つよつよドラゴンアカデミア   作:[ゆーや]

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報連相は大切

 

「1週間、よろしくお願いします」

「いやー、こっちこそ。よく来てくれたね」

 

 無事に仮眠も出来て到着したホークスの事務所。軽く先日決めたばかりのヒーロー名を含めた自己紹介、その後は説明も少なめに、早速コスチュームに着替えてパトロールをすることになった。

 まあ静岡から九州、福岡まで飛行機で2時間弱、もしかしたら私達を待っていた分いつもより遅いのかもしれない。

 

 とりあえずパトロール。初日でかつ具体的な説明や指示もないのでとりあえずホークスについて行く。

 

「サイドキックの方は飛べるわけじゃないんだね。速度はともかくとして、飛べなければ建物や道で迂回を強いられるし後始末だけになるのは仕方ないか」

「飛べる個性は珍しいからね。エンデヴァーさんみたいに無理やり飛ぶ人もいるけど」

 

 そんな会話をしつつサイドキックや常闇が来るのを待つ。ホークスのやり方としては1人で飛んで現場に先行、対処して後始末を後から来たサイドキックに任せるというもの。放置して次に行くわけにもいかないのでどうしても待ち時間が発生する。

 

「ん?そんなにじっと見て、どうしたの?」

「ああ、いえ。私は飛んで直接見ないとダメだから、羽で周りの事を探れるのは便利だなーと」

「なるほどね。君の速度なら飛んで見て回っても問題ないどころかお釣りが来るとは思うけど、俺の後ろを着いてきてる今の状況だと少し勿体ないか」

 

 今もホークスは幾つもの羽を操作してる。コレを引き渡した後に行く場所も決まってるのだろう。これほどの広範囲かつ精密な操作、羽から伝わる情報を正確に把握する能力、それらを同時にこなすマルチタスク。どれか1つですら相当なもの。

 

「まあその辺は得意分野の差でしょ。俺だって最速とか速すぎる男とか言われてて結構速度には自信あったのに、アッサリ追いついてくるどころか明らかに手加減されてるし。自信無くすよ」

「速度で私に追いつこうとするのは、流石に千年か万年早いよ。オールマイトみたいな例外もいるけど、速度ならオールマイトにも負けはしないし」

 

 おっと、サイドキックの方々が来た。ついでに常闇も。常闇は…ヒーローの体験というよりサイドキック体験みたいになってるけど、まあそれも事務所ってことを考えたら職場体験ではあるのかな?

 

「じゃ、次は大通りの飲食店で騒ぎ起きてるみたいなんでそっち向かいますね」

 

 

 

 その後も軽い騒動や事件なんかを解決しつつ、空を飛んでる間に聞きたいことを聞いていく

 

「そういえば、ホークスが職場体験とか受け入れるのは初めてって聞いたんですけどどうして急に?私ならともかく常闇まで」

「そこで自分なら当たり前って言える自信が凄いけどね。まあ色々あるんだけど1番は1年A組の子に直接話を聞きたくてね。で、君を選んだのはまあ強いものあるけど飛べる仲間として、常闇くんを選んだのは鳥仲間と…少し思うところがあってね」

 

 少し笑ってしまう。飛べる仲間か。いいね、それ。

 

「私もホークスを選んだのは飛べるのが理由だから人のことは言えないか。常闇に思うところがあるというのは?」

「彼の個性、いい個性だ。だからこそ勿体ないと思ってね」

「勿体ない……確かに常闇のは色々と便利なものだと思うけど。ふむ……無数の羽を操るホークスとダークシャドウという巨大な1を操る常闇か…少し似てるかも。だから気にしてる?」

「そこまで細かく考えてる訳じゃないけど、あの個性ならもっと色々な事が出来るとは思ってね」

 

 

 そんな話をしながらパトロールを続ける。常闇は結局追いついてくることは無く、パトロールは終わり。

 事務所に戻り、改めて色々と説明されたり、業務を教えてもらったりしつ、ホークスが呼んだ目的であるUSJ事件の話をすることになった。

 

