならあの戦場で顔を合わせているはずだけれど、しっかりお話するのは今日が初めてってところだろうか。

 

「でもちょっと不思議な気分だな。今までずっとアリサやコウタからこっちの状況を連絡してもらっていたから……なんだか、初めましてって気分じゃないんだ」

 

「そうなんですね……俺も、コウタさんたちからお噂はかねがね伺っています。あの第一部隊の元隊長であるユウさんとお話できるなんて、本当に光栄です」

 

「そういうそちらこそ、その若さであのブラッド隊の副隊長って話じゃないか。……たぶんだけど、年も近いよね? 僕もあんまりかしこまったやり取りは苦手だし……お互い、普段の調子でしゃべるってのはどうだろう?」

 

「い、いやいや……俺なんて、名ばかり副隊長だし入隊一年目ですよ……?」

 

「あはは。僕だってキャリア三年だし、隊長になったのだって成り行きというか、本来ならありえない事故みたいなものだったから。むしろ《血の力》を使える分、そっちのほうが注目されていると思うけど」

 

「そーゆーユウも、入隊当初は新型ってことでめっちゃ注目されてたけどなー」

 

「懐かしいな……なんだか、思い出話に花を咲かせたい気分だ」

 

「そうだね……僕も、なんだかそんな気分だよ。このメンバーで集まれることってあんまりないし……身内だけの機会ってのもそうそうない。それに……」

 

「それに?」

 

「ルーを見てたらさ。なんとなく、シオのことも思い出しちゃって。ヒトと分かり合えるアラガミがこれからまた出てくるのかはわからないけれど……また、みんなとシオの話をしたいなって」

 

「……ん? シオってなんですか?」

 

「「あっ」」

 

「えっ?」

 

 …………なんだかとっても爆弾発言を聞いてしまったというか、失言を聞いてしまったというか。なんとなくもうみんな身内みたいなノリで話していたけれども、シオちゃん……というか、三年前のことは話していなかったっぽい? ヒロは明らかに「シオ」のことは理解していないみたいだし、そしてソーマとコウタは微妙に焦っていて……そして、遅れてじわじわ「やっちまった」ことを察したユウさんの顔から血の気が引いていってる。

 

 あれでも……ゲームだと、確か最終決戦のちょっと前くらいにコウタがシオちゃんについてGE2主人公に語るシーンがあったような? まぁそんな細かいところまでいちいちシナリオ通りなわけはないか。

 

「確かに言われてみれば……なんとなく、雰囲気は似ているかもしれませんね」

 

「でしょう? 前にも話したと思いますが……初めて会ったときは、本当にびっくりしましたから」

 

 お菓子をつまみながら、アリサとシエルちゃんが主人公たちを見て語っている。……改めて考えると、美人ってやっぱすげーわね。二人並んで座ってお菓子を食べているだけで絵になるんだもの。たぶん私が同じことをやってもただのアラガミの生態観察日誌にしかならないわ……あれっ、それはそれで唯一無二の貴重な資料なのでは?

 

「しかし……そうなると、シエルさんも苦労されるかもしれませんね……」

 

「はて……? 苦労とはいったい……」

 

「……あまり、こういう話ができる人は周りにいませんし、この際なので言いますけれども」

 

「は、はあ……」

 

「…………ユウは、ものすごく朴念仁です」

 

「……えっ」

 

「全ッ然気づいてくれませんし、思わせぶりなことをする割には完全に素で全然そういう意味じゃなかったり……!」

 

 あらやだ、これってもしかして恋バナ? 恋バナなの? これ私聞き耳立ててもいい感じ……?

 

「女性に帽子を贈る──このご時世、そこまで気にかけてくれるってことは、つまりそういうことでしょう!? なのにユウは、完全に、ただの善意で! ……本当にただの善意で、そういうことをするヒトなんですよ……」

 

「……大切な仲間に贈り物をするというのが、そんなにおかしいことなのでしょうか?」

 

「……ああ、シエルさんはまだそっち側なんですね。……ふふっ、気づいたときに慌てふためいても遅いんですよ……?」

 

「…………?」

 

「……ヒロさんも、まず間違いなく朴念仁ってことですよ。今までそういう経験、ありませんでした?」

 

「よくわかりませんが……アリサさんが懸念するようなことは無いかと。だって、私とヒロは」

 

「ふむ?」

 

 

 

「──向こう100年はずっと仲良くしましょうと、約束した仲ですから」

 

 

 

「え゛っ」

 

「たとえすぐには伝わらなくても。ずっと一緒なら、いつか必ず気持ちは伝わる……そうでしょう?」

 

「い、いやいや……! それって実質ぷろぽー……いえ! シエルさん、あなた【仲良く】でいいんですか……!? 100年ずっと【仲良し】のままでいいんですか……!?」

 

「それが何か……?」

 

 ああ……やっぱりこっちでもその発言はあったのね。ってことはつまり、シエルちゃんのキャラエピを進めている途中で進行不能になるバグも発生していたってことかしらん? それはなんともうらやまけしからん……けれども、私個人としてはシエルちゃんはヒロとくっついてもらいたい派だから、順当に仲が深まっていて何よりって感じですわ。

 

 でもそういやァ、ゴッドイーターで恋バナってあんまり聞かねえな……? そういうゲームじゃねえからって言われればそれまでだけれども。個人的にはGEBでリッカちゃんに抱き着かれたのが一番心に刺さりましたわァ……!

