財団世界でこの先生きのこるには   作:黒猫と白蛇

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前回の続きなので短め、次回更新時に前の話と合体させると思います。


13話

深夜の森での激闘(奇襲)からおよそ数分後、僕は翼也君を狙ってきたやつの拳銃を没収し、木に縛り付けて拘束していた。ちなみにロープ代わりにしたのは襲撃者の服だ。

後は拘束した後に電話した畑中さんがこっちに来てこいつを連れて行ってくれれば概ね解決なんだけど、残念ながら到着には30分くらいかかるらしく、暫く襲撃者の面倒を見なければならないらしい。

翼也君は襲撃者に連れられていた少女と何やら二人で話しているようなんだけど、少女の声が小さいのでほとんど会話が聞こえてこない。

 

「お、お前、何者だ。やはりあいつ等の仲間だったのか?」

 

「いや、別に仲間と言う訳では無いけど。と言うか、喋るなって言わなかったっけ?」

 

そう言うと男は殺されかねないと判断したのか押し黙ってしまった。本当に黙られるとちょっと困るんだよな。色々聞きたいし。

と言う訳で黙れと言っといて何だけど色々と聞いていこうか。

 

「あの翼の生えた少女、翼也君と同じ吸血鬼から作られた実験体、って認識で合ってるのか?」

 

「そ、そうだ。我々が捕獲した吸血鬼はそもそも一体、別の吸血鬼の能力を付与された実験体は居ない、はずだ。」

 

捕獲した吸血鬼?もしかしてこいつら取っ捕まえた吸血鬼をバラバラにしてその能力を人間に付与したって事か?

そして畑中さんから聞いた通り、その能力を一つにして全力の吸血鬼に戻すべくこいつらは他の実験体を探しに来た、と。

うーん、そういえばこいつら半年くらい儀式した上で何人かの死者を出してるんだよね?

元となる吸血鬼の体があった上に死者が出るような儀式をしたうえでこの程度の成果ってこいつらの技術力は結構大したことないのでは?

 

「お前は教団内でどんな立場だったんだ?何故吸血鬼の能力の統合が出来ると思ったんだ。」

 

「立場、と言ってもな。俺は平の教団員だ。他の教団員より事情に詳しかったのはただ教団に長い間在籍してたから、と言うだけの話だ。

 吸血鬼の能力の統合については上の奴らが話してたのを聞いただけだ。」

 

あんまりいい情報は持ってないみたい?後聞きたいこととかは...そうだな。

 

「他に実験体を連れて逃げ出した奴の情報を持ってたりは?」

 

「無い、知らない。本当だ。俺が逃げ出した時にはアイツしか残って無かったんだ。」

 

「それならこの辺に教団の施設があったりしないか?」

 

「それも知らない、俺は平の教団員だと言ったろ、俺が知ってるのは襲撃された教会だけだ。」

 

情報0、と。まあ何か知っても有効に活用できる気はしないし別に良いか。なんとなく聞いてみただけだし。

もうコイツは良いかな。次はコイツに連れられて来た少女の方に行こう、とは言え逃げられても困るし襲撃者から目を離さないようにしておくけど。

 

「翼也君、どう?その子の事ちょっと教えてくれると助かるんですけど。」

 

「あっ、雀さん。この子、教団に育てられた孤児で名前とかが無いんですけど、

 教団内とか実験施設では4番って呼ばれていたので、よんちゃんって呼ばれてたんです、ただ無口であんまり喋んないですよね」

 

さっきから色々と話そうとしてるんですけど...と、翼也君が言ってるけど陰キャにあんまり話しかけるのは良くない。

 

「まあそんなに無理に話を聞く必要はないって、とりあえず焚火にでも当たって畑中さんを待とう。

 ほら、よんちゃんだっけ?君もこっちにおいで。ここには君に酷い事をする人はいないよ」

 

と、翼也君とよんちゃん?に話しかけてみるけど何故だかよんちゃんは怯えたような目をしてある程度の距離を保っている。

...あ、そういえばよんちゃんの事を連れてきた襲撃者の腕を若干焼いたんだった。そりゃビビるか。

うーん、よんちゃんの事は翼也君に任せて畑中さんの事を待つことにしよう。

 

 

 

 

30ほど経って、畑中さんがやって来た。その間は若干気まずい空気の中で焚火を囲んでたからできればもう少し早く来てほしかった。

翼也君は襲撃者の男には何らかの恨みがあるのかたまに睨みつけたりしてるし、よんちゃんと襲撃者は僕にビビってるし...

