とあるクイズ番組の商品としてログハウスをプレゼントされた丸山(まるやま) (あや)

 もう完成していると思い上機嫌になりながら建設地に向かったのだが────。

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 皆さまお待たせしました。Ave Mujicaの4th LIVE【Adventus】にてアニメ1話の先行上映でアニメとガルパの実装に期待しているなかむーです。

 今回は昨年と同じく『咲野皐月』様のご要請により、彩の生誕記念回をお送りします。

 ちなみに今回は『ギャグマンガ日和』という作品のとある話をモチーフにした話となっております。

 そして後書きに、来年に向けて重要事項がありますので最後までご視聴よろしくお願いします。

 それでは、本編をどうぞ。


丸山彩の楽しい木造建築

 桃色の髪のセミロングの少女が1人、鼻歌を唄いながら上機嫌で街中を歩いていた。彼女は丸山(まるやま) (あや)、アイドルバンドのPastel*Palettesのボーカル兼リーダーで今年の春に大学生になった少女だ。

 

 「そういえばロケとか色々忙しかったから忘れてたけど、そろそろ『私と颯樹くんの愛の巣』が出来上がった頃じゃないかな?ちょっと様子を見に行ってみよっと♪」

 

 そんな彩だが、彼女はスキップしながらそんな事を呟いていた。実は数ヶ月前、クイズのバラエティのロケにて、奇跡的にクイズで全問正解して見事賞金と彼女が愛の巣と言い張るログハウスをプレゼントとして貰ったのだ。

 

 賞金の方はロケから数日で彩の口座に振り込まれたが、ログハウスの方は建てるのに時間がかかるそうなのでこればかりは仕方ないと割り切って工事終了の予定日まで待つ事にしたのだ。

 

 そしてここ最近はロケやらライブやらで忙しかったのか、工事の期間まであと数日前である事を思い出したので差し入れを持ってログハウスの建設地に向かっている最中であったのだ。

 

 しかし……

 

 「……って、酷くこざっぱりしてるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ⁉︎

 

 目的地に着いたのだが、そこにはログハウスの影すらなく、『建設予定』と掲げられた看板と柱代わりに丸太数本が立てられているだけであった。これには彩は驚愕するしかなかった。

 

 「ちょっと作業員さん!ログハウス全然出来てませんよっ!というか全然出来ておまんがな!」

 「方言が適当ですよ。あとログハウスならまだまだ先ですよ。だって、ログハウスの建築が始まって間もなくして超高層ビルの請負が急遽決まったから今いる人員が全員そっちに回されて私1人で担当するしかないんですよ」

 

 作業服に身を包みヘルメットを被った作業員はタバコをふかしながらそんな一言が返ってきたので彩はショックを隠しきれなかった。

 

 「資材調達もまだだから、それらも含めて始めても早くて1年はかかりますけど?」

 「いや、それ流石に待てませんよっ!というよりもう出来てると思って、『ログハウスが出来た』って知り合いに連絡しちゃったから!あと数日には来ちゃうから!」

 

 一方、少し前。彩がログハウスに着く前の頃、羽丘学園にて……

 

 「うわっ、トチりと今時誰もやらないヘンテコポーズしか取り柄のないアホ丸出しの彩さんからの連絡からだ。なんだろ一体……」

 

 生徒会室の生徒会長の席で仕事をしていた男子生徒…流川京介は彩から連絡が来ると同時に素っ頓狂な声を上げた。

 

 京介くんへ

 ログハウスが出来ましたー!ザマーミロー

 颯樹くんを連れてこ〜い!

 いい颯樹くんを連れてこ〜い!