 

「ささ、九条博士も遠慮せずに。……おっと、お酒は飲める人だったかな?」

 

「ど、どうも……」

 

 ちょいと離れたところで、あの榊博士が九条博士に酒を注ぐというとんでもなくレアな光景が繰り広げられている。あの感じ……だいぶお高めのワインか何かだろうか? 少なくともビールや日本酒って感じはしないし、カクテルやチューハイでもなさそげ。

 

「お、おう……っ! いやはや、これはなんとも……っ!」

 

「む……リンドウくんやハルオミくんのお気に入りのものなのだけれども。お口には合わなかったかな?」

 

「い、いいえ……っ! その、こんなに強い酒を飲むのは初めてで……っ!」

 

 あらまあ。ほんの一口二口しか飲んでいないのにお顔がまっかっか。まぁ見るからに酒に強いタイプではないからなあ。

 

 ……でも、それはそれとして、なんか私の知っている九条博士に比べてだいぶ男前というか、なんかちょっと雰囲気が違うような気がしないこともない。

 

「そうか……いや、すまないね。私はほとんど酒を嗜まないものだから」

 

「わ、私も……滅多に飲むことは無いです。喉を焼く感覚というのも、随分と久しぶりです……」

 

「……聞いていいものなのか、迷っているのだが」

 

「はい……?」

 

「結局……九条博士の今後の処遇はどうなったんだい? 前にも言った通り、極東支部の特別技術顧問の枠は確保してあるからね。予算や部屋の割り当てを決める都合上、なるべく早く色よい返事をもらえると嬉しいのだが」

 

「──あげませんよ、この人は」

 

「わっひゃあ!?」

 

 あら。

 

 あらあら。

 

 あらあらあら!

 

 あのラケルせんせーが……! 九条博士の腕をとってにこやかに笑っている……!? そんでもって、九条博士の顔も耳も首も、なんだか茹でたタコみたいに真っ赤っかになっちゃっているですわよ……!?

 

「ふふふ……油断も隙も無いとはこのことですね……」

 

「むう……しかしだね。あの時グレム局長は、研究室を見納めておけ……なんて、言っていなかったかな?」

 

「あんなの、とっくに取り消させましたわ……。今の九条博士は、フライアの……いいえ、人類の未来のためにいなくてはならない最重要人物ですもの。それにグレム局長とも毎日のように顔を合わせて進捗確認したりするほど、仲良しなんですよ……?」

 

「はは……【プレゼン能力を鍛えろ】、【事実を客観的に数字を使って説明しろ】、【もっと経営者的な視点も持て】……なんて、鬼のように詰められていますけどね……」

 

「「……」」

 

「お前があの時ちゃんと神機兵の性能について説明していたら、俺が無駄に気をまわす必要なんてなかったんだって……っ! 極東に来てからちゃんと成果をラケル博士やレア博士に報告していたのかって……っ! そもそもあの時、二人ともほとんどフライアにはいなかったのに……っ!!」

 

 あらまあ。ラケルせんせーとレアせんせーがどことなく気まずそうに視線をそらしている。というか、九条博士ってもしかしなくとも泣き上戸てきなアレ? ちょっと聞き耳立てているだけで、今まで吐けなかったのであろう愚痴がでるわでるわ。

 

「だいたい! コスト面なんて私に言われてもわかるわけがない! アレを売るのはグレム局長の仕事だ! 聞かれてもないのに答えられるわけないだろ! 他所の支部からの干渉なんて、現場の技術者には関係ないっ!」

 

「え、ええと……アレであの人、九条博士のことを見直しているみたいなんですよ? ちゃんと毎日顔を合わせて話をするようになったのもそうですし、無理難題を言っているように見えても……その、スキルアップやさらなる成長を願ってのことなんですから。口には出してませんけど、ビジネスパートナーとして命運を共にするつもりだったり……」

 

「だったら研究だけに専念させてくれぇぇぇ……!」

 

 少し近くでジュースを飲んでいたリッカちゃんが、ドン引きした様子で九条博士……というか、ラケル博士たちを見ている。お酒のせいかはわからんけれども、私の知っている九条博士よりもずいぶんと感情表現が豊かであるというか、本音を口に出せる人であるらしい。おーんおんおんと泣きながらお酒をぐびぐび飲んで、榊博士に絡んで……わーお、榊博士の困惑している顔なんてだいぶ珍しいぞ。

 

「…………アナグラに来てくれたら、研究だけに専念させてあげられるのだが」

 

「えっ……!?」

 

 あら。もしかしなくても榊博士ったら、割とマジにヘッドハンティングしてる感じ? よくよく考えてみれば、ちょうど九条博士くらいの中間世代の技術者とかって全然見かけないし、何気にけっこー後継者不足の危機というか、次の世代の候補として九条博士って結構な優良物件のような気がする……?

 

「榊博士……? 私やお姉さまの前で堂々と引き抜きですか……?」

 

「いやいや……事実を述べたまでだよ」

 

「だとしても……あまりにもやり口が強引じゃなくって? まるでグレム局長みたいですけど」

 

「──なんなら二人とも、一緒にアナグラに移籍しないかい?」

 

「あらやだ、すごいパワープレイ」

 

「しかもしれっと、九条博士を引き入れるのは確定みたいな口ぶりですね……」

 

「ははは。それだけキミたちの能力に……いいや、キミたち自身に魅力を感じているということさ」

 

 どうなんだろうなあ。ぶっちゃけアナグラにフライアの面々が加われば鬼に金棒って感じではあるけれども。グレム局長がそれを許さないだろうし、あの移動要塞が完全に腐るのがいただけない。能力のある人たち同士で研究開発すればすんげえことがいろいろできそうではあるけれども……この極東にリソースを集中させるってことはつまり、ほかがおろそかになるし、最悪何かあった時に一発で機能停止になりかねないっていう。

 

「おお……? 榊博士、それはもしかしてとても素晴らしい提案なのでは……!? それならみんな一緒だし、フライアであちこち移動するよりもこの極東に腰を落ち着けて研究するほうが捗りそうだ……! どうせ、この極東のアラガミ以上に驚異的なアラガミなんてほかにはいないのだから……!」