 といっても、調査の結果だったりそういうのは教えて貰っていないし、そういう情報はホークスが自分で調べているだろうから自分で見たことを話すだけ。ワープの個性や命令を出してた子供みたいなやつ、後は脳無と呼ばれていたやつ。多少の雑魚達。主観と客観どちらからもとりあえず説明しておく。

 

「脳無に関しては、単純に言うと化け物ですね。相澤先生…イレイザーヘッドが確実に個性を消していたけど素の力だけでオールマイト並、オールマイト用に調整したと言っていたショック吸収、斬撃で肩や足の腱を切っても再生してくる。無力化はそうとう特化した個性じゃないと無理かと。イレイザーヘッドが見ていれば再生は阻害出来ていたので、ずっと消せていればやりようもあったんですがワープから視線を離せなかったですし」

 

 それを聞いているホークスやサイドキックは真剣そのもの。というか少し引いてない?常闇も引いてるし。

 

「聞いているだけでとんでもないんだけど……逆にそれをオールマイトが来るまで1人で2体抑えてたっていう君は何?」

「それはまあ…私は強いので」

 

 あ、明確に引かれた。ひどくない?

 

 

 

 

「お疲れ様でしたー」

 

 事務所の業務が終わり、それと同時に初日の職場体験も終了。

 このまま休んでもいいけど、折角ホークスの下に来たんだから、やりたいことはやっておきたい。

 その為にもお願いしないと。

 

「すみません、ホークス。この後個人的に時間貰えませんか?」

 

 

 

 

 

 

 空を疾る。高度制限など考えずに高く、速度制限など考えずに速く、狭い施設の中では無い、何処までも広がる大空を翔る。

 

 生憎と仕事終わりの時間故に空は暗く、青空には程遠いが星が瞬き、月に照らされ、建物の光が地平線を描くこの夜空も悪くない。今まで溜まっていたフラストレーションを全て解消するように風を切る。

 

「あぁ……こんなに自由に飛んだのは生まれて初めて」

 

 少しは満足したから置き去りにしてしまったホークスの元へと飛ぶ。そして速度を落とし、隣に並ぶ。

 

「ありがとうホークス。こんなに自由に飛ぶには1人ではまだ許可が下りないし、こうして飛べるヒーローの監督下でもないと無理だったんだ……おっと、敬語が」

「ははは、今は勤務時間でもないし気にしなくていいよ。1人の飛び仲間として気楽に接してくれればいい」

 

 やっぱり、飛べる側として色々気が合いそう。気持ちよく飛んでるせいか深く考えずに言葉に出てしまってるし、愚痴だらけにならないようにしないと。

 

「はぁー……施設とか雄英の訓練場も無いよりはマシだけど、やっぱり空の下を飛びたいよね。あまり大きな声では言えないけど、私のヒーローを目指す理由の半分くらいは自由に飛びたいからだし…」

「なるほど。俺は別に悪くない理由だと思うけどね。飛べるやつが飛ばないのは勿体ないよ、こうして飛びながらだと尚更そう思う」

「同感。法律を始めとして色々縛られることも多いし窮屈なことも多い。個性犯罪の多さがそれを示してるけど…空を飛んでる間は何にも縛られない。この空で自由に、どこまでだって飛んでいける」

 

 その空を飛ぶために許可がいるのが残念だけど。

 いや、実の所私の個性を考えると個性を使って飛んでいる訳じゃないから個性法には引っかからないし、身1つで飛んでるから航空法とかにも引っかからない。けど許可は出ないだろう、それが人の社会だから。

 

「さて、どうする?まだ飛んでいく?」

「もうそんな時間か、少しはしゃぎ過ぎたかな。これ以上ホークスを付き合わすのも悪い気がするけど…」

「ははは、それこそ気にしなくていいよ。俺も1人で飛んでる事は多いからさ、むしろこうして誰かと一緒に飛べる事なんて少ないから楽しいし」

 

 そうは言ってくれてるけど、明日以降もあるし今日はこの位にしておこうかな。ちゃんと朝早く起きないといけないし。

 

