ラブライブ!虹ヶ咲学園 スクールアイドル同好会とガンダムビルドダイバーズの世界線が混ざっています
この話はラブライブ!虹ヶ咲学園 スクールアイドル同好会とガンダムビルドダイバーズの世界線が混ざっています
ビルドダイバーズを見てなくても読めるかなと思うのでよろしくお願いします
ガンプラバトル・ネクサスオンライン……通称"GBN"。
機動戦士ガンダムシリーズに登場する機体などを模したプラモデル、通称"ガンプラ"のデータを用いてガンプラバトルをしたり、広大な"ディメンション"と呼ばれる電脳仮想空間の中にあるフィールドを探索したり出来るネットワークゲームである。
GBNのプレイヤーは"ダイバー"と呼ばれ、日々強さを求めたり、それぞれの好きなことを互いに高めあっている。
この物語は、とあるスクールアイドルにしてダイバーの少女達の物語である。
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「いやあ〜……楽しみですねぇ!こうして誰かと一緒にGBNをやりに行くなんて初めてです!」
「……私も」
長い黒髪をはためかせ、優木せつ菜は心が踊っているようだ。
ピンクの髪を弾ませる天王寺璃奈は無機質な声ではあるものの、せつ菜と同じ気持ちのようだ。
「璃奈ちゃんボード……わくわくっ!」
カバンから手に持てるサイズのスケッチブックを取り出し、自分の顔に当てて感情を表現する。
感情を表現するのが苦手な璃奈にとってこの璃奈ちゃんボードこそが最大の特徴と言えるだろう。
ボードには笑顔が描かれている。
「ふふっ、璃奈さんはGBNを初めてから結構経っているんですか?」
「ううん、最近始めたばっかりだから、まだランクもFだよ」
「そうですか……でも、璃奈さんならきっとすぐ高ランクに行けると思いますよ!」
「ありがとう……せつ菜さんは、どれくらいなの?」
「私も始めたばかりなので、まだEですよ?登録は前にしていたのですが、あまり出来なくて……」
「そうなんだ……生徒会長の仕事とか、忙しそうだもんね」
せつ菜と璃奈は、スクールアイドルである。
スクールアイドルとは、部活動としてアイドル活動をしている高校生たちであり、それぞれがそれぞれの好きなことを表現している。
スクールアイドル全体の大会であるラブライブというものがあるが、彼女達が所属してる虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会はそれを目指さず、その上グループとして活動せずに所属してる9人のアイドルがソロアイドルとして切磋琢磨している。
彼女達虹ヶ咲学園のスクールアイドル以外も参加した"スクールアイドルフェスティバル"がここ、お台場のダイバーシティ東京付近で開催され、注目が集まっている。
だが、今日の2人はスクールアイドルとしてではなく、GBNのダイバーとしてダイバーシティ東京7階にある"ガンダムベース東京"に来ている。
ガンダムベース東京は、国内最大規模のガンプラ商業施設であり、ここでしか買えないガンプラやグッズを売っていたり、ここで買ったガンプラをビルドルームという場所ですぐに組むことが出来たり、ペインティングルームで塗装も出来る。
土曜日には、無料でガンプラの組立体験会も行っている時もある。
2人は7階に着き、ガンダムベースへと入った。
「いつ来ても興奮しちゃいますねぇ!」
「そうだね……ログインする前に、少し見ていく?」
「うーん……それも少し考えましたが……見るのはバトルした後でもいいんじゃないですか?」
璃奈がわかったと返事をすると、奥のGBN専用ルームの受付へと向かった。
「おっ、いらっしゃーい!今日は2人でダイブするのーっ?」
店員のナナミが気さくに話しかけてきた。
「はい!一昨日の部活終わりに璃奈さんがやっているのを聞いて、一緒にやってみようと誘ったんです!」
「私も楽しみ……でも、勝ちを譲るつもりはないよっ……璃奈ちゃんボード、きりり!」
真剣な表情が描かれたボードを見せ、やる気満々なようだ。
「あっ、そうそう!この周辺でイベントやったんだってね!その日私は用事あったから行けなかったけど、大盛り上がりだったらしいね!」
