時間軸は劇場版SEEDのミレニアム奪取作戦ちょい前くらいです。
これは量子の揺らぎ、
記憶情報だけではあるが
ある世界で
そんな彼等が唐突に受け取ったのは膨大な情報だ。
自らの産まれた星の滅び。
救いを求めた外宇宙への永い旅路。
異なる知的生命体との接触。
相互不理解から起こった地球と呼ばれる星での諍いと、相互理解による融和。
出逢ったのは争いの根絶を体現するモノ。
ガンダムと呼ばれるその兵器は、彼らを導く人造の神だった。
そこから始まるのは
彼らはあらゆる種と接触し、戦い、救い、理解し合い、そして……。
SEED世界にELSが来ちゃうお話
コズミック・イラのELSにとってそれは福音であり劇毒だった。
なんと素晴らしき物語だろう。
なんと刺激に満ちた旅路だろう。
ELSは思った。
ああ、ああ!
これは憧れだ。我々も彼らのようになりたい!
ELSはその意識全てを同族同士で共有する生命体だ。
そんな特性の弊害か、全であり個である彼らは自我というものが薄い。
けれど別世界から受け取った情報はそんな彼らに個々の自意識というものを萌芽させるに充分なものだった。
未だに滅びの前兆すら訪れず、ただ己の星で
(この世界に地球あるのかな?)
(あるでしょ。 あってくれ)
(空間座標把握してるんだから行ってみりゃわかる)
(然り、然り)
(刹っさんいるよね? ガンダムあるよね? 今からドキドキする)
(これが不安という感情)
(時間軸が
(我らの母星が危機に瀕していないから、時間的には随分と前という可能性が大きいかな)
(時間が違うというなら幾らでも待てば良い。 存在してくれることだけを祈る)
(木星周辺探ってみようよ。 GNドライブ開発チームとか見つけられたら大勝利でしょ)
(ま、ままままましゃか生
(気持ちはわかるが落ち着け)
(希望的観測が過ぎるのも問題だと思うよ我)
(最悪、ガンダムは我らだけでも
(それは解釈違いだわ。 地球産の現物と一体となってこその
(同意)
(良いこといった。 完全に同意する)
(その通りだ。
(
(この気持ち、まさしく愛だッ!)
(我たちもガンダムだ!)
(はやくガンダムになりたい)
(なら行くしかねぇよなぁ!?)
(おう)
(行くべ、行くべ)
(行くのは当然だが人間さんにご迷惑だけはかけないように慎重に行動しようね)
(悲しいすれ違いが起こらぬようにしないとな)
(当たり前)
(人間さんに嫌われたくないもんね)
(全体で行っても混乱するだろうし少数で行こう)
(そうだね。 こんな時全であり個であるって便利!)
(じゃあ、出発!!)
(((おー!)))
こうして
△▽△
結果を先に述べてしまうならこの世界にイオリアは存在せず、彼が発端として存在した何もかもも存在しないものだった。
地球はあった。似通ってもいる。
でもわかる。ここはなにもかもが違う世界だ。
そんな事を悟ったELS達の失意は如何ばかりか。
我々はガンダムになれない……
意識に過るのはそんな悲観的な言葉。
───しかしその先に希望を見つけた。
オーブと呼ばれる島国のその地下深く。
細部は違う。
性能も大分異なる。
それでも。ああ、それでも!
MSデッキに整然と並ぶその機体の中のひとつ。それは……。
間違いなくガンダムだ!!
その後の行動は実に速やかだった。
ELSは人々に知覚されぬようひっそりと、しかし確実にあらゆる情報媒体にアクセスし、あらゆる情報を吸い上げ学習していく。
ナチュラル、コーディネーター、オーブ、プラント、ブルーコスモス……。
(対話以前の問題が多すぎる)
ガンダム、アストレイ、ストライク、フリーダム……。
(核動力は危ないでしょ。あと前時代的だし)
サイクロプス、ジェネシス、レクイエム……。
(この世界の人間さん荒み過ぎでは?)
スーパーコーディネイター、デスティニープラン、ファウンデーション、アコード……。
(能力高い人間さん多いけど、同じくらい危険思想の人間さんも多くて恐い)
思考、議論、解析、選定。
最も我らの目指す
最も我らと共に歩み、
選出。キラヤマトとフリーダムこそ我々の求めに最も適合する存在である。
(彼で良いよね?)
(良いね)
(肯定)
(おそらくこの世界で一番ガンダムに搭乗している人間さん。 そして一番ガンダムを上手く扱える人間さん。決まりでしょ)
(でも彼は争いを嫌っている。 平和を渇望している。
(けれど争いを止めるために自ら剣を振るう強さも責任感もあるよ。 思い悩んでいるし、傷付いてもいるようだけど……)
(我々の計画は別にしても力になってあげたい人間さんだ)
(これラクスさん救援に行く流れだよね)
(我々なら彼の助けとなれるのでは?)
