オタカルチャーと言うものがある。
オタク文化とも呼ばれるこれは我々オタクが好み、よく見る(読む、作る、書く等々)ものである。
このオタカルチャーでトップの知名度を誇るのがアニメや漫画の創作物である。
その創作物のなかにはすでにある創作物を基に新たなストーリーを展開する二次創作なるものがある。
この二次創作と言うもの名作はあれど原作を越えることは基本的にはない。
更には駄作と呼ばれる見るに耐えない妄想創作も存在する。
私はこれを悪とは思わない、只文章力や面白い物を生み出す才能が足りなかっただけのことだと思っている。
だが、それはネット上の数多の創作物の山に埋もれるだけだから良いのだ
それが現実にでもなろうものなら...
考えたくもない。
いやなかった
だれだお前ら
原作を知っていてこの光景を見た者なら誰でもそう思うだろう。
だが口には出さない、
失礼なのだ。
彼、彼女らは今を生きる確かな人間なのだからその人間の人格を全否定するようなことを言ってはいけない。
だから口には出さない。
が、切実に思う
誰だお前ら
おそらくオリ主であろう見知らぬ男と原作ヒロイン達がイチャイチャしている
それも付き合い始めて2,3ヶ月で別れそうな陽キャカップルのように。
男が良いこと言った風にする度「そんなの言われたことがない」等と宣う原作ヒロイン
彼女達は今迄何を言われて育ったのか、人と話したことがそもそもあるのか甚だ疑問に思う次第であるし、
オリ主(仮)はその点を疑問に思わないのだろうか、当たり前のことをキメ顔で言ってあり得ない反応が返ってきているのだからおかしいとは思わないのだろうか、思わないのだろう。
何故なら彼等は
故にその
要は|キャラ崩壊が起こったオリ主ハーレムの二次創作世界《オタクの妄想》にぶちこまれたのだ
ここはどんな地獄よりも酷い環境と言えるだろう。
こんなことなら地獄に落ちた方がマシだったろう
何も無い空間、そもそも空間とすら呼べるかわからないが今は空間と呼ぶことにする
どうやら死んだようだ、体の感覚がない視覚も嗅覚も聴覚も何一つとして存在しない
只思考力だけが存在する
一体何処でどうやって思考しているのか、自分自身が何者なのか考えれば考えるほど疑問が尽きないがどういう理由か思考に靄がかかり中断される為考えないことにした
おそらくこの空間は死後の世界だろう。
前世の記憶はない、が死んだことだけは認識できる
神とやらの仕業かもしれない
だが神がいったい何の用で死した俺の思考を残したのか、
説明はあるだろうからそれを待つとしよう。
無くても今出来ることは待つことのみだ
『殆ど正解です。貴方は死にました、そして貴方の意識を私の元に連れてきました』
どうやら口は無くても意志疎通は出来るようだが
出来れば早めに用件を言って解放して欲しい
脳内に自分以外の声が響くのはかなり気持ち悪い
『わかりました。地獄か転生か選んでください』
0か100しか無いのかこの神は
場所によっては0と0だぞ天国を残しておいてくれよ
『自分のミスで殺してしまった相手は死後、行き先を選ばせなければいけないのです。正式に運命を全うした訳ではないため天国にはいる資格が貴方にはありません』
自分のミスで殺してしまったから死ぬか転生か選んで良いよと
そのクセちゃんと死んでないから天国へは行かせてあげませんと
立場が違いすぎるから仕方ないのかもしれないが、自らのミスに対する対応としては此方への負担が大きいうえ謝罪の言葉もその素振りもなしと言うのは気になるな
大凡そのルールもこの神よりも立場が上のナニカが生み出した物だろう
『はい、あなた方人間の創作から生まれたイメージに基づき生み出された規則です』
おっと急になにもわからなくなった
何だって?
『あなた方人間の創作から生まれたイメージに基づき生み出された規則です』
頭がイカレた訳じゃなければ神のルールを生み出すのが人間のイメージと言ったように感じたぞ?
『その通りです。』
……
神を生み出したのはいったい誰なんだ
『あなた方人間です』
やはりか
どうにも神がイメージ通り過ぎると思ったわけだ
恐らく神は人間のイメージと願いが重なった結果生まれたとったところか
『その通りです。』
もういいこの話は終わりだ頭がおかしくなる
で、転生か地獄かだろう?