 P.S. お風呂上がりに耳掃除をすると湿っているよ☆

 

 「うわっ、ムカつく。しかし彩さんからのお誘いかぁ……正直(ろく)な事が起きないから行きたくないけど、無視したら逆に彩さんの方から乗り込みに来そうだからな……よし、行って5分くらいで帰ろう。うん、そうするか」

 

 京介に取って無駄に苛立つ文章を見た一言がそれであった。本人は行きなくないのが本音であるが、その後の事も踏まえて必要最低限の配慮を取る事にしたのだ。

 

 「いいから早く作ってくださいっ!この際小屋でもなんでもいいんでっ!」

 「いいんですか、小屋でっ⁉︎」

 「早くしてください!あと数日で完成させてください!」

 

 一方、ログハウスが出来てない事に腹を立てた彩は近くにあったトンカチで作業員の頭を軽く叩きながら早く建てるよう促し始めた。

 

 作業員は彩の言った事に確認を取るも、彼女はそれでいいと言うので渋々作業に取り組むのであった。

 

 そして数日後……

 

 「あーあ、なんか彩さんに会うのはなんか久々だな……」

 

 京介は気だるげに呟きながら電車に乗っていた。本来なら恋人とデートでもしようと画策していたのだが、彩からのお誘いがきたため断念したのだ。

 

 恋人と彩、どっちを優先するか明白であるが、後者の厄介さを考えての(京介本人にとっては)苦渋の決断であった。

 

 「あっ、そうだ。お土産用意しないと」

 

 ログハウスがある場所の最寄り駅に到着して駅を出た京介は何かを思い出したように呟いた。実は彩に誘われた日に千聖(ちさと)に事前に連絡を入れていたのだ。

 

 そして千聖にこう言われたのを思い出したのだ……

 

 『颯樹は急用が出来たから来られないって伝えなさい。でもそれだと彩ちゃんは納得しないからお土産も持参した方がいいわ。中身はそうね…そこら辺にある石と草で構わないわ』

 「いいんですか、石と草で?」

 『私が許可するわ』

 

 ……というアドバイスをもらったので、それ通りにするのであった。石拾いの最中に、自分の学校の後輩である高松(たかまつ) (ともり)と偶然出会って、燈に軽い説明をして彼女選りすぐりの石をその辺で拾ったお菓子の空き箱に詰めて、その間に草も少々詰めた後は同じくその辺で拾った紙袋に入れて、燈と別れてログハウスに向かうのであった。

 

 「確か住所はこの(あた)りのはずだけど…」

 

 スマホの地図アプリでログハウスの場所を調べていた京介は、案内通りに着いた後は周辺を見渡していた。ちなみに余談だが、住所は先日のチャットの後に送られてきたものである。

 

 「もしかしてあの小屋じゃないよな?なんか書いてるけど、色々ツッコミたいところがありまくりだし……」

 

 そして住所に書かれた通りの場所に到着すると、ログハウスがあろう場所に一軒の小屋が建ってた。しかも看板には『私と颯樹くんのあい』と書かれていた。

 

 「あんなみすぼらしいボロ小屋がログハウスなんて俺は認めないぞ。でも彩さんがいたら認めざるを得ないんだけど…」

 

 京介がそう言いながら辺りを見渡した。すると、小屋から少し離れた場所でキャンバスを掲げた彩がデッサンをしているのだが、デッサンの対象である籠に入った果物の位置が低すぎてて全く別の物を描いていた。

 

 「って、いたぁぁぁぁぁぁぁぁっ!何か絵書いてるぅぅぅぅぅぅぅぅ⁉︎しかも被写体の位置低ぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

 「あっ、京介くん!やっと来てくれたんだ!デッサンしながら待ってたよ」

 「いや、フルーツとは別物書いてるけどっ!しかもなんだよ、そのUMAに近い生命体は⁉︎」

 「あっ、実は最近始めたばかりだから上手く描けなかったのかも」

 「始めたばかりでもデッサンくらい上手く描けるわ!」

 

 京介の存在に気づくと彩は待ってましたと言わんばかりにさっきまでデッサンした絵を彼に見せながら笑顔を浮かべた。しかしキャンバスには被写体になった果物ではなく、足が棒状になっている犬と思わしき生命体であった。

 

 「うるさいなぁ、もう……もうやめちゃうからっ‼︎」

 「やめんの、はやっ⁉︎」

 

 京介に色々苦言を呈されたからか、彩は突然、書きかけのキャンバスを拳で貫いたのだ。京介はただ驚愕するしかなかった。

 

