最強のエンジョイ勢が空を駆る   作:鉄血

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第四十一話

「あ、フロイト・・・」

 

「ああ、それで、どうだ?そいつの調整は」

 

昼休み。簪は自身の定位置である格納庫でパソコンのモニターとにらめっこしていると、少し遅れて彼が来た。

 

「・・・前よりは、上手くいってる。けど・・・やっぱりマルチロックオンシステムのデータが足りてなくて・・・」

 

「その辺りはデータを集めるしかないだろうな。今度、ブルートゥのところでFCSを探してみるか」

 

「う、うん・・・」

 

ブルートゥと言う名前を聞いて簪は歯切れを悪くしながら頷いた。フロイトと一緒とはいえまたあの変態の所に行くことになるのかと、思うと少し気が引ける。

そんな簪のことなど気にも留めず、フロイトはポケットの中からエナジーバーを取り出し、銀色の袋を破ってその中身を口に咥え、そしてそのままモニターに目を向け、タイピングを始めた。

 

「・・・・よし」

 

簪はそんな彼を少しの間眺めていたが、やがて決心したように小さく気合の掛け声を自分に入れる。

そして簪はフロイトに言った。

 

「・・・・フロイト」

 

「なんだ?」

 

目線をモニターから逸らさず返事をする彼に、簪は勇気を振り絞ってその言葉を口にした。

 

「・・・昨日、迷惑かけたから・・・その・・・お弁当作ってきたんだけど・・・食べる?」

 

「ああ、貰う」

 

簪の言葉に返ってきた返事はその一言だった。

すぐにタイピングの手を止め、フロイトは身体の向きを簪の方へと向ける。

そして簪にフロイトは言った。

 

「今日の朝は二人に叩き起こされて今、腹が減っているところだ。持って来ているんだろう?早く食わせてくれ」

 

「う、うん」

 

待ちきれないといわんばかりのフロイトに簪はすぐに鞄の中から弁当箱と箸を二つ、床に並べる。

 

「・・・こっちがフロイトの」

 

「そうか」

 

そして大きめの弁当箱をフロイトの前に差し出すと、彼はすぐに蓋を開けた。

ご飯に少し形が不揃いの玉子焼き。そして二つに切られたウィンナーとちょっとしたポテトサラダとミニトマト。昨日の夜ご飯にしようとして食べ損ねたコロッケが丁寧に詰められている。

 

「た、食べてみて・・・」

 

「ああ」

 

そしてフロイトは玉子焼きを口に入れて、咀嚼し始める。

そんな彼の様子を窺うように簪は見た後、フロイトに感想を聞いた。

 

「ど、どう・・・?」

 

「少し甘い。だが、悪くないな」

 

どうやら不味くはなかったらしい。

そんな彼の感想を聞いて簪はホッとした。ここまでの味を出すのに二回ほど失敗したが、頑張った甲斐があったと実感する。

 

そんな安堵の息を内心でつきながら簪も自分が作った玉子焼きを口する。

 

(・・・甘い)

 

今まで料理をあまりしたことがなかった事もあってか、自分が他人の為に作ったその玉子焼きはとても甘かった。

 

そして昼食を終えた簪とフロイトは昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴るまでISの調整を続けるのだった。




アーマードコア6のエンブレムキーホルダーのガチャガチャを三回やって三回連続、フロイトのエンブレムが出た作者です・・・俺はフロイト君の呪いでも掛かってんのか・・・?
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