何やかんやで『ヒロアカ』の世界に創造系のチート個性を持って転生したオリ主。
 神が用意したレールを蹴って成そうとするのは――
 「砂藤くんに仮面ライダーの力与えて活躍させてー!」
 これはA組ルートを自ら放棄した転生者が、不遇存在の砂藤力道を何とかして輝かせようとする物語。

※「仮面ライダーガヴ」の第一話を見ていると想像しやすいです。

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 余りにも不憫な彼をどうにかしたかった……

※転生者視点は一人称となります。それ以外は三人称。
※一発ネタの予定です。

・感想、評価、お気に入り登録、待っております。



長いチュ-トリアル

 

【side.転生者】

 

 早朝。

 俺は鏡で自分の格好を確認しながら、計画に不備がないかの確認をする。起きてから5回も繰り返しているが、一発限りの勝負ともなればこれくらいして当然だ。

 

 白色ベレー帽と芸術家風のコートを纏った姿で鏡を前にウロウロする姿は、初めて鏡を見た動物園のチンパンジーのよう。

 ……自分で言ってて悲しくなってきた。

 

「変装マスク……これで大丈夫だよな? 特撮とアニメじゃデザインも当然違うから不安になる。ちゃんと白ウォズ(・・・・)のフェイスだよな?」

 

 白ウォズ。

 「仮面ライダージオウ」の中盤に登場したウォズの色違いだ。その正体は仮面ライダーゲイツがジオウを倒して救世主となった世界線から来たウォズ。1人で二役演じなきゃいけないのは時間遡行ありの作品でありがちだけど、性格や考え方にも違いがある役を演じるのはさぞストレスになったのではないか? お疲れ様です渡邊圭祐さん。

 

「転生して数年。敢えて『ヒロアカ』クラスメート入りを蹴ってオリチャーを発動させたんだ。絶対に成功させてやる」

 

 運命の日だからか、自分語りが多いな……

 

 

 

 俺の転生経緯は余りにもありきたりだから深くは語らない。

 強いていうのであれば、転生先が『僕のヒーローアカデミア』の世界だったことと、転生特典として強力な個性を渡されたこと。

 

 個性名は……正直決まってない。

 ヤオモモちゃんのような創造系個性――その最上位とでも呼べるもので、特殊な能力を持った物質を瞬時に創り出せるものであった。

 

 問題は、その創り出せるモノの範囲が広すぎること。

 

 同じジャンプ作品だと『BLEACH』の斬魂刀を能力そのままで出せたし、『ONE PIECE』だったらあの悪魔の実すら作り出すことも可能。……正直言ってドン引きした。バレたら絶対AFO(オール・フォー・ワン)辺りがどんな手段使ってでも確保に動くだろう。脳無ルートらめぇっっっ!!

 

 もうね? 半ば封印は決定したね。

 斬魂刀は高性能粉砕機を創って破棄。

 悪魔の実は創った時、衝動的に怖くなったことで遠くに投げ飛ばすという愚行を犯してしまった結果、行方不明に。……ちゃうねん。常識人として自分の個性が怖くなって、気付いたら野球界からスカウトされるぐらいの速度でとにかく遠くへと投げてたんだよ。

 変なものを食べて個性っぽい能力得たなんてニュースは聞かないし、奇跡的にゴミ捨て場にホールインワンして業者が破棄したと信じたい。

 

 

 ――と、点けっぱなしのテレビからニュースが……

 

 

『このように話題の猫ちゃんは雄英高校の根津校長が預かることになった訳です』

 

『"個性"が発現した唯一無二の動物として世界的にも有名な根津校長が、あらゆるコネクションを活用して保護したことは今では美談として語られていますね』

 

『公式記録で"個性"が発現した2匹目の動物となった猫ちゃんが根津校長に保護され数年、すっかり大きくなったようで……』

 

「ホント驚きですよね。豹に変身する子猫は当時話題になりました」

 

 

 

 ――悪魔の実の行方なんて皆目見当もつかないなー!

 

 ――ネコネコの実、モデル:(レオパルド)なんて知らないなー!!

 

 

 

 閑話休題。

 

 

 俺が転生した当時の年齢は12歳。

 戸籍、身分証明書、金銭などのアレコレは神様によって解決済みであり、プレゼントされたマンションの一室に置いてあった手紙には、通う予定の中学校の案内や公式に登録された個性の偽詳細、雄英高校に入るに当たっての個性の活用方法なんてのまで書かれていた。

 いたれり尽くせりとはこのこと。

 この手紙に沿って雄英高校に入り、チート個性で大活躍のハッピーエンドを迎えてヒーローに!――と、普通は思うだろう。

 

 逆に反発心が芽生えた。

 

 戸籍その他を用意してくれたことには感謝してるけど、何から何まで他人が引いたレールに沿って歩くのは嫌だった。

 何より『僕のヒーローアカデミア』というストーリーを必要以上に壊したくなかった。こんなの何番煎じどころじゃない。これで赤ん坊からスタートして新たな親の愛情を受けながら育ったのなら心変わりしたかもしれないけど、この世界の俺は天涯孤独という設定。

 わざわざ“オレTUEEEEE!!”したい気分でもない。

 

 そして、じゃあ今後の人生どうするの? 何かやりたいことでもあるの? という問答を自分の中でした時、とある少年が思い浮んだ。

 

「砂藤くん……」

 

 砂藤力道。

 『ヒロアカ』の登場人物する主人公のクラスメイトの1人であり、もう少し何とかならなかったのかと前世でガッカリした少年。

 

 

 彼のことを敢えて酷く言うなら――いてもいなくてもいい人物。

 

 

 主人公であるデクのクラスメイトはみんな個性的だ。

 そりゃ主人公と一緒に切磋琢磨するんだから当然。

 

 もちろん中には印象が薄い生徒も何人かいるが、その中で砂藤の扱いは酷いの一言。

 

 まず大柄でたらこ唇が特徴の姿。

 もうこの時点でキャラデザに見放されている。

 作者は“古き良き~”ってコメントしたらしいけど、それが刺さるのは一部の読者だけだ。もしくは『キン肉マン』好き。

 尾白も特徴の薄い顔だったけど、性格が良いのと【尻尾】という印象的な個性、個別エピソードもあってまずまずの人気だった。

 

 次に、過去や交友関係などの設定。

 ビックリするほど何もねー!

 悲しい過去なんて無いし、特別親しい友人がいるわけでもない。主人公ともあくまでクラスメイトとしての友人止まり。

 せっかくお菓子作りが趣味なんだから、もう少し深い絡みとかなかったのかな!? 正直「部屋王」の話ぐらいだろ印象に残ったのも!

 

 で、最大の問題点。個性【シュガードープ】。

 糖分10グラム(角砂糖5個分)摂取で平均3分のパワーアップという個性だ、時間制限はあるがシンプルで強い個性と言えるだろう。

 ――主人公の劣化版じゃなければな!

