ミカの表情が、疑問に曇る。当然だ。私だって、今しがたその言葉を発した自分自身がなんとも滑稽でならない。少なくとも、年ごろベッドの上で咳き込んでいるだけの虚弱な女が放つ言葉にしては、あまりにも威勢が良すぎるというものだ。
状況が呑み込めず呆然としているミカの下へ、机の横を回り込んで、歩を進めていく。
「…ぇ、ほ、本気なんですか、セイアさん…!?」
ミカと同様に呆けた顔をしていたナギサも、動きを見せた私を見て、慌てて立ち上がって仲裁に入ろうとする。
しかし、私の心は決まっている。君と真正面と向き合うには、これくらいしなければ意味が無い。それが、私の出した結論だ。
だから、我ながらあまりにも細く、小さなこの拳を、可能な限り強く握り────。
あにまん掲示板・Pixivに挙げた物を少し手直ししたものです。
あにまん:https://bbs.animanch.com/board/4385911/
pixiv:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23913546
続編あります;https://syosetu.org/novel/377226/
| セイア「殴り合いだ。歯を食いしばりたまえ、ミカ」【前編】 | |
| セイア「殴り合いだ。歯を食いしばりたまえ、ミカ」【後編】 | |
| セイア「殴り合いだ。歯を食いしばりたまえ、ミカ」【エピローグ①】 | |
| セイア「殴り合いだ。歯を食いしばりたまえ、ミカ」【エピローグ②】 |