皇帝と呼ばれるドイツ人のラインハルト様   作:ロシデレは良い

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明けましておめでとうございます。

本年度、最初の登校になります。


皇帝陛下の大作戦

 

 

放課後

 

「有希の奴、一体何の用だ?」

 

放課後、帰り支度をしていた政近に、突然有希から、備品室に来てくれと連絡があった。

 

「有希、いるか?」

 

「あっ、政近君来てくださったのですね」

 

ドアをノックし部屋のドアを開けると、真幸を呼び出した張本人である有希が姿を現しそう言った。

 

「様て、なんだ?」

 

政近がそう聞くと

 

「つれないですわ〜そこは、待ったごめ〜んとおっしゃってくださいな〜」

 

有希の本性を知らない人間が見たら、何か悪いものでも食べたのかと聞きたくなる様な、猫撫で声で、有希はそう政近に言った。

 

「ごめぇ~ん、待った?」

 

すると政近も、側から見たら気色悪いことこの上ないが、同じく猫撫で声でそう言いた。

 

「うん、待った待った~」

 

それに対して有希も猫撫で声でそう言うと言う、茶番以外の何物でも無い掛け合いをした。

 

すると

 

「仲良いのね」

 

備品室の奥から顔を出したアーリャが、その茶番を見て、政近を呆れた様にジト目で見つめながらそう言った。

 

「…いたのかアーリャ」

 

「いたわよ。ごめんなさいね? お邪魔しちゃって」

 

「いやぁ…ははは」

 

刺々しい口調でそう言うアーリャに、政近は愛想笑いをした。

 

しかし

 

「僕もいるぞ、Herr政近」

 

そんな政近に対してまたしても備品室の奥から、良いものが見れたとでも言いたそうなフッとした笑みを浮かべながら、まるで小馬鹿にする様にドイツ語の敬称であるHerrをつけて政近にそう言う人物が現れた。

 

「ゲッ!ラインハルト、お前もいたのか…」

 

その人物こそ、学園の皇帝ラインハルト様その人であった。

 

 

「備品の整理?」

 

気を取り直して、話を聞いた政近はそう聞いた。

 

「はい、手伝っていただきたくて…」

 

「数量を確認しつつ破損品は除いて、報告…生徒会も大変だな」

 

そう有希に言った時、政近はふとある事を思った。

 

「あれ、でも生徒会の仕事になんで保安委員会のラインハルトが手伝ってるんだ?」

 

生徒会とは別組織である、保安委員会の委員長であるはずのラインハルトが、こうして生徒会の仕事を手伝っているのか気になった政近は、そうラインハルトに聞いた。

 

すると、その理由をアーリャが答えた

 

「久世君が来る10分前に、ラインハルト委員長が偶々通りかかった際に手伝うって」

 

「ちょうど暇だったからね、2人だけじゃ大変だろうと思って、僕も何か手伝うべきだと思ったんだ」

 

「へーそうなのか」

 

アーリャとラインハルトから訳を聞いた政近は納得した様にそうは言ったものの、偶々暇だったラインハルトが、偶々通りがかって手伝うなんて、少し怪しいと感じていた。

 

「まぁ良いや、兎に角やろう」

 

しかし何はともあれ、男子2人、女子2人、計4人でやればなんとかなると思った政近は、早速始めようとした。

 

すると

 

「兄様、手伝いに来たよ〜」

 

「ヒルデさんと同じくです、委員長…」

 

それと同時に、ヒルデ、御幸の保安委員会の幹部2人も、この場に現れた。

 

「ヒルデそれに…」

 

「まぁ珍しい、石上君もいらしたのですね」

 

それに対し、政近と有希はそう言った。

 

すると

 

「記録係として呼んだ。僕たち4人が中で備品の整理をしつつ、ヒルデと石上の2人がその外で、パソコンで記録をする。そうすれば、仕事も効率よく終わるはずだ。何しろ、この2人の情報整理能力は、僕も舌を巻くほどだからな」

 

「と言うことで、後方支援は任せてくれたまえ」

 

「まぁ、それは頼もしいですね」

 

ラインハルトの説明にヒルデは胸を張って、自信満々にそう言い、その様子を見た有希は感心した様にそう言った。

 

その一方で、ますます本当にただ通りがかっただけなのかと不審に思っている政近であったが、ある光景が目に入った。

 