 ただでさえ外見的特徴に出にくい個性なのに、主人公が“フルカウル”を覚えてから見た目も、持続時間も、パワーでさえ劣るという残念な結果になってしまった。

 

 極めつけはヒーロースーツのダサさ。

 何だよ黄色の全身すっぽりプロレスラーイメージの格好って。味はあるけど印象に残りづらい。せめて炎の絵とか描いてある赤色のヒーロースーツだったら、もうちょっとは印象残るのにと何度思ったか。柄らしい柄が無いの致命的だろ。

 

 かつては小説投稿サイト「ハーメルン」の『ヒロアカ』二次作において青山、口田と並ぶ三大オリ主・クロスキャラに席を譲ってフェードアウトする少年sだったのに、青山には“悲しき裏切り者”という役割が、口田には覚醒によって異形系個性の者たちへ“声”を届けるという役割が、後々生まれた。

 砂藤くん? 最終回まで待ったけどマジで何もなかったよ?

 転生前にふと気まぐれで「ハーメルン」で【砂藤】をキーワードに『ヒロアカ』二次作の小説探索をしたことがあった。【砂藤不在】のタグのある小説がたくさんヒットしたよ。最近じゃフェードアウトするのは砂藤くんに偏っているみたいだった。ワオっ! 人気になったね! クソが!

 

 で、有名なイラスト・マンガ投稿サイトで【砂藤力道】をキーワードに検索かけてみた。100件程度だった(涙)。A組ワースト1位だよチクショウ。

 

 

 そんな砂藤くんだけでもどうにかできないかと考え――思いついた。

 

 

 その名も『砂藤くん超強化人気者計画』

 砂藤くんに「キミはいていいんだ」と伝えたい想いから考えた計画だけど、詳細を詰めていく内に意外と悪くないと判明。

 

 俺の強すぎる個性に課すべき制約も決まり、ついにこの日、計画を実行に移す時がやってきたというわけさ。

 

 ちなみに中学は手紙のとは別の所へ進学した。現在はフリーター。

 元々行く予定だった中学校のことを後から調べたら、同級生に耳朗ちゃんがいたよ。

 神ぃ……何やかんやで耳朗ちゃんを俺のヒロインポジにする気だったなぁ? 確かにA組女子メンバーの中で1番好みだけど! 狙いがあからさますぎて拒否反応出るわ! グッバイ耳朗ちゃん。キミは誰の思惑もない自由な恋を見つけてくれ。片耳たぶ消失の件だけは個人的に介入して阻止します。

 

「……行くか」

 

 さぁここからは全力でネタに振ったロールプレイだ。

 待ってて砂藤くん。

 この世界線ではいらない子なんて間違っても言わせないよ。

 最近じゃ感情移入しすぎて本当にキミのことを推しにしているんだ。

 人生初の推し活にテンションが上がっております。

 

 では始めよう。

 

 計画第一段階『力が欲しいか作戦』を!

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 心地よい風、木漏れ日と小鳥のさえずり。

 そんなシチュエーションに加えて気持ちいい天気の昼時、少年――砂藤力道は気分転換がてら病院の敷地内にあるちょっとした公園のような場所を歩いていた。

 

「爆豪たち大丈夫かな? オールマイトのことも、寮生活になるって話もあったし、これからどうなるんだ……」

 

 雄英の林間合宿でヴィランの襲撃があった日からそれなりに経った。

 不幸中の幸いにも砂藤は無傷で済んだものの、クラスメイトやB組の一部が入院する事態となり、他の無傷だった者たちと毎日のようにお見舞いに病院を訪れていた。食べるものが厳しく決まっていたので、得意の手作りお菓子を振る舞えなかったのは悲しかったが。

 

 たまたまあったベンチに座る。

 お昼時だからか周りに自分以外の人はいなかった(・・・・・・・・・・・・・・・)。恐らく近くのレストランで食事を取っているか、病院内にあるコンビニで軽食でも買っているのだろう。

 

「……仮に俺がいて、何かできたのか」

 

 神野事件。もしくは神野の悪夢。

 それがつい先日起きた大事件だった。クラスメイトたちが関わり、日本のこれからが変わるとされたこの事件の時、砂藤は家で中継を見ているだけだった。本当であれば……切島の提案に乗りたい気持ちもあったが、最終的に先生やヒーローに任せた方が良いと何もしなかった。

 

 砂藤も心の中でわずかに思っていたのだ。

 自分がA組の中でも弱い方であることを。

 

 当然強くなるための努力はしているし、そんじょそこらの奴に負ける気はしない。だが、前線に立って戦うフロントマンとして個性の使い方や戦い方の技術が足りないこと気にしていた。特に個性のデメリットである糖分消費による脳機能低下を抑えられていない。元々考えて戦うタイプでは無かったこともあって、訓練中に思考能力が低下なんてことが何度もあった。それではいけないのだ。改善しなければA組のトップ層に差を広まれるどころか、尾白や瀬呂など一緒にがんばっている者たちに追い越されてしまう。

 

「そうだ。難しいことを今は考えるな! ヒーローになるんだろうが! 学校が再開したら早速訓練だ。がんばれシュガーマン!!」

 

 自分の頬を両側から強く叩いて活を入れる砂藤。

 学校生活がどう転ぶにしても、気分が沈んでいるから余計なことを考えてしまうと、自宅に戻ったら趣味のお菓子作りを久々にしようと決めて――

 

 

「素晴らしい……素晴らしいよ我がヒーロー!!」

 

 

 パチパチと、大きな拍手をしながら見知らぬ青年が現れた。

 

「だ、誰ですか……?」

 

 年は大学生ぐらいだろうか。

 何というか見慣れない格好をしており、一言で言えば怪しい人物だった。

 そんなのが自分を見ながら、拍手したまま大粒の涙を流して近づいてくるのだ。砂糖は謎の不審者相手に普通に引いた。

 

「ううぅ……、まさか予想外に良い光景を見られるなんて……!」

 

「あの~?」

 

「おおっ! 申し訳ありません我がヒーロー! 感動のあまりトリップしておりました」

 

「とりあえず、誰かを聞きたいんすけど……?」

 

「んんっ! では改めまして――」

 

 目の前の不審者は優雅な動作で、砂藤に頭を下げる。

 

 

「我が名はウォズ。砂藤さん……アナタの大ファンです」

 

 

「俺のファン!?」

 

 信じられないと仰天する砂藤。

 当然だろう。雄英体育際では特に目立てず2回戦の騎馬戦で敗退した。それ以外も今のところパッとした活躍はしておらず、中学生時代だって逸話と呼べるようなものは残していない。

 そんな自分の大ファンだと言われても素直に喜べないでいた。

 

「冗談だろう?」

 

「いえ、本気です我がヒーロー」

 

「その“我がヒーロー”ってのもなんだよ?」

 

「私がそう呼びたいだけですのでお気になさらず」

 

 怪しすぎる。

 正直ヴィランであることも視野に入れて、病院で暴れるようなら全力を持って取り押さえる気で身構えているのだが……

 

「(どうにも悪意みたいの感じないんだよなー)」

 

 むしろお菓子を目当てに群がってくる子供のような純真さを感じていた。それでも怪しさを感じる辺り、裏の1つや2つは隠していそうなのだが。

 

 砂藤が判断を決めあぐねていると、ウォズと名乗った男はズイっと顔を近づけてきた。

 

「自らの力の無さを嘆いていましたね?」

 

「何で……」

 

「全部を聞いていた訳ではありませんが、表情を見れば大体は察せるものです」

 

「そういう、ものか」

 

「推しが相手であれば尚更」

 

 2人の間に妙な沈黙が流れる。

 

