第4次聖杯戦争になぜかメリュジーヌが召喚された件!?? 作:いちごまんじゅう
やばいサーヴァントを呼び出した...
僕は咄嗟にそう確信した....
華奢な姿形に似つかわしくない、青色に輝く美しい鎧を身につけて、美しい白髪を揺らしている。
まるでこの世の生き物とは思えないような美しい顔立ちと白い肌を持ち合わせつつ、両腕についている双剣が強者である証であるかのように光輝いている...
真名をランスロット...いや、より正確に言うのならば、この真名は間違っている。しかし、ここで言わないということは言いたくないんだろうな...
「ああ、俺が君を呼び出したものだ...」
そう答えると彼女はじっと俺を見つめてくる。
彼女は一目見た瞬間にその人のこの先の運命や結末を直感で感じ取ることができるらしい。即ち、その結末を見て即座に俺との関係を切る可能性すらある...
「ふーん...なるほどね...君、かなり大変な運命を歩み始めてるね?」
そんなことを彼女は言葉にする。それは果たして俺がこの世界に転生したことなのか、それとも、この聖杯戦争に参加することになったことを指すのか....
「••••どうだろう、きっと貴方ほどではないと思うけどね俺は」
そう言うと彼女は少し驚いた顔をしたがすぐに表情を戻して
「いいね、君。どうやら僕は大当たりのマスターに引き当てられたようだ!マスター、君の名前は?」
「そうだな、ではユイと呼んでくれ。」
「わかった。ではユイ、これからよろしく頼むよ。」
「ああ、こちらこそ、よろしくな、ランスロット」
こうしてある程度相互理解を深め終わった所突如ひらり、と一枚の紙が俺たちの目の前に落ちてきた。
「ルーラー、周りの警戒をお願い。」
「了解!」
そう言うと彼女は消えるように工房から出て偵察に向かった。
さて、この紙が届いてしまったということはこの工房の位置を知られてるということだ。この聖杯戦争が始まってすぐにそんなことができるのは...
「やっぱり聖堂教会か...」
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裁定者(ルーラー)のマスターとなった参加者よ
すぐに教会へ招集されたし
でなければこの聖杯戦争への参加権利を剥奪する
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なるほど、恐らく向こうからしても想定外のサーヴァントが召喚されたからこそ、円滑に運営するためにも把握できてないことをなくしたいのだろう。
「(ルーラー、一通り警戒し終えたら戻ってきてくれるか?)」
「了解!というわけで戻ってきました!」
「いつの間に??」
いやほんといつの間にいたんだ?というか、もうすでに少しメリュジーヌとしての一面が見えてきてないか...?
「と、とりあえずこれから教会に向かうことになった」
「教会?僕一応ルーラーだけど聖人とかじゃないから多分行っても効果ないよ?」
「そうじゃなくてだな。この聖杯戦争を管轄してる人達が俺たちのことを訝しんでいるからその説明に行く。」
「なるほどね!わかった!じゃあ早速向かおう!」
もう素が出始めてないか?俺なんか特別なことしてないぞ?
そんなことを思いながら俺たちは工房を出るのだった...
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「(へぇ〜、当たり前だけどほんと街並みはブリテンと似てもにつかないなぁ)」
「(まあ、アーサー王伝説の話で言うならばあれから900年以上経過しているからな)」
そんなことを話しているうちにも教会へ辿り着いた。
「(ランスロット、悪いけど俺がいいと思うまでは霊体化しててくれ)」
「(了解だよ、マスター)」
さて、恐らくここが俺にとっての第一関門。恐らくこの先に待っているのはこの聖杯戦争の監督役である、言峰璃正と、アサシンのマスター、言峰綺礼だろう。
あの2人に目をつけられればこの聖杯戦争に置いての生存率は間違いなく絶望的、ひいては聖堂教会を敵に回す恐れすらある。用心しないと...
そんなことを考えながら、俺はその扉を開いたのだった...