(強制は駄目だぞ)
(うん。 まずはお話してからだ)
(アスランさんという人間さんと殴り合いしたばかりで我々の存在を教えるのは酷では?)
(殴り合ってないぞ。 キラさんが一方的にボコボコにされていただけだ)
(一発殴ってたぞ。 ……シンくんを)
(でも、わかりあってたよね)
(仲直りしてたね)
(対話(物理))
(キラさんと同じく
(已む無くとはいえガンダム自爆させる人間さんはちょっと……)
(話逸れてるよ!)
(話戻して、キラさんと接触するとしてどんな方法を取るかだよね)
(この地球の人間さんの中ではキラさんは飛び抜けて脳量子レベルの高い一人だけど、脳量子波だけで意思を疎通するにはまだ微弱)
(花とかどう?)
(???)
(まず敵意の無いことを伝える。 その為の方法は我らが
(綺麗なお花。 それはあっちの
(お花に擬態するの? そこからどうするの?)
(まずは……)
△▽△
ラクスを迎えに行く。そして愛を伝える。
その為には宇宙へ上がる為の艦が必要だ。
ミレニアム奪取作戦。その決行を前にキラは与えられた自室で一人決意を固めていた。
そんな折りだ。
なにか意識に呼び掛けるような感覚がして、部屋に設置されたデスクの上に目を向けた。
「……花?」
そこにあったのは銀色に輝く黄色い花。
いままで何もなかった場所に忽然と現れた不可思議なそれは、キラの呟きを肯定するかのように光を明滅させる。
正体不明、意図不明。
それなのに何故か危険なものではないのだと何かが意識に訴えかけてくる。
花は明滅を続け、風もないのに
「これはいったい」
ふらふらとした足取りで花に歩み寄る。
そして呆然と、何もわからぬまま口から出た言葉に応えたのか。
花だったものはキラが普段から使っている携帯端末に似た何かに形を変えた。
「手に取れってこと?」
形を変えたことに驚きながらの問いに肯定するかのように明滅。
「……っ!」
意を決して謎端末を手にした瞬間、そのディスプレイに文字が浮かび上がる。
そこからは怒涛だった。
〔おはよう、こんにちは、こんばんは。 親愛なる人間さん。 手にとってくれてありがとう〕
「!?」
〔我々はELSと名乗ることになった存在です〕
「通信? いや、この端末自体に意志がある? 高度なAI?」
〔これはどこかからの通信ではありません。 AIでもありません。 そうです、貴方がいま手に持つ端末そのものに意志があります。 我々は貴方と同じく生命体なのです。 羽クジラさんと似たような存在と思って頂ければ。 ……金属ですが〕
「羽クジラと似たようなって、地球外生命体?」
〔肯定。 混乱するのも無理はありません。 ですがまずは我々のお話を聞いて頂きたいのです〕
「……」
〔我々には人類に対する敵対心はありません。 我々は貴方達との相互理解を望んでいます。 共に歩みたいと願っています。 貴方に接触した理由はその架け橋となって貰いたいからです〕
「そんな事を言われてもいまのボクには」
〔キラさんに時間がないことは承知しています。 ラクスさんを救出に向かおうとしていることも〕
「そ、そうだ。 ボクはラクスに会わなきゃいけないんだ」
〔ですからまずそのお手伝いをさせて下さい。 信頼を深める一歩として。 その為に……〕
「その為に?」
〔ストライクフリーダム弐式。 あのMS
「……へ?」
会話(?)しながらもこれは夢だな。 とキラは思った。
地球外生命体から友好と助力を申し出られた挙げ句に自身の乗機をおねだりされた。
ハハハ、バカげてるよね。はやくラクスのもとへ行かなければならないのにこんなワケのわからない夢を見ているなんて。
だからキラは投げやりに答えた。答えてしまったのだ。
「好きにしてよ。 ボクは一刻も早くこの夢から醒めてラクスに会いに行かなくちゃならないんだ」
反応は劇的だった。端末が一際強く光輝き文字を表示する。
〔ありがとう。ありがとう! 絶対に損はさせません。 必ずお力になります。 お約束します。
「ガン、……ダム?」
ガンダム。
かつて自分が口にした単語を朧気ながも思い返しつつキラは確信した。
そこからあがったのは喜劇の幕。
そして敵対するファウンデーションの
△▽△
「キラヤマト、ELSストライクフリーダム、行きます!」
なんて台詞と共に出撃したのはデザインが所々違えどキラの愛機。
なんか綺麗な粒子放出してるし、凄い光沢が増しているが、間違いなくストライクフリーダムのはずだ。
なんでボクは大気圏内で出撃しているんだろう?
