冒険と探検と日常と ~のびのびTRPG~   作:混沌野郎

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 いつもより早く目が覚めた王女さん。
 いつもと同じ一日が始まるはずだったのに、始まらなかった。
 空から舞い降りた不思議な女の子が冒険の始まる千載一遇のチャンス。
 王女さんはもちろん女の子のために飛び立つことに。
 王女さんの向かう先には何があるのか? ……そんなお話。

 本作は今野隼史(辺境紳士社交場)・アークライトの『のびのびTRPGスチームパンク』の二次創作です。
 ソロプレイのルール「カードをもとに物語を書く」に従って記した二次創作です。

 第21話は「1日目」「2日目」「3日目」「4・5日目」の4回に分けて公開します。

 『のびのびTRPGスチームパンク』のプレイヤーキャラクターの「名前」を「キャラクターの名前」にしているので、
PC「王女」→「王女さん」
PC「飛行士」→「飛行士さん」
等々となっています。

先に記しとく設定、
 作中の「ダリル」は通貨単位、1ダリル=1円くらい、
 と言うことで。

使った(引いた)カード
キャラクター:皇女(ストーリーの都合上、作中では「王女」とする)
イントロダクション:空から女の子が!
シーン1:無人島で生き抜ける?
カード1:光:発光してる
シーン2:希望への船出
カード2:闇:秘薬
シーン3:謎の社交クラブ
カード3:光:相棒
シーン4:巨人の森
カード4:光:パトロン(NPC)
シーン5:死を告げるサイン
カード5:闇:盗賊団
クライマックス:革命の夜

クレジット
ゲーム名:のびのびTRPGスチームパンク
ゲームデザイン:今野隼史
発売元:株式会社アークライト
© 2021 FRONTIERPUB / Arclight, inc.


第21話 冒険すること、果たすこと (1日目) [1/4] (冒険回)

 ごきげんよう、私は王女。連合王国の王女です。

 私の毎日は退屈なことばかり。

 王家の儀式、あちらこちらの高名な方の謁見、他にもたくさん。

 ぜんぜん楽しくないし、本っ当に退屈。

 私は冒険をしたいのです。

 胸躍るワクワクの連続、共にピンチを切り抜ける仲間たち、洞窟の奥に眠る宝物、宮殿への華々しい凱旋。

 そんなことがしたいのです。

 ですが、少し前に共和国の飛行士さんと冒険をして、私が夢見ていた冒険はとても甘い考えだと知りました。

 冒険には命の危険はもちろん重大な決断も。

 自分の無力さと向き合わなければならないことも……。

 でも、素晴らしいこともたくさんあります。

 飛行士さんと一緒に『血のように赤い星』が空から降ってくるのを食い止めた後、私たちの前に現れた神々から「特別な力」を授かりました。

 『祝福と幸運』、「国を太平にする力」とのことです。

 この力は私の左手の甲に、銀色の紋様として秘められています。

 紋様。私にはもうひとつ紋様があります。

 右手の甲に宿る王家に伝わる金色の紋様、『勇敢なる覇王』。

 強大な力を持つ金色の戦士。人の力をはるかに超える存在。

 ですが、使い方を間違えれば破滅をもたらします。

 街ひとつを一瞬にして焦土にする、それくらいの力です。

 手の甲の紋様は普段はその姿を隠しています。

 けれど「力を使うべき時」には浮かび上がり、力を発揮します。

 最近、わずかですが紋様を制御できるようになってきました。

 手の甲に精神を集中させて紋様を浮かび上がらせる。そこまではできるようになりました。

 でも、それ以上はできません。

 私の力がまだ足りないのか、あるいは、紋様の力を呼び覚ますのが怖いからか。

 どちらにしても、紋様を制御できるよう鍛錬を積む必要があるのは確かです。

 空を飛ぶこと。

 飛行士さんの飛行機械、「ディケイドスピーダー」で空を飛んで以来、私も自由に空を飛びたくなりました。

 ですので、飛行操縦士の資格を取りました。

 学科は私にとっては簡単でしたが、技能で苦労しました。

 飛びたい方向に機首を向けようとしても、飛行機械は思うように動いてくれない。

 何度も嫌になりました。ですが、途中で投げ出すなんて私のプライドが許しません。

 とにかく練習を重ねて、普通に飛ぶには思い通りに飛べるようになりました。

 そうして飛行操縦士の資格が手に入りました。

 飛べるようになると、自分の飛行機械が欲しくなりました。

 私のお金でどうにかなるだろうと考えていました。これはまったくもって甘い考えでした。

 飛行機械のカタログで見つけた私の好みに合う機体、価格を見て驚きました。到底買えない額でした。

 自分の飛行機械はいずれ将来のこととして、王室の飛行機械で何度か飛びました。

 ただ、自由には飛べませんでした。

 王室の衛兵が一緒に乗って、いわば「監視つき」で飛びました。

 いつか必ず私ひとりで空を飛ぶ。それが私の今の夢です。

 

