魔法科高校の劣等生ver.2   作:Marthe

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皆さんこんばんにちわ。最近ようやっとこの小説が認知されてきてうれしい作者です。

誤字修正ありがとうございます!単に誤字があるというだけでなく、ニュアンスもおかしいことを指摘していただき大変助かっています。引き続き私の小説をよろしくお願いします。

さて、今回は達也が風紀委員に選ばれるところから話が始まります。士郎と達也を風紀委員にしたら、どんな無双状態だって話ですがゆっくりと書いていければなと思います。

では!


風紀委員会

ある日のこと。士郎は摩利に生徒会本部を案内すると言われついてきたのだが、

 

「第三演習室?なんで演習室に・・・」

 

「ほんとかどうかわからないが一年の・・・それも二科生の生徒が風紀委員たる力を有しているという話があってな」

 

(一年の二科生・・・もしかして)

 

扉を開けると、士郎の予想通り、そこにいたのは深雪と達也だった。

 

「達也、深雪。もしかして達也が風紀委員に?」

 

「・・・。」

 

深雪はどこか申し訳なさそうな顔をした。なので視線を達也に合わせると、

 

「服部刑部先輩に、深雪の目が曇っていると言われてな。深雪の目は曇ってなどいないと証明することになった」

 

その言葉に自分が言い出したことを早速深雪が試したことが分かった。おそらく、生徒会はダメでも風紀委員になら、ということだろう。

 

「いいと思いますよ。達也は発動中の魔方式を読み取れるし、実力も問題ないでしょう」

 

「なに?君と同じか?」

 

「いえ、達也のは術式を直で見破る能力です。俺のそれがなにであるかを読み取る力とは違い、もっと精密な起動式を読み取る力です」

 

「ほう。それは是非委員会に欲しい能力だな。実力も確かな衛宮が太鼓判を押すんだ、これは期待大だな」

 

「衛宮といい単一魔法でもアルファベット3万字以上あるんだぞ・・・」

 

悔しそうに歯噛みする服部。

 

「では始めるぞ。ルールは――――」

 

士郎が森崎と模擬戦をした時のと同じルールが提示された。

 

カシャ!と拳銃型CADにカートリッジを差し込む音が聞こえる。

 

「いつも多数のストレージを持ち歩いているのか?」

 

摩利の問いに達也は、

 

「汎用型を使うには処理能力が遅すぎるので」

 

「そうか。では始める!」

 

開始の合図とともに服部が魔法を発動しようとした。

 

だが・・・

 

(後ろ!?)

 

士郎ほどではないが、独特な早い歩法で服部の背を取り、引き金を引いた。

 

途端、

 

「う・・・が・・・」

 

小さい悲鳴を上げて服部は倒れた。

 

「・・・。」

 

ついっと達也が摩利に視線を合わせる。それに気づいた摩利は、

 

「勝者!司波達也!」

 

そう言って勝者を告げた

 

 

 

その後達也はどうやって服部を倒したのか説明(ほとんど市原鈴音が言い当てた)し、無事服部もすぐに目を覚まし、己の凝り固まった思想を考え直すことになった。

 

「しかし君といい達也君といい、古流の武術に長けているんだな」

 

「士郎は古流武術だけじゃありませんよ。正直相手にしたくないですね」

 

「あ、おい達也!」

 

達也はまるで意趣返しのように士郎のことをばらした。

 

「ほう・・・それは是非とも気になるところだなぁ?」

 

「衛宮君の魔法はまだだれも目にしていませんしね」

 

「そう、それだ。殺傷性が高いと言っていったが一体どんな魔法を使うんだ?」

 

「秘密です」

 

そっぽ向いてそう言い切る士郎に、一様に?と浮かべて、

 

「まぁ何はともあれ生徒会本部に行こうか」

 

摩利に連れられ生徒会本部につく。扉を開けると・・・

 

「まぁ少しばかり散らかってるが適当にかけてくれ」

 

「・・・。」

 

「・・・委員長」

 

ごっちゃりとしたその光景に士郎はプルプルと震え、

 

達也が士郎の感情を代弁するかのように言った。

 

「ここ、片づけていいですか?」

 

「絶対片づける」

 

「?構わないが・・・そんなに酷いか?」

 

「「酷いです」」

 

そうして始まる大掃除に摩利は目を回して、

 

「達也、このデバイスはこっちでいいか?」

 

「ああ。それとそれはこっちに頼む」

 