「結局……アンタは何しに来たんだよ?」

 

「その前に聞かせてください我がヒーロー。……力が欲しいですか?」

 

「はぁ?」

 

「強さだけでは強大な悪には勝てません。しかし、力だけでは守りたい人々を助けることができません。強さと力、両方が揃ってなければいけないのです。私は……大切な誰かを失った時に、もっと自分に力があればと泣くアナタを見たくないのです」

 

「何を……一体、何のことを言ってるんだ?」

 

 砂藤には分からないだろう。

 ウォズ――に変装した転生者の脳裏にギガントマキナとの戦いの最中、ヴィランによって殺されたミッドナイト先生の死体を前に号泣する砂藤の姿が思い浮んでいることを。

 

「私は、アナタの力になるため参りました。――というわけでドーン!」

 

「――!?」

 

 突然の大きな声に個性を発動させようとした砂藤の目に飛び込んだのは……

 

「……ぇ? 何だそれ???」

 

「ハッハッハ! ハッピーバースデー!!」

 

 ウォズの手にはいつの間にか、大きなケーキなどを入れておく時などに使用する横長の箱が置かれていた。さっきまで何も持っていなかったはずなのに。マジックだろうか?

 

「私から我がヒーローに、少し遅めの誕生日プレゼントだよ!」

 

「アンタ気のせいか性格ちょっと変わってないか?」

 

 それもそのはず。

 今のウォズの脳内には、『仮面ライダーオーズ』に登場したやけに誕生日を祝う会長が投影されているのだから。

 ウォズの姿でそれいいの?というツッコミは受け付けていない。

 作品の系列が同じならネタに走っても良いというのが転生者流の持論だ。

 

「はっぴばーすでーとぅ~ゆ~~♪ はっぴばーすでーとぅ~ゆ~~♪」

 

「何でバースデーソング歌ってんだよ? 怖えよ」

 

 テンションが振り切れてるウォズに砂藤の言葉は聞こえていなかった。

 そして仰々しい動作で開けられた箱の中身は……

 

「………………いや、本当に何だよコレ?」

 

「とっておきの誕生日プレゼントさ!」

 

「何に使うどんなものかも予想できない代物だから聞いているんだよ。何だこの変な赤い顔? 口? みたいなの」

 

 ウォズが開けた箱の中身はケーキでもなければ爆弾の類いでもなかった。

 知識が全くない砂藤からすれば本当に正体不明なものだったのだ。

 赤と黒のカラーリング、砂糖から見て右側にボタンらしきもの、左側にグルグルと回すレバーらしきもの、本体と思わしき部分は随分立派な歯のある古代文明の壁画とかに描かれてそうなデザインの顔が上部に付いていた。

 事前知識ゼロで察しろというのは無茶だろう。

 

「これは【ガヴガヴドライバー】。私が長い期間(細かい調整を含めて1週間)掛けて創り上げた……我がヒーローのための“力”さ」

 

「俺のための……“力”……?」

 

 砂藤は首を捻る。

 これで“力”だと言って渡してきたのが何かの薬品であればすぐに断って、目の前の青年を取り押さえただろう。ブーストドラッグ問題は授業で習っているし、そんな怪しげなもの渡してくる相手など信用しない。

 ただ……その“怪しい”の方向が斜め上で、かつ使用方法も含めて意味が分からないので思考が麻痺していた。

 

 本当にどうするべきか、担任の先生に一先ず連絡を取るべきか……

 次の行動を決めあぐねているとウォズは件のドライバーを手に持ち――

 

「先に言っておきます。……申し訳ありません」

 

「ガッ――!!!??」

 

 ――それを砂藤の腹部へと押しつけた。

 瞬間、体に焼きごてを当てられたかと錯覚するほどの熱が腹部を襲う。

 

「テメぇ……! 何して……ぐぅっ、やっぱりヴィランだったのか!!」

 

 膝をついてしまうほどの熱に苦悶の表情を浮かべながら砂藤はウォズを睨み付ける。

 やはり今までのは演技で自分を騙していたのか?

 お腹のコレは自分を殺すための装置なのか?

 

「そんなことはございません。私が怪しい者であることは百も承知です。しかし、このままでは時間切れでドライバーを装着してもらえないようでしたので、僭越ながら私自らの手で取り付けさせていただきました」

 

「だったら……この熱さは何なんだよ!!」

 

「仕様です。我がヒーローとドライバーが融合するための」

 

「融合!? どういう――なっ!? 変なのが……無くなってる!?」

 

 砂藤は自分の腹を見て驚く。

 先程まであった異常な熱を放ち、自分の腹に焼くような熱さを与えているというのにくっついて離れなかった謎の代物。

 それがいつの間にか無くなっていたのだから。

 

「これでいい。これで……私の望みは叶う」

 

「一体……何が目的なんだ……!」

 

「私は、最初から嘘などついておりません。この命に誓って」

 

「ぅ……」

 

 ウォズは真っ直ぐ砂藤の目を見る。

 その余りにも真剣な瞳に砂糖は何も言えなかった。

 

「落着いたら色んな種類のお菓子でも食べてください。グミなどオススメですよ? それで……私の真意も一部は分かるでしょう。では、この場は失礼させていただきます」

 

「待っ――!」

 

「アナタの人生に幸があらんことを」

 

 砂藤の言葉にも制止せず、ウォズが背を向ければ――得体のしれない壁みたいなもの*1が現れ、最初からいなかったかのように消えていった。

 

 看護師が地面に倒れている砂藤を見つけるのは、この僅か一分後である。

 

 

 

* * * * *

 

 

 

「どうだい? 何か進展はあったかな相澤くん?」

 

「何も。砂藤のことも、謎のヴィランのことも……分かっていることはほとんどありません。アレ(・・)は余りに異質です。本当に個性由来かさえ……」

 

「僕の方もこれまでに分かっていることをまとめて、信用できる専門家たちに資料を送ったけど……何も分からなかったよ」

 

 雄英が再開し、新たに学生たちが寮での生活を送るようになって数日。

 1年A組の担任であるイレイザー・ヘッドこと相澤消太は、教え子の1人である砂藤を取り巻く謎に頭を痛めながら根津校長と何か進展があったかについて校長室で話し合っていた。

 すでに職員会議で問題は共有されており、砂藤には自宅待機か保護の話もあったが、ヒーローを目指す者として学業と訓練は続けたいという本人の強い希望から他のA組同様寮生活を送っている。

 

「白い怪しげな風体の青年……公安にも調べてもらいましたが過去の記録に情報はありませんでした」

 

「もしかすると変装しているというのも考えられるさ! 随分堂々と登場したらしいからね! 砂藤くんに並々ならぬ想いを持ってる辺り、隠れて~という考えは無かったから変装してでも本人の前に出たって線も捨てきれない」

 

「しかし……何故、砂藤なんだ」

 

「謎のヴィランとの会話は全部目を通したけどね、やはり考えは変わらなかった。つまり“謎のヴィランは砂藤くんに一切の嘘をついていない”、この結論になるのさ」

 

「砂藤の大ファン、か……」

 

「念のため、砂藤くんが過去に老若男女問わず誰かを助けていないか聞き取りを行ったけど、ごく普通に道案内したり転んだ子供にお菓子をあげたって程度だった」

 

