星雲からの使者 作:完全にわかのバカ野郎
「やあデミウルゴス、待たせてしまったかな」
「早く着き、もてなす場を、会談の場を作るのも従者の役目にございます」
想定通りの事をしたデミウルゴスを見て笑みとも呆れとも見て取れる表情をしながら、「じゃあ例の件を確認といこうか」と言いながら用意されている椅子に座り、お茶を一口飲む。
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「畏まりました」
「現状の不備は?」
「何一つ」
「段取りは?」
「同じくありません」
「それは良かった。道満から聞いてると思うけど」
「有り難く使わせて頂きます」
「うん、良いね。順調な様だね。でもね、デミウルゴス」
「な、何か至らぬ点が!?」
「ああそうじゃないよ、君は良くやっているし、仕事も順調に運んでいる。でも、だからこそ気を付ける必要が生まれるんだよ」
「! 『最後が肝要、最後の詰めを怠れば物事は失敗する』。ウルベルト・アレイン・オードル様が以前オルト様と話しておられました。
そう言う事なのですね!!」
「……良く覚えてるね。でもその通りだよデミウルゴス」
「はい。『事が終えるまで気を抜くな』で、ございますね」
「うん上出来。
「これ、は?」
「例の作戦に参加する子らが身につける
「あ、ありがき、幸せ………。不肖デミウルゴス此度の作戦、必ずや完遂させる事をOne Radiance Thing様に誓いいたします!」
あー……
「試作品を渡したのは今回の作戦にソレ程までのモノ、ウルベルト君が完成させたアイテムを使う必要が無いからだよ。
ある程度の混乱と
天上の言葉を聞き、瞬時に思考を巡らせ『絶大な悪』の意味を理解し言葉を発する。
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「絶大な悪、『
ああやっぱりあの時の会話を聞いてたのか、じゃなき
本来の意味とは違うけど……まあ良いか、取り敢えずこの世界の
「そう、その通りだ。
「何もせずに出てしまえばアンデッドであるアインズ様は『悪』と見做されてしまうから。で、ございますね」
「うんその通り、だから
「次なる計画の為に痛み分けを
「
「私はこのまま計画を遂行致します」
「うん、よろしく。さて、
「ハッ、畏まりました。後はデミウルゴスにお任せを」
「………うん、
その言葉を残しナザリックからRoAOGを使い転移すると「必ずやご期待に、いえ、ご期待以上の事をなしてみせます」と、この場にはいないオルトへと誓いを立てた。
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とある宿屋の一室に突然オルトが「間に合ったかな?」と現れ「ジャストだよ
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「なら良かった」
「遅刻だと言っているんだ」
「あれ?」
「呆けてないでさっさと行くぞ、彼女達を待たせているんだからな」
「大丈夫かなー」
「そう思うなら早く帰ってくるべきだったな」
ぶつくさ言いながらもエミヤの後につくと「ユリ嬢を置いてきたのは間違いだったかもな」と、愚痴を溢され「何さーこのパーティーも愉しいじゃん」と言うと「マトモな枠が私しかいないのは致命的だ」と返され、『ああでもない、こうでもない』と言い合いながら宿屋を三人で出ていった。
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「やあやあすまないね、少し遅れて。ごめんよ」
「軽くない?」
「軽すぎるね」
「初対面だがこの男は反省してねぇのが分かる」
「あ、あはは。(こんな人だったっけ)」
「コイツはこう言う奴だ、気にした方が負けだ」
三者三様ならぬ四者四様の言葉が返ってくる。
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「私の方から謝ろう。こちらの都合で遅れてしまってすまない、まだ間に合うだろうか」
「お、アンタはマトモそうだな」
「残念な事に私しかいない」
「…………なんでだろう、この子には手を出さない方が良いって何かが言ってる」
「ウソ……あり得ない」
「あのティアが!?」
「あのティアが躊躇うって初めて見たな」
「へぇ、君、中々に鋭いね。もし今手を出してたら手首から先が
オルトの一言で、イビルアイを除いた蒼の薔薇の面々が顔を青くし背中に冷たいものが走る。
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「コイツが
「成る程、リーダーの言う通り君はリーダーの事を良く知っているみたいだな」
「付き合いは長い……イヤ、
「イヤだから仕方ないじゃん、
「端から置いていかなければ良いだけの事だろう戯けが」