 

 1日目。

 

 深い眠りから浅い眠りへ。夢から現実へ。

 少しずつ意識が浮かび上がり、じきに目が覚めました。

 カーテン越しの朝日はまだ部屋に差し込んでいません。

 いつもより早く目が覚めたようです。

 ベッドサイドテーブルにある置時計を見ます。

 いつもより1時間と少し、早い時刻でした。

 せっかくなので早起きしましょう。

 時計の横に置かれている銀色のベルを手にとって軽く振ります。

 チリリリリン、と軽やかな音。

 すぐに控え室から侍女ふたりがベッドに来て、私に一礼。

「着替えをお願い。

 それと……、執務室を使えるようにして頂戴」

 侍女のひとりが服の準備を、もうひとりはふたつ隣の部屋、執務室に向かいます。

 服をお願いした侍女がクローゼットから何着か見繕ってくれました。

 その中から一着を選びます。

 淡いオレンジのブラウスとライトグリーンのスカート。

 今日は気持ちが明るくなるように、服を選びました。

 着替えているところに、執務室の準備を頼んだ侍女が戻ってきました。

 一礼して、

「準備が整いました」

 とひとこと。

 着替え終わったところで執務室から戻ってきた侍女に問われました。

「お食事はいかがいたしましょう?」

 私の朝食はいつも、お父様とお母様と一緒に、です。

 ですので、

「お父様とお母様を待ちますわ。

 いつも通りに用意して。

 準備ができたら声をかけて頂戴」

 と言葉を返します。

「私は執務室にいます。

 何かあったら呼ぶわ、お願いね」

「はい、承知いたしました」

 そう言ってふたりは控え室に戻ります。

 私は執務室へ。

 執務室。大きく立派な真っ白のデスク。それと、こちらも立派なチェア。

 チェアに座ります。体にぴったり。長い時間座っていてもぜんぜん疲れません。

 侍女が書類を用意してくれています。

 朝食まではまだ十分に時間があります。

 ひとつかふたつ、仕事を片付けられるでしょう。

 

 ひとつと半分、仕事が済んだところで侍女がふたり、執務室に入ってきました。

「お食事の準備が整いました」

「そう、ありがとう」

 私はチェアから立ち上がります。

「片付けをお願い」

「承知しました」

 侍女のひとりにデスクを任せます。

 もうひとりが部屋の扉を開けます。

 私が廊下に出ると、侍女は扉を閉めて私に従います。

 食堂へ向かいます。

 着きました。侍女が扉を開けます。

 私は食堂に入りました。

 お父様とお母様はもう席に着いていました。

 私はあわてて自分の席につきます。

「遅くなって申し訳ありません」

「なに、構わんよ、

 朝から仕事をしていたとか。

 最近の王女はがんばりすぎている感がある。

 もう少し力を抜いても良いだろう」

「陛下、そのようなことを言うから冒険などと言うのです。

 王女としての自覚がしっかりしているのが本来です」

 そのような会話を交わした後、朝食を摂りました。

 

 食事の後、私は宮殿の裏の庭園に出ました。

 何となくひとりになりたい。ひとりでいた方が良い。そう感じたので侍女には場を離れてもらいました。

 きれいに晴れた青空。

 空を見上げます。

 澄みきった空の青の中に小さな「点」が現れました。

 「点」は少しずつ大きくなります。

 何かが落ちてきているようです。

 形がはっきりと見えてきました。

 人の形に見えてきます。

 間違いありません、人です。

 どうしたら良いのか、考えている時間はありません。

 ?

 ……落ちてくるのがゆっくりになりました。

 最後はふわりと地面に舞い降りました。

 舞い降りたのは女の子、鮮やかな緑色の髪が印象的。

 訳ありで追いかけられている、とか?