 

「ちょっとラケル……九条博士、だいぶ心を揺さぶられているわよ? あなた、なんとかしなさいよ……」

 

「……私に一体どうしろと?」

 

「どうって……普段みたいにやればいいのよ。……どこでそういうの覚えたのか、知らないけれど」

 

「…………よくわからないですが、私としても九条博士とお別れするのは寂しいですからね」

 

 本当に、それだけですよ──なんて、ラケルせんせーはつぶやいて。

 

 そして──にこりと笑って、改めて九条博士の腕をとった。

 

「うひゃあっ!?」

 

「あら」

 

「おや」

 

 やーっぱこの人、女慣れしてねえよなあ。このご時世なんだから、安定した職を持っているってだけで引く手数多なはずなんだけど。いやまあ女慣れしている九条博士なんてなんか解釈違いではあるんだけどさ。

 

「九条博士」

 

「はは、はいっ!」

 

 

 

「──今度、一緒に食事でもいかがですか?」

 

 

 

「えっ!?」

 

 えっ。

 

「……イヤ、でした?」

 

「ま、まま、まさか! た、ただ、どうしてそんないきなり……!?」

 

「だって……以前、お誘いしてくださったではありませんか」

 

「お、覚えてたんですか……?」

 

「……イヤなら、いいですけど」

 

「そ、そんなことありませんっ! ぜ、ぜひ! ぜひよろしくお願いいたします!」

 

「ふふ……約束、ですよ?」

 

 すげーな、ラケルせんせー。どうしてこうも男心をくすぐることができるんじゃろ? いくら九条博士がチョロいっていっても、明らかに自分がどう見られているのかわかっててやってるよね……? レアせんせーならまだしも、いかにも清純でおとなしそうなラケルせんせーが男を手玉に取るってちょっとびっくりしちゃいますわ。

 

「そ、それで……場所はどちらで? 何ならフライアの食堂を貸し切りに──」

 

「──もちろん、このアナグラのラウンジで、みんなと一緒に……です」

 

「……あ、ああ! そ、そういう……」

 

「家族みんなで食べる晩餐は、とっても美味しいのですよ……?」

 

「は、はは……いや、少しは前進したと思うことにしよう……」

 

「……何か?」

 

「い、いえっ!」

 

「……私が言うのもなんだが、キミの妹君は随分と……その」

 

「言いたいことはわかりますわ……でも、これがあの娘なりの最大の親愛表現なんですよ……あの娘がああいう風に人をからかうこと自体が、めったに見られないことなんですよ……」

 

 そうだよなあ。前までは誘っても普通にスルーされていたもんなあ。そう考えると、向こうのほうから誘ってくれたあたり、ラケルせんせーも九条博士のことを認めてくれたってことなんだろう。さすがにいくらなんでも年が離れすぎじゃねって思わないこともないけれど、本人たちが幸せならそれでいいや。

 

「なーに大人しくしてるんだ、お前」

 

 おん?

 

「ふふっ……ルーちゃんにはちょっと、退屈だったかも?」

 

 おや。

 

 おや!

 

 おやおやまあまあ!

 

 何とも嬉しいことに……コクーンメイデンのコアをたくさんもったチハルちゃん……とキョウヤが来てくれたじゃあないですの! もしかしてこれ、私のためにわざわざ用意してくれた感じ? 明らかにこのおつかれさま会に似合わない逸品ですけれども、そういうことであってるよね……!?

 

「ち、チハルおねえちゃん……ほ、本当に大丈夫なの……?」

 

「うんうん、気持ちはよくわかる……けど、今までずっと大人しくしていたのは見てたでしょ?」

 

「大丈夫、こんなおっかねえツラしてるけど、中身はマジでガキみたいなもんだから。ムツミちゃんならどう考えてもめっちゃ気に入られるって」

 

 チハルちゃんの背中に隠れて、おずおずとこちらを見つめてくるムツミちゃん。そんなムツミちゃんの背中をぽんぽんと叩くチハルちゃんとキョウヤ。これだけ見てみると、チハルちゃんとムツミちゃんが仲の良い姉妹のように見える……のはいいとして、キョウヤのやつはなんで私の鼻をぺちぺちと叩いてるんだ? おん? よっぽど顔面舐めまわされるのが気に入ったようだな?

 

「ちと足りないだろうが……まぁ、物足りない分は後で自己調達してくれや」

 

 ほれ、喰っていいぞ──と、キョウヤのやつが私の前にコクーンメイデンのコアを差し出してくる。本当なら腕ごと食らいついてやりたいけれど、たぶんそれやったらムツミちゃんからの「あーん♪」はなくなるだろう。キョウヤのやつはきっとそれをわかっていて──アッ、この野郎勝ち誇ったように笑ってやがる……!

 

 ──ルゥゥ……。

 

「……な? 間違ってもムツミちゃんを襲ったりなんかしねえよ」

 

「…………たまにキョウヤさんのジャケットから匂ってたの、これだったんだ」

 

 まあ、私は優しいママだし?

 

 今はこのコクーンメイデンのコアで我慢してあげないこともないこともないですわよ? 決して、キョウヤからの脅し(?)に屈したわけじゃあなくってよ?

 

 あああ、ちくしょう……! 手の上のコアだけを食べるって案外難しいんだよ……ッ! 普段だったら人目も気にせず腕ごと舐め取ってやるのに……ッ! くそ……ッ!

