クズ野郎と属性過多美少女と時々馬鹿がわちゃわちゃしながら依頼者の相談に乗ったり乗らなかったりするお話


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お久しぶりです!YD病感染者です!とりあえず本編をどうぞ。


クズとバカと美少女と

 

 桜の花が散り、クチナシの花が咲き始め、ようやく日も長くなってきた初夏の放課後、校庭から運動部の連中が必死こいて練習している声が聞こえる。

(おーおー、ご苦労様だ。なんの特色のない我が学園をせいぜい盛り上げてくれたまえよ)

と汗だくであろう彼らに尊敬の念と精一杯の応援の思いを心の中で伝え、こんな日は運動などせず窓際で薫風を浴びながら、優雅に本でも読んで過ごすべきだ。そう思い立った俺は我らが部室「相談部」へと足を運んだ。

 

「うーす。ん、今日は俺の方が早かったか」

 

部室の扉を開けた俺は中へ入り鞄を机の上に置いてお気に入りの文庫本を取り出したのち、窓を開け、窓際にイスを移動させてそこで本を読み始めた。

 

「ああ、やはり良い。文化人はこうでなくては」

 

そう独り言を口にし、こんな贅沢な時間を過ごせていることの喜びをかみしめていると、廊下からコツコツと小さな足音がこちらに向かってくるのが聞こえ、その数秒後、部室の扉が開いた。

 

「遅れてすみません。委員会の仕事が長引いちゃいまして...」

 

そう申し訳なさそうに口にしたのは、品行方正、容姿端麗、白髪貧乳、おまけにボケ属性とメガネ属性を併せ持つ、一昔前の萌えキャラの並みに属性過多な美少女。

そう我らが「相談部」の部長、七瀬小春である。

 

「む、何か失礼なことを考えていませんか?」

 

そして以外にするどい

 

「いやいや、とんでもない。小春は今日もとっても可愛いなぁって思っていただけだよ。そもそも部員は俺たち二人だけだし、依頼人なんてほとんど来ないんだから別に遅れたって誰も咎めやしないさ」

 

「そ、そういう問題じゃありません!メリハリが大事なのです。それにこの前だって依頼人は来たじゃないですか」

 

お顔が赤くなっている。可愛いなぁ

 

「一カ月前に一人、それもあのバカだけだけどね」

 

「それでもです」

 

「小春はまじめだなぁ。そんなことよりさ、今度の休日俺と───」

 

お出かけしよう、とても雰囲気のいい喫茶店を見つけたんだ。そう彼女に言おうとした瞬間、「悠斗ぉぉおおおおお!貴様ぁああああ!」そんな怒声と共に俺の悪友である横山健太郎が部室に飛び込んできた。

 

「悠斗!よくも僕に嘘をっ!嘘を教えてくれたなぁあああ!」

 

「藪から棒になんなんだ、落ち着けよ健太郎。お前の怒号で小春が怯えているだろうが。もっと静かに、クレバーになって話せよ。あ、クレバーって分かるか?冷静って意味だぞ」

 

と、目の前の馬鹿に優しく、丁寧にお返事をしてやったところ...

 

「ぐぐぐ、貴様は次から次へと僕をイライラさせてくれる」

 

どうやら落ち着いたみたいだ

 

「で、どうしたんだよ健太郎。」

 

「どうしたもこうしたもあるか!僕は...僕は...貴様のアドバイスのせいで凛子ちゃんに振られちゃったんだぞ!」

 

アドバイス?そんなことしたっけ?俺が?健太郎如きに?わざわざ小春とのスイートタイム(部活中のおしゃべり)を使ってまで?そんなことを考えていると小春が答えてくれていた。

 

「アドバイス.........ああ、アレです。あの「ゴボウとレンコンのきんぴらを相手の口にねじ込んで告白する」ってやつですね」

 

ああ、そういえばしたっけか。小春とのスイートタイムを邪魔された腹いせに適当な事言ったわ

 

「そう!それ!あの日貰ったアドバイス通りにゴボウとレンコンのきんぴらを作り、凛子ちゃんの口にねじ込んで告白したのに!」

 

「お前それ本当にやったのか、頭おかしーんじゃねぇの」

 

「お・ま・え・が!言ったんだろうがぁあああああああ!」

 

全く、暑苦しい奴だ。冷静になれって言ったはずなのにもう沸騰していやがる

 

「それで?なんて言って振られたんだよ、きんぴらくん」

 

「きんぴらくん!?僕をおちょくってんのか!?」

 