「うん?」

 

その光景とは、ヒルデと共に来た石上が、何やら恐怖で怯えている様子であった。

 

一体何に怯えているんだ、そう不思議に思った政近は、石上の目線の方を向くと。

 

「何か、石上君?」

 

「いっ、いえッ!なんでも無いです…」

 

どうも石上は、アーリャに対してひどく怯えている様子であった。

 

「おい、石上どうし…」

 

「いっ、いや、なんでも!なんでも無い…です」

 

心配した政近はそう石上に聞いたが、当の本人は顔を必死に左右に振りながらそう言った。

 

「さて、メンバーも揃った事ですし、早速…」

 

そして有希がそう言い、作業を再開しようとした、その時であった。

 

「ヒールデ、何やってるの?」

 

1人の元気で、少しボーイッシュな、女の子が作業を始めようとするヒルデに声をかけた。

 

「あっ、春馬」

 

ヒルデがそう呼んだ女の子は、夏輪春馬と言う生徒であった。

 

征嶺学園女子バスケ部に所属する彼女は、この学園ではかなりの有名人であった。

 

運動部連の総代を務める兄を持ち、何より中学時代はその天才的バスケのプレイスキルで、女子バスケ部を全中連覇へと導いた天才バスケ選手であり、高校女子バスケ部に入った今でも大きな期待をされ、性格も明るくサッパリした性格で男子はもとより、女子からの人気も凄まじい、まさにこの学校のヒーローであった。

 

そしてそんな学園のヒーローと、ヒルデは、互いに昼ごはんを食べたり、スポーツ漫画の話題で盛り上がったりするなど、親友と言っても差し支えないほどの仲であった。

 

「あぁ、実はね…」

 

その為

 

「これは、こっちで良い周防さん?」

 

「はい、問題ありません」

 

訳を聞いた春馬は、備品整理を手伝ってくれる事となった。

 

(それにしても、生徒会の花と呼ばれる有希とアーリャ姫に学園の皇帝のラインハルト様、それに"神速の春馬"と呼ばれる学園のヒーローが、一つ屋根の下で作業か…すごい部屋だな)

 

その華々しい空間となった備品室に、政近はそう感想を言った。

 

だが、作業班5人、記録班2人の計6人、さらにちょくちょくラインハルトが的確な指示とアドバイスを述べる為、作業は予定よりスピーディーに進んでいた。

 

「はぁ、だけどやっぱり疲れるな。確かに、こりゃ女子2人だと厳しかっただろうな」

 

しかし、それでも大変な事には変わりなく、政近は少し肩を回しながらふぅと、息を吐いた。

 

「本当は会長も来られる予定なんですが、お忙しい方なので…」

 

「なるほど」

 

有希の話を聞いた政近は、改めて生徒会の人材不足を実感した。

 

その一方で

 

「ⅡのCの棚の備品はこんな感じだ」

 

「了解、記録しておくね」

 

「なら、この棚は掃除用具の棚としてまとめると言う事でどうですか?」

 

「石上の言う通りだな、なら先ほどのⅣのDの棚にあった備品はここにまとめるか、春馬」

 

「そう言うと思って、持って来たよ」

 

「ヒルデさん、もしよろしければ少しだけペンを貸していただけませんか?」

 

「良いよ有希ちゃん、はい」

 

慣れた手つきで指示と備品報告するラインハルトと、その報告を元に記録をするヒルデと石上、その仕事の優秀さに政近は

 

(それにしても…保安委員会は、良い人材が揃っているな)

 

そう心の中で思った。

 

聞くところによると、人手不足の生徒会と違い、ラインハルト率いる保安委員会は、15〜20人違い人材が所属している。

 

(良くこれだけの人材を集められたものだ)

 

実際は、ラインハルトだけじゃなく、オルガナイザーや組織構築能力に関しては、ラインハルトを凌ぐかもしれない実力を持つヒルデも組織拡大に大きく協力しているが、それを詳しく知らない政近は、ラインハルトの底知れない能力とカリスマ性に、内心舌を巻いていた。

 

「どうしましたか?」

 

すると、そんな事を少し考えていた政近の様子が気になった有希が、そう聞いた。

 

「いや、ただ体とかが痛くてな。本当に軽々しく引き受けるんじゃなかったよ」

 