 

「ホントだ……コアだけ食べてる……」

 

「ムツミちゃんもやってみる? その、手はちょっと汚れちゃうかもだけど」

 

「う、うん……その、ちょっとだけ……」

 

 なんか手袋っぽいのをしたムツミちゃんが、コクーンメイデンのコアを持っておずおずと私の口元に近づいてくる。……チハルちゃんが肩を支えているとはいえ、若干涙目で足も腰もプルプル。たとえるなら、超バカデカい猛獣を前にして無防備で餌やりをするような気分なのだろう──自分で言っていてなんだけれども、例えでもなんでもなくマジでそういう状況じゃね?

 

 ──ルゥ。

 

「お」

 

「あっ……」

 

 思いっきり伏せて、そんでもってお口を大きく開けておく。これならば私のお口にコアを放り投げるだけの安心安全設計ってワケ。戦闘はつよつよな上に配慮もできるとか、私ってばもしかしなくても無敵か……?

 

「ふふっ……本当にやさしいんだ。……はい、あーん!」

 

 ──ルゥ!

 

 コクーンメイデンのコアめっちゃうめええええええ!! しかもムツミちゃんの「あーん♪」ですわよ!? こりゃもう掛け値なしの値千金、プライスレスな一生モノの体験ですわよ!

 

「おいしそうだね、ルーちゃん!」

 

「現金な奴だよなあ……俺が喰わせたときはこんな反応しなかったってのに」

 

 そりゃそうだよ。お前、逆に考えてみ? 可愛い女の子からの「あーん♪」と、男子高校生の手から喰うのが同じなわけなかろうに。お前だってほら、どうせやってもらうなら可愛い女の子からのほうが百億万倍いいだろ? こういう体験、いつできるかわかったものじゃないんだから。

 

「ねえ、アラガミさん……ううん、ルーちゃん」

 

 おん? どした、なんでも言ってごらんなさい? ママ、あなたのためなら何でも頑張っちゃうわん!

 

 

 

「チハルおねえちゃんを──みんなを助けてくれて、ありがとう!」

 

 

 

 ……えっ。

 

「ずっと、ずーっとお礼を言いたかったの。あの日、チハルおねえちゃんを助けてくれて……そのあとも、ずっとみんなを助けてくれて。キョウヤさんの黒蛛病も、治してくれて」

 

 ……あかん。

 

「……私がルーちゃんのことを知ったのは、ついこの前だけど。でも、みんなを助けてくれる【誰か】がいるのはなんとなくわかってた。あの日から少しずつ、帰って来るみんなの顔が変わっていたから」

 

 ……ヤバい、泣きそう。その不意打ちはズルすぎる。こんなに涙脆くなんてなかったはずなんだけれど。

 

「私には待っていることしかできないから。だからせめて、みんなを助けてくれた【誰か】にずっとお礼を言いたかったの。……だから、今日のパーティに参加させてって無理にお願いしたんだあ」

 

 お礼を言われるためにやったつもりじゃなかった。誰かに褒めてもらうためにやっていたわけでもなかった。そもそもとして、毎回のようにチハルちゃんたちにお礼の言葉は言われていたけれども。

 

 それでも──こうして、私のことを知らなかったはずのムツミちゃんから。先入観も偏見もなく私のやったことを認めてくれる……そんな、労いの言葉を聞いてしまって。

 

 ──ルゥ……。

 

「うん? ……なんだお前、いつになくしおらしいじゃねえか」

 

「ふふっ……ルーちゃんでも、センチメンタルな気分になることがあるんだね」

 

 割とマジに泣きそう。たった一言だけなのに、なぜだかすごく心に刺さる。やっぱ人間、子供からの無邪気でストレートな言葉には弱いもんだ。きっと私は、こういう子たちを守るためにこの世界に生まれた……のかもしれないなあ。

 

 私ってばマジでチョロいから……たったこれだけで、すごく報われた気分になっちゃう。なんだかもう、どうしようもなくうれしくて、そこらを走り回りたいくらい。

 

 ……でも、今はそんなことはできないから。

 

 ──ルゥ!

 

「わ……!」

 

「お」

 

「ふふっ……!」

 

 ムツミちゃんとチハルちゃん、あとついでにキョウヤのやつをまとめて自慢の尻尾で包み込む。ふわっふわでもこもこで、超手触りのいい最強のクッション。大体の人間は私のこのふわふわに包まれることで五分もかからず寝落ちするという、危険すぎる秘密兵器。

 

「わあ……! すっごくふわふわ……! あったかい……!」

 

「でしょ? ほら、おなかも触ってごらん? ルーちゃんのおなかで、尻尾に包まれてお昼寝するとすっごく気持ちいいんだよ!」

 

「そういやァ、久しくこいつで昼寝をしてなかったな……」

 

 私のおなかに全力で抱き着いてくるチハルちゃんとムツミちゃん。キョウヤのやつは、ただされるがままに体を預けている。

 

「本当に、びっくりするくらいに毛並みも手触りもいいんだよな……今度、端材が出たら俺の服も作ってもらえないかな。この前一着破れちまったし」

 

「いいかもね! ……あっ、そうしたらムツミちゃんもエプロンか何か作ってもらおう? そうしたら三人でおそろいだよ!」

 

「えっ……いいんですか……? その、それってすごく貴重なんじゃ……」

 

「もともとサンプルの確保でケツの毛毟ったりしてるし、こいつのコートも作ってるからな。タオルハンカチだってもう結構な枚数作ってなかったか?」

 

「便利で使い心地が良いからって、ブラッドのみんなにも配れるくらいには作ってるね。エプロンくらいだったらよゆー!」

 

 この娘たちのためだったら……あとついでにキョウヤのぶんも。私の毛くらいいくらでも用立てる所存。エプロンだけなんてケチくさいこと言わず、帽子も靴下も上着もズボンも……全部作ってあげちゃいたいくらい。ハンカチもタオルも、なんなら毛布もセットでつけちゃう。どうせアラガミだし、適当に食べてたら翌日には生え変わってるしね。