「はい!途中雨降っちゃいましたけど、成功しました!」
「それはよかったーっ!ライブ映像も見たよー?おっきなロボ出てきてびっくりしちゃった!」
「かすみちゃんの……だね、あとで見たけど……すごかった」
「璃奈ちゃんのライブもよかったよー?次は生で見たいなーっ」
「ありがとう……璃奈ちゃんボードっ、てれてれ」
「あっ、ごめんね!長々と話しちゃって!ちょうど今スペース空いてるから一緒にログイン出来るよ!」
ナナミに案内され、GBN専用ルームに案内される。
「璃奈さん、お互い使うガンプラはバトルするまで見ないようにしませんか?」
「わかった」
せつ菜の提案に乗り、2人は新幹線のようなシートの両端に座り、正三角形の角を切り落としたような六角形の"ダイバーギア"をセットする。
それぞれのガンプラをダイバーギアに載せ、ギアがガンプラをスキャンする。
ゴーグルをかけ、操作スティックを両手に持ち、2人はGBNへとダイブした。
1人では体験出来ないような、面白そうな未来が待っていると……感じながら。
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GBNのロビーはいつもたくさんのダイバーで溢れている。
ガンダムシリーズの登場人物の服装を纏ったダイバー、オリジナルの服装を纏ったダイバー、はにわのような顔をしたSDガンダムの格好をしたダイバー……多種多様だ。
早速だが璃奈はひとつ失敗したなと感じた。
せつ菜のダイバールックがどういうものかを聞きそびれてしまったからだ。
自分のダイバールックはそんなにリアルの自分とはかけ離れていなかったので、せつ菜が見つけてくれることを信じて、辺りを見渡す。
「璃奈さん!」
声が聞こえた方向を向くと、濃い赤のマフラーに紺色のジャケットを纏ったせつ菜が走ってきた。
「よかった……見つけられて……」
「ごめんね、服装言っておけばよかった」
「まあ、こうして見つけられたからいいじゃないですか♪璃奈さん、ザフトの白服をダイバールックにしたんですね!似合ってますよ!」
「ありがとう……璃奈ちゃんボード……あっ……」
カバンからボードを取り出そうとするが、カバンがない。
「次からはカバンとボードとペンをルックに登録しておいた方がいいかも知れませんね」
「うん、そうする……せつ菜さんのダイバールックも、似合ってるよ。00の刹那の私服……だっけ?」
「はい!オリジナルの服装にしようか考えましたが、堂々とコスプレ出来るので、こうしちゃいました!」
「そういうのも、楽しみ方のひとつだよね」
「はい!そうだっ、バトルの前にお互いフレンド登録しませんか?」
手元にコンソールパネルを表示させ、登録画面を開く。
お互い操作をして、フレンド登録が完了した。
ダイバーにはダイバーネームというものがあり、お互いのダイバーネームに目がいった。
「ここでは"りなりー"という名前なんですね!」
「うん、愛さんに付けてもらった……大事なあだ名だから」
愛さんというのは、同じ同好会に所属してるアイドルで、璃奈の大切な友人である。
「そっちは……カタカナにしてるんだね」
プロフィールには【ユウキ・セツナ】と表示されている。
「元からこれが芸名みたいなものですから!それに、全部カタカナにするとガンダムの登場人物っぽくないですか?」
「わかる……あれっ、せつ菜さんも私が初めてのフレンドなんだね」
「あまり積極的には申請するつもりはなかったので……」
「そうなんだ……ちょっと意外かも」
「そうですか?まあ、それはそれとして……さっそくバトルしましょうか!」
「うん……さっきも言ったけど、勝ちを譲るつもりはないからね」
「ふふっ、私もですよ!」
コンソールパネルを数回タップし、格納庫へと移動する。
ダイブする前にお互いの機体を見ない、と約束したので、正確には格納庫の扉の前だが。
せつ菜はパネルを弄り、バトルの設定をしている。
「バトルの形式はどうしますか?」
「普通に1回撃墜したら勝ちでいいんじゃないかな」
「わかりました、フィールドのご希望はありますか?」
