「まなから買い物に誘われたから来たわけだけど…何であんたもいるの?」
「アハハ…僕もまなさんから買い物に誘われたから…」
先日友達になったまなさんから買い物に誘われて待ち合わせ場所に来てみたらそこに鬼太郎君と一緒にいた女性の姿があった。確か鬼太郎君からは猫娘って呼ばれてた筈だ。
「…」
「…」
どうしよう…ちょっと気まずいかも。猫娘さんも何故か僕を警戒してるみたいだし。まなさん早く来てくれないかなぁ…
「ゆう兄~!猫姉さ~ん!」
あっ、噂をすれば!
「ゆう兄…あんた達いつの間に仲良くなったの?」
「まぁね。それと猫姉さんって…」
「ま、まなが勝手にそう呼んでくるの!」
猫娘さんは少し顔を赤くする。これって満更でもない感じかな?
「まなさん。今日は誘ってくれてありがとう」
「どういたしまして!」
「それでまな、これからどこに行くの?」
「今日はショッピングモールで買い物をしようと思うんです!どうですか?」
「どうも何も、まなの行きたいところに行けばいいんじゃない?あんたもそれで良い?」
「うん。僕も構わないよ」
「ありがとう!それじゃあ早く行こ!」
そう言ってまなさんは先に行ってしまった。
「…猫娘さんって優しいんだね」
「な、何よ突然…」
「だって、まなさんが行きたいところを優先してあげてるし、何より猫娘さんのまなさんに対する表情もどこか優し気だったから」
「べ、別にそういう訳じゃないから!ただあの子が危険な目に遭わない様についててあげてるだけよ!」
わぁ…こんな典型的なツンデレ発言は初めて聞いたな。
「ゆう兄~!猫姉さ~ん!早く早く~!」
「はいはい」
「今行くよ~」
先に進んでいたまなさんから呼ばれた僕達は一緒にショッピングモールに向かっていった。
「ねぇ…僕って場違いじゃないかな?」
「何言ってんの。まながあんたにも見てほしいって言ってるんだから、ビシッとしな」
僕達は今、ショッピングモールの服売り場に来ており、まなさんが試着し終えるのを待っていた。最初は売り場の外で待ってようと思ったけど「ゆう兄にも見てほしい」って言われて猫娘さんと一緒にここに残る事になった。
しばらく待っているとまなさんが試着室から姿を現した。
「ジャーン!どう?」
まなさんは肩が出ている白色のブラウスを着て、青色の短めのキュロットパンツを穿いていて、黒色のニーハイソックスとブーツを履いていた。
「へぇ、良いんじゃない?」
「ホントですか!?…ゆう兄はどう思う?」
「へっ!?ぼ、僕!?」
猫娘さんの感想を聞く次は僕に感想を聞いてきた。
「フーン…ほら、早く答えてあげな」
猫娘さんが何かに納得した素振りをしてから僕に感想を言うように促してきた。この人なんか楽しんでない?
「もしかして、似合ってない…?」
「そ、そんなことないよ!すっごく似合ってる!というか凄く可愛いよ!うん!」
「あ、ありがとうゆう兄!良かった…」
「え、何か言った?」
「う、ううん!何でもない!」
う~ん…何か呟いてた気がしたんだけどな…まぁいいや。
「それじゃあこの服買ってくるね」
さっきまで着ていた服に着替えたまなさんは試着していた服を持ってレジへ向かっていった。
…っていうか、また猫娘さんと二人きりになっちゃった…
「…あんたって、よく女誑しとか言われたりしない?」
「えぇっ!?何でそうなるのさ!」
「なんとなくよ」
いや、この人いきなり失礼すぎない!?確かに呪術廻戦の乙骨は夏油から女誑しとか言われてなんかそんな節はあったけど、僕は決して女誑しじゃないから!