「またまた〜素晴らしい手際じゃないですか」

 

心配した有希に、政近はそう言い、それを聞いた有希はそう言った。

 

そしてすかさず

 

「いつでも、生徒会に入れますよ」

 

「だからやだって、2年前より体力落ちてるし」

 

有希は政近を生徒会に誘ったが、すかさず政近は拒否した。

 

そして、そんなやり取りをアーリャは、少し不満そうな顔で見ていた。

 

「あっそうだ、踏み台ってありますか?」

 

「あっ、そこに」

 

「ありがとうございます」

 

そんな時、有希が高いところにある物を取ろうと踏み台に登ろうとしていた。

 

 

なんて事ない…備品整理と言う作業をしていれば、なんの変哲もない良くある行動である。

 

だがしかし!!

 

(Hier kommt es! Endlich ist es da! Auf diesen Moment, diese Aktion habe ich gewartet!)

≪ 来た!ついに来た!この瞬間を、この行動を待っていたぞ! ≫

 

だがこの男…

 

学園の皇帝ラインハルト・ヴィルヘルム・フォン・ライヒスブルクにとっては、この一瞬こそ、今回の、偶然を装い有希たち生徒会の備品整理に紛れ込んだ、最大の目的であった。

 

勿論今回、ラインハルトが備品整理に参加したのも、ただの親切心からではなく、自分が恋する周防有希との距離を縮める為の、大いなる作戦を実行するためであった。

 

その作戦の目的とは、彼の…ラインハルトの母から今日の朝、学校にゆく前に伝授された、好きな人を落とす、一撃必殺の必殺技を発動させる事である。

 

 

 

今日の朝

 

「良いことラインハルト、好きな人を落とすのはそう難しい事じゃないのよ」

 

「そんなバカな、そんなに簡単なら苦労はしませんよ母さん」

 

尊敬する母のアドバイスとはいえ、好きな人をどう落とそうか常に頭を捻り苦労しているラインハルトからすれば、さすがに信じられない事であり、からかっているのかと疑いの目を向けながらそう言った。

 

「本当よ、良い、ここに貴方が好きなその彼女がいるとするでしょ?」

 

するとラインハルトの母は、玄関横の壁を指差し、ここにラインハルトが好きな女性、すなわち周防有希がいると仮定するようにラインハルトに言った。

 

「イメージした?」

 

「えぇ」

 

「そしたら、こうよ!」

 

するとラインハルトの母は、ラインハルトがそう返事をすると同時に、壁にダァンと勢いよく手をつき

 

「私と…付き合いなさい」

 

囁くようにそう言った。

 

「と、この様にやればイチコロよ。これこそ一撃必殺の恋の必殺技…」

 

そしてラインハルトの母は、堂々とした様子でこう言い放った。

 

「壁ダァンよ!どう、参考になった?」

 

「いや、これ壁ドンですよね母さん。と言うか、そんな使い古された少女漫画のお約束の様な必殺技、役に立つ訳ないじゃないですか…」

 

堂々とした自分の母の様子と、そのあまりにもベタベタなベタな必殺技に、ラインハルトは思わず呆れた様子でそう呟いた。

 

すると

 

「確かに少しベタだけど、オタクな有希ちゃん相手なら、案外効果ありそうだよ」

 

隣にいたヒルデが、囁くようにそうラインハルトに助言し、それを聞いたラインハルトは、確かに一理あると考えた。

 

すると続けて

 

「それに、確かママの初恋の人が、ママの友達にこの必殺技をかけて告白に成功したらしいから、案外効果あるかもよ!あははははー」

 

ヒルデは大きな声で、笑いながらそう言った。

 

「それじゃあ行って来ま〜す」

 

「わーん!また私の可愛い娘が古傷を〜!!」

 

「ヒルデ…お前悪魔だな…」

 

そして古傷を抉られ泣きじゃくる母と、ドン引きしている兄を尻目に、意気揚々とヒルデは学校へと登校していった。

 

(Ehrlich gesagt erlaubte mir mein Stolz nicht, es plötzlich zu tun, aber ich ließ es wie einen Zufall aussehen ... In dem Moment, als Fräulein Yuki vom Tritthocker herunterkam und sich umdrehte, tat ich so, als würde ich die Ausrüstung hinter ihr greifen. Wenn es so ist...)