「宇宙か……コロニーがいいかも……私の機体……オールレンジ攻撃持ちだから」
「なるほど……手強そうですね……」
そういいながら、コンソールパネルに表示されたバトル設定を璃奈に見せ、了承を得て、めいめいの格納庫へと入った。
「さて……対人戦は初めてですね……頑張って勝利を手に入れましょう……!」
「上手くやれるかわからないけど……精一杯やってみよう……」
璃奈がコックピットに搭乗すると、せつ菜からメールが届いた。
『準備はいいですか!?それでは……ガンプラバトル!レディーゴー!!』
文面から既にテンションが上がっていることが感じ取れる。
これがときめきというものなのだろうか。
「ユウキ・セツナ!ガンダムアメイジングエクシア!出る!!!!」
「りなりー、ストライクフリーダム、行きます」
格納庫からカタパルトへ接続され、それぞれの機体は宇宙へと出撃した。
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璃奈は索敵を行っていたが、せつ菜の機体はまだ発見出来ていない。
この中域にいることは確かなはずなのだが。
璃奈の機体のストライクフリーダムガンダムには、背中のドラグーンというオールレンジ攻撃……遠隔操作でビームを撃ち込める武器がある。
牽制に8つのうち2つでも飛ばしておこうかと考えていたその時。
「っ!?」
赤いアラート画面が表示され、その方向からピンク色のビームが2発、3発と連続で流れてきた。
牽制をするつもりが、先に牽制をされてしまったようだ。
「せつ菜さんの機体は……アメイジングエクシア……接近戦は危ないかも……」
2挺のビームライフルを構え応戦し、そのまま背中のドラグーンを4つ展開し、戦力を削ごうとするが……
「はあぁぁぁぁ!!!!」
ドラグーンから放たれたビームを全て回避して、アメイジングエクシアは一気にストライクフリーダムに接近してきた。
そして右腕に装備されているアメイジングGNソードを展開し、斬りかかる!
「なっ!?」
文字通り真っ二つに切り裂こうとしたが、それは受け止められてしまった。
それも……真剣白刃取りの要領で。
「ふふっ……中々やりますね……!でも、シン・アスカのようには、下がりませんよっ!」
両腕に装備されているGNバルカンの左腕の方を連射すると、それなりにダメージは通っているようだ。
だが、このままやられている璃奈でもない。
あらかじめ展開していたドラグーンを使って、このまま一網打尽にしようという算段だ。
機体のダメージが蓄積し、コックピットの内部が青から黄色へと変わる。
それでも璃奈は表情を崩さず、Xの字に配置したドラグーンを一斉掃射!!
大きな爆発音が響き、撃墜した……と見えるが、どうやらそうとはならなかったようだ。
「……間一髪……ですね……!」
白刃取りされていた右腕を振り払い、どうにかアメイジングエクシアは撃墜を免れたようだ。
その代償に、右脚を損傷してしまったが。
「あれで落とせないなんて……流石……」
声に抑揚はないが、璃奈はせつ菜の操縦技術に感心しているようだ。
そのまま展開していたドラグーンをアメイジングエクシアに向け、再び射撃戦に持ち込もうとする。
ストライクフリーダムにはドラグーン8門、ビームライフル2挺、腰のレールガン2機、腹部のカリドゥス複相ビーム砲を一斉掃射出来る『ハイマットフルバースト』という技がある。
本来このGBNでの必殺技はダイバーランクを上げないと使えない仕様ではあるが、機体が作中で使用した技はランクを上げずに使える仕様になったようだ。
この技は複数機相手をマルチロックオンして使うの向いている技だが、単騎相手にも部位破壊をしつつ撃つことが出来る大技だ。それ故に発動までに少しラグがあり使い所は難しい。
それに、璃奈はせつ菜が使っているアメイジングエクシアにも恐らく特殊能力があると分かっているから尚更だ。
その特殊能力を使われて先程のように接近戦を挑まれたら勝ち目は薄くなる。
だとしたらそれを使われる前に撃墜するしかない。そう判断し、残りのドラグーンも展開し、ビームの雨を降らす!