「君たちは掃除が趣味なのか・・・?」

 

手早く整理整頓されていく現場を見て思わず呟く摩利。

 

「魔工技師を志す身としては、この状況は耐え難いものがあるんですよ」

 

「魔工技師?あれだけの対人戦闘スキルがありながら?」

 

「自分の能力ではC級ライセンスしか取れませんから」

 

「達也、“魔工技師”ってなんだ?言葉を聞くに魔法工学に関する資格みたいだけど」

 

「ああ。CADのプログラミングはもちろん、媒体となるハードウェアに関することも学ぶことが必要だ」

 

「なるほど。確かに達也向きだ。深雪のCADも俺のCADも受け持つ達也ならCADプログラミングに関しては群を抜いてるだろう」

 

「なに?妹と衛宮のCADもだと?」

 

「少しアレンジしてるだけですよ」

 

そう短く言って達也は片付けに戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ。やっと片付いたな」

 

「そうだな。委員長これからは使ったら元の位置に戻すことを徹底してください」

 

「う、わ、わかった」

 

思わずたじろいで頷く摩利。

 

すると、

 

「はよっす!」

 

「おはようございます」

 

「姐さんいらしてたんですかい!」

 

「委員長!本日の巡回任務終了しました。逮捕者、ありません!」

 

二人の風紀委員が本部に入ってきた。

 

途端に、

 

「うごっ!?」

 

姐さんと呼んだ先輩が丸めたポスターで殴られた。

 

「姐さんって呼ぶな!何度言えばわかるんだ!お前の頭は飾りか!」

 

パシパシとその先輩の頭を殴り続ける摩利に、

 

「そんなにポンポン叩かねぇでくださいよ!」

 

チッっと舌打ちして叩くのをやめた。

 

「ところで委員長。そいつらは新入りですかい?」

 

「一年A組衛宮士郎。同じく一年E組司波達也。衛宮は教職員枠。司波は生徒会枠でうちに入ることになった」

 

「へぇ・・・“文無し”ですかい」

 

「辰巳先輩。その発言は禁止用語に抵触する恐れがあります。この場合・・・二科生というべきかと」

 

「お前たち。そんな了見じゃ足元をすくわれるぞ?」

 

そう言って摩利は面白そうに、

 

「ここだけの話、服部が足元をすくわれたばかりだ」

 

「ッ・・・そいつが服部に勝ったていうんですかい・・・!?」

 

「ああ・・・正式な試合でな」

 

「なんと!入学以来負け知らずの服部が新入生に敗れたと!」

 

「そいつは心強え!」

 

「逸材ですね・・・!」

 

驚く二人に士郎はクッと笑い、

 

(実力を認めることができるやつにはやっぱりわかるんだな)

 

士郎は入学時の予感が的中したことを悟り、

 

(これで深雪の心配事も減るだろう)

 

そう思ったのだった。

 

「意外だろう?」

 

「・・・。」

 

「この学園は・・・ブルームだウィードだと優越感に浸り劣等感に溺れる者がたくさんいる」

 

摩利は挑みかかる表情で、

 

「いい加減うんざりしていたんだよ・・・私は。幸い生徒会の真由美も、部活連の十文字も私がこんな性格だって知ってるから、生徒会枠と部活連枠はそう意識の少ないやつを選んでくれてる。優越感がゼロって訳にはいかないが・・・同じ一年の衛宮も君を認めているし限りなく少ないだろう」

 

ちらりと達也は士郎を見て、士郎はその視線に力強く頷いた。

 

「みんなきちんと実力の評価ができる奴らだよ。ここは君にとっても居心地の悪くない場所だと思うよ」

 

「3-Cの辰巳鋼太郎だ。よろしくな司波、衛宮。腕の立つ奴は歓迎だ!」

 

「2-D沢木碧だ。君たちを歓迎するよ」

 

二人に握手を求められ互いに握手し、

 

「1-Aの衛宮士郎です」

 

「1-Eの司波達也です。こちらこそよろしくお願いします」

 

こうして二人の正式な生徒会役委員としての仕事が始まるのだった。

 

 

 

 

 

 

「――――」

 

トントントントンと規則正しい音が聞こえる。士郎は一人で夕飯の準備をしていた。

 

深雪が達也にCADの調整を頼むということでこうして夕飯を引き受けたわけだが、

 

「達也と深雪、遅いな。やっぱり元から膨大なCADプログラミングされてるやつの調整ってのは手のかかるものなのかな」

 

そんな、のんきなことを考えていた士郎は次の瞬間、仰天することになる。

 

 

ッバン!!!