 「さて、そんな事は置いといて……出来立てホヤホヤのログハウスだよ。ちょっと焦げてるけど」

 「じゃあ失礼して…(それ以前に焦げてるってなんだよっ⁉︎あとこれ完全に小屋だからな!)」

 

 気持ちを切り替えた彩は京介にログハウスに入るよう促した。京介は渋々に近い遠慮がちにログハウスに入ろうとした。

 

 「あっ、ちょっと待って」

 「どうしたンスか?」

 「颯樹くんの姿がないけど?」

 

 しかし京介がログハウスに足を踏み入れる前に彩は颯樹がいない事に疑念を抱いていた。

 

 「あー今更気づく?…颯樹さんなら、予定が急遽出来たから来れないって言ってたよ。でも代わりと言っちゃあなんだが、お土産があるんだけどいります?」

 「いりまくるよ!颯樹くんからのお土産だったらいくらでも貰ってあげる!なんなら颯樹くん自身でもいいよっ!」

 

 颯樹が来れない事を告げると同時に先程用意したお土産を取り出す京介であるが、彩は颯樹からのお土産と思い込んだのか、京介からそれを奪い取った。

 

 「颯樹くんが来れないのは残念だけど、お土産があるなら話は別だよ。颯樹くんの事だから、きっといいものに…って、これはちょっと……!」

 

 彩は浮かれ気味に箱の蓋を開けると、中にある箱いっぱいの石と少々の草にガッカリするしかなかった。

 

 「彩さん、謝るからそんなに落ち込まないでくれよ…」

 「石って……草って……」

 

 ところ変わってログハウス(?)の居間。彩は机に突っ伏しながら落ち込んでいた。しかも凹み具合から結構応えたようだ。

 

 「(流石に俺にも非はあるか。しゃあない……)しかし此処、結構いい作りしてるな。和風っぽいデザインで俺は好きだよ」

 

 本音を隠しつつも、ログハウス(?)の出来栄えに棒読み気味で評価した。しかし、そんな行為が彩に聞くという保証はないが……

 

 「もしかして気に入ってくれたっ⁉︎」

 「機嫌直んの早っ」

 「いやー、京介くん。君はログハウスを見る目があるよ」

 「正確には小屋だけどな」

 

 しかし京介の評価を聞いた彩は目を輝かせながら彼に詰め寄った。

 

 「あっ、お菓子食べる?私がプロデュースした『パスパレ饅頭』だよ♪』

 「いや、結構だから…いや、近づけんな!焦げ臭い!炭の匂いしかしないから!」

 

 京介に詰め寄りながら彩はテーブルに置いてあった『パスパレ饅頭』なるものを彼に押し付け始めた。しかしこの饅頭、普通の饅頭と比べると、色がパステルカラーになっているという奇妙なものであった。

 

 「臭いなんて失礼だな…マズっ!」

 「結局マズイんじゃん!」

 

 京介が口にするどころか手にすらつけないので彩は饅頭を手に取って食べるも、あまりの不味さに吐き出してしまった。

 

 「うわー…砂抜きの出来てないシジミとその貝殻を混ぜたような味がする……京介くん、この部屋を左に出て突き当たりに台所があるからお茶持ってきて、お茶」

 「はぁっ?一応俺はお客様だろ。アンタが持って来るのががスジってもんだろ」

 「ほざきやがれ!私はパスパレの彩だぞ!あの売れっ子アイドルだぞ!」

 

口元を抑えながら彩は台所でお茶を淹れてくるよう促すも京介は反論した。しかし彩は理不尽な屁理屈を述べてきた。

 

 「なんだよ偉そうに…」

 「売れっ子なんだもん」

 

 このままだと拉致が開かないと悟った京介は渋々台所までお茶を入れる事にした。

 

 「あー、なんか台所が焦げた焼き魚のような匂いがしたぞ。それに床が今にも抜けそうなんだけどホントこの小屋…ログハウス大丈夫か?」

 

 台所でお茶を淹れた京介は歩く度に『ギチギチ』と音を立てる床…もといログハウスを心配した。

 