オルトとイビルアイの馴れ馴れしい掛け合いを見た蒼の薔薇達は「アレって本当にイビルアイ?」や「確かにありゃあ恋する乙女っつーより、親に怒る娘だな」といった様に各々が話していた。
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「リーダー、それとイビルアイ嬢。悪いんだが
「おっと……ごめんね。ついね、つい。
えーと。で、何処行くんだっけ」
「イャンクックの巣の筈だが、違うのか?」
「あぁ、そうだったね『先生』の巣か」
顎に手をやり「んー」と言いながら蒼の薔薇を一人一人見て「うんまあ行けるかな」と呟く。
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「行ける?」
「ガタイのいい人、これから行く場所は腐っても
「……今はトール……だったな。
今から行く
「数多くの
だからこの
「最初の壁……敗走を選ばざるを得ない
「うんうん、頑張ってね」
「お前は戦わないのか?」
「手伝ったら意味ないじゃん、主役は君達だよ。でも安心して良いよ、危なくなったら助けてあげるから」
「なら問題はないか」
「じゃあ行こうか、あのドアに鍵をさして回せばいい。そうすれば巣に行ける」
「そんな事ができるの?」
「そういうアイテムだからね。さあさあ行くよ、準備は万全でしょ?」
「一通りのアイテムは揃えたぜ」
ティア・ティナコンビも「問題なし」と答え、ドアに鍵をさしているラキュースが生唾を呑み込み「行くわよ」と言いながら鍵を回す。すると、目の前にはベースキャンプのテントがあり、自然深い森が広がっていた。
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「凄い……本当についた」
「すげぇ森だな」
「森の匂い」
「良い匂い」
「
「だねー、真逆だよね。
それで、『先生』の下に行くまでの道中に鳥竜種と言われてるモンスター、『ジャギィ』が沢山いる。それなりに強いから気をつけてね」
オルトからの忠告を受け、蒼の薔薇の面々が気合いをいれる。
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「くっ! これがジャギィって奴、それにり強いし……何より鬱陶しい!」
「おぅらぁあ!!」
「フッ! シィッ!」
「大瀑布の術!」
戦う蒼の薔薇達を見てエミヤが「確かに及第点だな」と呟き、「ジャギィ程度で躓くなんて困るんだけど」とボヤく。
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「んー………シャナ、少し手伝っ……やっぱいいや。今からバフ掛けてあげるから頑張ってねー。
さぁてと、
|魔法持続時間延長範囲拡大化 ・
後は、
「えっ………な、何……コレ」
「
「第六位階魔法!? 伝説の領域じゃない!」
「奴にとってこれくらい容易くできる魔法だ」
「そんな……事って……」
「バフ掛けたんだからジャギィぐらいなら簡単に倒せるんじゃないかな」
「すげぇな、力が漲ってきたぜ」
「これならいける」
「うん、負ける気がしない」
ガガーランは「行くぜぇ!」と言いながら、ティア・ティナコンビは無言でジャギィに駆け寄り戦闘に入る。イビルアイは遠巻きからたまに魔法を使い、ラキュースさ自慢の剣で倒し始める。
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「ま、ここまでバフ掛けたんだからできるよね」
「できなければ及第点どころか落第点だろうて」
「もし楽に倒せなかったなら即連れ出してた」
「君がしなかったら私がしていたよ」
話し合う二人の前で数十体いるジャギィを斬り進んで行く四人を見て評価をくだしていた。
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「はい、ちゅーもーく」
オルトの声と、手を叩く音がし振り返る。
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「おめでとう諸君、君達は前座を倒してここまで到着した。この先の密林に『先生』……イャンクックがいる。種族はジャギィと同じ鳥竜種ではあるけど大きさ強さは桁違いだよ、ジャギィと同じ種族だからといって甘く見たら痛い目……ヘタをしたら『死ぬ』からね」
「リーダーの言う通りイャンクックは強大で強力な
「あ、
「それって私達死ぬんじゃ……」
「大丈夫大丈夫、
「(あの魔法か。それなら確かに死なんが、
イビルアイは内心呆れるが『こう言う奴だったな』と思い、せめてもの足掻きとして「確かに死にはしないだろうがソレ相応の事は起こると思え」とアドバイスをした。
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ああやって言うって事は