 

 

「襲撃!?地下か!」

 

手早く火を止めて速やかに達也と深雪がいるはずの達也のラボへと向かう。

 

――――投影、開始(トレース・オン)

 

夫婦剣を投影しゆっくりと扉に迫る。

 

(中には二人だけか?襲撃者は・・・)

 

「達也!深雪!無事か!」

 

そう声をかけると、

 

「・・・。」

 

「えっ」

 

仏頂面の達也が普通に出てきた。

 

「た、達也?襲撃されたんじゃ・・・」

 

「自分で言うのもなんだが、この家のセキュリティは相当なものだぞ。ましてや無防備に地下に招き入れるほど俺は緩んでない」

 

「じゃあさっきの音は・・・」

 

達也は肩をすくめて、

 

「深雪。準備ができたら出ておいで。俺は士郎と先に上に上がるから」

 

はい、お兄様と返事が返ってきて士郎はますます混乱する。

 

「え?もしかして深雪が攻撃魔法を放ったのか?達也に?」

 

「思春期の妹の戯れだ。とりあえず行こう。俺たちがここにいると深雪が出てこられない」

 

「あ、ああ・・・」

 

フッと夫婦剣を景色に溶かして士郎は達也と一緒に上に上がる。

 

「大丈夫なのか?達也」

 

そう問いかけると、

 

「問題ない。自己修復術式が発動したからな」

 

なんとも物騒な返答が返ってきた。

 

「おいおい・・・それは無事じゃすまなかったってことだろ・・・」

 

士郎は思わず頭を抱えた。

 

「深雪は怒らせると怖いんだ」

 

あっけらかんとした達也に士郎は、

 

「頼むから心臓に悪いことはしないでくれ・・・」

 

と精一杯の文句を言うのだった。

 

その後、士郎の作った夕飯を食べ(またしても絶品で深雪が唸っていた)食後の一休みをしていると、

 

「あの・・・士郎、ごめんなさい。心配をかけるような真似を・・・」

 

「まぁ何事もなく収まったならいいさ。でもこういうのはこれっきりにしてくれ・・・こっちは気が気じゃないから」

 

そう士郎は言った。達也も、

 

「深雪。今度からは思うことがあれば先に言ってくれ。俺も直すよう努力するから」

 

「はい、お兄様」

 

そんなトラブルもありながら今日も一日を終えたのだった。

 

 

 

 

 

「今年もあのバカ騒ぎの期間がやってきた。新入部員の獲得は各部活に多大な影響力を持つ。それ故に、殴り合いや魔法の打ち合いになることも、残念ながら珍しくない」

 

そんな摩利の言葉で始まった今日は、いや正確には今日からは、部活動の新入生部員の勧誘期間となるからだ。

 

「だが、今回は卒業生分の補充が間に合った。立て!」

 

そういわれて椅子から立つ士郎と達也。

 

「1-A組衛宮士郎。1-E組司波達也。今回から巡回に参加してもらう」

 

ちらりと達也のことを見た先輩が、

 

「役に立つんですか?」

 

疑問の声を上げた。おそらく達也が二科生だからだろう。

 

だが、

 

「大丈夫だ。衛宮も司波も実力は私が確認している。・・・他に意見のあるやつはいるか?」

 

「「「・・・。」」」

 

摩利が認めたのなら異存は無いということだろう。不満の声は上がらなかった。

 

「では、出動!」

 

バッと全員が立ち上がって互いにどこから回ろうかと言いながら風紀委員会本部を出ていくのを眺めて、士郎と達也はまずは居残った。

 

「二人にはまずこれを渡しておく」

 

出されたのは風紀委員の腕章と連絡を取り合う携帯端末だった。

 

「それと、CADについてだ。衛宮には軽く説明したが風紀委員はCADの学内携帯を許されている。使用についても誰かに判断を仰ぐ必要はない。だが、」

 

摩利は一際厳しい顔で、

 

「不正使用が判明した場合には委員会除名の上、一般生徒よりも厳重な罰が課せられる。甘く考えないことだ」

 

(まぁ当然だろうな)

 

士郎も達也も顔色を変えないことから当然の処置と思っているのだった。

 

「委員長、質問があります」

 

「許可する」

 

「CADは委員会の備品を使ってもよろしいでしょうか?」

 

「構わないが・・・あれは旧式だぞ?」

 

「シルバーホーンは使わないのか?達也」

 

「ああ・・・旧式といってもエキスパート仕様の高級品ですよあれは」

 

「そうか。そういうことなら自由に使ってくれ。元々埃を被っていたものだ」

 

「それでは・・・この二機(・・)をお借りします」

 

「二機・・・?君は本当に面白いな」

 

(二機か・・・確かCADを同時に使おうとすると相克が起こって魔法が発動しないんじゃなかったっけ?)