「謎のヴィランの目的が砂藤に“力”を与えることだとして……アレ(・・)でどう強くなれって言うんだ? 女子供の人気は得られるかもしれないが……」

 

「そこも調査中だね。例のベルトが砂藤くんの体と半ば融合していることから、体に馴染んできた辺りで“次の段階”への準備が整うって可能性もあるさ!」

 

「どのみち、件のヴィランは見つけ次第捕縛します。例え口では砂藤のためだと言ってたとしても、怪しげなモノを取り込ませた時点で犯罪者だ」

 

「そこは僕も含めて教員や事情を知っているヒーロー全員共通の認識さ。捕まえた後にゆっくり事情を聞こうじゃないか」

 

 と、ここで校長室の隅にあるキャットタワーから可愛らしい声が。

 

「ニャー」

 

「おや、起きたのかいティラノサウルス。今日はお寝坊さんだったね」

 

「……校長。ずっと前から言いたかったので言わせてもらいますが、何で猫の名前を『ティラノサウルス』と命名したんです? もっと、こう、別の名前もあったでしょ」

 

「何でだろうねー? この子を見た時からこの名前にするべきだってビビってきたのさ*2

 

 相澤はキャットタワーから出てきた猫に視線を送る。

 どこからどう見ても茶虎の猫だ。

 今年で4歳らしいが個性の影響(・・・・・)か素で身体能力が高く、校長が保護する決心をした当初はそれまで野良だったこともあってヤンチャだった。教師になったばかりの相澤も“猫に詳しいから”と言う理由で躾の手伝いをしたのは、口では「大変だった」「もう思い出したくない」と言いつつ良い思い出となっている。

 

「ニャー~~~……グルルルルルっ……!」

 

「ハハハハハ! キミはじゃれつくときはいつも豹に変身するね! そんなに撫でてもらう時の面積が広い方がいいのかい?」

 

「ゴロゴロゴロゴロ……」

 

 キャットタワーから飛び降りた猫は空中で徐々に姿を変え、着地した時には一般的な大きさの豹に変化していた。

 個性【豹】。

 公式で認められているものの中では2匹目の“個性が発現した動物”。

 見つけられた当初は様々な機関が調査のためにその身柄を手に入れようとしていたが、過去に実験動物として扱われた経験を持つ根津校長が保護に名乗りを上げる。根津の個性【ハイスペック】をフルに活用しただけでなく、根津の過去を知った世間からの反応もあって保護に成功。

 定期的な検査やSNSでペットとしての幸せな日常を見せたりなどの決まりこそあるが、根津が自分を助けてくれたという認識があるからか非常に懐いていた。

 

 ――ただ、

 

「アハハハハ! もうやめないかティラノサウルス♪ そんなに僕の頭を甘噛みしていたらキミの涎だらけになってしまうよ!」

 

「グルルルル♡」

 

 身長が相澤の腰ぐらいしかない根津に豹が頭から齧り付いている姿は、根津とティラノサウルスの仲を知ってる者たちも緊張してしまう。

 以前、根津がこの光景をSNSへ投稿した際は「ウチの猫ちゃんがネズミを咥えて持ってきたの思い出した」「根津校長、大丈夫? ストレスで脱毛症になってない?」などのコメントが寄せられていた。妥当である。

 

 

 

* * * * *

 

 

 

「ほらほらこっちにおいで~」

 

「ホンマ、ちょこちょこしてるの可愛いわー」

 

 1年A組の寮生活が始まってしばらく経ったが、爆豪と緑谷が初っ端でケンカしたこと以外は概ね平和だった。

 現在A組の女子たちは共有スペースで目を輝かせながらテーブルを囲っている。ここに最近来るようになったB組の女子たちも合わされば、共有スペースにいる男子の居心地がさらに悪くなるだろう。

 

 そんなA組女子たちを少し離れた所から見ていたのは砂藤力道。

 寮生活初日で「部屋王」に輝いたりもしたが、女子たちが夢中になっている原因も含めて最近は考えることが多い。

 

「なーにしかめっ面してんだよ砂藤?」

 

「瀬呂……」

 

「変なヴィランに変なことされたのは許せねえし、見つけたら俺の個性で捕まえてやるつもりだけどよ、結果的に女子たちの人気を獲得したのはポジティブに考えていこうぜ。峰田なんて血涙流すほど羨ましがってただろ」

 

 寮生活が始まってすぐA組は砂藤の身に何があったかを相澤から聞かされた。

 当然、ほとんどのクラスメイトが憤った*3

 強制的に“力”と称して変な物体を体と融合させるなどという危険行為をしたのだ。いくら“嘘を言っているとは思えなかった”と言われても信用などできない。念のためA組とB組に注意喚起はしているが、謎のヴィランが接触してきた情報はない。あくまでターゲットは砂藤のみということだろうか。

 

「そもそも人気っていってもよぉー……」

 

 砂糖は女子たち――ではなく、囲っているテーブルの上に目を向ける。

 

 

「グミ~~~♪」

 

 

「俺じゃなくて、俺から生まれたマスコットが人気なんだろうが……」

 

 テーブルの上では小さな箱のような形をした謎の生き物たちがワチャワチャと動き回っていた。砂藤は微妙な痛みを感じてこめかみを抑える。あんな謎生物を生み出す“力”など、どう活用すればよいのか? ウォズと名乗ったヴィランに心の中でジト目を送った。

 

 

 

 【ゴチゾウ】。

 それが砂藤が生み出せるようになった謎の箱形生物の名称(仮)である。

 

 ウォズによって謎の代物と融合させられた砂藤はすぐに病院での精密検査が成されたが――結果は至って健康、というものだった。お腹にも少々火傷に近い痕があるだけで、ウォズに付けられた代物は一切見当たらなかった。

 

 そして調査が進むにつれ、ウォズとの会話を記録していれば本当に悪意があったのか?という話になり、去り際にいったらしい「お菓子を食べろ」の真意は何処にあるのかという話となった。

 じゃあ、実際にお菓子を食べたらどうなる? 薦められたグミなど食べたら?

 

 本来であれば危険な行為だとやめさせるべきだ。

 実際、相澤は否定的だった。

 しかし砂藤の個性は【シュガードープ】。角砂糖やお菓子(・・・)を食べることで個性を十全に使う力なのだ。いつまでも甘いものを食べないという選択肢は無かった。

 何より砂藤自身が実験を求めたのだ。

 ウォズという青年が怪しいという考えは変わらなかったが、自分に強くなって欲しいという想いは本物だったと感じた。根津校長の考えと同じく、あの時の会話に一切の嘘はなかったと信じたかったのだ。

 

 結局、相澤は折れた。

 実験の日、相澤の【抹消】も含めて何が起きてもいいようにと強い個性持ちのヒーローに協力を要請し、危険だと判断すればすぐに止めることを条件として、ウォズが言った通り一般販売されているようなグミのお菓子を砂藤は食べだす。

 

 最初は何も変化はなかった。

 味覚にも異常はなく、バイタルも正常。

 しかし油断することなく、砂藤が用意されたグミを全部食べきるまで医者やヒーローたちは砂藤を見守った。

 

 変化が訪れたのは最後のグミを飲み込んだ直後。

 砂藤が腹の様子がおかしいことを訴える。すぐに異常がないかの確認がされたが、最新の医療機器は砂藤の状態を正常と認識。

 