≪ 正直、いきなり仕掛けるのは、俺のプライドが許さないが、自然に…それこそ、踏み台から降りて来たFräulein有希が振り向いた瞬間に、彼女の背後にある備品を取るように見せかける、偶然を装ったやり方なら…≫

 

そう頭の中で思考を巡らせながら、ラインハルトは有希が踏み台から降り、秘技"壁ダァン"をかますそのタイミングを伺うため、今か今かと、有希の動向を観察た。

 

するとその時であった

 

「きゃあ!」

 

腐った木材がへし折れる音と、有希の悲鳴と共に、踏み台の板が折れ、そのアクシデントに有希はそのまま床に向かって、転倒しようとした。

 

「有希!」

 

突然の出来事に政近は、持っていた荷物を床に落とすと、すぐに有希を支えようと彼女の元に急いだ。

 

しかしその時であった。

 

「おっと…」

 

政近より一歩も二歩も早く、ラインハルトが転び落ちそうになっていた有希を支えた。

 

「ら、ラインハルト君…」

 

「大丈夫か、Fräulein周防」

 

怪我の功名と言うべきか、ラインハルトは先ほどから秘技、壁ダァンをかまそうと機会を窺っていた事もあり、この場では誰よりも早く行動出来き、有希の身体を支える事が出来た。

 

そしてこの瞬間、ラインハルトと有希の身体的距離は、かつて無いほどにに近い状況となっており、平然を装ってはいるが、ラインハルトは好きな人の身体に接触し、さらに顔も近く、なにより自分でも自画自賛したくなるほどのスタイリッシュな助け方で有希の危機を助けたと言う、三拍子により、かつて無いほどの幸福感と緊張に、心臓の鼓動は早く脈打っていた。

 

「大丈夫か、有希?」

 

ラインハルトが幸福感に胸をいっぱいにしている時、まるで割り込むように、政近は心配そうにそう聞いた。

 

「す…すみません、わたくしとしたことが。ラインハルト君、ありがとうございます」

 

「すまねぇ、礼を言うよラインハルト」

 

「いや礼には及ばん、当然の事をしたまでだ。気をつけて作業をする事だ、Fräulein」

 

そして、有希と政近は、彼女を助けてくれたラインハルトに礼を言い、それに対してラインハルトは柔らかに微笑みながらそう言うと、備品室の奥へと引っ込むように入っていった。

 

「すみません政近君、わたくし少しお手洗いに行って参ります」

 

「おう、分かった」

 

そしてそれと同時に、有希もお手洗いに行くと言い、その場を後にした。

 

(Ah, ich habe es berührt! Ah, ich habe es berührt! Ich habe Fräulein Yukis weiche Haut berührt! Es war so weich! Und es roch auch gut! ! !)

≪ あぁ、触った!あぁ、触った!Fräulein有希の柔肌に触ってしまった!とても柔らかかった!それに良い匂いもした!!! ≫

 

一方ラインハルトは、表面上は、黙々と作業をしながらも、顔は真っ赤になり、その心はいつものカイザーラインハルトはどこに行ったのかと聞きたくなるほどの、幸せと興奮に心臓をバクバクと鼓動させていた。

 

その頃

 

女子トイレ

 

「はぁ、はぁ…」

 

お手洗いに行くと言い備品室を後にした有希は、少し苦しそうに呼吸をしていた。

 

そして少し落ち着いたところで、先程のアクシデントの事を思い出し

 

「こんな事…初めて…なんでこんなに胸が、心臓が早くなってるの…」

 

少し顔を赤らめ、いつもの学校でのお淑やかなキャラでも、仮面を外した時の奔放なオタクキャラでも無い、今まで見た事ないような少し苦しそうな様子で有希はそう呟いていた。

 

備品室前

 

「To... może być w sumie dobry znak...」

≪ これ…案外、脈あるかもね…≫

ラインハルトと有希が、そんな様子になっている頃、ヒルデはどうやってやったのか、先程有希が作業の途中で、ペンが必要になった際、自然な形で有希に貸した、ヒルデお手製の、シャープペンシル型盗聴器を使い、左耳につけているワイヤレスイヤホンを通じて聞こえた、有希の声を聞いたヒルデはふと笑い、そして聞こえないように、さらにはたとえ聞こえても誰にも分からないように、ポーランド語でそう呟いた。

 

「ヒルデさん、なに聞いてるんですか?」

 

するとそんな様子に不信感を感じた石上は、好奇心からそう聞いた。

 

すると

 

「なんでもないよ、少し…ね…」

 

ヒルデは、満面の笑みを浮かべながらそう言った。

 

「そ、そうですか…」

 

その様子から、何かこの件には触れていけないと、感覚で感じた石上はすぐに目を逸らし、仕事を続けた。

 

 

本日の作戦…壁ダァンは失敗したが、お互いの距離は縮められた…かも?