 

士郎も首をかしげていると達也の視線を感じた。

 

(余計な心配は無用ってことか)

 

CADには一日の長がある達也のことだ。良い使い方があるんだろう。士郎も余計なことは言わなかった。

 

「じゃあ頼んだぞ」

 

「「はい」」

 

それからは怒涛の毎日だった。

 

「魔法の不正使用でご同行願います」

 

「くっそ・・・」

 

「なんだ・・・あの一年・・・」

 

「並みいる部活のエースたちを素手で・・・」

 

なんとも危険な話だが、本当に魔法の撃ち合いになるほどの乱闘がそこかしこで頻発する。

 

その度、士郎は首筋に手刀を落として時には強烈な打撃(学内を壊さない程度)で鎮圧していく。

 

「どいつもこいつも・・・魔法はいつでも人を殺せる術だということを学ばなかったのか?」

 

思わずため息の出る有様だったがそれでも士郎は毎日検挙と、困っている者の救助に勤しんだ。

 

 

 

 

 

 

 

「遅くなって悪かったな。遠慮なく食べてくれ」

 

「それじゃあ・・・」

 

「「「いただきます!」」」

 

今日は風紀委員の仕事で遅くなってしまったのでカフェで達也が友人達に軽食を奢っていた。

 

「それにしても、その桐原って先輩、殺傷性ランクBの魔法を使ってたんだろ?よく怪我しなかったな」

 

「あれは有効範囲の狭い魔法だよく切れる刀とそう変わりはしないさ」

 

達也の言葉に苦笑して美月が、

 

「それって真剣の対処が簡単って言ってるのと同じですが・・・」

 

「まぁ達也なら真剣相手でも上手く立ち回れるとは思うけどな」

 

コーヒーを口に運びながら言う士郎にクスリと笑う深雪。

 

「そういう士郎も、並みいる部活のエースを魔法を使わず圧倒した、ともっぱらの噂よ」

 

「そうそうそれ!人が技だけでピンポン玉みたいに吹き飛ぶって話よね。士郎は剣士だと思ってたけど・・・」

 

「剣以外にも色々学んだからな。・・・ただまぁ、魔法は未だに不得手だけど」

 

「意外ですよね。一科生の衛宮君が魔法が不得手なんて」

 

「ははっ!それな!士郎に連行される奴らの姿と言ったら・・・」

 

「“バルーンの衛宮”か?」

 

「・・・。」

 

バルーンの衛宮。なぜそんなあだ名がついたかというと、

 

 

 

 

~~~~~検挙中~~~~~

 

「キリがないな。一人一人取り押さえて運んでたら時間がかかる」

 

うーん、と悩んだところ士郎はあるものが目に入った。

 

「リンゴ飴か・・・こんな未来にも残ってるんだな。・・・そうだ!」

 

士郎はおもむろにCADを操作して、

 

「な、なんだ!?」

 

「水!?」

 

空気中の水分を操る発散系統魔法で水の球体を作り、検挙者を首から上だけ外に出して水で包み込んでしまった。

 

「これでよし。お前ら。その球体で運んでやるから大人しくしてろよ」

 

「こ、こんな状態でか!?」

 

「こんな姿友達に見せられないわ!」

 

ブーブー文句が出るが、

 

「騒動を起こしたお前らが悪い」

 

この水球。ただの水球ではなく、泉の精霊の加護で水を自在に操れるようになったことを利用して作った、非常に粘性の高い水球となっている。

 

体を鍛えているはずの運動部のエースが満足に動けない程だ。

 

「う、動けねぇ・・・」

 

「な、なにこの魔法・・・」

 

こうして士郎は水球を作り首から上だけを水球の上に出すという滑稽な姿で練り歩くことになった。

 

~~~~~検挙中~~~~~

 

 

 