『はい、この世界の他に存在する数多の世界の内の一つに転生するか、地獄に落ちるか選んでもらいます』
予測が間違っていなければその世界というのは我々人間のイメージから生み出された異世界ではないだろうか
『その認識で問題ありません』
問題がないだけで正解ではないのだろう?何処が違っている?
『この、異世界、数々の人間のイメージが重なったものではありません。
一つ一つ強いイメージを持った一人の人間が生み出した物です。』
???
『では、どうしますか』
考えていても答えは出ないだろう
神がイメージによって生み出された物なら地獄も同じことだろう
なら、転生させてもらおう
『わかりました。こういう世界にこういう能力でなど、指定はありますか?』
言われて帰ってくる一部の記憶
未だに自分が何者だったかは覚えていないが創作物に関する記憶は帰って来た
やはりあるのか転生特典
世のオタクはラノベと二次創作の見すぎだ
自分も例に漏れず世のオタクの一人だけれど
特典と言われても何がどういった形で発現するのかわからないのだからここは慎重に考えよう
複数頼んでも多過ぎて脳の処理が間に合わないだろうしそもそも使わない能力だってあるだろう。
であれば現在進行系で最もお世話になっている認識する程度の能力を強化してもらおう
『では、どのような世界にしますか』
世界の指定は特に無いがそれでは一向に進まなそうだ
であれば、原作に関わらなければただ便利なだけの世界、
ソードアート・オンラインの世界に入ることは出来るか
『わかりました。それでは行ってらっしゃい』
最後まで感情のこもってない声だ...った...な...
意識が浮上し懐かしく感じる目の感覚にちょっとした感動を覚え目を開くと、
感動が吹っ飛び絶望が押し寄せる光景が広がっていた
降り立った場所が天空に浮かぶ城、《浮遊城アインクラッド》の一層。
始まりの街である
更には左上にあるhpバーの上にはkiritoと表示されている
どうやら俺は原作主人公に憑依転生してしまったようだ
「f○ck!!!!!!!!!!!」
溢れる怒りと絶望に思わず叫んでしまった
それからはなんとか最善の結果である原作を壊すまいと原作キリトを演じ続けていたのだが
そこで現れたのがmereal、ミリアだ、me realとか言う安直過ぎるネーミングは置いておいてこの男にはおかしな所がある。
まずsaoには未実装の筈の斬魄刀に聖剣ソードライバー、挙げ句魔法まで使いだす始末。
一振りだけでも強大な力がある剣を二振り持っていたとして何の意味があるのか甚だ疑問ではあるが、それよりも先に確信した。
一瞬で確信できた
コイツチートオリ主だ
一人で一層のボスを撃破しクソほど軽く薄っぺらい言葉でヒロイン達を落としていってハーレムを築き上げた
さすがは
こんな明らかな改造相手にカーディナルは何をしているのか疑問に思ったが翌日ミリアと仲良さげに街中を堂々と歩いている姿を見て納得した
メインシステムがプレイヤーに誑し込まれてサボっている中このゲームは一体どう運営しているのだろうか
「fuck」
この2ヶ月すっかり口癖になってしまった言葉を呟く
いま我々は10層まで進んだ。
このペースなら一年でsaoは攻略できそうだ
これもミリアがチート能力を使って爆速攻略するからだろう。
その点だけはチート能力に感謝すべきだとは思うが、攻略を二の次として原作キャラとのイチャイチャを優先したうえでの結果のようだ。
攻略に集中したらどれほど速くこのゲームが攻略できるのか考えてみてほしい。何人の命を救えるのか考えてほしい。それが何万という命を背負っている我々攻略組の責務だと言うのにあの戯けた野郎は何なんだ、ナメているのか。
そんな日々の中で、俺にも癒しができた
フレンジーボアだ
彼等は行動が単調で簡単に攻撃を避けられる初心者向けの最弱モブである
崩壊しまくった原作をなんとか修正しながら駆け足でsaoを攻略しているとよくストレスがたまる
そんな時はよくフレンジーボアと戯れるのだ
彼方の攻撃をギリギリで避ける度ムキになる様を見るのは中々の癒し効果がある。
最前線で攻略しつつ下層でボアと戯れる日々を送っていたある日遂に出会ったのだ
原作では様々な出来事をへてゲーム内でキリトと結婚するまでの仲に至ったメインヒロイン。
