セイア「君が望むのなら、殴り合うとしよう、ナギサ」
作者:

原作:ブルーアーカイブ
タグ:ブルーアーカイブ 百合園セイア 桐藤ナギサ 聖園ミカ 美甘ネル
「っ……!」

 自分から売った喧嘩でありながら、私の握り拳は震えている。その私よりも一回り以上も小さいセイアさんは、何故か覚悟の決まった表情で、真っ直ぐに此方を見据えているというのに。
 拳を交えての喧嘩など、生まれてこの方した事が無い。トリニティの生徒たるもの、上品たれ────17年と少し。そんな物とは全く無縁の人生を貫いてきた私の背を、言葉に替え難い恐怖が這い上がる。

「……どうした。君と私の考えを折衷しても、納得の行く答えが出なかったんだろう。ならば、私の頬に一撃喰らわせてでも、君の信念を貫き通す必要があるのではないかね」

 そうやって、滲む汗の不快感を感じながら、必死に悩んでいる私にぶつけられた言葉を聞いて。…かちん、と来た。自分は二度目だからと言って、簡単に物を言う。
 そうだ。私はミカさんじゃない。力の制御が必要な程、自身の天賦の才に困らされてもいない。そんなもの、ひと欠片も持ち合わせていない。

「…覚悟は、宜しいですね…!!」

「何度言わせる気なんだい…。…ああ。いつでも来たまえ」

 その言葉を皮切りに。握り直した、細身の拳を。踏み込んだ足の、勢いのままに。
 大きく、横薙ぎに────。



・前作:セイア「殴り合いだ。歯を食いしばりたまえ、ミカ(https://syosetu.org/novel/376992/)の続きに当たる作品です。
・原作イベントストーリー「Code:BOXミレニアムに迫る影 ~一つの問いと二つの答え~」の内容を含みます
・あにまん掲示板にて挙げた物をを少し手直ししたものです。
元スレ:https://bbs.animanch.com/board/4727296/
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