「あの滑稽な姿と言ったら・・・ププ」

 

「ちょっと思い出させないでよ・・・プフッ」

 

「あれはユニークな使い方だったな」

 

「達也さん、ここで真っ当な意見は・・・」

 

「そうですよ、お兄様。士郎が精一杯考えた検挙法が笑いものになってしまいます」

 

「・・・いいアイディアだと思ったんだけどなぁ」

 

「でも、水球を維持するのにものすごいサイオンを消費したのではないですか?」

 

美月が当然とも言えることを口にした。

 

「そうだなぁ・・・結構な大きさの水球だったし正直ガス欠にならないのが不思議だぜ」

 

「まぁオリジナルの魔法だからな」

 

当たり障りのない返答で返してサンドイッチを口に運ぶ。

 

「士郎もだけど、やっぱり達也君よねあの時は――――」

 

エリカがその時のことを思い出す。

 

「確かキャスト・・・ジャミング?みたいなことが起きてたけど・・・」

 

「キャストジャミング?」

 

士郎が不思議そうに首を傾げた。

 

「知らねぇのか?士郎。ええと何だったかなアンティ・・・何とかって石で引き起こせる魔法封じだよ」

 

「アンティナイトよ西城君」

 

「ああ!それそれ。達也、持ってたのか?」

 

レオの言葉にすぐに、

 

「いや、俺は持ってないよ。そもそもアンティナイトは軍事物資だからな。一般人の俺には手に入らないさ」

 

「でも、あれは確かにキャストジャミングだったわ。どうやったの?」

 

エリカの問いにどこか言いづらそうに、皆に顔を寄せて、

 

「あー・・・この事はオフレコで頼む。俺が使ったのは正確にはキャストジャミングじゃない。キャストジャミングの理論を応用した特定魔法のジャミングなんだ」

 

「そんな魔法・・・ありましたっけ?」

 

「なかったと思うけど・・・それって新しい魔法を理論的に編み出したってことじゃない?」

 

「偶然発見したというのが本音だけどな。二機のCADを同時に使おうとすると相克が起こってまともに魔法が使えないのは知っているだろう?」

 

「ああ、身に覚えがあるぜ・・・」

 

「うっわ恥知らず~」

 

「なんだと!」

 

エリカが茶化してそれにレオが噛みつくという相変わらずの光景が繰り広げられる。

 

「それでだ。一方のCADで起動中の魔法式を展開。そしてもう一方でそれとは逆の魔法式を展開し無系統魔法として放つ。そうすることである程度の魔法を妨害できるんだ」

 

「なるほど。相克を起こすのを逆に利用するわけか」

 

「大体理屈は理解できたぜ・・・でもよ、なんでオフレコなんだ?特許取ったら儲かりそうなんだけどなー」

 

レオは楽観的に言うが、そうは問屋が卸さなかった。

 

「第一に、この技術は未完成なこと。それと――――」

 

「社会基盤を揺るがさないため、だな」

 

「?どういうこった?」

 

「馬鹿ね!お手軽な魔法妨害の手段なんか広まったりしたら、犯罪が横行するじゃない!」

 

「でも流石お兄様というところかしら。発動中の魔法の起動式を読み取るなんてお兄様にしかできませんもの」

 

「それは、俺が優柔不断なヘタレということか?」

 

「まぁ、それは私には何とも。エリカはどう思うかしら?」

 

振られたエリカはというと、

 

「そうねぇ・・・私的には美月の意見が聞きたかったりして」

 

「ええ!?えっと・・・!その・・・!」

 

(小悪魔だな)

 

触らぬ神に祟りなしと士郎は口を開かなかった。

 

 

 

翌日

 

 

プルルルル・・・

 

(またか)

 

携帯端末の受話器部分を取ると、

 

『こちら生徒会です第一体育館にて乱闘が発生。手の空いている風紀委員は急行してください』

 

「一年衛宮です。そちらに向かいます!」

 

士郎が第一体育館にたどり着くと、同時に達也も到着した。

 

 

「「―――――」」

 

互いに言葉はなく、乱闘の起きている現場に飛び込むのだった。

 




今回はここまでです。魔法の不正使用した生徒はもれなくバルーンの餌食です。また殴り合いをしている生徒なんかも頭を冷やせという意味も込めてバルーン化です。

粘度の高い水はある漫画からヒントを得ました。見た人はわかるかな?ぜひ感想で教えてください。

ではまた!
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