「ならそろそろ戻ろうか…いや、腹が減ったな。奢るからメシ行こう。このまま飛べばすぐだしさ、いい店あるんだ」

「本当?ありがたいな。…常闇には少し悪いけど」

「常闇くんか…彼のあのダークシャドウだっけ、アレ見てる感じ伸ばしていけばきっと彼も飛べると思うんだよね」

「ああ、それが昼間に言っていた。本人に直接言ってあげればいいのに」

「あんまりそういうのは柄じゃないんだよね。君の方からさりげなくアドバイスしておいてあげてよ」

「うーん、私の方も体育祭の時に近接が弱いって別のこと言ったばかりだから、今は中途半端になりそうな…。轟といい、慣れない事はするものじゃないね、体育祭だったとはいえ」

 

 

 その後は言った通りホークスに夕食を奢ってもらって初日は終了。

 あの店、ホークスのおすすめだけあって美味しかったな。覚えておこう。

 

 

 

 

 

 

「本日もよろしくお願いします」

「よろしく…お願いします…」

 

 目を擦りながら挨拶。何か言いたい事がありそうだけど、まあちゃんとはするから安心してほしい…。

 

「えっと、滅茶苦茶眠そうだけど大丈夫?」

「変温動物なので…朝は弱くて…。力が出せないとかはないので気にしないで…ください…」

「竜胆はいつもこんな感じなので気にしなくていいかと。午前の授業はだいたい寝ていますが」

 

 常闇が余計なことを言ってるし、苦笑されてるけど眠気に抗うのに精一杯。飛べば多少は目が覚めるから早くパトロール行こう…?

 

 

 

「常闇、自由に伸縮できるんだからダークシャドウを地形に掴ませて、瀬呂みたいに自分をダークシャドウの許に引き寄せるみたいな事は出来ないのー?」

「ハァ、ハァ…伸縮させるのに力は俺に働かん。それ故に引っ張られることもない」

「そうか、駄目かー」

 

 

 

 

「これは…緑谷から?位置情報だけの送信…」

 

 3日目、日も沈み夜の帳が降りきったころに緑谷から不可解な連絡が来た。

 

「スマホみて固まってどうした?」

「あ、すみませんホークス。少し気になるものが来て」

 

 件名や文字も無し、来たのは位置情報だけ。その位置も…東京都、保須市?緑谷の体験先は別の場所だったはず。それに…確か飯田が行った場所。

 

「保須……路地裏……?飯田……そもそもなんで飯田は保須に行った?確かインゲニウムのニュースで…ヒーロー殺し?」

「ヒーロー殺しだって?けど、保須か…俺らに出来ることはないな…。確かエンデヴァーさんがヒーロー殺しを追って出張してるはずだから問題ないと思うけど」

「エンデヴァーが…それなら轟もいるか」

 

 少し安心。けどニュースを調べてみると保須の事が既に出ている。中身を見たら新幹線が止まったり大通りでの事件。ヒーロー殺しとは別件か?

 

「ヒーロー殺しとは別件の大きい事件が起きてる。轟とエンデヴァーが行ってるなら大丈夫だとは思うけど…」

 

 それに緑谷が無駄にこんなことをするとは思えないが、杞憂だという可能性も0ではない。どの道ここからだとどうにも出来ない以上、無事を祈るしかない。

 

「私1人なら5分くらいで行けるけど…流石に無理か。それに今から5分で間に合うかも分からないし…」

「ちょっとここから東京まで5分とかいう意味わからないことが聞こえた気がするけど、流石に許可はできないかな。今の君達は俺の監督下だから1人で遠くまでは行かせれない」

「大丈夫です、分かってます。はあ、早く仮免でもいいから欲しいな」

 

 結局その日は連絡が来ず、来たのは次の日だった。ヒーロー殺し…ステインの動画が出回っていたから、出たのは確実だったけどやはり緑谷のアレは救援要請だったらしい。結局ステインはエンデヴァーが倒したって話らしいけど…あの動画では緑谷が映っていたし、怪我してるらしいから怪しいところ。どうしてそうなったのやら。

 

 

 保須でそんなことがあったりはしたけど、福岡にあるホークス事務所には影響は特になし。4日目以降もやることはかわらず。相変らずホークスについて行き、終わったら少し空を飛ぶ。中々充実した時間だった。常闇は不満だったらしいけどね。

 

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