ゴジラVSクトゥルフ -The Call of Catastrophe-   作:江藤えそら

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先週末に投稿するはずのところ、投稿が遅くなり申し訳ありません。
ストーリーの裏設定をまとめたものを作成しましたのでご興味ある方は読み物としてお楽しみいただけると幸いです。
なお、本項ではクトゥルフ神話的要素とゴジラ要素の双方について筆者の自由な解釈で設定付けており、恐らく皆さんが知っているものと大幅に異なる部分があります。
「本作ではこういうことになっている」程度に思っていただけますと幸いです。

また、当然ながらEpisode G終了時点までのネタバレは含まれますのでご注意ください。
なお、本作ではゴジラも神話生物の一柱として扱っているので「神格と神話生物達」の項に含めています。

設定は予告なく書き換えたり追加したりすることがあります。


登場生物・設定紹介(Episode:G終了時点)

■神格と神話生物たち

 

・大いなるクトゥルフ/クトゥルー

身長:656m

体重:3000万t

翼幅:1280m

 

【概要・経歴】

 ダゴン秘密教団が主神として崇める邪神であり暗黒星ゾスより飛来した宇宙生物。同じゾス星人である落とし子たちからも神として信仰されている。

 地球がまだマグマの海に覆われていた45億年前ごろ、故郷たる暗黒星ゾスを離れ、安住の地を求め宇宙を彷徨う。そして2億5000万年前のペルム紀末期、地球に飛来。当時地上で繁栄していた古のものや地球生物達との一大戦争を繰り広げ、強大な力を持つ”古のもの”やジラサウルス達を一蹴。数百年にも渡る戦争の果てに地上の支配をほぼ完了する。しかし戦乱の中で魔力をほぼ使い果たしたことで、自身の眷属達が建造した暗黒都市”ルルイエ”にて永い眠りに就くこととなる。やがて地殻変動によりルルイエは海底に沈み、星辰が正される長い時を待ち続けることとなる。眠っている間に繁栄した人類を”自身に魔力を捧げる餌”と認識し、自身の配下にカルト宗教を築かせることで精神を蝕み魔力の吸い殻とした。また、深淵に近い人間に対し”夢”という形で直接干渉することも可能であり、次々に人間達の精神を自らに近付けることで魔力と生贄の確保を行った。そして眠りに就いてから2億5000万年前の現代、ついに暗黒星ゾスの星辰が再現され、大いなる神としてルルイエにて完全復活を遂げる。

 

【外観・能力】

 タコのような軟体質の肉体と長い触手を持ち、その巨躯は地球上のありとあらゆる生物を遥かに上回り、山そのものが鳴動しているが如き威容を放つ。翼幅1㎞に及ぶ巨大な翼で空を飛行することも可能であり、この翼は空力ではなく魔力を原動力としているため、空気の存在しない宇宙空間においても任意の方向に飛翔が可能。その巨体が誇る身体能力と膨大な魔力から生み出される魔術の数々は、まさに神と呼ぶに相応しい戦闘能力を体現している。また物質のほとんど存在しない宇宙空間においても数億年以上の時を生き延びられるほどの生命力を誇り、疑似的な不老不死とも称される。

 その魔力は母星たる暗黒星ゾスより供給されており、ゾスと地球の位置関係が2億5000万年前(地球飛来時)と全く同等に再現された際に最も強く供給される。ダゴン秘密教団はこの瞬間を差して「星辰が正される」と呼称しており、この時を待つためクトゥルーは悠久の時を擬死状態で過ごしていた。また、擬死状態では自らの身体から魔力を発現することはないが、復活が近くなるにつれて身体から発する魔力は加速度的に増加し、完全復活直前にはその発現がピークとなる*1

 深海生物に類似した外見と海底に眠っていたことから水との親和性が高いが、暗黒星ゾスでは太陽光のない環境で地熱をエネルギー源としていたこともあり、熱との親和性も高い。種類に限らずありとあらゆる液体を魔力によって操作することもでき、2億5000万年前の地上襲来時には自身が落着した地点に生じたマグマを世界中に広げ、敵対生物を焼き尽くす手段を取った*2

 

・クトゥルフの星の落とし子/ゾス人

身長:15~75m

体重:200~1万t

 暗黒星ゾスより地球に飛来した宇宙生物。45億年前に大いなるクトゥルフに付き従った個体と、地球飛来後に繁殖して増えた個体が存在する。大いなるクトゥルフをそのまま小型化したような姿をしているが、それでも地球に存在する生物と比較すれば非常に巨大である。クトゥルフと同じように軟体質の身体を持ち、肉体を半液状のゼリーのように分離・融合することができる。熱や毒、強い魔力などで細胞を完全に変性・消滅させない限り何度でも再融合して蘇る疑似的な不死性を持つ。ただし上述の通りクトゥルー同様熱への親和性は高く、生半可な高温では却って活動を促進してしまう。