 

「そしたら私……チハルおねえちゃんと同じ、おそろいのバンダナが欲しいな……!」

 

「いいねえ! じゃあ、みんなでおそろいのタオルバンダナを作ってもらおっか!」

 

「あー……だったら、なんとかしてフェンリルのエムブレムも入れてもらいてェな。それだったらまぁ、ちょっとはサマになるだろ」

 

 私のおなかに全身をうずめて、チハルちゃんたちがイチャイチャしている。なんだかんだでおりこうさんなクッションと認識してもらえたってことだろう。初対面でビビられるって反応、久しぶりだったから地味にちょっとショックだったのよね……。

 

「本当に、本当に気持ちいいなあ……!」

 

「背中に乗って思いっきり走るのもすっごく楽しいんだけどねー……こればっかりは、さすがに今は厳しいのかなあ」

 

「だな。いくらなんでも完全に一般人のムツミちゃんを外には出せないだろ。……まぁ、こいつがこの訓練室に居ついているときは、俺らと一緒ならいつでも会える。その時は好きなだけ遊んでもらえるさ」

 

 そうなると、本格的に根城をこっちに移すべきか……? 榊博士たち的にも、私がこっちにいたほうがいろいろ研究は捗るだろうし、緊急時の救援要請があったとしても移動が楽だし……でも、さすがにアナグラ内部にこんなイケメンアラガミを飼育しているってのは外聞が悪すぎる。いくら安心安全保証付きとはいえ、外部の人間からしてみりゃおっかないか……。

 

 それによく考えたら、私にこの訓練室は少々狭すぎる。たまにならいいけど、ここでぐうたら生活していたら体が鈍りそう。や、おなかはいつでもぺこちゃんだから、太るってことだけはないだろうけれども。

 

「……おい、いまなんか腹の中からすごい音しなかったか?」

 

「あっ……やっぱり、ご飯全然足りないのかな……」

 

 あらやだ。ご飯のことを考えたら思わずおなかが鳴っちゃった。まぁ、みんなが楽しそうにご飯を食べている中で、私が食べられるのはコクーンメイデンのコアだけ……となれば、それも致し方なし。

 

 大丈夫、全部終わったら個人的にアラガミ☆食べ放題にいくから。何気にあのティターニアがいたあたり、いまだに結構アラガミが残っていて食べ放題スポットになっているのよね。

 

「うーん……確かに、ルーちゃんにはちょっと物足りないかも? さすがにすぐにどうこうってことはないけど……ずーっとおなかが空いているってのは辛いよね」

 

 そうそう。しかも微妙に我慢できるかどうかギリギリのライン上の空腹なんだよね。我慢できないことはないけれど、かといってこのままだと安眠はできませんよって感じ? 何でもいいから口に入れないと落ち着かない気分って言えば伝わりやすいだろうか?

 

 ……ん? ちょい待ち、今チハルちゃんなんて言った?

 

「それに、しっかり食べないと」

 

 私のことを。

 

 私の方だけを見て。

 

 そしてチハルちゃんは──いたずらっぽく、ほほ笑んだ。

 

 

 

「──ママの自慢のワガママダイナマイトボディ、なんだもんね?」

 

 

 

 お゛っ!?

 

「あん? ……いま、なんていった?」

 

「んー? ……ないしょ!」

 

 あかん。

 

 ヤバい。

 

 すっごく意味ありげに……まさしく、からかいがいのある玩具を見つけたかのような顔で、チハルちゃんが私のことをみている。

 

「ルーちゃんってば……そんなこと考えているんだもんねえ……?」

 

 たぶんコレ感応現象だ……! 感応現象で私の心か何かを読み取ったっぽい……! 何よりヤバいのは、私との感応現象の場合、私自身は何を見られたのか、さらに言えばいつ感応現象が発生したのかまるでわからんところが致命的にヤバい……!!

 

 いつだ……!? いったいいつからバレていた……!? というか割とマジでどこまでバレてる……!?

 

「…………ルーちゃんのえっち」

 

 ごめんなさい。

 

 割とマジでごめんなさい。

 

 何でもするから許して……! お願いだからママのことを嫌いにならないでぇ……! 悪いところがあるなら直すからぁ……!

 

「ふふ……っ! そうだよねえ……? 私のほうが『おねえちゃん』だよねえ……?」

 

 ええ、ええ、そうですとも! チハルちゃんのほうがおねえちゃんですとも! これからはわたくし、弟妹キャラに鞍替えしていきますとも! だからどうか、後生ですから何卒そこらへん穏便に取り計らっていただきたく……ッ!!

 

「どーしよっかなあ? ちょーっと考えちゃうかもなあ?」

 

 えっ……嘘、リアルタイムで読み取られてる……!? いや、そんなことはないはず……! 多分これはあくまで私の性格から、私の考えを推測してそれっぽいことを話しているだけのはず……! 感応現象はそこまで便利なものじゃないし、今まで全然感応現象なんてできなかったのに、今更ホイホイできるわけがない……! それにほら、キョウヤだって感応現象してないし!

 

「……そうだ、一個だけお願い聞いてくれる? そしたら許してあげましょう!」

 

 イエスマム! あなたのお願いなら、いくらでも聞いてあげますわ!

 

 ……して、そのお願いとは? できればその、実現可能なものだと嬉しいのですが……。

 

「えっとね……私からの、一生のお願い。これさえ聞いてくれれば、私はもう……何もいらない」

 

 えっ、なんか割とマジで重い感じのやつなの……?

