古明地さとりの胸元にある「第三の眼」が、かつてない不協和音を奏でている。
読み取れるのは、地霊殿に住まうペットたちの平穏な思考ではない。
もっと遠く、境界の向こう側……本来なら「否定され、忘れ去られたもの」たちが住むはずの外の世界から、強烈な『魔法』の奔流が流れ込んできているのだ。
「……結界が、溶けている?」
さとりは窓の外を見上げた。
地底の空を覆う不変の闇に、見たこともない紋章のような光が走る。
科学が支配し、神秘を切り捨てたはずの外の世界。
その理(ことわり)が崩れ、どこかに秘匿されていた「もう一つの魔法」が、幻想郷の理と混ざり合おうとしていた。
そして、その混乱と時を同じくして、最も愛すべき「無意識」の気配が消えた。
「こいし……? どこにいるの、こいし!」
| 賢者の石 | |
| #00:地底の書斎と、混線するノイズ | |
| #01:泥まみれの鍵 | |
| #02:奔流する思考の渦 | |
| #03:魔列車での邂逅 | |
| #04:ホグワーツ魔法魔術学校 | |
| #05:賢者の眼差し | |
| #06:獅子寮 | |
| #07:悪夢 | |
| #08:共鳴する想起 | |
| #09:氷の地下牢 | |
| #10:異界のノイズ | |
| #11:冷徹な監視者 | |
| #12:森の番人 | |
| #13:黄金の追跡者 | |
| #14:冷たい悪意 | |
| #15:三頭犬 | |
| #16:霧の街道 | |
| #17:軋む境界 | |
| #18:決裂の瞬間 | |
| #19:灯火 | |
| #20:クィディッチ | |
| #21:主観的な真実 | |
| #22:書棚の沈黙 | |
| #23:鏡の望欲 | |
| #24:偽りの幸福 | |
| #25:賢者の石 | |
| #26:トラブルの火種 | |
| #27:仔竜 | |
| #28:厄災の飼育 | |
| #29:翼からの便り | |
| #30:絶望の天秤 | |
| #31:森の深淵へ | |
| #32:試験地獄の断末魔 | |
| #33:決戦前の共鳴 | |
| #34:蔦と羽の試練 | |
| #35:赤き騎士の覚悟 | |
| #36:氷の論理 | |
| #37:三位一体の狂気 | |
| #38:賢者の深淵 | |