「っ……!」
自分から売った喧嘩でありながら、私の握り拳は震えている。その私よりも一回り以上も小さいセイアさんは、何故か覚悟の決まった表情で、真っ直ぐに此方を見据えているというのに。
拳を交えての喧嘩など、生まれてこの方した事が無い。トリニティの生徒たるもの、上品たれ────17年と少し。そんな物とは全く無縁の人生を貫いてきた私の背を、言葉に替え難い恐怖が這い上がる。
「……どうした。君と私の考えを折衷しても、納得の行く答えが出なかったんだろう。ならば、私の頬に一撃喰らわせてでも、君の信念を貫き通す必要があるのではないかね」
そうやって、滲む汗の不快感を感じながら、必死に悩んでいる私にぶつけられた言葉を聞いて。…かちん、と来た。自分は二度目だからと言って、簡単に物を言う。
そうだ。私はミカさんじゃない。力の制御が必要な程、自身の天賦の才に困らされてもいない。そんなもの、ひと欠片も持ち合わせていない。
「…覚悟は、宜しいですね…!!」
「何度言わせる気なんだい…。…ああ。いつでも来たまえ」
その言葉を皮切りに。握り直した、細身の拳を。踏み込んだ足の、勢いのままに。
大きく、横薙ぎに────。
・前作:セイア「殴り合いだ。歯を食いしばりたまえ、ミカ(
https://syosetu.org/novel/376992/)の続きに当たる作品です。
・原作イベントストーリー「Code:BOXミレニアムに迫る影 ~一つの問いと二つの答え~」の内容を含みます
・あにまん掲示板にて挙げた物をを少し手直ししたものです。
元スレ:
https://bbs.animanch.com/board/4727296/
「…は?」▼ ミカの表情が、疑問に曇る。当然だ。私だって、今しがたその言葉を発した自分自身がなんとも滑稽でならない。少なくとも、年ごろベッドの上で咳き込んでいるだけの虚弱な女が放つ言葉にしては、あまりにも威勢が良すぎるというものだ。▼ 状況が呑み込めず呆然としているミカの下へ、机の横を回り込んで、歩を進めていく。▼「…ぇ、ほ、本気なんですか、セイアさん…!?…
総合評価:2726/評価:
/完結:4話/更新日時:2025年05月31日(土) 23:40 小説情報
ブルアカに転生した陰の者が引き篭もりながら金を稼ぐ物語。なお仕事はアウトローな一味に邪魔されるものとする。▼【挿絵表示】▼【挿絵表示】▼完結済み▼エデン条約編を除き完全オリジナルストーリー
総合評価:11146/評価:
/完結:43話/更新日時:2023年09月03日(日) 07:00 小説情報
▼突如トリニティにて聖園ミカ誘拐事件が発生。▼事件を起こした彼女達の表明は「聖園ミカを許すな!牢獄に入れろ!」であり、すでに罰を受けている罪人にさらなる罰を求めるものであった。▼彼女達の主張は事件が発生する前から、ティーパーティーに提出されていたが、独善的であり突発的であったため、その主張は受理される事はなかった。▼だがそれが彼女達の魂に火をつけた。▼主張が…
総合評価:7949/評価:
/完結:5話/更新日時:2024年06月13日(木) 14:10 小説情報
"――黒服"▼"私は世界を滅ぼすよ"▼滅びゆく世界で抗い続けるアビドス生徒会長の小鳥遊ホシノは、突如現れた侵略者からこの世界を守るべく奔走する。▼一方、偽りのキヴォトスに迷い込んだ先生は、ホシノ、黒服と共に元の世界へと戻るべく、三大校を滅ぼすことを選択する。▼月と太陽が交わる時、ひとりの少女が見る夢は終わりを告げた――…
総合評価:2917/評価:
/完結:67話/更新日時:2024年12月16日(月) 12:00 小説情報
──この世に、赦されない罪なんてないの。▼そう言って笑った彼女の姿が、今も私の脳裏に焼き付いている。▼これは、本来の歴史より虚弱に生まれた小女の、儚き青春のアーカイブ。▼興奮しただけで熱を出す……どころか心臓発作を起こすほどにか弱い、下江コハルという小女の記録である。▼某所の片隅にて連載していた、『ここだけ病弱コハル』という作品の移転版です。私は向こうのスレ…
総合評価:2998/評価:
/連載:51話/更新日時:2026年02月21日(土) 09:56 小説情報
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