 

「黒谷さん、畑中です。それが例の襲撃犯ですか?」

 

「そうです、これが襲って来た奴で、この子が連れられてきた吸血鬼の子ですね。」

 

「その子はこちらで預かっても?」

 

こちらで預かっても?って聞かれても別に僕にこの子を引き取る権利がある訳でもないんだけど何故僕に聞くんだろうか。

 

「酷い事したりしないですよね?」

 

流石に人体実験とかされるようならこっちで預かりたいんだけど。

 

「酷い事、の定義にもよりますが...

 この体だと一般社会には溶け込めないので特事課預かりになりますから

 少なくともしばらくは親元には戻せませんね。」

 

「その子、教団に育てられた孤児らしいですよ。

 少なくとも平和的に育ててくれるなら特事課で引き取ってくれた方が幸せかもしれません。」

 

「それではこちらで預かりましょう。それで良いかな、お嬢さん。」

 

と、畑中さんがよんちゃんに話しかける。どうも僕は怖がられてるみたいだし、あと、これ以上吸血鬼の子が増えると

他の教団員が確実と言っても良い程に襲って来るだろうから国家権力に守られてた方が安全だろう。

 

「...なにをすればいい」

 

と、よんちゃん。こんな少女に仕事させるほど公安も鬼じゃないと思うよ。

もしかしたら長い間教団に育てられたせいで何かしないと捨てられる、と思ってたりするのかな。

 

「掃除やお茶汲みなどをお願いすることになるかと思います。もちろんお給料も出ますよ。」

 

「...分かった。ついてく。」

 

ふむ。これでよんちゃんは公安特事課預かりになる訳だ。僕には特に何かできることは無いけどできれば幸せになってほしい。この世界では難しいかもしれないけどね。

 

「それでは黒谷さん、襲撃者を連れて行くので拘束を解いてください。」

 

と、手錠を出した畑中さん。

 

「それじゃあ拘束を解くけど暴れたりしないように。」

 

「分かってる、クソ。やっぱり普通に逃げてた方が...」

 

何やらぶつぶつ文句を言ってるけど無視して拘束していた衣服を焼き切り、畑中さんに引き渡す。

 

「何か情報を聞き出せたらまた教えてくれると嬉しいです。」

 

「もちろんです、黒谷さん。

 ただ、日野君を狙って襲いに来る奴らが居ないとも限りませんので接触した場合はご連絡して頂けると幸いです。」

 

そう言うと畑中さんは襲撃者(一応名前を聞いておけば良かった)とよんちゃんを連れて森の外に向けて歩いて行った。

...ふう。流石に疲れたな。

 

「それじゃあ翼也君、僕らも帰ろうか。」

 

「...はい。またあんな奴らが襲って来るかもと思うと良い気分じゃないですね。」

 

「そう?あれぐらいの奴らなら問題ないと思うけどね。

 あ。そうだ。これ持っとけば?あいつが置いてった拳銃。ちょっと使い方とか調べないとね。折角ゲットしたんだし。」

 

「え!?それ...分かりました。貰っておきます。」

 

よしよし、翼也君に拳銃を装備させられれば大分自衛能力が上がるだろう。

とは言えしばらくは拳銃を扱うために訓練をしなきゃいけないだろうけどね。




何だか主人公君が割とヤバい奴になってきたんだけど筆が勝手に動くからね、しょうがないね。
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