二人の少女が、帰宅路で話している。
一方は、学校で寡黙な優等生と知られている少女。
一方は、学校で男女分け隔てなく仲良くしている少女。
そんな二人は、くだらない話をしている。
「何やってるの?」
少女は、毎日一緒に帰っている少女へと声をかける。
「下駄箱に首を突っ込んでいます」
「視力検査の結果を知りたいんじゃなくてね。動機の方を知りたくて」
「そうなら正確に言って欲しいです。主語・目的語ははっきりさせましょう、というのが小学校から受けた唯一の薫陶な筈ですから」
小学校に倫理観と一般常識の授業がなかったことを悔やむべきかもしれない、と考えながら少女はもう一度問いかける。
「あなたは下駄箱に首を突っ込んで、何がしたいの?」
「──バレンタイン・イヴのチョコを探してるんですよ」