 どういうことだとその場にいた全員が首を捻った時だ。

 砂藤の腹からウォズによって付けられたベルトが突然現れた*4

 騒ぐ相澤たち、何が起こるのかと恐れ半分期待半分の砂藤。

 ベルトの口が開き――飛び出したのは……

 

「「「グミ~?」」」

 

 良く分からない謎の生物たちだった。

 いや、生物と言っていいのかすら不明のナニカだった。何せほんの数㎝しかない大きさの可愛らしい目が付いた動く箱である。

 誰もが予想していなかった結果に、皆が皆マヌケ面を晒した。

 

 その後、危険性が皆無だとして謎生物を調べたり砂藤に別のお菓子を食べてもらったりと確認作業を行い、いくつか分かってくる。

 

 まず砂藤自身が得た“力”の正体はお菓子を食べることで、そのお菓子を模した謎の生物を生み出す能力だった。グミ以外でもチョコやスナック菓子を模した謎生物が誕生する度に砂藤の表情は微妙なものへと変わる。

 生物を生み出すベルトも解析したかったが、生み出す瞬間しか出現しないため詳しく調べることができなかった。

 

 次に謎生物だが、どうも想像以上に知能が高いことが判明。

 こちらの言うことを正確に理解するだけでなく、いくつかの質問には簡単な言葉でなら答えて見せたのだ。

 

 Q.オマエら何なの?

 A.「「「ケンゾク~~~」」」

 

 Q.名前とかある?

 A.「「「ゴチゾウ~~~」」」

 

 Q.このベルトや作成者のことは分かるか?

 A.「「「ん~~~?」」」

 

 Q.オマエたちを使って何かできるのか?

 A.「「「eatグミ!」チョコ!」チップス!」

 

 Q.い、いただきます?(砂藤が口を開けて恐る恐る食べようとする)

 A.「「「ウワ~~~ン(゚´Д`゚)!!」」」

 

 そうやって最終的に出た検証結果が以下の通り。

 

 

【ガヴガヴドライバー】

・謎のヴィラン「ウォズ」によって砂藤力道の腹部に付けられ、融合した謎のベルト。普段は何らかの力で砂藤と一体化していて表に出てこない。

・その能力から科学の力で作られたとするには不可解な点が多く、しかし個性由来だとするには謎が残る。

・砂藤がお菓子を食べることで、後述するその食べたお菓子を模した【ゴチゾウ】と呼ばれる生物を作り出す能力がある。食べたものによっては種類別で出る場合があるらしく、グミの【ゴチゾウ】であればブドウ味・オレンジ味・ソーダ味を模した【ゴチゾウ】がそれぞれ生まれた。

・【ゴチゾウ】を生み出す瞬間にだけ現れるベルトには右側にハンドルが、左側にはシンプルなボタンがあり、他にも用途があると推測されているが、前述の理由で調査は困難となっている。

 

【ゴチゾウ】

・【ガヴガヴドライバー】の能力で生み出された謎の生物。

・それぞれのお菓子を模した姿であり、共通点として大凡5㎝ほどの大きさで、皆一様に箱に目が付いたデザインをしている。

・体に切れ目があることから開くことができるのではないかと考えられたが、いざ開こうとすれば大泣きするためその場にいた者たちは開くことができなかった。

・小動物のような扱いであるが、知能は非常に高い。簡単な言葉ならこちらの意図を読み取って答えることもできる。発声器官らしきものは見当たらないが、日本語を喋ることが僅かに可能。

・質疑応答により、自分たちが砂藤の眷属であること、名前が【ゴチゾウ】であること、それ以外の情報は不明であることなどが分かった。

・使用方法に付いての質問では「eat(模した元の食べもの)」と答えており、砂藤が食べようとしてみたところ全ての【ゴチゾウ】が大泣き。伝えたい意図とは別である可能性が出てきた。

 

 

 

 

 終わってみれば謎が解決するどころか深まるばかり。

 結局、生み出した【ゴチゾウ】も何かあるといけないからと砂藤が面倒を見ることになった。食べものは必要ないらしく、好きにさせていたが一纏めになる場所があってもいいだろうとダンボールでそれっぽい住処を作ったのだが、「部屋王」を決める際にそれが女子に大受け。趣味のお菓子作りのこともあって優勝した。

 

「本当に……何なんだろうな【ゴチゾウ】って……」

 

「可愛いマスコットだろ?」

 

「ウォズの真意が分からねぇんだよ。これのどこが“力”なんだ?」

 

「偵察には向いてるって話にもなったんじゃなかったっけ?」

 

「それ系のヒーローからは重宝されるだろうけど、俺向きじゃねーだろ。何か……何かまだ見落としがあるはずなんだ。誰も気付いていない“力”となるだけの何かが」

 

「パワーローダー先生もお手上げって話は聞いたな」

 

「無機物っぽい見た目だけど生きてるみたいだし、調べようとしたら大泣きするから先生も解体とか何もできないって匙投げてた」

 

「――で、発目が無理矢理調べようとして女子共から総スカン喰らってたと」

 

「暴走しやすいって話だったけどアレほどとは……」

 

「うーん……もう流れに身を任せるしかなくね」

 

「そうなんだよな」

 

「せめてあの“eatグミ!”のことさえ分かればなー」

 

「仕方なく食おうとする度に大泣きされるし、女子たちからもそんな酷いことしちゃダメだよって怒られるし……」

 

「そもそも涙腺あるのが謎だろ。どっからあの量の涙が出てるんだか」

 

 瀬呂との話し合いでも現状の再認識しかできなかった。

 女子たちの手の上に乗って可愛がられている【ゴチゾウ】たちを見て何度目かも分からないため息を吐く。

 

「(ウォズ……オマエは俺をどうしたいんだ?)」

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

【side.転生者】

 

「経過は良好のようだね砂藤くん。順調に【ゴチゾウ】も増えてるし、ベルトも……後少しで完全に体に馴染む」

 

「そうなれば……活躍の場はインターンの期間を狙うのが1番なんだよな」

 

「ちょ~と予定が詰まってる感じだけど、ヒーロー科で訓練しているなら大丈夫のはず。作戦成功後は絶対先生方による本格的な検証もあるだろうし、ギガントマキナ戦で【ゴチポッド】を渡しても使いこなせるレベルには間に合う」

 

「う~んしかし、見事にヴィラン扱い。覚悟してたけど」

 

「でもだったら、1回ぐらい――よりヴィランっぽいことしていいよな。マッチポンプは嫌いだけど、オリチャーを発動させた責任として砂藤くんにはチュートリアルをしてもらわないといけないし、泥は被るか」

 

「敵役はドラッグ漬けの何したって心が痛まないヴィランを良い具合に調整するとして……あー、さすがに失敗したときのことも考えて一般人だけは絶対に傷付けないし、ヒーローの命も取らないようにしとかないと……」

 

「じゃ、準備を始めますか」

 

「計画第二段階『ガヴ第一話再現、仮面ライダー初変身作戦』を」

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 インターン。

 それは仮免に合格した学生がプロヒーローの元で共に働き、実戦を経験して仕事を学ぶ非常に重要な期間。

 仮免に合格した砂藤は尾白と共に、インターン先であるライオンヒーロー:シシドの元で手数と先読みの力を中心に鍛え、学んでいた。

 

 シシドが武闘派だったのもあって、大変だが充実した初日を過ごせた。ヴィランを相手に尾白とタッグを組んで倒した時など自分の成長を確かに感じ取ったのだ。

 ……途中、テレビの取材で一緒に連れて行くことになった【ゴチゾウ】を見られて一悶着あったが、概ね順調だった。

 

 問題が起きたのは2日目午前のパトロール中。

 

 

――ガシャーーーン!