 

 




おまけ

その後、有希がお手洗いから帰って来たのち、作業を進めていた時である。

「なんだこれ、ボードゲーム?なんで、こんなものがあるんだ?」

作業中見つけたダンボールの中に入っていた、多種多様なボードゲームをみて、政近はそう呟いた。

「なんでも、数年前に廃部になったテーブルゲーム部という部の備品だったそうです。部の予算で買った物も多いため、学校側で引き取ったとか」

「へー」

有希のその話を聞いた政近は、納得した様子でそう言った。

すると

「今ゲームって、聞いて」

「どれどれ見せて」

こう言うボードゲームに興味があるのか、石上とヒルデが気になって見に来た。

「結構色々あるぞ」

そして、そんな2人に政近はそう言うと、発見したボードゲームを2人に見せた。

「結構色々あるね〜」

「ほんとですね…人生ゲームに、UNOにトランプ…なんだこれ…」

するとその時、オーソドックスな、テーブルゲームが並ぶなか、一際異彩を放つ、とあるゲームを見つけた。

「УраPOLY…」

「全ての国民がパラダイス…」

タイトルもキャッチフレーズも、真っ赤な革命臭を放つその、内容が全く想像が出来ない、謎のゲームに、ヒルデと石上は言葉を失った。

「これは…大丈夫なのか?」

「キャッチフレーズからして、すぐにでも保安委員会の責任の元、燃やすか、隔離した方がいいかもしれないね…」

「いや、たかがゲームにそんな大袈裟な…」

なんとも物騒な匂いを放つゲームを前に、石上とヒルデはそう言い、それを聞いた政近は思わずそう言った。

すると

「ボードゲームなら、こっちも発見したぞ」

奥から顔を出したラインハルトが、大きめのボードゲームが入っているような、平たく大きな箱を抱えて来た。

「どんなゲームだ?」

「戦略シミュレーションゲームだ、なかなかに面白そうなゲームだぞ」

どんなゲームか気になった政近に、ラインハルトはそう言うと、ゲームが入った箱を見せた。

そのゲームタイトルは

「タイトルは、Heil・of・Sieg Ⅲ」

「キャッチフレーズは…東方の赤き津波を殲滅せよ…」

「なんとも物騒なキャッチフレーズね…」

殲滅などと言う強い言葉を使う、物騒なキャッチフレーズを見て、政近とアーリャは思わずそう言った。

一方で

「でも…なんか少し面白そう」

「箱の横に書いてある説明書を見たが、ただ軍隊に見立てた駒を使う、チェスの延長線のようなものではなく、さまざまなゲームの様相が混ざり合った戦略ゲームらしい。なかなかに興味深いゲームだぞ」

「へぇ、じゃあ今度暇な時にでもやってみようよ!」

ボードゲーム型戦略シミレーションゲームであるそのゲームのタイトルとキャッチフレーズを見て、ラインハルトとヒルデは、なぜか分からないがそのゲームに惹かれたようで、興味深そうな様子でそう言った。

その後、このボードゲームは、ラインハルトの支持者たちが集まる部活の一つであるコンピューター研究部にヒルデ経由で持ち込まれ、彼らの手によってCP戦略ゲームとして生まれ変わる事となるが…

それはまた別のお話し…


と言う事で、この話のどこかに入れようとしていたけど、流れ的に入れられなくなった一幕を、供養としておまけ扱いで記載しました。

最初アニメを見た時登場した、УраPOLYなる、ある意味で革命的な匂いを感じるゲームを見た時、思わず笑ってしまったのはいい思い出です。

そしておまけでは、そんなУраPOLYに対抗する形で、オリジナルのボードゲームを出して見ました。

という事で、もしご感想などがあれば、お気軽に書いていただけると嬉しいです。

それでは
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