「心を入れ替えた第一王子の役はご苦労だったね。じゃあ、次に入れ替わる貴族についての資料を渡しておくから頭に詰め込んでおきたまえ」
ナザリックに帰還したグレーター・ドッペルゲンガーに帝国と繋がりを持つ貴族の資料を手渡した後、デミウルゴスは他の入れ替えた貴族達に魔法で連絡をしつつ作戦の進行を確認する。
「帝国との交渉は順調です。地位と領地を保証するという話を信じているのを疑われている様子はありません」
「第一王子という後ろ盾を内ゲバで失ったからか八本指からの要求はエスカレートしています。今の状況が続けば家財を売却する事になるでしょう」
「どうも一人だけ勘の良い老婆が居まして、乳母らしく何か違和感を覚えた様子ですが始末致しますか?」
王派閥と貴族派閥の双方、その中でも特に腐敗している貴族達が心を入れ替えたとされる理由がこれだ。腐敗と既得権益で私腹をブクブクと肥やしていた連中が善に目覚めたと本気で信じている者は皆無、善寄りの者でさえその様な能天気に構えず警戒していた。
「結構。どうせ帝国が王国を支配した際には粛清されて汚名すら後世に残らない連中が殆どだ。その中で第一王子は汚名が残るところを名誉の死を与えてやったのだし、感謝して欲しいところだね。その乳母は様子見にしておいて良い。今後の参考になりそうだ」
アインズへの報告書を一頻り纏め上げ、続いて上機嫌で
「……ふがっ? え? あっ……。すいません、ヘジンマールです」
「昼寝の最中だったみたいだね。今後は連絡の時間帯を考えておこう。それで……其方の国での居心地はどうだね?」
利用する相手ではなく対等な協力者、勿論ナザリックとではなく自分個人としてだが気遣いを見せつつ会話を続ける彼の執務室の壁には一枚の契約書が貼り付けられており、ギーシュとデミウルゴスの署名の文字からは魔力が発せられ続けていた。
「平和だなぁ。ビーストマンを三千匹も殺せば後は食っちゃ寝しつつ本を読んでいられるんだから……」
竜王国の城の日当たりが良い場所にて横にも縦にも大きい体を広げて全身に日光を浴びながらヘジンマールは本のページを捲る。路地裏で仕掛けて来た貴族の刺客に奴隷売買の容疑での手配。貴重なアダマンタイト級冒険者を国に手放させる行為を続けて行われた、それを口実にギーシュ達は竜王国へと訪れていた。
既に何度もビーストマンの侵攻を食い止めた一行の地位は盤石で、アンデッドであるデイバーノックでさえ城への出入りが難しくはない。今日もビーストマンを一方的に虐殺した後でヘジンマールは日向ぼっこをしながらの読書、ギーシュはヨハンナと共に人とアンデッドの交配実験を熱心に行っており夕食会に呼ばれるまで部屋から出ないだろう。
そしてデイバーノックだが……。
「何というか凄まじいな。アインズ・ウール・ゴウン殿じゃったか? 彼が貸し出してくれたアンデッドによって北側の防衛は完璧だ。とんでもない方を紹介してくれたな……」
「然り。あの御方は神の領域に達した存在だ。必ずや竜王国の助けになると伝えただろう?」
城の会議室にて女王と側近と共に話し合いをしていた。ギーシュは居ない。寧ろデイバーノックよりも彼が居た方が渋られる可能性さえある。国にとって英雄だろうが人格評価はその程度だった。
「それにしても……凄まじいにも程があるな」
国が一個人、それも無名だった相手に防衛の助力を請うのは普通では無いが、聖王国への支援の情報に加えてギーシュ達の推薦もあっては無碍には出来ずに任せたのだが、ソウルイーターやデスナイトを中心としたアンデッドの軍団がビーストマンの大軍を殲滅。
恐慌状態に陥り転んだ仲間を踏み付けながら逃げ出した者の多くも討ち取られたとの報告を受けた女王達は絶句しか無い。
「これで暫くはビーストマンによる侵攻は無いだろう。その間に聖王国の様に砦や防壁を設置すれば今後の被害も減りそうじゃ。アインズ殿には国として充分な礼をせねばな」
「その辺りについては其方で話し合ってくれ。その内に使者を送るだろうからな」
「ああ、承知した。それで次は王国に関してじゃが……正直言って呆れ返るな。王国所属の其方らの活躍への礼状をギルドと王国の両方に送っていたが、犯罪組織と繋がる役人の為にアダマンタイト級冒険者に冤罪を被せるとは……」
「女王様、かの国からは麻薬も流れて来ています。……例の刺客の事も合わせて国としては遺憾の念を示すべきかと」
王国に呆れる竜王国の面々ではあるが、今回の件をチャンスだとも捉えていた。各国に僅かにしか居ないアダマンタイト級冒険者、王国にはアダマンタイト級の実力がありながら裏稼業に手を出す者がそれなりに居るものの貴重な人材、それもアインズの様な規格外の相手と繋がりを持つのだから何としても取り込みたい。
あの人格破綻者でさえ第六位階の信仰系魔法が使えるのだし、ここで逃がせば聖王国に持って行かれるかも、その様な可能性を危惧していた。
幾ら実力があっても平民は平民だと貴族の多くが抗議を突っぱねるだろうが、仮に馬鹿貴族が断罪されても戻る気にはならない様にするのが課題。地位にも財宝にも頓着しない連中なので難しくはあるのだが。
それでも王国には戻らないだろうと確信する理由は冤罪による手配だけでなく、送り込まれた刺客だ。王城近くまで潜入したが既に捕捉されていて捕縛された暗殺者は魔法による尋問で王国の貴族によるものだと発覚して抗議するも王子の暗殺と国王が床に伏せている事で一時的に実権を握った大貴族によって払い除けられた。
「魔法による強制的な虚偽の自白だの、王子暗殺も含めてギーシュ殿の仕業だろうから引き渡せだの好き放題言いおって。本当に王国は……」
「彼の国が滅亡間近の腐敗国家なのは分かっていた筈だ。それよりも暗殺者から聞き出したい事が多くあるから数日貸して欲しいとアインズ様から要請があったのだが」
「構わぬよ。此方から聞き出す事は既に無いしな。……そして言い難い頼みがある身だ。法国より仲介の要請があったのじゃ。今まで防衛に力を借りていた以上は断り辛くてな。使者を送るのでアインズ殿と会わせて欲しいらしい」
女王が苦虫を噛み潰した様な顔を浮かべる中、王国では貴族派の貴族とラナー王女の婚約が異例の速さで決定しようとしていた。第二王子のザナックが反対するも国内での実質的な力の差から押し留める事は出来ない。
この婚姻が成立すれば王家の直系を家に招き入れた貴族が増える事となる。もしランポッサが床に伏せたままザナックが不慮の事故にでも遭った場合、国の実権は……。
ブリーチの世界だった場合2
人工死神として 全機械の為朝(F go) 人体改造のホンダム 猫の魂を加工したマタムネ《シャーマンキング》 作成 作った後はマユリと総隊長に丸投げ
斬魄刀は怪我や毒といった異常という概念を切る 攻撃能力は皆無
尚、彼が作った斬魄刀である