設定などもいくつか変更しました。
またよろしくお願いします!
目の前には何の変哲もない校舎が建っている。
俺がこの私立彩南高等学校に入学し、二度目の春が訪れた。
通学路にある公園や街路樹には、今年も新生活を応援してくれているかのように桜が咲き誇っている。
大概の人はこの桜たちが織りなす美しい景色に、一瞬でも目が奪われてしまうことがあるだろう。
普段の俺なら絶対に奪われている。
それにトライデント・モスキートや桜クラ病なんて単語も思い出しているはずだ。
しかし、今日だけは違う。
今の俺の頭には一年間共に学んでいく同級生、つまり新年度のクラス分けのことで一杯になっていた。
学校の敷地に入り、昇降口に張り出された紙の前で立ち止まる。
自分のクラスととある人物たちのクラスを確認する前に、まずは深呼吸。
いつもは遅刻ギリギリの時間に登校しているが、今日はかなり早く家を出た。
周りには誰もいない状況で、ただただ深呼吸を繰り返す。
「ふぅーーっ…。OK、落ち着いてきた」
肩の力がほんの少しだけ抜けた……気がする。
心の中で(あと十秒数えたら見よう!)と決心し、カウントダウンを始める。
10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0。
「よし!」と気合いを入れてから、クラス分けの紙へ視線を向ける。
まずはAクラスから。
幸先良く、2-Aの文字の下に朝利吉綱という自分の名前を発見。
去年はBだったが今年はAのようだ。
頼むから彼らもAクラスにいてくれ!と望みながら、出席番号が最後の人からチェックしていく。
カタカナ表記は珍しいので、すぐにララ・サタリン・デビルークの名が目に入る。
その後、結城梨斗、西連寺春菜の名前も同じクラスであることがわかり、全身の力が抜けてとてつもない安堵感に包まれる。
「よ、よかった〜〜。やっとだ、やっと同じクラスになれた〜〜」
自分でも驚くほどのへなへなとした声。
でもそれも仕方ない。
中学校3年間も含めてようやく、ようやくこの世界の主要人物、ToLOVEるという漫画の主人公やヒロインたちと同じクラスになることができたのだから。
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転生者データ
作成者:転生部門日本担当
転生者名:沢田綱吉 享年14歳
生まれつきの虚弱体質、教育機関に通うことも困難で友人は0。
母親が少しでも入院中の暇が潰せるようにと買ってきたもの、それが漫画。
そこで初めて漫画と出逢い、以降は漫画が彼の心の支えとなっていた。
転生特典:沢田綱吉の容姿と大空の死ぬ気の炎
彼が1番好きな漫画は、週間少年ジャンプで連載されていた人気漫画【
偶然にもその漫画の主人公と同姓同名であることを知り、親近感と憧れを抱き「いつかは健康になってツナのようになりたい!」と楽しそうに両親に何度も話をしていた。
転生先:ToLOVEる
生前の彼は、バトル・ラブコメ・スポーツ・ギャグ・日常系などジャンル問わず、様々な作品を読んでいた。
一度購入した漫画は、途中でつまらなく感じてしまってもちゃんと最終巻まで買う信念を持っている。
しかし一作品だけ例外がある。
それがToLOVEる。
母親に頼んでいたToLOVEるの5巻を含む、数冊の漫画を買ってきてもらった日にそれは起きた。
「あー!綱吉くん、エッチな漫画買ってもらってるー。ダメだぞー?そういうのはもっと大きくなってから読まないとー」
彼を担当していた若い女性の看護師がテーブルの上に置いてあったToLOVEるを指差し、揶揄うように言ってきたのだ。
病室に彼一人ならまだ良かった。だがその日は隣に母親がいたのだ。
母親に知られたというとんでもない辱めを受けてしまい、続きがとても気になっているのに、どうしてもToLOVEるだけは頼むことができなくなってしまった。
続編のToLOVEるダークネスも読むことなく、最期の時を迎えた。
結論
【ツナのようになりたい】【ToLOVEるの続きが読みたい】という彼の強い思いに応え、このような特典と転生先を決めさせてもらいました。
ちなみに私は雲雀恭弥が好きです。