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「ようこそおいでになった」
璃正は開口一番にそんな言葉を口にした。
「形式的な挨拶は結構です。それより、要件はなんですか?」
そう言うと、彼はせっかちな人だ、とぼやきながら
「貴方が裁定者、ルーラーの召喚者で間違いありませんか?」
「ああ、そうだ」
淡々とそんな質問に答えていく。その後も色々と聞かれた。どのように召喚したとか、どんな印象を受けたとか。俺の素性も聞かれたがそこも適当に流しておいた。
「では最後に、そのサーヴァントと会って意思の確認をしたいのですが。」
••••やはり、本命はここだろう。なるべくおれのサーヴァントの正体を掴みこの先のことを有利に運ぼうという考えだろう。ここで俺が断ることが出来ないことをいいことに、な
まあお生憎様、うちのサーヴァントはかなり特殊なサーヴァントだから正体がバレることはまずないと思うがな...
「(ルーラー、出番だ、頼む)」
「(了解、ちなみにどこまで喋ってもいい?)」
「(俺やお前自信のことを聞かれたらできるだけ直接的に情報を渡さないように頼む。多少バレるのは許容するしかない)」
「(オッケー)」
そんな軽い声が聞こえてすぐ彼女は姿を表した。初めて会った時とは異なり今回は顔を面で隠している。そういえばそんな霊衣もあったなと思い出す。
一方の2人は少し顔に驚きが見られた。まぁ、裁定者のサーヴァントとは思えない姿をしているからな...
「ええと、あなたがルーラーのサーヴァントですか?」
「ああ、君たちの驚きも無理はない。僕はルーラーの適正があっただけで正統なルーラーのサーヴァントではない。ゆえに、此度の聖杯戦争を調停、管理しようという目的はただの一つもない。」
そんな、璃正達が聞きたいであろうことを見透かしてメリュジーヌは答えていく。
「なるほど、では貴方はルーラーというサーヴァントの特性は持っているものの、特に気にすることなくこの聖杯戦争に参加すると」
「ああ、それと。先程言ったように僕は純粋なルーラーではない。故にルーラーのクラスが所持している真名看破などは持ち合わせていないからそこは安心してくれ。」
そう言うと、璃正は少しニヤつき
「そうなのですね、わざわざそのような事までお伝えしていただきありがとうございます。」
そう言うと彼女はまた霊体に戻って行った。
「さて、要件は済んだか?」
「ええ、わざわざご足労いただきありがとうございました」
そんな形式的な労いを受けた後、俺たちは教会を後にした。
「はぁ、疲れた...」
魔術工房に戻って開口一番にそんなことを呟いた。
ちなみにあの後、使い魔につけられたことに気づいた僕らは、メリュジーヌに僕が死なないかつ使い魔を振り切れるスピードどで運んで貰ったので、現在はベッドでお休み中である。
「さて、ここからのプランを考えて行くか。」
まずは記憶している限りのサーヴァントとマスターの情報、そしてこの聖杯戦争の流れをノートに記して行く。
本来なら今日アーチャーとアサシンが接触する予定だっただろうが、俺とメリュジーヌというイレギュラーによってそれは後回しになりそうだ。
そして色々な要素を考察し、まずしなければならないことはーー
「拠点、だな」
この魔術工房はケイネスのように立地がいいかつ魔術工房の質が高いものでもなければ、ウェイバーのように見逃してくれるような素人作りでもない。
つまりは、一番最初に狙われやすい拠点と化している。
「よし、それじゃあ保身の為に頑張りますか!」
そうして必要なものをまとめていく。メリュジーヌを起こそうかとも考えたが、今日ずっと頑張り通しだった彼女を起こす気にはなれなかった。
ちらりとベッドを見ると布団はベッドから落ちてかなり身体が右寄りになってしまっている。やれやれと思いながら布団を掛け直し、少し頭に触れてー
「改めてよろしくね、俺の可愛いつよつよドラゴンさん」
と、そんなことを言い俺は魔術工房を後にする。
魔術工房出た後なにか中から物音がしたが、起こしたかな?と一抹の申し訳なさを感じながらもすべきことをしにくらい夜の街に消えていくのだった...