 お茶を運ぼうとしたその矢先、『物置ウォークインクローゼット』と書かれた掛け札の部屋に目が行った。

 

 「あっ、台所に物置がある。何故修正したのか分からんけど。でもせっかくだからちょっとくらい見てみるか」

 

 色々と指摘したいところだが、単純に気になったので物置ウォークインクローゼットの扉を開けた。

 

 すると、部屋の真ん中に変な台座に乗ったゴーグルを着けた2頭身のモグラがいる以外何も無かった。

 

 『ルカワ…ジョウスケ……』

 

モグラが京介と目が合うと、彼の名前を呼んだのかそう呟いた。京介は冷や汗を掻きながらそっと扉を閉めた。

 

 「彩さん!彩さん!彩さんっ⁉︎物置に変なモグラがっ‼︎」

 

 京介はお茶を持ちながら駆け足気味に居間に戻った。

 

 「あー、アレはモグちゃんだよ。モグちゃんには君の事を教えておいたから」

 「名前間違われたぞ!ジョウスケって呼ばれたぞ!」

 「あっ、ゴメン。間違えて覚えさせちゃった♪」

 「なんで間違えるんだよ!」

 

 どうやらモグちゃんなる者に京介の事を教えていたのは彩のようだが、何故名前を間違えたのか尋ねた。

 

 「だって……京介くんの名前、覚えにくいじゃん!」

 「覚えやすい方だろ!どっちかというと桜雪(いもうと)の方が間違う確率高いだろ!」

 

 ……確かに京介の言う事に一理はある。漢字の画数や読みも何方かと言うと京介の方がすぐに読みやすいのは理解できる。

 

 「あとでちゃんと覚え直させるから。そんな事よりお茶だよ!早くお茶を出してよお茶っぱ頭!」

 「なんだよお茶っぱ頭って……ホラよ、お茶!」

 「って、猛烈に草入ってるんだけどぉぉぉぉぉぉぉ⁉︎」

 

 彩のお茶の催促に腹を立てた京介は、お茶を出すと同時にお土産として持ってきた野草をお茶の入った湯呑みに入れて彩に差し出した。

 

 「さ、流石は京介くん……颯樹くんでさえ考えもしない嫌がらせを平然とやってのける……」

 「じゃ。俺帰るから」

 

 京介の対応に度肝を抜かされた彩であるが、京介が帰ろうとした時現実に戻った。

 

 「えっ、帰っちゃうの⁉︎せっかくだから泊まってよー。枕投げしよう?でもこの枕、ちょっと焦げ臭いけど」

 「だから何が何まで焦げてんだよ!火遊びでもしてたのか⁉︎」

 「火遊びじゃないよ、ウチの中で花火してただけだもん!」

 「室内でやるな!」

 

 帰ろうとする京介に彩は枕を手に持ち泊まる事と枕投げをしないか催促する始末であった。

 

 「ねーおねが〜い!枕投げやろ〜よ!やろ〜よやろ〜よ〜!」

 

 催促だけに飽き足らず、今度は駄々をこねてきた。

 

 「わーったよ、一回だけな?一回だけだから。な?」

 

  彩の催促に根負けした京介は渋々枕投げをやる事にした。

 

 「まずは彩さん、その手に持ってる枕を此方に投げてくれ」

 「分かった。はい」

 

 京介にそう言われた彩は手に持っていた枕を京介に軽く投げた。

 

 「行くぞ……はい」

 

 自分に枕が渡った事を確認した京介は、そのまま軽い下投げで、彩目掛けて枕を投げた。しかし投げるというより渡した…といった方が正しいが。

 

 「じゃ、俺は帰るわ」

 「ちょっと待ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

 枕を投げ終えた京介は玄関に向かおうとするも彩に無理矢理引き留められた。

 

 「あんな一往復で終わる枕投げがどこにあるのぉぉぉぉぉぉぉ!」

 「うるっさい、引っ付かないでくれよ」

 「こっちは本気で懇願してるんだよ!だったら本気でやるのが礼儀ってものでしょう!」

 