「まさか、俺たち親友だろう?おちょくるなんてそんな事するわけ無いぴらよ」

 

「なんだその語尾!やっぱおちょくっているじゃないか!」

 

なんだコイツ、いっこうに話が進まないな

 

「なんだコイツ、いっこうに話が進まないな」

 

「悠斗さん、心の声が漏れていますよ。それにそういったことは本当に思っていても本人の前で言うべきじゃありません」

 

小春に怒られてしまった。怒っている顔も可愛いなぁ。しかしここで小春の好感度を下げるわけにいかない。反省した旨を伝えるか

 

「ごめんよ小春。次からは気を付けるよ。それと、参考までに普段小春はどうやって余計な事を言わない様にしているんだい?ほら、今のように健太郎の話がうざい時とか」

 

「今みたいに横山さんのお話がうざったい時ですか......はっ!」

 

「七瀬さぁああああああん!?僕の話うざいと思っていたの!?」

 

「そ、そそそそそそんなことあるわけないじゃないですか‼」

 

俺の目の前で小春とじゃれ合ってんのムカつくから話を進めてやるか

 

「それで健太郎、デートの日に一体何が起こったんだ?」

 

「ふーふー...いいだろう話してやるよ!僕がどのようにして振られたのかを!」

 

「いいからさっさと話せ」

 

「あれは三週間前のこと、前々から狙っていた凛子ちゃんとの初デートの日────」

 

そう、その日の早朝、僕は自宅の厨房に立ち、まだ寝ている家族を起こさないように、慎重かつ丁寧に、そして真心と恋心を込めながら、レンコンとゴボウ、ごま油などの材料を用意し────────きんぴらを、作っていた。

出来上がったきんぴらをタッパーに詰め、ついでに家族の朝ご飯を作り、一緒に食べ、デートに着ていく洋服を選び終えたころ、約束の時間が迫っているのを確認した僕はきんぴらの入ったタッパーを鞄に入れ、急いで家を出た。時間ギリギリになっちゃうかなとか、凛子ちゃん待たせていたら申し訳ないなとか、今日のデートで絶対に彼女になってもらうぞとか思いながら電車に乗り、凛子ちゃんとの待ち合わせ場所に急いだ。

 

そうして既に待ち合わせ場所にいた凛子ちゃんと合流し、ついにデートが始まったんだ。

デート自体は順調だった。動物園でパンダやペンギンなどを見たり、カフェでちょっと休憩したり、て、手までつないじゃったり......

そして帰り道、疲れからかお互いが黙っている。だが嫌な沈黙ではない。どこか心地よく、これがこのままずっと続けばいいなと、そう思いながらも、凛子ちゃんを呼び止めた。

どこか緊張している彼女の前に立ち、僕は鞄の中からタッパーを出して、その中身を、彼女の口にねじ込みながら、僕の気持ちを伝えるために口を開いたんだ「好きです!付き合ってください!」と......

 

口いっぱいにきんぴらを頬張りながら、驚愕と恐怖の視線を僕に向ける凛子ちゃんから返ってきたのは、力いっぱいの平手打ちと「キモ」の一言だけであった......。

 

......ちなみに家に帰って連絡をしてみたが、ラインはブロック。電話は着信拒否されていた。

 

「────という訳で!僕は!振られたんだよ!」

 

「そうか!おめでとう!」

 

「話を聞いていたかい!?僕はお前を信じて振られてしまったって話をしているんだよ!?お前が!お前が!あんな事言わなきゃ!」

 

↓あんなこと

「いいか健太郎、まずレンコンとゴボウのきんぴらを作るんだ。ゴボウの花言葉は「いじめないで」、レンコンの花言葉は「繊細な美しさ」だ。

告白する上で何が一番大事かというと、“振られない”という事だ。つまりゴボウの花言葉「いじめないで」で振ることを牽制しつつ、レンコンの花言葉で遠山凛子が「繊細な美しさ」を持っているから好きという事を伝えるんだ。

そして“きんぴら”を“遠山の口に詰め込む”ことだ。きんぴらの由来はかの金太郎の息子から来ており、強いことを表す。女は多少強引な男に憧れるとよく聞くだろう。その強い物を口に詰め込み、恐怖のドキドキを恋のドキドキへと誤認させるんだ。いわゆる“吊り橋効果”というやつだ。そうしたらお前の告白は成功するだろう!!!」

 

「あの言葉は!あのアドバイスは全部嘘だったのか!答えろ!悠斗!!!」

 

「当たり前だろ。何言ってんだお前」

 