 

・古のもの(Old ones)

身長:15~25m

体重:70~400t

 ウミユリのような樽型の姿をした生物。10億年以上前に地球に飛来し、長らく地球に在住していた宇宙生物。地球で生まれた生物ではないものの、地球に住まう期間を考慮すれば彼らこそが真に”地球人”と呼ばれるべき存在ともいえる。人類とは比較にならないほど優れた科学技術を有し、地球の生命の基礎と現生人類を始めあらゆる生物の元を生み出したとも言われる。ペルム紀末期には太陽活動の活発化に伴う高濃度放射線環境下に対応した生物として既存の爬虫類を改良したジラサウルスを生み出し、共存を行っていた。

 暫くは地球にて繁栄を享受していたが、2億5000万年前に飛来した大いなるクトゥルフの襲来により殆どの個体が死に絶え、追い打ちをかけるように自分たちが生み出した不定形生物”ショゴス”にも反旗を翻され、P-T境界時点でほぼ絶滅してしまう。生き残った僅かな個体は現在南極となっている陸地に逃げ込んだが、その後の消息は不明。現代では依諏間島を始め各地に彼らの生前の姿を宿した化石が存在する。

 

・ジラサウルス(Zilla-saurus)

身長:25~40m

体重:5000~1万トン

 ペルム紀末期に地上に生息していた半水棲爬虫類。ペルム紀後期に太陽活動の活発化による高濃度放射線環境に対応した生物を生み出す実験によって”古のもの”が生み出した種。当時地上で繁栄していた幾つかの巨大爬虫類がベースとなっている。"古のもの"達と共に地球上で共存していたが、邪神クトゥルーの襲来により地球規模の大戦争に巻き込まれ、ただ一人の個体である”ゴジラ”を除いて絶滅した。特異な形態であったため後継となる種は生まれなかった。

 見た目は二足歩行の恐竜に近いが、獣脚類のように背骨を地面に水平に向けるのではなく人間のように垂直に立てて歩く特異な歩行形態を持つ。また、生存自活の手法は地球上の他の生命体とはほとんど全くと言っていいほど異なり、呼吸や消化吸収の代わりに体内に有した核分裂炉によって各細胞にエネルギーを供給する。また、体表から放射線や宇宙線を直接エネルギーとして取り込むことも可能。通常の食事は必要ないが、定期的に放射性元素を摂食する必要がある。

 体内で発生した高エネルギーを利用し、数千度にも及ぶ高温の吐息を吐き出すことが可能(肺は存在しないものの、体内原子炉を筋肉で圧縮させることで爆発的に反応を加速し、吐息のように口腔部からエネルギーを漏洩させる)。体内核反応を制御するため背鰭を流れる血液が熱放射を行っており、これが大量に漏れたり止まったりすると体内原子炉が暴走し体内が超高温化、メルトダウンを巻き起こして死亡する。

 

・ゴジラ(Godzilla)

身長:373m

体重:950万t

【概要・経歴】

 大戸島で祀られている怒れる巨神。元々は古のものに生み出された半水棲爬虫類・”ジラサウルス”の一個体に過ぎなかったが、邪神クトゥルフの飛来による大戦争の中で一度は死亡する。しかし、最後までクトゥルフに抵抗の意志を見せた彼に興味を抱いたニャルラトテップの悪戯で、復活を遂げた上で神の力を開花させるための眠りに就かさせられる。

 2億5000万年の時を太平洋の海底で眠っていたが、約70年前に米国の核実験による高エネルギーを邪神復活の兆しと誤認して眠りから目覚める。邪神の”気”を辿って依諏間島に辿り着き、眷属を含む島民を絶滅させるも、邪神そのものには出会えなかったため、邪神教の海底基地を破壊しつつ太平洋の深海底を彷徨う。70年後、依諏間島に邪神の気配を感じ取ったことで*370年ぶりに地上に姿を現し島を焼き払う。そして邪神の完全復活を感知したことでルルイエの場所を知り、一気に太平洋を横断。ついに2億5000万年来の復讐を果たすため邪神との決戦に臨む。

 