 

 

 

「……これからも、ずーっと私たちと一緒にいること!」

 

 

 

 ……それ、は。

 

「私もね……ルーちゃんと出会えて、本当に良かったって思ってる。あの日、死にそうになった私を助けてくれたのがルーちゃんで……本当に、嬉しかった」

 

 ……。

 

「あはは……上手く言葉がまとまらないけれど。でもね、これだけは伝えたいの」

 

 ……。

 

「──本当に、本当にありがとう。ルーちゃんが私たちに寄り添ってくれたおかげで……私たちは、救われた。この平和をもたらしてくれたのは、紛れもなくルーちゃんのおかげ。だから……ありがとう!」

 

 ……私もだよ。

 

 それを言うなら、私もそうだよ。

 

 あなたとの出会いは、私にとっても幸せなものだった。あなたと触れ合うことができたから……私は一人の人間として、こうしてあなたたちを守ることができている。もし、あなたと出会えなかったら……何にも覚えていない空っぽの私は、いつか本当にアラガミになっていたかもしれないのだから。

 

 そう。

 

 私が今の私でいられるのは。思い出どころか名前も性別さえもわからない私がこうも能天気でいられるのは。

 

 あなたたちが、私を共に生きられる存在として認めてくれたからなんだよ?

 

 私こそ──あなたたちに、これ以上ないほど救われていたんだよ。

 

「けどね、ルーちゃん」

 

 うん?

 

「私……ちょっと、悪い子かもしれない。こんなにも幸せで、こんなにもルーちゃんにいろんなものをもらったのに……まだまだ、満足できないの」

 

 ……そうだね。

 

 たぶん、私もきっとそう。

 

 いいや、そうじゃなくて……最初から。最初から私のおなかはいつだってぺこちゃんだ。

 

「だから」

 

 だから。

 

「約束しよう? ──これからもずっと、一緒にいられるように」

 

 約束しましょう? ──これからもずっと、一緒に笑いあえるように。

 

「明日も、これからも」

 

 何があっても、どんなことがあっても。

 

「ずっと、ずーっと」

 

 いつかこの身が、朽ち果てようとも。

 

 

 

 

 ──『みんなと一緒に、おいしいご飯をたくさん食べられますように!』

 

 

 

  【GOD EATER:救雷の神鳴 了】




 これにて【GOD EATER:救雷の神鳴】は完結です。拙いところやツッコミどころもたくさんあったと思いますが、ここまでおつきあいくださいましてありがとうございます。

 さて、せっかくなので少しばかり語らせてください。元々私は一次創作がメインで二次創作はほとんどやっていませんでした。長編の二次創作は今回が初めてです。そんな私がこの作品を最後まで書きあげられたのは、未だなお心のどこかに残っている原作ゲームへの強い思いがあったからにほかなりません。もう10年以上前のゲームではありますが、あの時の思い出は昨日のことのように思い出せます。どこかで誰かが語っていましたが、まさしくGEは私の青春の一部であったというわけです。

 そんなゲームの二次創作を書いてみたい……という気持ちがあふれてくるのはある意味では当然で、そして同時に「もっと救いてえな?」って気持ちも湧き上がってきました。ゲームの雰囲気が明るいせいで忘れがちですが、あの世界って実質的に人類滅亡秒読みのやべー世界なんですよね。【地球の大いなる意志】がいる以上、終末捕喰をどうにかしたところで問題を先送りにするだけの対症療法にしかなりませんし。

 そんなわけで、せめて救える範囲で救ってしまおうと【二次創作だけに許されるお助けキャラ】を考えました。んで、無敵のアラガミがアラガミだけど神機使いを助けていく……というのが面白そうだと思いあたり、それらを考えているうちには、『おかあさん、おかあさん』と泣く女の子を助けるというシーンも思いつきました。結局のところ、【助けたい】という気持ちが一番にあったので、個人的なクライマックスは序盤のあのシーンであったというわけですね。

 一応、このお話では死ぬはずだった人間はみんな生存していて、そして黒蛛病も簡単に治せる治療法が確立されました。ちょうつよつよ神機兵も手に入れられたので、今後はあらゆるアラガミ被害が減り、神機使いや一般人の犠牲者も大きく減る事でしょう。【よわよわ人間さんたちを助けまくる】ことはできたのではないかと自負しています。

 以降は、個別項目についてです。

・チハルちゃんたち(二次創作キャラ)の役割について
 チハルちゃんは【主人公に助けられる神機使い】という役割だったので、自然と庇護対象として際立つような性格&キャラになりました。見た目が幼く、そして明るい人間であればあるほど帰らぬ人となった時の周囲への影響は大きいです。巨大なアラガミの背に乗って行動するのも、青年だと「こいつ乗ってるだけじゃね?」ってなるかもしれませんが、少女だと「らしさ」がでて違和感ありませんし。バスター&ブラスト&タワーな重装備なのも、庇護対象としてのギャップが際立つのと最後のラスリベ展開のために自然とそうなった感じですね。
 そんなチハルちゃんの相棒キャラであるキョウヤくんは、必然的にチハルちゃんと対照的なキャラになりました。彼の役割は【作中における正論マン】です。アナグラメンバーはシオちゃんという前例を知っているために【ヒトと分かり合えるアラガミ】に対して疑問を抱きませんが、世界観的には【そんなのありえない】ので、彼らだけで話を進めると作中展開におけるツッコミどころが大量に発生し、展開に無理が出てきてしまいます。【イエスマンだらけではお話が進まない】ために、キョウヤくんにはいつだって一般常識で物事を語ってもらうことになったというわけです。別の視点の意見が出ることで、説明や解説も違和感なくできるようになりますしね。
 一応、【主人公の存在に疑問を呈する】という意味では、アラガミを憎んでいるエリナちゃんといううってつけのキャラもいます。が、話の展開上【いちいち反論して水を差す】みたいなヘイトを稼ぎやすい立場になりやすいために、ここはどうしても二次創作キャラにする必要があったというわけですね。
 似たような理由で、チハルちゃんもキョウヤくんもメンタルがボロボロになったり死にかけたり……と、割と悲惨な目に合うことが多いです。原作キャラをボロボロになんてできませんが、自分で生み出した二次創作キャラなら【私の心が痛むだけ】で済むためにそうなったというわけです。ケイイチくんとレイナちゃんも同様の理由で作られたキャラで、【結果としてチハルちゃんを見捨てる(ヘイトを稼ぎやすい)】、【メインキャラが動けないときにいろいろ動かせる】、【最終局面でアナグラに残っていても違和感がない】……などなど、話の展開上で生まれることになりました。
 主人公さん? 単純に、シリアスブレイカーとしていつでも、どんな時でも能天気でいてもらいました。マジでそれだけです。