「謀ったな貴様ァアアアアア‼」

 

「やかましい!なぜこの俺がお前の恋路を応援してやらにゃいかんのだ!」

 

「相談に乗ってやるって言ったじゃないか!あの言葉も嘘なのか!?」

 

「何を言っている。俺はこれまでの人生で嘘など一度もついたことがない!」

 

「5行前のやり取りを振り返れぇえええええええええええ!!!」

 

「大体、俺は相談に乗ってやるとは言ったがお前の恋路を邪魔しないなんて一言も言ってない!」

 

「なんて奴だ!僕たちは親友だろう!」

 

「ハンっ」

 

「鼻で笑いやがった!?」

 

「いいか健太郎、よぉく聞け。俺は、他人の幸せを潰すことが好きなんだ」

 

「僕たち親友ですよねぇ!?」

 

「まあ嘘だけど」

 

「これで3回目の嘘だ!」

 

「正確には“お前”の幸せを“面白半分で”潰すことが好きなんだ」

 

「よりいっそうタチが悪い!」

 

「いきなりBL用語ぶっ込んでくんなよ。腐男子か?」

 

「“タチが悪い”の“タチ”にそんな意味なんてない!」

 

「ええっ!横山さん腐男子なんですか!もしかして...そっちもいける口ですか!」

 

小春が目を輝かせながらそんなことをいう

 

「ああ、いけるぞ。実はこいつ、両刀なんだ」

 

「悠斗貴様!僕の恋の成就を邪魔しただけでなく新たな恋まで奪う気か!」

 

「はぁ...小春、こいつ今はこんなことを言っているがな、この前俺の耳元で愛を囁いたり、俺の尻を触ったり、愛を囁くついでに耳に息を吹きかけてきたり、俺にその気はないと何度も言われる度に「アタイとは遊びだったの!?」と泣きながら詰め寄って来きたりするんだ。どうしたら良いと思う?」

 

「え、ええええええええええええええええ!!!そ、そこまでなんですか!?とりあえず横山さん!無理強いはいけません!そういうのはファンタジーの世界でだけです!本当に悠斗さんを想っているならお互いのコミュニケーションを───」

 

「だから違ぇえええええええええ!!!」

 

「健太郎貴様!さっきから我慢してりゃあ俺の目の前で小春といちゃつきやがって!ぶっ●してやる!」

 

「お前の情緒どうなってんだ!?」

 

「うるさい、黙れ馬鹿。」

 

「い、今の悠斗さんの対応......もしかして悠斗さんも横山さんのことを......!?横山さんが私にばっかり話かけていたから嫉妬で......?」

 

「「!?!??!!」」

 

「ね、ねぇどうするの!?七瀬さんに死ぬほどおぞましい妄想をされてるよ!?」コソコソ

 

「あぁ、やばい。小春は意外とうっかりさんだからな。今のまま勘違いされたままクラスメートとの会話でポロリとこぼされでもしたら......」コソコソ

 

「二人でコソコソ顔を近づけて内緒話ですか!?や、やっぱり......じゃあ普段の喧嘩も関係を隠すためのカモフラーj「「心の底からごめんなさい。もう喧嘩しません。ボクタチナカヨシ。」」」

 

「ナカヨシ!!!やっと認めてくれましたね!!!コレは捗りますワーーー!!!さ、早速小説にしなければ!!!」

 

「チクショウやっぱダメだ!!!どうするのさ悠斗!!!」

 

「とりあえず菓子だ!小春の好きな菓子で正気を取り戻させる!!!今すぐ菓子を買ってくるから、お前は俺たちの凄まじい妄想を書き込んでいる小春のスマホを取り上げて部室から出さない様にするんだ!!!」

 

 

 

────────ここは私立花房学園相談部、クズ野郎と属性過多美少女、時々依頼者が集まり、思い思いに青春の1ページを綴っていく、そんな場所。

さぁ、依頼者がやってきた、次はどんな物語が始まるのだろう。

 

 

 

 

 

 

                                    おしまい

 




改めて、はじめましての方は初めまして!久しぶりの方はお久しぶりです!YD病感染者です
おおよそ2年ぶりの投稿ですね。え?問題児?すみません最近耳が遠くなってきて......すみませんそのうち更新します。

さて、本作は花言葉を使ったギャグコメディでなんか書けないかなぁと思い立って書いたものです。筆不精(この場合もそういうのでしょうかね?)なもので半年もかかっちまいました。
時間をかけたわりにいつも通りの駄文ではございますが温かい目で見てください

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