「あなた、誰かに追いかけられているの?」

「……あ、はい、

 ……そうです。

 どうして分かったのですか?」

 私の言った通りのようです。

 女の子の質問に答えずに私の質問。

「どこに逃げれば良いのかしら?」

「……えっと、

 大樹の森、です」

 これは冒険の予感がしますわ。

「ここで待ってなさい!」

 女の子に少し強く言って、私は部屋に戻ります。

 クローゼットから飛行服を取り出して、急いで着替えます。

 それとカジュアルな服とリュックもクローゼットから取り出します。

 カジュアルな服をリュックに入れます。

 庭園に向かおう、とそこでひとつの考え。

 現金があった方が。

 執務室のデスク、いちばん下の引き出しのいちばん奥。

 隠している財布を取り出します。中を確認。10万ダリルくらい。十分でしょう。

 改めて庭園に戻ります。

 宮殿のスタッフに見つからないように、祈りながら、です。

 幸運にも見つかりませんでした。

 女の子のところへ行きます。

「行きますわよ」

 女の子の手を取って歩き出しました。

 少しずつ早足になります。

 宮殿の飛行機械の垂直離着陸床。

 朝早いからか、また運良く誰もいませんでした。

 私はこの子を乗せて飛行機械で飛ぶつもりです。

 部屋に書き置きをしてきましたので大丈夫でしょう。

 泊まっていた一機に近づきます。近づいた飛行機械はしっかりと整備されていました。

 キャノピーを開けて女の子をフロントシートに乗せて、私はリアシートに乗り込みます。

 ジェネレーターを始動させて安定するのを待ちます。

 その間に機体の状態をひとつずつチェック。問題ありません。

 ジェネレーターの安定を示すランプが光りました。

 飛行機械を離陸させました。

 垂直離着陸機です。ゆっくりと上昇させます。

 さて、ここまでは順調です。

 ですが、私はどこを目指せば良いのでしょうか。

 『大樹の森』と聞きましたが、それがどこにあるのかを知りません。

 女の子に聞きましょう。

「どちらへ飛べばよろしくて?」

「えっと……、

 ……こっちです」

 女の子が指さした方向に機首を向けます。

「こちらですね。

 では行きましょう」

 飛行機械を加速させます。

 すぐに十分な速度になります。

 その後は女の子に時々、向かう方向を確認して飛行機械を飛ばします。

 陸の上を出て海上を飛び始めました。

 

 海の上を少し進んだとき、

 ピー、ピー、ピー、

 と電子音。

 計器盤のランプのひとつが点滅を始めました。

 ああっ、もうっ!

 初歩的なミスです。

 燃料計に目をやります。燃料の残りがあと少し。

 離陸前に確認すべき基本的なことを忘れていました。

 ここで引き返せば宮殿へは十分に戻れます。

 けれども、改めて飛ばせてはもらえないでしょう。

 ……幸運を信じればどうにかなるか、信じましょう。

「あの、どうしたんですか?」

 女の子が尋ねます。

「気にしないで、何でもありませんわ」

 私は飛び続けることにしました。

 この先に空港があれば良い。それだけのことです。

 

 私は楽観的すぎました。

 燃料が少しずつ減っていきますが、まわりは全部海。

 もうどうしようもありません。

 私があきらめ始めたところで、女の子が言いました。

「あの、あそこに……」

「なんですの?

 ……!」

 女の子が指す方向にかすかに島が見えました。

 幸運です。そちらに機首を向けます。小さな島がしっかりと見えてきました。

 ビー、ビー、ビー、

 ブザー音が鳴りました。燃料がなくなった。その合図です。

 後は機体の今の勢いで島に届くこと。幸運を祈ります。

 高度がどんどん下がります。ですが、島が近づいてきて。

 ガタガタガタッ!

 大きな揺れと大きな音に包まれて、飛行機械はぎりぎりで何とか島に届きました。

 砂浜に不時着していました。機体に損傷があっても最低限で済んでいるかもしれません。

 キャノピーを開けて機体から降ります。女の子も降りました。

 機体のまわりをぐるりと回って、飛行機械の状態を確かめます。

 大きな破損はないようです。加えてこれも幸運なことに海水にも浸かっていませんでした。

 ですが燃料が……。

 機体に貼られている「光エネルギーパネル」でエネルギーをためて燃料に変換すれば……。

 できなくはありませんが、何日かかるか分かりません。

 ……どうしたものか。

 うつむいて考えていた顔を上げました。

 女の子の姿がありません。大変です。

 私はまわりを見回します。

 砂浜の先から女の子が戻ってきました。

 ほっとしました。

「向こうに小屋があったのですけど……」

「小屋ですって!