 

 

「――ガハッ!?」

 

 砂藤は吹き飛ばされた先に逃げ遅れた一般人がいなかったことに安堵しつつ、状況の悪さに唇を噛んだ。

 かなり良い一撃を喰らったせいで体が軋むが、泣き言は言ってられない。

 目線の先では今も凶悪なヴィランを相手にクラスメイトが戦っているのだから。

 

「シュガーマン!! くっ……! いくらなんでも強すぎる。何だコイツは!」

 

「ガルルル……倒す……壊す……」

 

 荒らされた現場では何人ものヒーローが倒れており、尾白はそれを引き起したヴィランを相手に奮闘しているが芳しくない。

 

 何せ相手――個性【狼男】だと思われるヴィランは複数のブーストドラッグを摂取したためか、異常な攻撃力と防御力を有しているのだ。体毛は赤くなり、一部は硬質化して鎧のようになっていた。

 

「シシドさんは……まだ来れないのか!」

 

 ほんの10分前の話だ。

 ライオンヒーロー:シシドと共に巡回している最中、強力な個性を持ったヴィランが出現。シシドはその強さから砂藤と尾白を下がらせて一般人の避難を頼んだ。砂藤たちもシシドが戦っているヴィランが今の自分たちでは荷が重い相手であることを理解したため、悔しがりながらも避難誘導に集中した。

 

 問題はある程度避難が終わった後。

 相性の問題もあってシシドが相手するヴィランとの戦闘が長引きそうだったため、自分たちも加勢すべきだと覚悟を決めた時。別方向から悲鳴が聞こえた。シシドは自分より別の場所のヴィランへの対処を砂藤たちに任せる。場合によっては別のヒーローと暴れているヴィランを倒してからこちらに来いと。

 

 そして、今に至る。

 

「クッソぉ~~! すぐ尾白に加勢するんだ。パワータイプの俺でなきゃダメージが与えられねえだろうが!」

 

 痛む体に喝を入れてどうにか立ち上がろうとする。

 この状態でどこまで戦えるか不明だが、時間稼ぎだけでもしなければならない。

 もっと“力”があれば……

 そう思ったからだろうか。

 

「eatグミ! eatグミ!!」

 

 一緒に連れてきた【ゴチゾウ】たち。

 そいつらがワラワラとやって来て、中心にいる初めて生み出したグミの【ゴチゾウ】が必死に「eatグミ!」と訴えてきていた。

 

 手を伸ばし、グミの【ゴチゾウ】を食べようとする砂糖だったが、

 

「「「ウワ~~~ン(゚´Д`゚)!!」」」

 

 やはり周りにいる【ゴチゾウ】全部も一緒に大泣きしてしまう。

 

「何なんだよ……俺にどうしろって言うんだ!!」

 

 イラつき、叫ぶ砂藤。

 

 そんな砂藤を見た【ゴチゾウ】たちは位置を調整して何か(・・)を形作った。

 それ(・・)はここ最近見慣れてきたベルトの形をしており、小刻みに【ゴチゾウ】が動くことでハンドルを回す動作、ボタンを押す動作、中央の口が動く動作、その3つが分かるものだった。

 

 そこで砂藤はようやく【ゴチゾウ】の言う「eatグミ」の意味に思い至った。

 

「ぁ……eat(食べろ)って――こっちの口のことか!!」

 

 砂藤は集中する。ベルトに出てこいと。

 しばらく前に砂藤の体と完全に馴染んだ【ガヴガヴドライバー】は意識した瞬間に体から出てきた。すぐに消えるということもなく、不思議と……頭の中にどうすれば良いかの知識が入り込んできたのだ。

 

 砂藤はベルト上部にある口を開ける。

 

「来い! 【ゴチゾウ】!」

 

「グミ~~~♪」

 

 ピョーンと跳び上がった【ゴチゾウ】はそのままベルトの下部から突き出した“舌”の上に着地。上部の口を閉じれば、ベルトの中へと収納される。

 

 

「eatグミ♪ eatグミ♪ eatグミ♪ eatグミ♪」

 

 

 軽快な音がベルトから鳴り響く。

 

『ガヴ! ガヴ! ガヴ! ガヴ!』

 

 それに合わせてハンドルを動かせばベルトの口が連動して動き出す。

 

 集中している砂藤は気付いていなかったが、どこからともなく現れた巨大な透明の袋が砂藤の周囲を包み込み、ハンドルを回す度にその中でカラフルなグミのような物体が出現していた。

 

「――で、ボタンを……押すっっっ!!」

 

 

――ポチッ!

 

 

 

「ウギャ~~~!!」

 

 

 箱から解き放たれ、真の姿を見せながら歓喜の叫びを上げる【ゴチゾウ】。

 

 瞬間、ほんの一秒かそこらで砂藤の全身を黒いスーツが覆う。

 こことは違う世界――平成以降の『仮面ライダー』を知っている者たちが見れば“素体フォーム”だと言っただろう。

 周囲に浮いていたカラフルなグミ状の物体がベルトの口へと入ってけば、『ムニュ! ムニッ!』という音と共にスーツに紫色の装甲が出来上がっていく。

 

「「「「「オォォォ~~~~~」」」」」

 

 どんどん変わっていく主人の姿に残った【ゴチゾウ】たちは感嘆の声を上げる。

 砂藤は頭の中に浮かんだ言葉をそのまま口に出した。

 

「変身」

 

「ポッピングミィ。ジュ~シ~~~!!」

 

 

 

* * * * *

 

 

 

 

――ザシュ!

 

 

「アぁぁっ……!」

 

 狼男のヴィランと戦っていた尾白は体を爪で切られて膝をついてしまった。

 自慢の尻尾もボロボロであり、満身創痍の状態。

 

 今、ヴィランが適当に放とうとしている蹴りだけでも喰らえば意識を失いかねない。

 

「(どうする? どうすれば……!)」

 

「邪魔する奴、倒s『俺のクラスメイトに手ぇ出してんじゃねーよ!』――ガバッ!?」

 

 尾白がどうにかして抵抗しようと動きだした直後、『ドゴォン!』という衝撃音と共にヴィランが吹っ飛んでいった。

 

「え?」

 

 あまりに突然の事態に呆けてしまう尾白。

 誰かがヴィランの顔を思いっきり殴ったのだと気付いたのは数瞬後だった。

 最初はシシドが助けに来てくれたのかと思ったが違う。見慣れない紫色の装甲を纏ったスーツに随分目立つ黄色の目。その大柄な体型はどうにも誰かと重なり、腰にはここ数ヶ月の間に何度か見たベルトが付けられており――

 

「遅れて済まねえな尾白。後は任せろ」

 

「え!? オマっ、その声……! 砂藤なのか!?」

 

 今度は驚愕することになった。

 それまでの黄色いプロレスラーを意識したデザインのヒーロースーツとは全く違う。全身を覆っているので顔すら分からないが、シンプルだが格好いいスーツを身に付けたヒーローがクラスメイトの砂藤? どういうこと!?

