七条先輩の別荘で寝泊まりした俺達。
ボードゲームで遊ぶ気満々の女性陣のせいで若干寝不足である。
夕食を取り、夜のイベントのために軽く仮眠をしていたら、いつの間にか七条さんに膝枕されていた。
「す、すみません!」
「いいよー。私がしたかっただけだから。」
母親以外で初めて女性に膝枕された。
は、恥ずかしい。
きっと俺の顔面は真っ赤になってるんだろう・・・。
こんな美人さんに膝枕されたら、誰だって顔赤くするよ。
って僕は何一人で言い訳まがいな事を言ってるんだ。
「どうしたのキヨタカ君?顔赤くして。」
「あ、いや、その・・・。」
「は!もしかしていやらしい夢見て身体が火照ったのね!!」
「そんな夢見るか!」
一気に顔の火照りが冷めたわ。
まぁ恥ずかしさを知られなかった分には良かったかな。
下ネタに助けられるとは、なんとも癪ではあるが・・・。
しばらくして、七条さんは他の女性陣と一緒に風呂に入りに行った。
「キヨタカ様。」
「何です?」
「これを。」
出島さんに呼ばれ、ティッシュ箱を俺に渡してきた。
「お嬢様の太ももの感触が残ってるうちに!」
「いらん!!」
出島さんの顔面にティッシュ箱を投げつけた俺は悪くない。
外が暗くなった所で、広場でみんなで集まってクリスマスパーティーを始めようとしていた。
「ではこれより、クリスマスパーティーを開催しまーす!」
『イエーイ!』
「では、生徒会長のシノちゃんより一言。」
名前を呼ばれ席を立ち、コホンっと咳払いをして乾杯の音頭をする。
「みんな今夜は存分に楽しんでくれ。今日は無礼講だ。だからM男の下剋上もありだぞ。」
「M男って俺とキヨタカだけじゃん!!」
「でもキヨってどっちかって言うとS男だから実質タカ兄だけだよね。」
「嘘だろ!!」
じーっと兄さんを見る女性陣。
何故兄がM男扱いなのは知らないけど、無視すりゃーいいのに。
そして誰がS男だ。
乾杯の音頭も済ませ、テーブルに置かれた豪華な料理をみんなで堪能していた。
「美味しいねキヨ!」
「うん美味しいね。」
まさか中学生でこんな美味しい料理を堪能できるとは思わなかった。
やっぱ七条さんパネェー。
「毎日こんな料理が食べられたらなぁ~。」
「おいおい、毎日だと有難味が無くなるだろ?」
「そうだぞコトミ。こういう特別な日だからこそに意味があるのだ。」
俺らの会話に天草さんが入って来た。
この人が言うと説得力があるんだよな。
流石、桜才の生徒会長さんだ。威厳がある。
「毎日下着が見えるよりも、たまに見せる下着の方が興奮するだろ?それと一緒さ。な!」
「こっちに同調求めないでください。」
前言撤回。説得力があるかどうか怪しくなってきた。
そしてコトミよ。
確かにっと納得するんじゃないよ。
そんな下ネタが兄さんの所にも発生した所で、引き続き料理を堪能しつつパーティーを楽しんでたら、天草さんが小さい頃、靴下をぶら下げてサンタさん来るのを待っていたと言う話を聞こえてた。
それ聞いて10年前の事思い出した。
あれは俺もコトミも5歳の時・・・・。
『んー・・・。』
『何考え込んでるのコトミ?』
『サンタさんの性癖。』
『・・・は?』
変な事思い出してしまった。
無垢な少女が言って良い台詞じゃないだろあれ・・・。
我が姉ながら恐ろしい・・・。
「どーしたのキヨ?」
「いや・・・忘れたい過去を思い出してね。」
「キヨ!私の厨二キャラを取るつもり!?」
「取らねぇーし。ってか自覚あるのかよ。」
そーいえば、クリスマスツリーに何か紙を張り付けてたっけ。
内容は・・・
『くつしたよりもニーソやパンストのほうが サンタのおしごとは はかどるとおもう
コトミ5さい』
・・・・・忘れよ。
時は過ぎていよいよメインイベント「プレゼント交換」が始まろうとしていた。
正直、出島さんのにだけは当たりたくない。
コトミが前に出て説明する。
「次はお待ちかねのプレゼント交換です!!ルールは真っ暗な部屋で音楽が止まるまでプレゼントを回し続けます。じゃあ明かり消すよー!」
コトミが広場の電気を消し、周りが真っ暗で見えなくなった。
「なんか興奮するね。」
・・・興奮?
「ハァハァハァハァハァハァ。」
「本当に興奮してんじゃねーよ!」
こんな事するのは恐らく出島さんだろーな。
この暗闇を利用して七条さんに変な事しそう。
通報しちゃダメだろーか?
そして、プレゼント交換が終了して、出島さんのプレゼントは兄さんに渡った。
ドンマイです。
俺が当たったプレゼントは萩村さんの少し高めのボールペンだった。
使い勝手よさそうだし、ありがたく貰った。
「キヨタカ君。」
「あ、それ・・・。」
七条さんは俺のプレゼントのマフラーを巻いて話しかけてきた。
「すみません。誰に当たるか分からなかったので無難な物しか選べませんでした。」
「ううん。私はこのマフラー気に入っちゃった。冬はこれを付けることにするね。」
もう少し普段使い出来るもの選べばと思って、若干後悔したけど喜んでくれたようで良かった。
「キヨタカ君はプレゼントのセンスがあるね。」
「センスだなんてそんな・・・。」
「裸マフラー好きは伊達じゃないね!!」
「好きじゃねぇーよ。」
何故そーなる。
いつ俺が裸マフラー好きになったんだよ。
何でもかんでもシモに結びつかないと死んでしまう病気持ちなの?
「見ろ津田!」
そんな七条さんのシモについて考えてたら、天草さんの大きな声が響き渡り、窓側の方を見ると雪が降っていた。
「雪が降って来たね。」
「ホワイトクリスマスですね。」
俺と七条さんがそんな会話し、みんなで外に出て雪を眺めた。
コトミとかは大はしゃぎで動き回っていた。
テンションが上がるのも分からなくはないな。
色々あったけど、今日の出来事は一生忘れる事のない思い出になるだろう。
みんなで過ごしたこのクリスマスを・・・。
すると、男性の声が空から聞こえて、一同上を見上げると・・・・。
「さ、サンタクロース!?」
嘘でしょ!?
まさか実在するなんて夢にも思わなかったよ!?
サンタクロースは一つのプレゼントを投げ落とし、兄さんがキャッチした。
そして笑いながら去っていった。
「俺は幻覚でも見てしまったのでしょうか。」
「そう思いたいのはわかるけど現実よ。」
だよなぁ~。実際に兄さんの手元にプレゼントがあるし。
「兄さん何貰ったの?」
「さ、さぁ。でも本物のサンタからのプレゼント・・・。」
そういった瞬間、プレゼントの中から振動音が聞こえ、箱が若干揺れていた。
結局、最後のオチはこーなるのかよ。