 彩は何処からか取り出したマイクを京介の頬に押し付けながら苦言を呈してきた。

 

 「いくら枕でも当たると痛いぞ?」

 「大丈夫、避けるから!この際枕でも石でもいいから投げてよ!」

 「分かった。じゃあお言葉に甘えて……」

 

 彩は両腕を大きく広げて早く投げるよう促してきた。京介はやれやれと言わんばかりに石を取り出した。

 

 「オラァ!」

 「アヤリンコォォォォォォォォォォォォォォっ⁉︎」

 

 そしてその石を彩の鳩尾目掛けて投げつけた。当然彩は避けられず、そのまま石はそのまま彼女の鳩尾に直撃するのであった。

 

【今日のポ○モン】

イキリンコ(NN:アヤリンコ)

 

 「京介くん、石は流石に反則だよ…」

 「いや、アンタ自分の言葉に責任取れよ。石でもいいって言ったのは他でもない…アンタだろ?」

 「アレは言葉の綾だからね…」

 「『あや』だけに?」

 「全然上手くないから…」

 

 彩は石が当たった箇所を押さえながらテーブルに突っ伏して京介を見ていた。気のせいか、口から少しばかし血が流れていた。

 

 「もうこうなったら私も本気出すから覚悟してね?」

 「帰ってもいい?」

 「ダメだね。だってさっきの石をぶつけられた恨みが晴らしてないから!てな訳で、喰らえ!マッスルマイクアタック!」

 

 彩は闘志に火が点いたのか、手に持っていたマイクを京介目掛けて投げつけた。

 

 「おっと」

 「ぷげらっ⁉︎」

 

 しかし京介は難なく躱して、マイクは柱に当たった後は反射して彩の頭に直撃した。

 

 「頭にマイクが突き刺さってる……」

 「もう許さないよ、京介くん……!」

 「いや、アンタの自業自得だろ?」

 

 頭にマイクが突き刺さった彩は、その箇所を押さえながら京介を睨みつけていた。しかし完全に悪いのは彩の方で京介からしたら逆恨みも同然である。

 

 「残念だね!私の辞書に『自業自得』って言葉は無いんだよ!」

 「自分勝手すぎるだろ、その辞書!」

 「『自分勝手』も存在しないよ!てな訳で喰らえ!超必殺『しゅわりんどりーみんアタック』!」

 

 無茶苦茶を言い出した彩はその場から跳び出すと同時に身体を回転させながら居間を縦横無尽に駆け渡った。

 

 「ハハハハハハハハハハハハハ!この私を止められるものは誰もいないィィィィィィィィィィ!例えそれが千聖ちゃんでもね!」

 

 身体を回転させている彩は高らかに笑いながらそう宣言して京介目掛けて突進してきた。

 

 「…………」

 「あべしっ⁉︎」

 

 しかし京介に避けられると同時に彩は背中から壁に直撃した。

 

 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!背中打ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 背中を押さえながら悶え苦しむ彩の姿に滑稽と感じた京介は無言でため息をつきながら呆れていた。もうこれ以上此処で何もする事は無いので、このまま帰ろうとした。

 

グラグラッ!

 

 しかし突然小屋ログハウス全体が揺れ出すのであった。

 

 「えっ、地震?」

 「あっ、いけない!ここ造りが適当な上に柱とかユルユルだから今の衝撃で崩れそうになってるんだ!」

 「崩れるおそれあるんかいっ!」

 「こんな事になるんならとっておきを京介くんなんかにお披露目するんじゃなかったよ〜!」

 「そんな事言ってないで早く逃げるぞ!」

 

 まさかの欠陥住宅である事実を知る京介であった。完全に崩壊する前に早く此処から出る事を促した。

 

 

ガシャーンッ!

 

 しかし時既に遅し。天井から崩壊するのであった。

 

 「「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎」」

 

 2人はそのまま瓦礫の下敷きになるのであった。

 

 

 その後は時間をかけてなんとか瓦礫の中から這い出た京介達は沈みゆく夕陽を見ながら黄昏ていた。

 

 「京介くん。私、決めたよ。このままアイドルを続ける。そうして千聖ちゃんや花音ちゃん達を見返してやるんだ」

 「彩さん……」

 

 突如彩は何を思ったのかは知らないが、将来の事を案したのか決意を固めていた。

 

カチャッ!

