知り合いたちの職場に連行された転生者   作:塩水最高珍味

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お久しぶりです。海水最高珍味です。これまで書いていた物はなかった事にさせてください。これが一話目とさせてください。勝手で申し訳ありません。


本編
バカ共との久しぶりの再会


初めまして、俺はただの転生者だ。名前は宮坂 海水、年齢は18歳。今朝、起きたらテレビで一年がすっ飛んでいると報道されていた。一瞬時を消し飛ばせる某ギャングの仕業かと疑ったがそれはないだろうとすぐに結論が出た。ここはFGOの世界、あの奇妙な冒険をしてる世界ではないからだ。そんなくだらない事を考えながら俺は棚から賞味期限が二年過ぎているコーンフレークを取り出し、皿に入れて牛乳をかける。朝はコーンフレークが胃に丁度いい。朝からベーコンとかを食べると腹痛に襲われる。それが毎朝ときたらイラついてしょうがない。よく中学生の頃はそれを我慢して毎朝ベーコンを食べた物だ。

 

「……そういえば、藤丸たちは元気だろうか……いつからだったか、急に学校に来なくなった。双子同時に来なくなったからな……」

 

コーンフレークを食いながらそう思った。藤丸たちというのはみんなご存知のバカタレぐだーずだ。ぐだ男、ぐだ子と言った方が分かりやすいだろうか?同じクラスでたまに関わっていた。俺はぐだ男の事を藤丸、ぐだ子の事を立香と呼んでいた。クラスでのあだ名でぐだ男、ぐだ子とは言われていたような気がする。あまり関わりはなかったのにクラスの連中から「仲が良かったアイツらが来なくて心配か?」やら「三人漫才見れなくなっちまうのか~。残念だな~」と言われた。関わりがほぼないから心配する気もないんだが……漫才をしている気も全くなかったんだが……その時だった。家の静寂を切り裂くかのようにインターホンのチャイム音が俺の鼓膜へと届いた。

 

「誰だこんな朝っぱらから……まだ8時だぞ?」

 

セールスか宗教のどちらかと思い居留守を使う事にした……が、再びインターホンを鳴らされた。それでも俺が出てこないとインターホンを連打してきた。近所迷惑だし普通にうるさい。ここまでしつこいと逆に関心する。その面を拝んでやろうと苛立ちながら重い腰をあげてモニターの前に立った。営業スマイルを張り付けた気持ち悪い面だと予想していたが、その予想は外れ、驚かざるを得ない面が見えたのだ。学校で突っかかってきていたのが少し引き締まったかのような顔のバカ共……学校を急に休んでいた二人だった。学校の制服ではなく、白を基調とした服を着ていた。今まででそんな服を着ている所は見た事がなかった。学校外で外に連れ出された事は何度もあるがこんな服装をしているのは初めて見た……なんというか、デザイナーが飛んでデザイナーがいない状況で作ったかのような、そんな服だった。アイツらが普段着ていた服にはしっかり個性があった。だが今は広告でよく出てくる個性のない量産型ゲームのような服で個性がなかった。

 

「……なんで朝から家に来てるんだ……まさか服をお披露目する為だけに来たのか……?もしそうならファッションセンスが錆びたと思って良さそうだな」

 

俺は、応答ボタンを押そうか迷っていた。この時点で既に嫌な予感がしている。何か厄介事に巻き込まれるという決定的な確信があった。その確信の理由は分からない。だが厄介事に巻き込まれるという確信だけはそこにあった。向こうは俺が居留守をしていると分かっているだろう。いつも居留守していたからな……まさかここで居留守を使いまくったツケが来るとは思ってなかった。鳴り止まないインターホンのチャイム音が、惰性に浸かり切っている過去の俺から「ツケを払う時が来たんだ」と言われているような気がしてならない。俺の経験は「開けるな」と言っている。だがインターホンからはかつての惰性に身を任せていた俺からの”死刑宣告”を受けている。不思議と俺の足はゆっくりと、玄関へと向かっていた。足が重く、一歩一歩が死刑台に向かっているような感覚だった。心臓の鼓動は玄関へと近づく度に速まり、酷くうるさく感じられた。

 

「……ドアを開けるべきか……?俺の経験は全力で止めて来ている。まるで日常を守る為に俺を止めて来ているような感じだ……だが俺の足は玄関前へと向かって行った。俺の意思を無視してだ」

 

落ち着け……落ち着くんだ……こういう時こそ落ち着かなくてはならない……落ち着きを失った奴が負けるんだ。俺はビビっているのかもしれない。得体の知れない違和感を前に、恐怖しているのかもしれない……だが、少しずつ冷静さを取り戻しつつあった。今インターホンを押し続けているのは知らない奴じゃあない、知り合いのクラスメイトだ。そうだ、なぜ知り合いに恐怖していたんだ。いつも通りに接すればいいのであって何か扱いに変化がある訳じゃあないんだ……そう考え始めると不思議な事に冷や汗も、手の震えも自然と治まった。そして、沸々と勇気が湧いてきた。むしろ今はあのバカ共の相手をしてやろうじゃあないかと思えてきた。そして俺は、鍵を開け、ドアノブへと手をかけ、開けた。いざ対面した時に出た言葉は……

 

「……久しぶりだな。バカ共」

 

これだった。もっと他にあったのだろうが、自然と口が動き、言葉を発していた。勝手に出たのだ、防ぎようもなかっただろう。他に言えたとしても俺はこう言っていただろう。




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