・原作キャラについて
 好きだからこそ見せ場を作りたいのに、好きだからこそ迂闊なことはできないというこのジレンマ。そういう理由もあって、【原作でもっと深堀してもらいたかったところを突き詰めよう】ということになりました。善人のまま報われた(?)九条博士はその最たる例ですね。あの人は間違いなく良い人なのに、原作だとマジで悲惨で報われない結果になっちゃいましたからね……。せめて二次創作では、本来の善性のまま物語が進んで報われてほしいと思わずにはいられませんでした。
 博士と言えば、忘れちゃいけないのが榊博士。私の中では【榊博士はめっちゃすごい】ってイメージがあったので、リンドウさんとの対談シーンがちょこちょこ入ることになりました。天才の考えなんて凡人の私に思いつけるはずがないので、榊博士の推理パートは書くのにめちゃくちゃ時間がかかりましたね。実はよく見ると【この時点で誰がどこまで知っているのか】と【言葉の揚げ足取り】だけしか推理としての工夫がないので、もっとカッコよく、かつ本来の天才的な姿となるように書きたかったな……というのが心残りです。最初の報告書とかもそうですが、後の推理パートに関わる個所は本当に考えるのに時間がかかったんですよ……!
 また、コウタ隊長はもっと評価されるべきという考えもあったのでご存知の通りの展開になったわけですが、なんか思った以上に反応が多くてびっくりしました。間違ったことは何一つしていないし、キャラの「らしさ」から逸脱するようなことはしてないはずなのになぜなんだ……?

 長くなりましたが、つまり。

 九条博士とコクーンメイデンがここまで活躍する二次創作は本作だけ……! 榊博士はもっと賢くてすごいんだ……! またしても何も知らない智将コウタ隊長が見られるのもたぶん本作だけ……! みなさんももっとすごい榊博士たちをぜひとも描いてください……!

・各種設定について
 プレイヤーあるあるネタをゲーム内設定に落とし込んだらどうなるんだろ……と考えたのが始まりです。また、ティターニアという無茶苦茶アラガミや最終局面の蒼い雷周りの【超ご都合主義な二次創作設定】をなるべく違和感なく登場させるためにも、そこに至るまでの納得いく原理の説明は必須でした。ジャミング周りの話や《血の力》をはじめとした意志とオラクルの関係、携行品の原理の説明がなければ、コクーンメイデン感応種というトンチキアラガミはトンチキアラガミのままになってしまいますし、主人公さんのリンク能力についても「さすがにご都合主義が過ぎるでしょ」ってなっちゃいます。『ジャミングなんて意味なかったよね(笑)』とプレイヤーならではのあるあるで共感を誘いつつ、実は『じゃあ何で意味のないジャミングなんてしてるんだ? ⇒ ジャミングを想定した戦いをするちょうやばやばアラガミでした』という伏線になっていたという超高等テクニックだったというわけですよ……!
 設定が語られるお話では必ず何かしらの【後の展開に関わって来る原理の説明】がありますし、おふざけ回である82話でさえも、【堕天種の少ないオウガテイルはこれ以上進化はしない。堕天種の多いザイゴートはサリエルやニュクス・アルヴァなどに進化するし、さらなる進化をするかも】≒【ザイゴートと同じくらい堕天種がいるコクーンメイデンも進化する可能性がある】というティターニアの伏線になっていたのですよ……!
 上記の通り、榊博士の推理パートを含む設定解説会は展開の都合上入れざるを得ないものであったため、『話に動きもないし自己満足で設定を語ってるだけだからあんまりおもしろくないだろう』……と思っていたのに、特に【五本の缶】のあたりではめちゃくちゃ反応をもらえてびっくりしました。GEに期待される要素ではないところで「面白かった!」って言ってもらえたのは本当にうれしかったですね。あと、もともとの世界観がかなり綿密なため、その原則に則っていれば自然と中身が繋がっていくってところもありました。【ヒトを喰った話】はまさにそんな感じで、自分で考えている間にも『明確に語られていないだけで、原作のこの記述にはこういう意味があったのでは……!?』って新たな発見がたくさんありました。

・言葉遊びについて
 タイトルの【救雷の神鳴】はめちゃくちゃ考え抜いて決めています。思いついたときは「これだ!」って小躍りしたくなるほどでした。【救雷】も【神鳴】も言葉遊びとしていくつも意味を重ねられましたし、物語の展開を象徴する単語としてこれ以上のものはありません。すっごくしっくりきて、それでいて印象的な言葉として我ながらよくぞ思いついたとほめてあげたいくらいです。
 また、【千春と雷⇒春雷=虫出しの雷⇒虫の女王たるティターニア】って感じの匂わせもできましたし、最終局面の【〇雷】で恩頼、天来、神来……と、ぴったりな言葉の互換ができたのも達成感がありました(実は【玖雷】と【雷臨】を除いた〇雷は全部で九つ、つまり玖雷になってます)。その他雷にまつわる四字熟語や諺も入れ込めましたし、ほかにもサブタイトルで(明確に語っていないものも含めて)いろんな工夫をできたので、やりたいことはだいたい全部できた感じです。
 惜しむらくは、「気づいてくれないと寂しい」って理由で前書きや後書きに言葉の解説をいれてしまったことでしょうか。自分で自分のやったことの説明を入れるのはなんかちょっとダサい感じもしますが、まぁ変に見栄を張ってもしょうがないかなって……。