 

 「……へっ?」

 

 しかしそんな雰囲気をぶち壊すように京介は彩の両手に手錠をかけた。

 

 「あの京介くん…これは一体……?」

 「私から説明するわ」

 

 彩は困惑しながらも京介に尋ねるも、そこに突如千聖と、彼女の背後から七深が現れた。

 

 「彩ちゃん、貴女どうやらやってくれたわね?」

 「な、何を…?」

 「この小屋を組み立てる最中、早く作るよう催促していたそうじゃない?七深ちゃんが偶然見かけたそうよ」

 

 彩は絶句した。まさかあの場面を見られていたなんてと。それに追い討ちをかけるように七深はスマホで撮影していたのか、その時の場面の映像を彩に見せた。

 

 「さてと彩ちゃん?」

 「は、はい!」

 「お説教が必要かしら?」

 

 その後、千聖の説教は数時間に渡って行われたのであった。

 


 

 「そういえば彩ちゃん、最近見ないけどどうしたの?」

 「彩ちゃんは被災地で1ヶ月の瓦礫撤去のボランティアに参加しているわ」

 

 最近彩を見かけない日菜が心配そうに呟くも、千聖は紅茶を飲みながら毅然としているのであった。

 

 一方、その頃……

 

 「えーん!千聖ちゃん、ご勘弁を〜!」

 「こらっ、キビキビ動く!」

 

 作業着に身を包んでいる彩は泣き言を挙げながら瓦礫を安全な場所に運んでいた。颯樹の見張りもあって真面目に作業をこなしているのであった。




 最後まで読んでくださいまして、ありがとうございます。こんな拙作読んでくださるなんて感謝感激です。

 今年も同じくギャグメインの話になってしまいました…。実は今回は余興で書いたネタなのですが、予想外に面白かったので、今年の生誕記念回として投稿したまででございます。

 今回のお話は『咲野皐月』さんの作品である『新日常はパステルカラーの病みと共に(Rev.)』と、私の作品である『白き蝶に導かれて……』を基盤として書いています事をお伝えします。

 さて、次回の投稿は…新年一発目から『迷子になるか、仮面を着けるか』になりますが、前書きにもお伝えした通り、今月の15日に開催されましたAve Mujicaの4th LIVE【Adventus】にてライブのラストに来年1月2日から放送されるAve Mujicaのアニメの先行上映をされたのですが、その内容を検討した結果、Ave Mujica編のヒロインはオブリビオニス…もとい豊川(とがわ)祥子(さきこ)一本で行く事となりました。

 実は当初の予定としましては、MyGO!!!!!編のヒロインである高松(たかまつ)(ともり)とWヒロインにする手筈でしたが、アニメの内容と今後の事も踏まえた結果、ヒロインは祥子だけという形になりました。

 ちなみにMyGO!!!!!編では祥子と燈のWヒロインとなりますのでご安心ください。あとMyGO!!!!!編の続きはAve Mujica編の執筆が落ち着いたら再開しますので今暫くお待ち下さい。

 そして告知しますと、タイトルは【舞い狂う仮面の人形と孤独の獅子の咆哮】となります事と、【迷子になるか、仮面を着けるか】でも登場しました【仮面と彩りの狂想曲】の登場したオリキャラ…盛谷(もりや) 颯樹(さつき)くんと水澄(みすみ) 千歌(ちか)さんも登場します。

 あと、此方の作品と話はリンクしていますので、此方も併せて読んでいただくと幸いです。

 最新作の投稿予定日はアニメ1話の翌日である1月3日を予定していますので、新作既存共々よろしくお願いします。

 それでは、最新作でお会いしましょう。




↓【迷子になるか、仮面を着けるか】のリンク先
https://syosetu.org/novel/326730/

↓話がリンクしている【仮面と彩りの狂想曲】のリンク先
https://syosetu.org/novel/334571/

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