【外観・能力】

 2億5000万年の間進化を続けたことで外観はジラサウルスから大きく変化しており、元々の姿よりも遥かに巨大化した上で全身を覆う鱗状の皮膚は黒くザラついた岩肌(もしくは焼け焦げた焼死体)のようなものに変化し、背中の背鰭は大幅に巨大化して炎のように鋭く天を衝き、常に青く発光するようになった。水を摂取するようになったことで捕食の必要は一切無くなったにも関わらず、牙は長大化し乱雑に生えている。

 能力面においても大幅に進化しており、体内原子炉では新たに核融合能力を獲得した。融合炉内では人類の科学力では到底実現できないほどの超高温・超高圧状態が生み出されており、重水素反応(D-T反応)及び軽水素反応(p-pチェイン)によってエネルギーを獲得している。そのため放射性元素を摂食せずとも水素を含む海水さえ摂取できればほぼ無限に活動を行うことができる。また、ジラサウルス時代の白色吐息は”放射熱線”と呼ばれるさらに強力な攻撃へと進化を遂げている。

 放射熱線とは核融合によって生じた超高温のプラズマや励起された気体粒子を磁場によって収束し、射出するゴジラ特有の攻撃手段を指す。口腔細胞の電極により口内に螺旋状の電流を生じ、それによって口腔内から外に向かって射出される方向の磁場を生成、磁力線に沿って超高温のプラズマを射撃する。ある種のプラズマ砲や荷電粒子砲にも近い武器である。また、口を閉じた状態で核融合を暴発させ、体表の細胞全体から熱エネルギーを放射する”体内放射”という攻撃手段も持つ。エネルギー密度では放射熱線には劣り、自身も体表に傷を負うというリスクはあるものの、広範囲を一掃するには最適な攻撃となる。

 エネルギーを高めてから射出した熱線はそれ自体が大規模な核爆発となり、巨大なキノコ雲とクレーターを発射地点及び射線上に残す。最高威力においてはTNT出力8ギガトン/熱線中心部温度6億4000万ケルビン/瞬間最大出力850ヨタワット*4に達し、地球の地形と気候を根本から変貌せしめ地上全土に不可逆な変動をもたらす。

 上記の如く放射熱線は絶大な威力を誇るものの、2億5000万年の間進化を続けた肉体を生かした身体能力自体も非常に高い。邪神クトゥルーとは身長で1.75倍、体重で3倍以上の差があるものの、素の筋力自体はクトゥルーをも上回る。

 

・鳴山穂鉄/ニャルラトテップ/這い寄る混沌

身長:不明

体重:不明

 外なる神々のメッセンジャーとされる存在。幾千にも及ぶ姿を持ち、”真の姿”と呼ばれるものを定義することができない。自らの創造主である絶対神アザトースに仕える身であるが、独自の意志で活動することの方が多い。その言動は享楽的かつ破滅的であり、自身に関わる全てのものに破滅と混沌をもたらすことを至上の愉悦としている。人間などの知的生命体ですら到底太刀打ちできない領域に存在するが、敢えて彼らと接触することで自ら破滅の道へ進むことをお膳立てし、混沌を楽しんでいる節がある。普段はドリームランドと呼ばれる異世界に住まい、時たま気まぐれに地球や他の惑星に出没する。

 2億5000万年前、大いなるクトゥルフと古のもの達の大戦争で荒廃した地球に突如として現れ、ただ一人クトゥルフに立ち向かおうとしたジラサウルスに享楽で神の力を与え、ゴジラに進化させた。現代の地球においては鳴山穂鉄に扮し、人間たちを巻き込みながらゴジラとクトゥルフとの更なる戦争を見物しようと試みる。海底に眠るゴジラを伝説として大戸島に伝え土着宗教とさせたのも、依諏間島統合調査団の面々を選出し結成したのも、全ては彼の暗躍によるもの。依諏間島統合調査団のメンバーは各々深淵に近づいている(=より破滅的な混沌を演じてくれることが期待される)と彼が見なした人物を中心に結成している。また、70年間海底を彷徨っていたゴジラを再び依諏間島におびき寄せ、破壊を行うよう誘導したのも彼である。

 なお、実在する人物に成り代わったわけではなく、元々鳴山穂鉄という人間自体が存在しない*5

 

◼️用語集

 

・暗黒星ゾス

 クトゥルー及びその眷属達が生まれた母星。地球より約120万光年離れた球状星団(ゾス星団)の外縁部に位置する。 宇宙の歴史の初期に誕生した星系のため星の年齢はかなり古く、100億年近い年齢を重ねている。星団は銀河系の中心に向けてほぼ真っすぐに進む固有運動を行っているため、銀河系から見た方角が長いスケールで変わることがない。

