「――では、作戦の説明に入る」

言いながら、初老の口髭が定価分の丸ごと残った煙草を灰皿へと押し付ける。
火の点いていない煙草を咥えるのは、男にとって一種のゲン担ぎとも言うべき習慣であった。

「北極の連邦基地より運び出された、例の『でき損ない』が、
 中立コロニーであるサイド6に極秘裏に収容されたとの情報が入った。
 我々はこれよりコロニー内の連邦基地の探索、
 及び敵新型MSの奪取ないし破壊を目的とした潜入作戦を開始する」


――潜入作戦。


自然、室内の空気が重くなる。
彼ら特務部隊に与えられる任務は、その大半が通常の軍事行動とは趣を異とする。
味方の支援を満足に受けられず、時に条約違反となる行動まで作戦に含み、
それゆえに一度虜囚となれば、まっとうな待遇は望めない。
会戦当初は小規模部隊であった彼らサイクロプス隊も、劣勢の中で損耗を続け、
今では新兵を含め僅かに総員四名の部隊へと成り下がっていた。

「――以上が作戦の概要だ、何か質問はあるか?」

「あ、あの……! ええっと……」

トントンと書類の束を整理にかかった隊長に対し、
件の新兵、未だ十代と言った体の金髪の青年が、やや躊躇い気味に声を上げる。

「その……、でき損ない、ですか?
 連邦の新型MSと言うのは、それほどまでに重要な物、なんでしょうか?」

新兵の出過ぎた質問に、たちまち古参の二人が訝しげな視線を浴びせる。
だが正面の口髭はさして気にした風も無く、何枚かの写真を無造作にテーブルへと放った。

「――【ゲッター炉心】、
 北極基地のデータベースにその呼称が残っていた。
 技術屋どもの話によると、従来のMS戦の概念を覆しかねないほどの代物、だそうだ……」





本作は「機動戦士ガンダム0080~ポケットの中の戦争~」と
「真(チェンジ)!! ゲッターロボ~世界最後の日~」のクロスとなります。
話の核は上記二作品ですが、設定面では他のガンダム及びゲッターロボ作品も内包しています。

また本作は、過去に「ゲッター線が他作品に出張!!」スレに投稿した作品で、
ゲッタークロスオーバーSS Wikiからの転載となります。


  第一話「ポケットの中の戦争」()
  第二話「河を渡って木立を抜けて」2014年10月05日(日) 16:39()
  第三話「虹の果てには?」2014年10月05日(日) 17:14()
  最終話「戦場までは何マイル?」()
X(Twitter)  ▲ページの一番上に飛ぶ