アスナに
「あら、貴方は確か、攻略組の....キリトさん!」
主人公の名前が出てくるまでにここまで間があるメインヒロインがいて良いのだろうか
だが悲しいかなここは原作とはかけ離れた人間関係が展開されるオリ主ハーレム物の世界なのだキリトは主人公でもないし、アスナはミリアのハーレムメンバーその3でしかない
どうやら
挙げ句作者の認識のせいで性格も原作とは少し、いやかなり変えられている。
原作ではテンプレヒロインのようでありながら数々の死線をくぐり抜けたからこその図太さと覚悟のある強気な性格なのだが、
この世界ではボス戦では直ぐにビビって使い物にならない癖に、雑魚戦では高い制圧力を持つことから作戦の全体的な指示を任され、その事からミリア相手に強気にでてツンデレヒロインかのように振る舞う
お荷物理不尽暴力ヒロインへと成り下がっている。
こんなものは尊厳の破壊と言っても過言ではないのではないか
そんな暴力姫がこんなところで何の用なのかだいたいは想像できる
「どうも、私のような者をわざわざ覚えてけるとは光栄です」
「そんなご謙遜なさらないでください。ボス戦での活躍、お見事でした」
ボス戦ではよくミリアがボスと戦っている横で雑魚敵を殲滅したり、ミリアの死角から来る回避不可の攻撃を弾いてやったりしている
ハッキリ言ってミリアは弱い
スキルと武器が優秀なだけおおよそそれも神相手に何故か平然とねだりまくって、後先考えず大いなる代償が伴う大いなる力を願いまくったからだろう
人の願いの無駄遣いである
「今日はどうして一層まで?」
暴力姫が聞いてくる
大方自分と同じ目的なら手伝ってもらえるかも等と考えているのだろう
「ストレスの発散です。最前線でいつ死ぬか分からない私のような者はストレスがよく溜まるんですよ、だからたまに降りてフレンジーボアと戯れているんですよ。今度やってみたらどうです?
ストレス発散にはもってこいですよ」
落胆と動揺と不快感の入り交じった複雑な表情をしている
いきなり雑魚モブで遊んでるなんて言われては彼女のようなゲームの経験がないお嬢様にとっては若干気味が悪いのだろう、しかしそれが目的だ、あまり彼女等とは関わりたくない。
わざわざ一層まで降りているのもそれが理由の一つだ。
元々はストレスだらけの最前線から逃げる為に一層まで降りて来たとき
攻撃するのが面倒くさくて最小の動きでフレンジーボアの攻撃を避け続けていたのがこの習慣の始まりだ
「そ、そうなの引き留めて悪かったわね私は失礼するは」
ああ全くその通りだ二度と憩いを邪魔するな
あと
「レイピアのスキルのクエストフラグを立てれるnpcなら、こことは逆方向にある大岩から1時の方向に進み続けた先にある民家にいるぞ」
「え、待って何て?ちょっ、待って~!」
よし逃げよう
態々原作メインキャラの好みで伝えてあげたんだからもう彼女と関わりを持つ必要は無いだろう。
徹底的に他人を貫こう
あれから一年が経ち攻略組は74層まで来た
それまでに原作では月夜の黒猫団との一件や、シリカとの一件があるはずだったのだが
黒猫団はキリトが関わらなければ犠牲はサチ一人に押さえられるので最も楽で最も被害が少ないスルーを選ぶことにした。
のだが
一月毎に確認している黒鉄宮の墓にサチを除く黒猫団4人の名前が刻まれていた
それを確認した次のレイドでミリアはかなり荒れていた。
開始2分でボスを一方的に殺していた
まあ次のレイドでは何か完全復活果たしていたけれど
この間僅か二週間
原作キリトは数ヶ月荒れていたが彼はたった二週間で自分が入り込まなければ起こらなかった仲間たちの死から立ち直ったのだ。
だが黒猫団は彼にとって始めての仲間達というわけではなかった上にサチは死ななかったことでわりと早めに立ち直っていた。
やはり女か
で、今そのミリアとリズベットが二人仲良くダンジョンからでてきた所、たまたま通りかかった軍に攻略データの押収を食らって軍がボス部屋まで凸っていった
…………長くこの世界に居すぎたことで発言に少々品が無いように感じる
それよりもボス部屋へ向かった軍を優先しないといけない。
このまま軍がやられてしまえばアインクラッドでの力関係は少なからず変動することになるだろう。