 良かったわ」

 女の子に着いて『小屋』に向かいます。

 小屋に着きました。

 確かに小屋でした。ですが、朽ち果てた木の小屋です。

 屋根も落ちてしまっていて、雨をしのぐこともできません。

「はぁ……」

 私はため息をついてしまいました。落ち込んでしまいます。

 ですが、ここまで幸運が続いていました。まだ続くかもしれません。

 女の子と一緒に小屋に入りました。

 小屋の中には、落ちてしまった屋根、屋根に押しつぶされたテーブルらしきものと、ベッドらしきものの残骸。

 ぼろぼろでした。

 何かヒントはないか、床には木屑がたくさん。上には空が広がります。壁は……、ゆっくりと壁を見回します。

 !

 壁の木に何かの傷がありました。ヒントかもしれません!

 壁の傷を覆うほこりをはらいました。

 傷は「傷」ではありませんでした。「文字」でした!

 文字が彫られていました。

 風雨にさらされて読めないところがたくさん、でも、読めるところもたくさんあります。

 文字の初めから「文」を読みます。

 『……しま…ど…くつ…かみ……ち…ら、

  …にいれ…し…を…だ…しゅ…』

 『しま』は「島」でしょう。『ど…くつ』、「洞窟」? 『かみ』は「神」か、『ち…ら』は「力」でしょうか。

 ここまでは「島」「洞窟」「神」「力」と読めます。

 ここから先は良く分かりません。ですが、最後の『だ…しゅ…』はもしかすると「脱出」かも知れません。

 希望が見えました。

 まずは「洞窟」です。女の子とふたりで島のまわりを一周することにしました。

 まわりを注意して見ながら、女の子に話しかけます。

「あなたはどうして狙われているのですか?」

「……」

 女の子からの答えはありませんでした。

「言いたくないのですね。

 構いませんわ。

 あなたは私に冒険のチャンスをくれました。

 絶対にあなたを大樹の森に届けてあげます」

「……ありがとう」

 女の子の声からは不安が感じられます。

 海岸を30分ほど歩いて、飛行機械が見えてきました。もう少しですがまわりを見ながら歩きます。

 ?

 私は立ち止まりました。

 草木に覆われた中に、穴? があるように見えます。

「ちょっと待ってください」

 女の子も立ち止まりました。

 穴らしき所のまわりの草をなぎ払います。

 洞窟が現れました。

 中をのぞきますがもちろん真っ暗。

 入りたいのですが明かりが……。

 いえ、明かりはどうにかなります。

 でも女の子に見られたら、少々困ることになるかもしれません。

 考えます。

 相手は正体不明の女の子、……私が正体不明の王女でも構いませんわね。

 すぐ後ろにいる女の子を見ます。

「驚かないでくださいね」

 左手に意識を集中させます。左手の甲に銀色の紋様が浮かび上がります。

 紋様を女の子に見せます。

 女の子は紋様を特に不思議だと思わないようです。

 とりあえず、ほっとしました。

 紋様の光を洞窟の暗闇に向けました。

 暗闇の先がほの明るくなります。

 神々から授かった力を懐中電灯の代わりに使うのはさすがにどうかと思います。

 ですが、こうしないと私たちは次に進めません。使っても良いと決めました。

 私が憧れていた冒険。

 

 ついに出発の日が来た。

 飛空挺が蒸気をあげ、出航しようとしている。

 だれもが大冒険を夢見て、恐れるものはひとりもおらず、情熱に胸ふるわせ、瞳は希望にきらめいている。

「では、出発ですわっ!」

 

 と言う感じのを夢見ていました。

 でもこれも冒険です。

 洞窟に入ります。前を照らしながら洞窟を進みます。

 女の子には私のあとをついてきてもらいます。

 洞窟は一本道でした。何度か折れ曲がった後、先に光が見えました。

 もう光はいらないでしょう。左手の紋様の光が消えました。

 光の方へ進みます。

 明るく広い空間に出ました。空間は円形です。上を見ると空が見えます。空から光が降り注いでいます。

 空間の中心には岩があります。

 岩の上にガラス瓶がありました。どうしてこんなところに?