「フフッ、あんたってパッと見得体の知れない感じがしたけど、結構感情豊かなのね。少しだけ見直しちゃったわ、憂太」
「それ褒めてる?」
「これでも褒めてるつもりだけど?」
「…でもまぁありがとう」
「お待たせ~!」
少しすると服を買ったまなさんが戻ってきた。
「良かったわね、憂太が褒めてくれて」
「ふぇっ!?///」
乙骨から少し離れて歩いていたまなと猫娘がこのような会話をしていた事を彼は知らなかった。
あれからショッピングモールで買い物を済ませた僕はまなさんと猫娘さんと別れて自宅に向かっていた。とはいえそろそろ昼時だし何か食べて帰ろうかな。
「ん…?」
ふと通りかかった路地を覗いてみたら何やら薄汚れている布を着ている男の人がゴミ捨て場の中を漁っているのが見えた。う~ん、あれって無視した方が良いのかな?とはいえお腹を空かせてたら大変だし…
「あの~…」
気になった僕は結局男の人に話しかける事にした。
「ん?…なんだ坊主、見せモンじゃねぇぞ」
そう言って男の人はこちらを睨んでくる。っというかこの人の顔にねずみの髭っぽいものが生えてるけど…
「もしかしてあなた、妖怪ですか?」
「…へぇ、今の世の中に妖怪を信じてる奴がいたとはねぇ~…何を隠そう、この俺はかの有名なビビビのねずみ男様よ!」
「…すみません、聞いた事ないです」
僕がそう言うとねずみ男さんはズッコケてしまった。なんかごめんなさい…
「ケッ!これだから今時のガキってのは。隈もあって不健康そうだし…あれ?不健康そうな隈にそのなり…まさかお前、現代の異能ッ!?た、退治しないでくれぇーーーー!!」
「あ、ちょっと!」
ねずみ男さんはこの場から逃げていこうとしたけど、逃げている最中に力尽きたかのように倒れてしまった。
「だ、大丈夫ですか!?」
「…は…た…」
「えっ?」
「はら…へった…」
「カァーッ!こんなうめぇラーメン久しぶりに食うぜ!」
「それは良かったです」
僕とねずみ男さんは今ラーメン屋さんで昼食を食べている。
「まさか妖怪共に恐れられてる現代の異能乙骨憂太が俺に飯を奢ってくれるなんてよ!現代の異能ってのは手当たり次第に妖怪を退治してる奴だって噂で聞いてたけどよ、噂ってのも当てにならねぇんだな」
「ただ僕は自分に降りかかる火の粉を払ってるだけで、手当たり次第に妖怪退治をしてるわけじゃないですよ」
「へー、そうかい」
「ところで、ねずみ男さんってやっぱりねずみの妖怪なんですか?」
僕の質問にねずみ男さんは神妙な表情に変わる。もしかして聞いちゃいけなかったかな…
「…俺はよ、半分妖怪半分人間の半端者なんだよ」
「半分妖怪半分人間…所謂半妖ってやつですか?」
「そうだよ…どっちにも居場所はなかったし、妖怪からも人間からも石投げられてきた。だから俺は生きていく為にどんな事もしてきたんだ…」
「ねずみ男さん…」
「同情はよしてくれ。お前の様なガキに俺の気持ちはわかりゃしねぇよ…」
「…確かに、ねずみ男さんがどんな思いで生きてきたか僕にはわかりません…けど」
僕は続けて口を開く。
「ねずみ男さんが生きる為に頑張ってきた事はわかりました」
「は…?」
「話を聞く限り、間違った事にも手を出したことがあったかもしれません。それはきっと褒められた事ではないかもしれません…けれど、あなたの生きようとする強い思いを僕は否定しません」
「…へっ、慰めはよしてくれ。ガキに慰められるほど俺は落ちぶれちゃいないんだぜ?」
そう言ってねずみ男さんはがっつく様にラーメンを食べる。
「食った食った~!そんじゃあなゆう坊!…話、聞いてくれてありがとな。おかげでちったぁスッキリしたぜ」
僕をゆう坊と呼んできたねずみ男さんは店を後にした。
僕もラーメンを食べ終え、店を後にしたのだった。
次回はそろそろ原作回に入ろうと思います。