そうなれば下層の守護に廻っていた軍が上層に戻ってきて面倒なことになりそうだ。
死人を増やさない為にも止めるしかない
そう思い全力で走り出す。
しかしあの
実はこれ結構疲れる
原作で何故隠密を利用したmpkや犯罪が流行らなかったかよくわかった気がする
とにかくボス部屋到着までで一人も軍を見ていないことから恐らく既にボス戦は始まっているのだろう。
仕方がないので微力ながら加勢しよう
ボス部屋の扉を開けるとまだ始まったばかりのようであまり負傷者は出ていない。
だが軍の動きからして気付いたのだろう
ここでは回復アイテムが使えないことに
彼等の動きがかなり慎重だ
「加勢しよう!」
「一人か?まあ良い今は猫の手も借りたい状況、助太刀感謝する!
しかし気を付けろどうやらここでは回復アイテムが使えないようだ!」
え、誰おまえ?
原作でお前はそんなに優秀じゃなかった筈だが...
あ~オリ主が軍から逆恨みされるようなことにしたくない過保護な
今回だけは感謝しよう
我々の前には巨大な体躯と二つの剣を武器に軍を圧倒する大きな角が生えた悪魔のような見た目のボス
ザ・グリームアイズ
がいた
正直あまり勝てる気はしないがなんとかするしかない
自分の意思に反して荒ぶる呼吸をなんとか抑え、また駆け出す
ボスに殴り飛ばされ未だに痛みが響く体に鞭を打ち、気を抜くと失ってしまいそうな意識をなんとか繋ぎ止め、
先ほどからの攻撃で傷だらけのボスの体に一太刀、振り返りまた一太刀、ボスの意識に捕まらないように攻撃の勢いを止めぬように斬り続ける
ときにはボスの武器に乗り、時には足元に潜り込み、あらゆる方法で死角を探し攻撃を浴びせ続ける
今戦えるのはただ一人、軍の者達は片足を切り落とされたり意識を失っていたりと戦える状態ではない。
が、幸い全員無事だ
だからこのボスは自らの手で倒す。
殺られたら次は軍の者達だ
そうして自分を鼓舞し、体を無理やりにでも動かす
満身創痍が何だというのだ、原作のキリトはずば抜けたゲームのセンスで単独撃破を果たしたのだ。
その体と名前を借りる者として、軍の彼等の命と思いを背負い戦う者としてここだけは何があっても負けられない
今なら確実にできる。確信を持った動きを全てやる
できない可能性は考えない、考えている暇はない。
只、やるのみ
ボスの攻撃を横っ飛びで回避し、壁を蹴って天井へ、天井からボスの首目掛けて全身全霊の一太刀を放つ
「グゥオオォォォォ」
断末魔の後ガラスが弾けるような音がしてボスを倒したのだと理解する
「良かった...」
安堵と達成感でいっぱいの安らぎの中意識を手放す
目覚めと同時に目に入る知らない天井
見慣れたボス部屋では無さそうだから脱出は出来たのだろう
「気分はどう?」
最悪だ
まさか
礼だけ言って直ぐに帰ろう。
そもそも人が中にいる間ボスはリポップしないのだから起きてから自力で脱出できた筈だ。
コイツの手助けは要らない
「どうも、はこびだしてくれてありがとうそれでは」
「ちょっと待って!」
即刻立ち去ろうとすると手を掴んで止めてきた
切り落としてやろうかその手
「ボスの部屋でいったい何が起きたの?」
「軍に聞け」
おっとついトゲのある言葉が
そんなことはどうでも良いから早く出よう
「教えてくれたって良いじゃないか、それに君には少し興味があって話がしたかったんだ」
「軍に聞け、そして断る」
丁重に断り部屋を出ようとするが離してくれない
多分コイツはレベルアップも他人より早くなっていることだろう
両者とも筋力をあまり必要としない武器なのに全く引き剥がせない
「まぁ、話だけでも聞いてよ」
正直話もしたくない。
話し方と言うか口調の節々に謎の余裕と若干の上から目線を感じる
端的に言うとウザイ
が、聞かないと離しそうにもないから話だけでも聞いておこう
「で、何の用だ」
「ボス戦での「話しなら軍に聞け」は出来なさそうだから単刀直入に聞くよ。僕達のギルドに入ってくれないか」
「f○ck you b○tch」
your son of a bitch
よし逃げよう
ハラスメント防止コードで通報して逃げよう
「待って!ちょっと待って!通報しようとしないで!」
「じゃあ手を離せ」
「逃げないでよ?」
「わかった逃げないと約束しよう」
コイツ自分が言ったことをしっかりと理解しているのか?