 かつてゾス星系はゾス星団が散開星団だった頃、その中心部付近に存在した。太古には海洋惑星としてクトゥルフ達の祖先が繁栄を遂げたものの、50億年以上前に主星が他の恒星と近接した際に恒星系から弾き出され、星団の外縁部を公転する自由浮遊惑星となってしまう。この影響でゾスは分厚い氷と暗黒に包まれた死の星となった。ゾス人達は厚い氷の底に存在する深海へと追いやられ、熱水噴出孔から得られる僅かなエネルギーを糧に生存する種族となる。やがて魔力を蓄積した邪神クトゥルフが眷属を引き連れてゾスを飛び立ち、文明星を求めて地球まで飛来する。

 

・魔力

 人類の技術力では解明することのできない未知のエネルギー形態。人類の視点で魔力を用いた事象を観測すると、あたかも何もない所からエネルギーが生じているように見える。大いなるクトゥルーやその眷属の中の上位種などはこれを操り、魔術などを使用することができる。

 その実態は"意志"や"精神"によって生ずるエネルギーであり、魔術を使用することのできない人間も恐怖や洗脳などによって魔力を抽出される対象となり得る。また、クトゥルーの母星ゾスは時空を超えてクトゥルー達に魔力を供給しており、天球上で2億5000万年前と同じ位置に戻ることで魔力供給の速度はピークを迎える(この状態を彼らは「星辰が正される」と表現している)。

 

・P-T境界

 地質学において古生代と中生代を分かつ境界線。この時期には原因不明とされている地球史上最大の大量絶滅事変が発生した。その実態は邪神クトゥルフの襲来による地球規模の巨大戦争であった。数年に及ぶ大戦争の末に古のもの達は地上を失陥し、邪神クトゥルーに覇権を譲り渡すこととなった。

 