「やはり……短期決戦で終わらせようとしてるみたいですね……だとしたらこちらも……あれを使わせてもらいますよ……!」
時折小惑星に機体を隠しつつ、ビームの雨から逃れて、せつ菜はアメイジングエクシアの特殊能力を発動しようとする。
だがせつ菜はそれをこの機体がちゃんと発動出来るかが不安だった。
GBNは、実際のガンプラを使って戦う訳では無いが、機体の性能はガンプラの出来栄えに左右される。
ガンダムのアニメ内でいくら強い機体だったとしても、ガンプラの出来栄えが良くなければ作中の量産機に撃墜されることだってざらにある。
せつ菜のアメイジングエクシアは説明書通りに組んだいわゆる"パチ組"に足りない色を部分塗装したものであるため、機体の完成度が高いとは言いきれない。
最悪の場合、機体が自壊してしまうかもしれないが……今自分が出せる全力をすべて出し切りたい!
その気持ちが勝り、せつ菜は特殊能力を使うことに決めた。
ビームの雨が止んだことを確認し、アメイジングエクシアが小惑星から飛び出した。
そしてせつ菜は高らかに特殊能力の名を叫ぶ!
「トランザム!!」
コックピットのディスプレイにもその名が表示され、機体を紅に染め上げる。
「……しまった」
使われたくない特殊能力を発動され、璃奈は思わず声を漏らしてしまう。そうしたのも束の間、アメイジングエクシアは紅の残像を撒き散らしながら先程とは比べ物にならない速さで戦場を駆け巡る。
トランザムとは、機動戦士ガンダム00に登場する"GNドライヴ"……または"太陽炉"という動力を持った機体が放出するGN粒子の放出量を一時的に3倍に増大させ、機体スペックを引き上げる切り札のようなシステムだ。
その特徴は機体が紅く染まり、移動する時にはスピードカメラで撮ったような残像が追従することである。
だが、トランザムには弱点も存在する。
機体の中にある粒子を使い切るとスペックが大幅に弱体化してしまうため、対策としてはトランザムの継続時間を耐え抜いてトランザム切れになったところを撃墜するというのがセオリーと言える。
また、操縦する点では、慣れていないと自身が機体に振り回されてしまうという点だろうか。
そして、このGBNではやはりガンプラの完成度でトランザムがちゃんと使えるかも決まってくる。ちゃんと機体を作りこんでいないと、機体が負荷に耐えきれずやはり自壊してしまう。
璃奈のストライクフリーダムは、一旦ドラグーンを羽根に仕舞い、ライフルを腰にマウントし、両手にビームサーベルを自衛用に構えている。
正直なところ、近接戦をアメイジングエクシア相手に挑むのは自殺行為とも言えるが、相手がトランザムを使っている以上、ドラグーンによる遠隔射撃も当たらないだろうと判断し、トランザム切れを狙って攻撃を受け流そうということだ。
だが、そう簡単に受け流せるというものではなく、紅き閃光は次々とストライクフリーダムにダメージを与えていく。
肩、脚、バックパックと、ダメージが蓄積し、コックピットの中は撃墜寸前の警告を表すように赤く光っている。
攻撃を与えてくる瞬間にサーベルを振るうも虚しく、空を切ってしまう。その瞬間背中に衝撃が走り、バックパックの羽が1枚斬り落とされてしまった。
「このままだと……トランザムが切れる前に撃墜されちゃうかも……」
斬り落とされた瞬間に璃奈はある操作を行う。
牽制に頭部バルカンを撃つも、やはり当たらない。
直線的な動きであれば、その動きを予測してビームを置いて当てることは出来るかもしれないが、せつ菜の操縦はそうとはいかない。
"の"の字に旋回したり、アクロバティックな動きで翻弄してくる。
「これで……終わらせます……!!」
アメイジングエクシアは左腰の大型剣"アメイジングGNブレイド"を左手に構え、右手のアメイジングGNソードを展開し、勝負を決めようというところだ。
コックピットのディスプレイに表示されているトランザムの限界時間まであとわずか。
「はあああぁぁぁぁぁっ!!!!」
両手の刃を振りかざし、仕留めようとしたその瞬間……
「今だ……!」
紅き閃光を一筋の緑の閃光が貫く!