コイツはたった今面識もないほぼ初対面の相手にハーレムに入れと言い出したのだ
死んでしまえば良いのに生命としては無理でも男としては死んでくれ
「君はあのボスを一人で倒したんだろう?凄いよ大したものだ、その君の力が僕は欲しい。」
今もまた言葉の節々に(自分には及ばないが)という言葉が隠れている
強いというのは只の口実でハーレムメンバーを増やしたいだけなのが丸見えだ
だから
「断る。それじゃ他に用件が無いなら帰らせてもらう」
「ちょっと待って、もう少し考えてておいてくれるかな?直ぐには答えは出せないだろうけど僕はいつまでも待つからね」
まるで、しばらくしたら考えが変わってハーレム入りするかのような言い方、
怒りは感じるが今は抑えよう
「他に用件はないんだな?それじゃ」
「うん、またね」
またなんて無いことを切実に祈るよ、ねんせ強い祈りは届くと一年前
翌日久々にスキル欄を見てみると見覚えの無いスキルがあった
この説明で分かる通りユニークスキルだ。
始めてから数日は原作再現の為片手直剣を使っていたが、ミリアの存在に気付いてからは原作をなぞっても無駄であると思い至り曲剣にコンバートした。
刀スキル入手の為に奔走したのは良い思い出だ
なんとか入手した刀スキルを使い荒々しく攻略していたことから着いたあだ名は《黒武者》
あまりにも適切すぎて初めて聞いたときは少し吹き出してしまったよ
で、そんな思い出の刀スキルと、ミリアのお陰で俺は二刀流の入手を諦めていた。
実際着いたのは全く別のスキル
スキルの名を《幻創剣》
このスキルどうやら自分のイメージ通りに体が動いてくれるもののようだ。
このゲームは元からそういうものじゃあなかったのだろうか。
反応を越えて無理やり動かすということなのだろうか、若しくは全ての攻撃にソードスキルに近い火力の補正が掛かるということなのだろうか、なかなかピーキーなスキルかもしれないが面白そうだ
代償としてソードスキルが全て消え失せたがな
「f○ck」
ソードスキル消失から半月後、遂に75層のボス討伐レイドだ
攻略組は慎重にそして順調に攻略を進めボスの部屋にたどり着いた
扉を空けた先は何も無い殺風景な石造りの空間がのみだった
ボスがいないのだ
皆一様にボスを探し気の緩みが出始めたとき一人が言った
「上だ!」
その者は言うと同時に食われた
「戦闘態勢!」
皆直ぐに武器を構える。
さすが、幾つもの死線をくぐり抜け最前線で人々の為に潜り抜けて来た者達だ
回復が出来ないことに焦りはしたが軍から話を聞いていたのか直ぐに冷静になり皆で協力してボスを撃破したのだ。
そこで恐らく死闘感を演出しようとhpをイエローゾーンギリギリまで減らしていたヒースクリフに対し、今が好機だとでも思ったのかミリアは斬りかかったのだ
皆の注目が集まる中表示される破壊不能オブジェクトの文字
騒然とする攻略組達を横目にミリアは芝居がかった口調で言った
「もう、お前の正体はわかったぞヒースクリフ、いや茅場!」
誰だお前は
「ミリア君、君は素晴らしい!他の者にはない力を身につけ中間を率いて敵を倒すこれこそ私が求めた勇者だ!」
誰だお前も
「ミリア君!どう言うこと!?」
「ヒースクリフが茅場昭彦であり、このゲームのラスボスだったんだ」
耐えろ、耐えるんだ
「だがまだだ勇者ミリアよ、君と同じような力を持つ仲間を集めレベルを上げて私に挑むのだ!」