 女の子が理由を言ってくれました。

「ここには光が集まります。太陽の光、月の光、星の光、昼も夜もいろんな光が」

「特別なエネルギーが集まる、そう言うことかしら?」

 さらに話してくれます。

「そうです。

 その光が形になったのがこの瓶です」

 女の子はガラス瓶を手に取りました。

「あなた、それに触って大丈夫なの!?

 特別なものなのでしょう?」

「これはもうできあがってます。

 大丈夫です」

 私はどきり、とした胸の鼓動を整えました。

 となると気になってきます。

「あなたは一体、何者なのですか?」

 言ってから気づきました。

「先に私が言うべきですわね。

 私は連合王国の王女です。

 それと、私に宿る力、

 先ほど見たと思いますが、『祝福と幸運』」

 左手に意識を集中。紋様が現れます。

 次に右手に意識を集中。右手の甲に金色の紋様が現れます。

「王国の、王家の力、『勇敢なる覇王』ですわ」

「やはりあなたは特別な人だったのですね。

 ……私は森の妖精です。

 悪意のある人間に捕まえられ、どこかの金持ちに買われました。

 ですが、見張りのすきを見て逃げ出しました」

 女の子の事情が分かりました。

 ひどい人間がいる、それも分かりました。

 それから……、そうです。ガラス瓶ですわ。

「そのガラス瓶は何なのですの?」

「『秘薬』です」

 『秘薬』? 何なのでしょう、その通りに聞きます。

「つまり、何ですの?」

「人間には過ぎた効果を持つ秘薬、です。

 これは十分にできあがっています。もらっても構わないでしょう」

 妖精が「構わない」と言っているのです。その言葉を信じることにしました。

 それと、確認したいこと。

「あなたは先ほど、ここには光が集まる、特別なエネルギーが集まる、と言いましたわね。

 でしたら、その力を飛行機械の燃料にできないかしら?」

「たぶんできます」

 実にありがたいですわ。また幸運です。

「では取り掛かりましょう」

 左手の光を頼りに洞窟を戻ります。

 飛行機械のパネルのひとつを開けてエネルギー伝導ケーブルを取り出します。

 ケーブルの根元が機体にしっかりと固定されているのを確かめます。

 次にケーブルを洞窟の奥へと這わせていきます。

 思っていた通り、ケーブルの長さが足りません。

 飛行機械に戻ります。

 さっきのとは別のパネルを開いて延長ケーブルを取り出します。

 それを持って洞窟の中のケーブルの先端へ。ガチリ、とケーブルを継ぎ足します。

 再びケーブルを這わせていきます。

 光が降り注ぐ空間に出ました。

 ケーブルの先端を光が集まる岩の上へ……、乗せても良いのでしょうか? 女の子に尋ねます。

「ケーブルなどを置いて、神の怒りに触れないかしら?」

「問題ありません。

 特別な力とは言え、使われずに放っておかれる方がひどい扱いです」

 女の子が言ってくれました。

「では、使わせてもらいますわ」

 改めてケーブルの先端を岩の上へ。

 先端を岩へと降ろしていくと、もう少しのところで急に岩にひっぱられました。

 ガチャン、と磁石のようにケーブルの先端が岩に固定されました。

 女の子が言います。

「これで大丈夫ですね」

「そうだと祈りますわ」

 夕方までもう少しの時間。

 飛行機械のそばですごします。

 女の子、妖精、は何も食べなくても良いらしいのですが、私は朝食を食べたっきりです。

 お腹がすきました。

 それを女の子が察してくれました。

「あの、食べられる草とかだったら分かります。

 それで良ければ……」

「ありがとう。

 あなた、気配りができますのね」

 女の子と一緒に島のちょっと奥に入りました。

 女の子に教えてもらって、生でも食べられる草や木の芽がいくら手に入りました。

 飛行機械に戻ります。

 私は手に入った草や木の芽を口にしました。

 さすがは森の妖精です。どれも美味しくいただけました。

 夜は飛行機械のコックピットで眠りました。

 いろいろなことがあった一日でした。

 




 『冒険すること、果たすこと』、はじまりはじまり、です。
 今回は王女さんの冒険です。
 王女さんだったらこうなるよね、作者のそんなイメージを話にしました。
 この先、王女さんはどうなるのか?
 次回、「2日目」はピンチに立たされる王女さん、です。
 次回もご一読いただけると幸いです。
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