・没エンドについて
 供養として、没エンドを載せます。

◇ルーちゃんご神体エンド
 ルーの蛹は羽化しなかった。神機使いたちは戦力不足のままティターニアに挑むも、絶対絶命の状態に陥る。誰もが諦めかけたその時、ルーの鳴き声と共に蒼い雷が落ちてアラガミを殲滅。そのままティターニアとの戦いが始まり、蒼い雷の加勢もあってティターニアの討伐に成功する。
 結局最後までルーの蛹は羽化しなかったが、以降、極東エリアでは赤い雨はぴたりと止まり、特徴的な鳴き声と共に蒼い雷が落ちるようになる。ヒトを助けるこの蒼い雷は蛹になったルーがみんなを守るために落としているらしいことがわかり、ルーの蛹はご神体としてまつられるようになる。「姿は見えないが、確かに俺たちの傍であいつが見守っている」ということで、神機使いたちの戦いは続く。
 【ティターニア】と【ルー】という明確なイレギュラーを両方排除して終わらせられるため、二次創作の終わり方としてはきれいだが、どう考えてもチハルちゃんが曇る(チハルちゃんは救われず、ハッピーエンドにならない)ので没となった。

◇ルーちゃん地球外脱出エンド
 ルーの蛹は羽化し、ヒト型アラガミとしてルーは復活する。ただし記憶や知能は失われており、決戦までの間に神機使いたちの交流を深めることで徐々に人間らしくなっていく。ティターニアとの決戦では、ティターニアの討伐こそ成功するものの終末捕喰は起動してしまう。最後の瞬間、わずかながらに人間のころの記憶を取り戻したルーは、自身が次代の女王としてフラックメイデンを掌握。フラックメイデンをロケットとして終末捕喰を自身ごと地球外に追いやった。
 【終末捕喰を地球外に追い出す】、【超巨大コクーンメイデンのジェット噴射】、【地球を脱出するロケット】……などなど、GEBのオマージュにもなって面白いけど、やっぱりこれもチハルちゃんが曇るので没となった。あと、せっかくの人外なのに最終局面まで来てヒト化する意味ありませんし、あの状況でヒトとしてのふれあいなんてやってる暇ありませんし……。

◇ルーちゃん食べ放題エンド
 なんやかんやあってティターニアは討伐できるも、終末捕喰は起動。【終末捕喰を喰らいあって均衡を保つ】ため、GE2のジュリウスの代わりにルーが永遠の戦いに囚われる。螺旋の樹の代わりにフラックメイデンが建つ感じ。ルー本人は『私自身もヤバいアラガミだし、いつか必ず食べ物が無くなる日はくるだろう。いつまでこの理性を保てるかわからないわけだから、食べ放題にもなるこの選択も悪くないんじゃね?』……とその運命をあっさり受け入れるが、やっぱりチハルちゃんが曇るので没となった。

◇ルーちゃん身代わりエンド
 ティターニアの討伐後、黒蛛病により死亡したキョウヤに対し、『真に生きるべきはどう考えてもイレギュラーの私じゃなくてお前の方だよなあ?』とルーが決心。キョウヤの遺体を捕喰し、自らの体を明け渡す形で浸喰融合することで、ヒト型アラガミとしてキョウヤを復活させる。キョウヤはルーの能力をすべて使えるようになり、アラガミとしてルーの姿になることもできるようになる。ルーはコアとしてキョウヤに宿るが意識はない。
 やっぱりチハルちゃんが曇るし、二次創作キャラにそこまで設定を盛っても「だからなんなの?」ってなるので没。

◇神機兵大活躍エンド
 ルーがリンク能力を獲得するまでは同じ。ただし、それでなおティターニアは脅威でルーでさえも近づくことはできなかった。誰もが諦めかけたその時、グレムを説得(物理)した九条がフライアでティターニアに特攻し活路を作る。また、リンク能力で暴走神機兵が集合、合体してフライアをコアとした超巨大神機兵、すなわち【対アラガミ用最終決戦兵器:超巨大変形要塞型合体神機兵フライア】となる(フラックメイデンと同じ集合体)。フライアにはグレムと4人の博士が搭乗しており、彼らがフライアを操作してフラックメイデンとの大怪獣バトルの末にティターニアを撃破する。
 これでOKになる理由がどう考えても見つからないため没。


 ……長くなりましたが、こんなものでしょうか。まだまだ語り足りませんが、すでに5000文字を超えていますのでこのあたりにしておきます。

 最後に繰り返しになりますが、私はいまでもGEが好きです。ここのところ新しい情報が入ってこないのが本当に残念ですが、こうして令和の時代に100万文字の二次創作をするほどGEが大好きです。できることなら、GERとGE2RBをSwitchに移植してほしいと今でも思ってます。この界隈が盛り上がれば、きっとその気持ちも【大いなる意志】に通じるはず……! マジで頼みますよ……!

 ハーメルンでの二次創作は一区切りがついたので、また本業(?)である一次創作の小説家になろうに戻ろうと思います。次に二次創作をやるとしたら、マジカルバケーションやソーマブリンガー、ワールドトリガーやモンスターハンターもやってみたいな……!

 最後に、改めて。長い間お付き合いくださいまして、本当にありがとうございました。

 それでは、またどこかで。 【ひょうたんふくろう】
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