「はぁ」
思わずため息が出てしまう
「おや、君はたしか、キリト君だよね?君も彼と同じような力を持っているだろう、彼と協力し、私を倒して見せろ」
「気持ち悪い」
「は?」
思わず付いて出た言葉に誰かの、若しくは皆の困惑が一文字として返ってきた
「さすがに耐えきれなかったので一つだけ言わせてもらいたい、茅場。」
この制作者はゲームを全くわかっていない
どうしてこんなのに成り下がってしまったんだ
あのカリスマはどこへ消えたのだ
私はとても悲しい
「理想の勇者と魔王ごっこは一人用のrpgを作ってそっちでやれ。
大量の人間を集めてその中から一人を選んですることではない。
何のためのmmoなのだ」
こんな大きな子供に成り下がった天才のごっこ遊びの為にこの世界で真摯に生きてきた者たちが命を落としたのだと考えると
あまりにも、あまりにも
ふざけている
「人の命を弄ぶのも大概にしろよ、大きな五歳児が」
かれこれ半年間使い続けている《銘刀・蓮華》を構える
「覚悟しろよ茅場、五歳児相手にこの遊びは少々キツイかもな」
「そこまで挑発したんだ簡単に死んでくれるなよ!」
茅場モドキに斬りかかる。
最後の戦いだ
意識が遠退く
死ぬのか?また
一年ちょっと前に経験したばかりなのに
全く、生きるとは酷いものだ今度は地獄にいけますように
盾と剣の猛攻を刀一本で弾き続ける
少なくとも
刀を握る手が痛みに震える、足に力が入らない
だが、こんなところでも必死に生きる人はいる、
だったら
ここにいる人たちの為に!
「闘え!」
意識が戻り息を吐く
目の前に立ついけすかないラスボスごっこの茅場モドキを睨み付ける
「まだ、戦う意思はあるようだがもう限界だろう。君は頑張った君の死を以て彼等の礎としよう。」
ふざけるな
死んで貴様の強さを証明するためだけの噛ませ犬にしようと言うのか
こんなゲームを企画しておきながら命をなんだと思っているんだ
「さらばだキリト君」
「なめるのも大概にしろ」
後ろに跳んで回避し、着地前に地面に愛刀を突き刺しその上に着地する
天井目掛けて飛びヒースクリフの二撃目を回避する
落下の勢いを利用してヒースクリフの首目掛けてストレージから出した死んだ中間の剣で一閃
「どうやら君は私の想像を越える
ヒースクリフが結晶となって砕け散る
遂にsaoをクリアしたのだ
達成感、安堵、様々な思い出を胸に意識が消える
さらば《浮遊城アインクラッド》二度と来ることはない
知らない天井だ
体に力が入りにくい
長いこと昏睡していた為に筋肉がかなり弱っているのだろう
つまり
「せ、先生!桐ヶ谷さんが目を覚ましました!」
saoをクリアし、知らない天井で目を覚まし、自分のことを桐ヶ谷と呼び起きたことに驚くナース。
私は…
頭を触ると硬い機械のようなものがある
取り外すとそれは案の定
ナーヴギアだった
どうやらこれから
「お兄ちゃん!」
「「和人!」」
桐ヶ谷和人として生きていかなければいけないようだ
「F○CK!!!!!!!!!!!」
神様転生で話がつまらなくなるレベルのチート能力を複数貰ってるオリ主を見て思い付いたものです。
尤も伝えたかったことは最初に全て書けたのであとは妄想の暴走が独り歩きした形で生まれました。
好評だったら続くかもです
追記:久々に見返したら誤字や脱字が多くあまりにも読みにくかったので加筆修整致しました