 

「全身に力がみなぎる。これが、ウォズの言ってた“力”ってや――」

 

 

「素晴らしい!! これは……祝わなければなるまい!!」

 

 

「「ん?」」

 

 突然聞こえた第三者の声。

 尾白は本当に聞き覚えのない声だったが、砂藤からしたら忘れたくても忘れられない怪しい人物の声だったので良く覚えていた。

 

 ちょっと横を向けば、横転した車の上に白い不審者が立っている。

 

「あー! ウォズ、オマエやっと『祝え!!』――聞けよ!」

 

 

「彼こそが、ヒーローとして新たな時代を作り出す運命の世代の1人! お菓子で闘うおかしなヒーロー! その名も『仮面ライダーシュガーマン ポッピングミフォーム』! ……まさに、生誕の瞬間である!!」

 

 

「勝手に名前を付けられたー!? 仮面ライダーってなんだああああああっ!!」

 

 砂藤、今の自分の姿を勝手に命名されて混乱する。

 いや、仕掛け人がウォズである以上この姿になるのも予定通りであり、名前も最初から決まっていたのかもしれないが、納得するかは別問題である。

 というか、しばらく会っていない間に不審者度が上がっていないだろうか?

 何だ「祝え」って? 誰に向かって言っているんだ???

 というか、いい加減泣き止んで欲しい。謎の祝辞を言い終えてからずっと満足げな表情で大粒の涙を流しているのである。隣の尾白など頬を引きつらせているではないか。

 

 ツッコミが追いつかず、とりあえず拘束しようかなコイツ?と、考えていると10メートル程先から爆発音が響いた。慌てて見れば……

 

「ガルルル……」

 

「ウソだろ、あのヴィラン……まだ動けるのか!」

 

 一般乗用車を足蹴にし、こちらを睨み付けるヴィランの姿。

 

 先程の砂藤の一撃はかなり本気だった。

 あれに耐えたのだとしたらタフにもほどがある。

 

「ふむ……しかしフラフラしているようですし、手負いです。今の我がヒーローならばすぐ倒せるでしょう」

 

「どこからの目線で言っているんだよ?」

 

「もちろん我がヒーローの目線からです♪」

 

「あーもう! オマエには聞きたいことが山ほどあるんだからな! 戦いが終わるまでそこ動くんじゃねえぞ!」

 

「もちろんですとも。我がヒーローの仮面ライダーとしての初陣……特等席で見るに決まっております! 退けと言われても退きません!!」

 

「調子狂うなー!」

 

「一先ず漫才は後にしてくれよ。ヴィラン、こっちに向かってくるぞ」

 

「ガルァッッ!!」

 

「――っ! オラぁっっ!」

 

 毛を逆立たせ怒りを露わにした狼男のヴィラン。

 その攻撃を真正面から砂藤は迎え撃った。

 

 本来砂藤はパワーファイターだ。これまでの訓練であらゆる敵を相手に戦えるようにはなっているが、スピードを生かす相手にはどうしても最初の方で後手に回ってしまっていた。

 だが、

 

「――シッ!」

 

「ギャン!?」

 

 今の砂藤はヴィランの速度に遅れることなく目で追い、速さを生かした一撃を与えていた。

 

「すごい、砂藤……あのヴィランの速度に付いていってる……」

 

「単純なパワーだけでなく、動体視力や直感力の類いも変身に伴って上昇しているはずですからね。雄英の訓練で基礎能力が鍛え上げられたこともありますし、スーツのパワーに個性によるパワーまで加わっているのです。苦戦しろという方が難しいでしょう。……あのヴィラン、力不足だったな」

 

「何か言ったか?」

 

「いえいえ何も」

 

 戦いの行方はすでに砂藤の方へと向いている。

 もう何発も砂藤の拳はヴィランを捕らえているのだ。最初の方で完全に捕らえられていなかったのは単純に、スーツによって上がった性能が高すぎて逆に振り回されていたからだ。徐々に砂藤はスーツの力に慣れていき――

 

「(すごい。体が軽い。なのに、いつも以上に力がみなぎってる……!)」

 

「もう誰にも……負ける気がしねえ!!」

 

「ガルハッ!!?」

 

 砂藤の拳によって再び吹き飛ぶヴィラン。

 追撃を仕掛けたかったが……

 

「(もうそろそろ糖分が切れるな。どんだけタフなんだあのヴィラン。普通の奴だったらもう10回は倒してるぞ)」

 

 これまでの訓練で弱点であった糖分の不足はかなり改善されているが、まだまだ持続時間に問題があった。脳機能が低下するリスクを考えればそろそろ相手を気絶させたいが、今のままでいけるかと不安になる。

 

 すると、

 

「eatグミ!」

 

 砂藤の肩にオレンジ味のグミから誕生した【ゴチゾウ】が登ってくる。

 

「……そういや、味の違うものを使うとどうなるんだ?」

 

「eatグミ!!」

 

「使えってか? 良し、やってやるぜ!」

 

 肩にいた【ゴチゾウ】を手に取り、ドライバーへセットする。

 

 

「eatグミ♪ eatグミ♪」

 

『ガヴ! ガヴ!』

 

「ウギャ~~~!!」

 

「キッキングミィ。ジュ~シ~~~!」

 

 

 変化はすぐだった。

 スーツの右足にオレンジ色の装甲が追加で足され、巨大な足の形となった。同時に頭の中に必殺技(・・・)の知識が入ってくる。

 

「そうか! オマエはそう使うのか!」

 

 再びハンドルを回せば、右足へとエネルギーが集中していくのが感じ取れた。

 

「charge me! charge me! ウギャ~~~!!」

 

 エネルギーが最大まで溜まったところでボタンを押す。

 

「キッキング~フィニ~ッシュ!!」

 

「はぁっっっ!!」

 

 砂藤は空高く跳び上がり、ヴィランへ渾身の踏みつけ攻撃を喰らわせる。ヴィランはガードしようと腕を盾にしたが、力尽くでこじ開け胴体へと蹴りを叩き込んだ。

 

「オラアアアアアアアアアアアアアっ!!」

 

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?」

 

 迸る衝撃。

 地面に叩き付けられ、グミの弾性を利用した追撃を受けたヴィラン。

 砂藤が回転しながら後ろへと跳び下がり着地すれば、ヴィランは盛大に爆発した。……そう、何故か(・・・)爆炎に包まれた。

 

「…………………………」

 

 格好良く決めたポーズのまま固まる砂藤。

 一拍置いて思考が戻った時、人生で1番取り乱した。

 

爆発ううううううううううううううううっっっ!!? え? え? 何で!? 今のどこに爆発する要素があったんだ!? ヴィランは!?」

 

 さらに、先程の必殺技かよと言いたくなるような追撃が襲う。

 

「シアワセ~♪」

 

 先程協力してくれたオレンジ味のグミの【ゴチゾウ】。それがベルトの中から天使のような姿になって天へと消えていったのだ。念のためにと確認するが、ベルト内に【ゴチゾウ】の姿はすでになかった。

 

「…………え? は、はぁあああああああああああっっ!? え、死んだ? え、ちょ、はああああああああああああああああああっっっっっ!!!??