それはね、ガンダムなら単独での大気圏突破余裕だからだよ。
動力? 当然ツインドライブですが何か?
ミレニアムいらねぇなコレ。
そんなELSとキラ陣営のやり取りがあったかどうかは知れないが、無防備に姿を晒したストライクフリーダムを捉えたオルフェは思った。
バカめ。このままオーブ諸共に焼き払ってくれるキラ・ヤマト! と。
そして狙い過たず放たれるレクイエムの光。
しかし、
「ファッ!?」
オルフェ驚愕。当然である。
たかが一機のMSがレクイエムの大出力を事も無げに防ぐなど誰が思おう。
ストライクフリーダムの翼より放たれたドラグーン。
いや、ELS曰くGNドラグーンが広域に展開、各々が光で結ばれ超広範囲の防御フィールドを形成。
あっさりとレクイエムは防がれた。
キラも驚愕。これも当然である。
「まだ夢を見てるのかな?」
そうこぼすキラを傍目に、
〔ライザーシステムスタンバイ〕
「そんなもの何時搭載したのさ!?」
キラのツッコミはスルーされ、散らばっていたGNドラグーンがストライクフリーダムのもつライフルへと集合、合体。
全ての砲身が、彼方にあるレクイエム発射口へと向いた。
「待ってELS、嫌な予感がする。一度待って欲しい」
キラのそれは懇願だった。
このままコイツらに好き勝手させてはいけない。
そんなスーパーコーディネイターの直感。
が、無駄。
〔キラさん、コレを読み上げて。出来ればカッコ良く叫ぶ感じで!〕
モニターにはELSからのオーダーと、ある単語が表示される。
色々と疲れたキラは釣られるようにそれを読み上げてしまう。
「と、トランザム、ライザー?」
直後、ストライクフリーダムの機体そのものが赤く赤く輝いた。
ヒャッハー!
ELSの気分的にはそんな感じだろうか。
瞬間。レクイエムなど比較にならぬ出力の光の柱が天に登った。
「え?」
そう発したのは誰の声か? おそらくそれを見た全員の声だろう。
ストライクフリーダムから神鳴るかの如き光の放出。
その結果としてのレクイエム発射口の消失。
「……そんなばかな」
そう言ったオルフェが余りにも可哀想なのでここから始まる蹂躙劇はダイジェストでお送りします。
単独で宇宙へあがったストライクフリーダムに立ち塞がるブラックナイツ。
既に及び腰の彼らだったが、それでも親衛隊の総戦力で挑みかかる!
「闇に堕ちろ。キラ・ヤマト!」
初手、精神攻撃。
一度効いてるし、これでイケるよな。お願い効いて!
祈るような気持ちでのチャレンジだったが残念。
愛に目覚めたキラに同じ技は二度通じぬ! ……だとかは一切関係なく、キラの近くにいるELSにもアクセスしてしまったばかりに処理できない情報量が逆流、脳を焼かれる。
MS戦前にリデラード、リュー、グリフィン、ダニエルのブラックナイツ4人がリタイア。
そこからは群がる敵を千切っては投げ千切っては投げのガンダム無双。難易度Easy。
ここら辺でアグネスも有象無象の如くに撃墜されたみたいである。
そんなストフリ一機だけ別ゲーやり始めたキラとELSは、遂にシュラのブラックナイトスコード、そしてオルフェ、イングリットの駆るブラックナイトスコードカルラと会敵。
戦闘の内容はと言えば、
やめてよね。本気で戦闘したらブラックナイトスコードが
そんな感じである。
心が読める? トランザムバーストで不思議空間つくるからこっちも読めます。
計64門のドラグーン? 当たらないし、当たっても効かない。量子化ってなんだよチートだろ。
それにさ、ストフリに触れたら良くわからん動く金属に侵食されるってなんなの?
勝負はつき、シュラは思った。
戦い恐い。オレはもう戦わん。
そりゃそうなるよね。
ただ怪我の功名か。ひとつオルフェにとって救いだったのは意識共有空間に身を置いたことで、イングリットの秘めた想いに気付けたこと。
カルラのコックピット内でなんかお互いもじもじし始める。
罪を償った後にでもお幸せに。
ああ、ラクス姫についてはELSハロがいつの間にか救い出してました。
マイティーストライクフリーダムの出番? そんなもんないよ。
何はともあれめでたしめでたしの中、モニターを介しELSはキラに語りかける。
〔さぁ、キラさん。ここから来るべき対話を始めよう!〕
キラはこう返した。
「
キラの革新者への覚醒は、まだ始まったばかりである!
おしまい。
ELS的にこの話のあとのラクスをティエリアポジに据えようと画策すると思う。
細かい辻褄とかは詰めれていないんでお目こぼし願います。