pixivより転載
白いシーツの上に横たわる、褐色の裸体。すらりとした曲線美は、腰のくびれなどが芸術品だ。
その彼女を彩るのが、多種多様な刺青だ。
「……ふふ、どうしたんだい。そんなに熱烈に見つめられては背中に穴が空いてしまうよ」
振り返った彼女が、ベッドの上で起き上がる。裸の身体は、胸元や薄く腹筋のついた腹部、太腿から脹脛に至るまで刺青が刻まれている。
それを、同じく裸体のパーシヴァルがうっそりと見つめて言う。
「何度見ても素晴らしい刺青だと思ってね。君の美しさによく映えている」
「ふふ、男は大抵女の刺青には萎えるものと聴くけどね。君みたいのも珍しい。どうだい、その見事な背中にも刺青を入れてみるかい? まぁ神秘の籠った墨でないとただ痛いだけで終わるだろうけどね」
「サーヴァントとしてそれだけが残念だね」
「おや、本気にしたかい」
「あなたとお揃いがいいな」
「……君ね」
バーソロミューは自分の顔を手で押さえた。
――ふと、パーシヴァルは問う。
「それにしても、バーティ。あなたは、生涯男性で通したのだろう? しかし……そこまで刺青を入れているということは、彫師には裸体を晒したということだね? よく秘密が漏れなかったものだ」
「ふふ、傷物にされたと思ったかい」
「その物言いは感心しない」
「わかっているよ。――大丈夫だよ、それは」
バーソロミューは歌うように答えた。その手に俄かに拳銃が出現する。そして、パーシヴァルの額に銃口を当てた。
「私に刺青を入れてくれた者たちは、皆頭をこの銃の的にしたものさ」
「――」
「……悪い冗談だったね。君のことは撃たないよ。マスターの敵にならない限りはね」
そう言って銃を消すバーソロミューを、パーシヴァルはスカイブルーの目で見つめた。
――彼はまざまざと想像できたからだ。
バーソロミューに刺青を施した彫師。男に「いい腕だ。有難う」と褒めて、そしてその頭を拳銃で撃ち抜く彼女の姿。返り血を浴びた彼女の顔は、体の刺青と共に血で彩られて――
パーシヴァルは思わずバーソロミューの手を取った。
「パーシー?」
マリンブルーの目を瞬く彼女に、パーシヴァルは告げた。
「あなたには血がそぐわしい。……さぞ美しい光景でしたでしょう」
すると、一瞬きょとんとした彼女は――妖艶に微笑んだ。
パーシヴァルの手に頬を寄せる。
「清廉な騎士様が言っていい台詞ではないよ」
そう言ってバーソロミューは、彼の掌にキスを落とした。
パーシヴァルは、彼女を抱き締め――再びベッドの中に引き込んだ。
夜はまだ終わりそうにない。
End.