 

 混乱ここに極まれり。

 度重なる状況の変化は砂藤のキャパを完全に越えていた。

 脳への糖分が若干不足気味になってきたのもあって、難しく物事を考えられずただただ叫ぶだけになっている。

 

「あー……大丈夫か砂藤?」

 

「お、尾白。俺、ヴィランを……!」

 

「大丈夫だから落ち着け。さっき例のヴィランに聞いたけどアレ(・・)、爆発はほとんど演出で狼男のヴィランは普通に生きてるらしいぞ。重傷には違いないから病院で手当受けた方がいいらしいけど」

 

「あ、そう……なのか……?」

 

 良く見れば爆発した場所でヴィランは倒れているが、息をしているのか僅かに胸が動いていた。

 

「良かった~~~、俺ヤっちまったのかもって……そうだウォズ! テメぇには聞きたいこと――っていねぇ!?」

 

「戦いが終わったんで帰るって。砂藤に“よろしく”だと」

 

「……もうやだ。疲れた。今日何もしたくねえ」

 

「俺からシシドさんに言っておくからもう休めって」

 

 砂藤はガクリとうな垂れ、変身は解除された。

 その時の表情は、残業帰りのサラリーマンみたいだったと後に尾白は語る。

 

 

 

* * * * *

 

 

 

 インターン明け。

 想像以上に疲れる体験をした砂藤はようやく平穏な日常を――

 

「取り戻せてないじゃんか! むしろ悪化してる!?」

 

「「「ん~?」」」

 

 A組の教室の外、そこにはいつだか体育祭前に偵察に来ていた別クラスの同級生たちでごった返している。いや、良く見れば2年、3年の先輩たちもいた。

 全員が砂藤と机の上で好き勝手している【ゴチゾウ】を見に来ていた。それぞれがいっぺんに興奮して喋っているので誰が何を言っているか全く聞き取れない。こんなもの聖徳太子でも不可能だろう。

 

「どうしてこんなことに」

 

「テレビの生放送で大活躍だったからだろ?」

 

 机に近づいた上鳴が【ゴチゾウ】を押しのけながら今朝の新聞を広げる。

 変身前と後の砂藤の姿がデカデカ1面を飾っていた。

 砂藤は糖分不足でもないのにフラつく。

 

 そう、先日の砂藤が仮面ライダーに変身してヴィランを倒した姿はテレビで撮られていたのだ。それも生放送で。

 正確には街で取材をしていたテレビ局の者たちがたまたま巻き込まれ、砂藤や尾白も気付かない場所からずっと撮影し続けていたのだ。しかもカメラマンの個性が【距離に関係なく良い感じのアングルとカットで撮影ができる】というものだったため、【ゴチゾウ】のことやウォズのことなどが全国に知れ渡った。

 

 テレビも新聞も大賑わいであり、シシドの元から帰る際などわざわざ雄英が囮を用意して、裏口からこっそり別の車で帰っていた。

 

 ウォズのこと。

 仮面ライダーのこと。

 【ゴチゾウ】のこと。

 ヒーローとしての訓練のこと。

 世間からの反応のこと。

 

 これらが一気に押し寄せている砂藤のキャパシティは限界ギリギリ。素直に喜べる状態じゃなかった。

 

「恨むぞウォズ……」

 

 窓から空を見上げ呟いたが、無駄に良い笑顔のウォズがサムズアップしてくる幻影が見えるだけだった。

 

 砂藤は机に顔からぶつかりにいった。

 もう物理的に見たくない。

 

 

*1
『仮面ライダーディケイド』に登場する時空移動カーテン

*2
『ONE PIECE』に登場するアイスバーグのペットのネズミと同じ名前だが関係ありません

*3
例外? 爆豪に決まってる

*4
『仮面ライダークウガ』のような出方




 読了ありがとうございます。
 「お菓子繋がりで砂藤くんに仮面ライダーガヴの力あげたらどうなるか」をコンセプトに執筆した短編小説。
 非常に疲れましたが満足です。

 『ヒロアカ』の二次作は数えるのも面倒なほど多いので、すでに誰か書いていると思ったのですが誰も書いてなく、調べていくうちに砂藤くんの不遇っぷりを認識して執筆を決意したという経緯です。「pixiv」のイラスト数件はマジで悲しくなった。

 以下、書くことはない設定・妄想。

【砂藤専用ガヴガヴドライバー&ゴチゾウ】
 転生者が砂藤くんのために細かく弄ったドライバー。
 ベルトのような複雑な品はパーツ単位での創造しかできず、しかし細かく調整ができるので『ヒロアカ』世界用にかなりの改造を施した。
 特撮では流されがちだがそんないきなり使い方が分かる訳ないだろうと、頭の中にぼわ~っと知識としてインプットされる方式を採用。その他にもガヴに登場する武器は非殺傷仕様にしたりなど砂藤がヒーローとして活躍できるための努力を惜しまなかった。
 生み出される【ゴチゾウ】の方にも調整が加えられるようになっており、言語機能が僅かに上がっている(『ゴチゾウ』という名前以外を命名されるのが嫌だったため)。
 砂藤の体格に合わせて変身しているので、本家ガヴよりも大分マッシブな体型となっている。さらに個性のため角砂糖から生み出される【シュガーゴチゾウ】を特別に生み出せるようにもなっており、使用することで糖分の大幅なチャージを実現した(その場合は【エンジェルゴチゾウ】になってしまう)。

【蛇足の物語】
・インターンから帰ってきた砂藤は検証のためにどんどん【ゴチゾウ】を使ってのフォームチャンジや能力解放・武器召喚などを相澤たち教師陣と共に試していく。必殺技を使うと【ゴチゾウ】が天使になる(精一杯の比喩)ことが判明してから、女子たちに微妙な表情をされた時期があった。
 お菓子は美味しく食べられるのが本望だろ……(by.砂藤)

・途中で強いヴィランと戦いに。
 砂藤が危機に陥ったのが見ていられなかったウォズ(転生者)が仮面ライダーエボルトに変身して圧勝。教師陣の警戒度が上がる。
 何で“エボルト”かって? ハンドル繋がり。(by.ウォズ)

・砂藤はギガントマキナとの決戦前にウォズから【ゴチポッド】を渡される。
 マウントレディも押され気味でギガントマキナが本格的に暴れようとした際に【ゴチポッド】の使用を決意。仮面ライダーシュガーマン:オーバーモードの力でギガントマキナを押し返し、必殺技によって倒すことに成功。流れが変わったことでミッドナイト先生は生存。

・最終決戦にて、オール・フォー・ワン戦前半で一時的にウォズが参戦。
 時間制限ありということにして仮面ライダーエボルト:ブラックホールフォームに変身。少しの間だけ戦ったことで耳朗ちゃんの片耳たぶ消失を無くす。ちなみに、その少しの時間だけでオール・フォー・ワンは何度か死にかけてかなり冷や汗をかいた。

・死柄木との最後の戦い。
 砂藤は修行の末、仮面ライダーシュガーマン:マスターモードを取得。緑谷たちと共に戦いに挑む。
 戦いの行方は……読者の妄想に任せます。



 https://syosetu.org/novel/352977/
 こちら作者の連載小説。
 『異世界おじさん』の二次作、『おじさん、異世界冒険を配信するってよ』となります。良かったら見てください。


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