「っ!?」
その衝撃でアメイジングエクシアのトランザムは解除されてしまった。左腕を失い、その上機体スペックもガタ落ちしてしまったため、とりあえずこの場は離れた方がいいと判断し、先程と同じように小惑星に身を隠そうとする。
その途中、せつ菜はストライクフリーダムの健在である3枚の羽根のうち、先程まで6機ついていたドラグーンが1つ無くなっていることに気づいた。
「なるほど……斬りかかる直前に動きが止まるのを見越して、置きビーム……というわけですか……流石ですね……!」
今は敵ながらあっぱれだという賞賛を心の中で送りつつも、再開されたビームの雨を回避する……が、トランザム終了の影響で、全てを回避することは出来ず、形勢逆転されてしまっている。
「このまま……一気に……!」
エネルギーが低下し、思うように動けていないアメイジングエクシアに対し、璃奈は大技を使うことにした。
6枚のドラグーン、腰のレールガン、腹部のカリドゥス複相ビーム砲、両手のビームライフル、それら全てを撃ち放つ"ハイマットフルバースト"。
今の璃奈のストライクフリーダムでは1回しか放てないが、ここが使い所だろう。
目を閉じてすぅ、と軽く深呼吸をし、頭の中をクリアにして目を開き、発射体制を整える!
「当たって……!!」
幾つものビームが放たれ、アメイジングエクシアが身を隠していた小惑星ごと吹き飛ばした。
「これは……!」
放った大技が当たったことは間違いない。
だが戦闘終了にはなってない……ということは。
「まだまだぁ〜っ!!!!」
背面にいつの間にか回り込んでいたアメイジングエクシアの右腕が振り下ろされ、ストライクフリーダムの左腕を斬り落とす!
一瞬判断が鈍ったが、すぐさま対応しドラグーンで頭部を破壊し、距離を取ろうとするが……
「……っ!」
「ここは……私の距離ですっ!!」
尖端が折れたGNソードが腹部を掠め、ストライクフリーダムはまたもや防戦になってしまう。
「エネルギーもそこまで残されてなくてビームサーベル以外はまともに使えない……お互いにあと少しで撃墜……ってとこ……どうしよう……」
璃奈がそう思案している間にもせつ菜のアメイジングエクシアは猛攻を続ける。
レールガンを斬り落とし、狙撃でドラグーンを落とし、このままいけば彼女の勝ちとなる具合の試合模様だ。
GNソードとビームサーベルの鍔迫り合いで閃光が走り、互いのコックピット内がまるでストロボのように照らされる。
赤い表示と警告音が鳴り響き、もう少しで決着が着く。
「多分このままだと押し切られる……だとしたら、せつ菜さんが思ってもないような攻撃をすれば……」
璃奈の頭には一つだけ手段が思い浮かんでいるが、行うには機体のエネルギー残量的にもタイミング的もダメージ的にもチャンスは一度きりだ。
「っ!?」
突如ストライクフリーダムのビームサーベルの刃が消え、アメイジングエクシアは大きくぐらついてしまう。
振り降ろそうとしていた力がビームサーベルによって反発していたが、その反発する力が突発的に無くなりバランスを崩してしまう。
その拍子に折れたGNソードで頭部と左胸部分は破壊することが出来たが、まるで抱きつくように機体同士がぶつかり、弾かれてしまう。
その時。
「なっ……!!」
緑色の閃光がエクシアを撃ち抜く。
大きな爆発を起こし、辛うじて機体は動くが、目の前にはビームサーベルではなくドラグーンを携えたボロボロのストライクフリーダムがエクシアを捉えていた。
先端から緑色のビームを展開し、コックピットを貫く!