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「何コイツ!!」
「これがさっきのと同じ種族かよ!」
「
「
三人がイャンクックと斬り結ぶ最中、僅かに生まれたて隙に一息感覚を置き「
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「なあ
「何かな」
「あれは忍術で合っているか?」
「忍術だね」
「彼女らのレベルは幾つだ?」
「大体二十〜三十レベル前後じゃないかな、
「
「最低でもレベル六十以上かな」
「つまり彼女達はその条件を踏み倒したと」
「前例は居るよ、彼女……イビルアイだ」
「ほぅ、どんな
「
でも彼女はソレを無視して
前提条件の踏み倒しによる上位
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「
「んー、これ以上は無理かな。じゃあ……あー。おーい、イビルアイ」
「ん? なんだ?」
「
「そうか、分かった」
詠唱と共に六つの流星がイャンクックに放たれる。
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「え? 嘘……」
「ははっ、うちのちびさんはあんな魔法も使えんのか」
「凄い」
「一撃で倒した」
「こんなモノか、お前が出る幕は無かったな」
「それこそ僕が出たら落第点だよ、鍵を返してもらおうかと思ってたからね。まあ君が前に出る時点で落第みたいなモンだけど」
「はは、違いない」
「でも……んー。君達に先生は早すぎたね、もう少し段階を踏むか」
「どうするつもりか聞いても?」
「ドス系から初めてもらおうかな」
「ドス?」
「ジャギィ含めた様々な属性を持った鳥竜種達の上位種だよ」
オルトに続く様にエミヤが「ドス・ジャギィ。ドス・ランポス。ドス・ゲネポス。ドス・イーオス。この四体がドス系の鳥竜種だ。
ジャギィと同じだと思っているなら考え直すといい」と教えると共に忠告もした。
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「正直ジャギィで手こずってた時点でイャンクックに勝てない事は分かってた、ジャギィはただの雑魚だ、アレに手こずるなんて事はあってはならないレベルのね」
「そうだ、ジャギィはイャンクックの様なボス各に到達するまでの取り巻きでしかない」
「だからイャンクックの巣の鍵は返してもらう」
「そんな……」
そんなの嫌だと言わんばかりの悲痛な声色が溢れ出る。
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「その代わりドス系統の鍵を渡してあげる、先ずはこれら鳥竜種を手こずる事なく倒せるようになる事だね。イャンクックの鍵はその後だ、頑張ってね」
「帰る前に持っていけるモノを剥ぎ取ってから帰ろうか」
「だね。じゃあ皆、倒したイャンクックから肉なり骨なり皮なり……。なんでも良いから欲しいものは剥ぎ取るといい、それが倒した者への報酬だ」
「こんな
「鳴き袋みたいなモノが有れば欲しい、コイツの鳴き声を
「それに遁走用のアイテムにもなる」
音爆弾的な使い方か、良い発想だね。イャンクックの鳴き声って意外と五月蝿いもんね、素材からどんなアイテムが作れるのかを考えられるのは場数を踏んでないと出てこない。うん、良いね、気に入った。
「回収したらベースキャンプまで戻るよ、出口は彼処にあるからね」
全員の返答を聞き、全員が乗れるモンスターを召喚してベースキャンプまで戻りテントの隣にある不釣り合いなドアを開けると来る前に居た、冒険者組合の会議室に出た。
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「マジで戻ってきやがった」
「どういう仕組み?」
「何このアイテム」
「凄い……」
再度起きた不思議体験に戸惑う中、イビルアイは自分の体を改め「問題はなし」と呟く。
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「〔戻ってすぐ確認か〕」
「〔
「〔確か『常に万全たれ』、か〕」
「〔そうそう、『いつ、どこで、何が』起きるかなんて分からないからね、常に何が起きても良いようにしてたから〕」
「〔君は嫌われ、恐れられていたからな。最も、私からすれば君であれば準備無しに世界を喰えるだろうと思うがね〕」
「〔あの『体』はそう簡単に動かせないからねー、動かすには相応の理由が要るのさ。イベントとか、何かの仕返しとかね。後はアレだね、滅多に無いけど
「〔人型……
「〔大丈夫、何かを思う前に蒸発したから〕」
オルトの言葉に頭を押さえ、「大丈夫かどうかは君が言う立場ではなかろうに」と答えた。
━
まあ