■依諏間島の歴史

有史以前海底火山の隆起により島が形成される。付近の海底にはダゴン秘密教団の海底神殿があったため、古くから深きものが度々上陸し、集落を形成していた。ただし、潮流等の事情により隣島の大戸島には深きものは上陸しなかった。
1700年代漂流した日本人が島に流れ着く。生存に必要な食料の確保を条件に島に生息する深きものと契約を交わし、彼らとの混血を生む。混血人達により島は「依諏間島」と命名される。
1890年代日本政府により島が発見され、大日本帝国に編入される。現地人は江戸時代に漂流した日本人の末裔と推測され、そのまま日本国籍を与えられた。
1910年代島で炭鉱が発見され、本土から入植者が島を訪れる。深きものとの混血人はさらに本土人との混血で数を増やす。本土に渡った混血人もいたものの、海底神殿を離れたことで魔力が薄まり、本土で混血を増やすことはできなかった。
1920年代この頃、米国インスマウスに存在する深きものの混血人達の一部にも依諏間島の存在が知られるようになる。彼らの一部は勢力拡大のため依諏間島に移り住むも、後に日米の関係悪化に伴い敵国人として迫害され、インスマウスに戻ることとなる。
1930年代帝国陸軍により依諏間島基地及び飛行場が建設される。島内人口は徐々に増え一万人を超える。
1940年代戦時体制に移行し基地規模が強化される。
1943年島が最初の空襲を受ける。大本営方針により島内の要塞化が進められ、隣島の大戸島も含め島民の疎開が進められる。陸軍及び海軍将兵17000名が配備される。
1944年8月疎開船「いすま丸」が米軍潜水艦の攻撃により沈没。死者300名、行方不明者750名。死者に対し行方不明者の数が非常に多かったこと、生存者の中に「魚人を見た」と証言した者がいた事などで後世まで怪異事件の一つとして数えられることになる。実際に深きものとの混血人の一部が深きものの姿となって海底に逃れていた。
1945年2月硫黄島攻撃に先立ち依諏間島への大規模空襲。戦艦による艦砲射撃も並行して行われ、基地要塞はほぼ壊滅。軍港と飛行場も使用不可に。死者700名。陸軍及び海軍将兵は上陸戦及び玉砕戦に備えるも、硫黄島攻略戦での苦戦から米軍は依諏間島占領を中止し、補給路を絶って無力化する飢餓作戦に変更。以降、終戦まで依諏間諸島への攻撃は散発的空襲のみに留まり上陸戦は行われなかった。
1945年8月15日玉音放送により守備隊は米軍に降伏し島は即日GHQ占領下に入る。終戦までの戦病死・餓死者は1000名余り。生存者は艦船により本土に復員される。
1945年9月以降疎開していた島民(主に混血人)が徐々に島に帰還する。同時にかつて島から追い出されたインスマウス出身の混血人達も島に帰還。GHQ内に紛れた混血人も島に派遣され、深きものどもの勢力地盤を築く。
1952年4月28日サンフランシスコ平和条約締結に伴いGHQ解体。依諏間島からも占領軍は撤退するも(一部の戦力は在日米軍依諏間基地として残存)、GHQ内に潜んでいた混血人達は軍を退役して民間人になるなどして島に帰還した。
1954年3月1日ビキニ環礁にて米国の核実験。ゴジラが海底にて目覚める。
1954年9月13日南鳥島沖合にて海水の変色が確認される。船舶を派遣して調査したところ、海水温の急激な上昇が確認される。上昇区域は線を描くように発生した後、2時間以内に消滅した。海底火山発生の疑いありとして追加調査を行うも、該当火山は発見に至らず。
1954年10月30日依諏間島より本土向け定期便が出航する。これが依諏間島壊滅前に島を出航した最後の船だった。この時点で入植者や米軍関係者など管理組織を含めた島内人口は約24600人。
1954年11月3日依諏間島にゴジラ襲来。島は壊滅し島民は全滅。依諏間島の炎上と爆発は大戸島からも観測された。気候観測所からの連絡を最後に通信が途絶えたことを認知した日本政府は「依諏間島災害対策本部」を設置。航空機と艦艇による依諏間島の状況確認と救助活動を行う。
1954年11月4日以降日本政府による調査の結果、依諏間島に生存者がいないことが確認される。高濃度放射線の残留や巨大な足跡のような地形など不審点を多く残しつつも調査は数年で打ち切られ、政府の公式見解は「海底火山の爆発に伴う大規模火砕流による被災」とされた。
1960年以降島付近の海底調査の結果、島周辺に危険を伴う海底火山は存在しないことが確認された。自治体の要望もあり依諏間島への再上陸と復興が開始される。同時に、かつてインスマウスを追われた深きもの達は再度この島にダゴンとハイドラの棲み処を復興すべく世界各地から集結し、依諏間島に舞い戻った。この時期、ゴジラは太平洋の海底を彷徨い深きもの達の海底拠点を襲撃していった。*6
1980年代島内人口が2万人台まで回復。外国人たちが集うリゾート地として日本国内でも知られるようになる。バブル好景気時代には多くの観光客が国内外から訪れ、バブル崩壊後も安定して観光収入を得ていた。その裏でダゴン秘密教団はこの島を訪れた者達を巻き込んで着実に信者を増やしつつあった。
2000年代島内人口が4万人を突破。日本国の人口推移が減少に転じた後も依諏間島の人口は増加しつつあった。ダゴン秘密教団の中でも根幹地の一つとして知られるようになり、世界中から信者達が集っていた。この頃には各地の海底拠点が壊滅しているという情報が教団内でも知られるようになり、教団内でもゴジラの存在が気付かれ始める。*7
2024年9月下旬頃依諏間島統合調査団が結成され、活動を開始する。
2024年10月30日「Prologue-Case C:依諏間島より親愛なる父母へ」

 依諏間島所属の警察官が行方不明となる。

2024年11月3日「Episode C:深海、そして深淵からの使者」

依諏間島に再度ゴジラが出現。落とし子や自衛隊の護衛艦、ダゴンとハイドラ等との戦闘の後に島内で大規模核爆発を起こし、再び島を壊滅させた。

 

 

*1
クトゥルーの魔力を感知できるゴジラが70年間クトゥルー及びルルイエを発見できなかったにも関わらず、本編中ではすぐに発見して依諏間島から真っすぐにルルイエに向かうことができた理由。

*2
この際に広がった溶岩が”シベリア洪水玄武岩”として現代においてもなお地表に残っている。

*3
ニャルラトテップがゴジラを依諏間島におびき寄せるために生み出した偽りの気配である。

*4
太陽光度の2.2倍。

*5
魔術によって周囲の人間の記憶と認知を歪め、公安の警視正という地位に収まっていた。

*6
虐殺された深きものの遺体の一部は人が住む場所にも流れ着き、「海岸に漂着する腐乱した鱗付きの腕」などのオカルト話として伝わっている。

*7
彼らは邪神復活を早めるために精神を捧げる生贄の増加が必要不可欠と断じ、布教活動を加速させている。




かねてからの予告通り、ここから少しの間お休みをいただきまして最終章「Episode GVC: Revenge of the Earth」の連載に移っていく予定です。
話数としては5話あるかないかくらいだと思います。
恐縮ながら最後までお楽しみいただけますと幸いです。
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