「まさか……ここまでとは……流石ですね……!!」
せつ菜がそう言い残したと同時に、エクシアは爆散する。
「はぁ……はぁ……はぁ……勝てた……!!」
肩で息をする程に神経を研ぎ澄ませていた璃奈の目の前にリザルト画面が表示され、璃奈が勝利したということが明示された。
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「いやぁ〜……激戦でしたね!」
出撃前の格納庫に戻った二人は、今回のバトルを振り返る。
「うん、せつ菜さんが勝ってもおかしくなかったと思う」
「ふふっ、ありがとうございます!でも今日勝ったのは璃奈さんですから、おめでとうございます!次は負けませんよ?」
「ありがとうございます……私だって、次も負けないよ」
「いい意気込みですね!!」
お互い全力を出して戦ったからか、気分はとても晴れやかだ。
「ねえ、ひとつ聞きたいんだけど、フルバーストしたあとにどうやって後ろに周り込めたの?」
「それはですね、当たる寸前にバックパックのトランザムブースター内のエネルギーをかき集めてほんの一瞬だけ全速力で移動したんです」
「だから素の状態になってたんだ……」
「最終決戦のケルディムのワンセコンドトランザムからヒントを得てやってみました!」
「あの一瞬でよく思いつくね……」
軽く拍手をしながら璃奈は感心する。
「それにしても、最後の一撃はアーマーシュナイダーを突きつけられたイザーク・ジュールの気持ちがとても分かりました!」
「やっぱり……怖い?」
「そうですね!ゲームの仕様上実際にコックピット内に攻撃が来ることはありませんが」
「なんだか、ごめんなさい……」
「いえいえ!……それと、あのドラグーンは復旧させたんですか?たしか全部破壊したと思ったのですが」
「たしかに、撃たれたり斬られたりしたけど、トランザム使った時に壊された羽根のドラグーンを、爆発する前に分離させておいたの。奥の手として残しておいて、意識から逸らすためにあえて使わなかったんだ」
「なるほど……今回は何かとドラグーンに翻弄されてしまいましたね〜……」
後ろを振り返り、修復されている2機を眺める。
GBNでは機体の損傷があったとしてもリペアタイムが終了すればログインした時と同じ状態で再び戦えるようになる。
「オールレンジ攻撃は上手くハマれば便利だけど、使うのにとても神経を使うし、今度は違う機体にしようかな」
「璃奈さんは上手く使えていたと思いますよ?……でも、本人がそういう意思ならそれもありだと思います!」
「うんっ、ログも見返して、もっとよく動けるようにしたいな」
「私もです!このようなタイマンバトルもいいですが、次は協力ミッションもやりたいですね!」
「もちろん、また来たいな」
「その時はよろしくお願いします!」
お互いに微笑みながら固い握手を結ぶ。
「ねえ、一枚スクショ撮っていい?」
「はい!バトル記念ですね!」
うん、と返事をし璃奈がコンソールパネルを開き写真を一枚撮る。
こうして、青春の中の一ページが増えていくのだ。
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「お疲れさま〜!どうだった?」
「激アツだった」
「私もです!とてもテンション上がりました!」
ログアウトし、ブースを出る前にナナミが話しかけてきた。
「うんうん!楽しめたのならよし!もしよかったら、同好会の子達にも勧めてみて!」
「はい!十人で同時に遊べたらもっと楽しめそうですね!」
「貸し出し用のギアも機体もあるからね〜!」
「はい!ありがとうございました!」
「失礼します」
挨拶を終え、少しだけ売り場を見てから二人はガンダムベースを後にした。
降りエスカレーターに乗りながら璃奈が呟く。
「なんだか今、すっごく満たされてる気分」
「勝利の美酒、というやつですか?」
「それもあるんだけど、こうして一緒に、自分の好きなことで遊べたから……かな」
「なるほど……それは私もですよ?今日は本当にありがとうございました!」
「私の方こそ……ありがとう……」
エスカレーターは次々と階を降っていく。
「こうして遊べたのも、スクールアイドルになって、みんなと繋がれたからだよね……なってなかったら、私はせつ菜さんのこと生徒会長さんとしか思えなかっただろうし」
「そう思うと、少し不思議な縁ですねぇ……少しでも歯車がずれていたら、璃奈さんと繋がることも出来なかったかもしれないですから、縁に感謝……です!」
せつ菜がスクールアイドルを続けるという選択を取るまでに、色々なことがあった。
彼女の輝きにときめき、魅了された者がいなかったら、せつ菜と璃奈は今こうして一緒に歩いていないかもしれない。
「うん……私もその縁に感謝する……!」
この後にさらなる3つの深い縁が出来るのはまた別の話。
ダイバーシティを出て、ユニコーンガンダムの立像前を通り過ぎ、二人は帰路につく。
スクールアイドルとはまた違ったときめきに、心を弾ませながら。
おわり
閲覧ありがとうございました
気が向いたら続きを書くかもしれないのでその時は読んでくれたら嬉しいです