祥子「作りすぎですわ!!」

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Ⅳぐらいで迷っとけよ


迷うことを、迷わない(迫真)

燈「あっ……祥ちゃん、久し振り」

 

祥子「何の用ですの。わたくしはもう……CRYCHICとは関係ありませんわ」

 

燈「祥ちゃん……これ、人間になりたいうた753・ツヴァイ改2nd edition_タイプγ final-phase ver.555」

 

祥子「……は?」

 

燈「だから、人間になりたいうた753・ツヴァイ改2nd edition_タイプγ final-phase ver.555」

 

祥子「と、燈……? 一体どういうことですの?」

 

燈「人間になりたいうた、人間になりたいうたⅡ、人間になりたいうたⅢ……祥ちゃんを待ってる間、ずっと作ってた」

 

祥子「いや作りすぎですわ!」

 

燈「私も……人間になりたい、から……」

 

祥子「そんなに人間になりたいんですの!?」

 

燈「祥ちゃんと一緒に叫んで……その心の叫びを(うた)にして、伝えたいって……そう思って……」

 

祥子「燈と一緒に叫んだのってあれですわよね? 『人間になりたいですわー!』って叫んだやつですわよね? 12音ぐらいしかないのを膨らましすぎじゃないですの!?」

 

燈「祥ちゃんの心の叫びの続きを……声に出せなかった続きをって思って……」

 

祥子「ジーザス! 勝手に続けすぎですわ! もうここまで続いたらわたくしの名前、原作者のところに書いてませんわ!」

 

燈「『わたくしが神になってこの永久の楽園を』って祥ちゃんの叫び、ちゃんと伝わってる、よ」

 

祥子「言ってませんわ言ってませんわ言ってませんわ言ってませんわ」

 

燈「『負けるという選択肢はありませんわ』って」

 

祥子「無から生み出すのやめてくださいまし!」

 

燈「『コーラ×1、メロンソーダ×1、オレンジ×2』って」

 

祥子「それ注文ですわよね!? 4名様いらっしゃいですわー!」

 

燈「……心の、叫び! 祥ちゃんの心の叫び……!」

 

祥子「何か感極まってますけど、無を聞いてますの? 今の叫びに含まれるの多分オレンジジュース100%とかですわよ」

 

燈「祥ちゃん、一緒にバンド……やろ? ずっと待ってた……!」

 

祥子「! わたくしはもうあなたとは……一緒にやりませんわ。CRYCHICはもう解散したんですの! 燈、あなたも"人間になりたいうた"を無限錬成するなんて意味のわからないことは辞めて、早く先に進むべきですわ」

 

立希「燈はお前を待ってたんだよ!!!!!」

 

祥子「た、立希さん!?」

 

立希「ずっとお前を信じて待ってた燈の気持ち……考えたことあるのかよ!!」

 

祥子「いやあるんですけど『人間になりたいうた753』とかぶつけられてちょっと行方不明というか……」

 

燈「!! 迷子……?」

 

祥子「と、燈? どうしたんですの……?」

 

燈「迷子でも良い……っ! 迷子でも進めぇーーーーっ!!!」

 

祥子「何かしらのスイッチを踏んだ気がしますわ」

 

立希「燈はお前を待ってるんだよ!!!!!」

 

祥子「思いっきり進むって言ってますけど?」

 

立希「わかれ道の、その先で待ってるんだよ! 燈は『例え違う道を歩んでもその先でまた会おう』って言ってるんだよ!!!!」

 

祥子「わかれるのかわかれないのかどっちなんですのそれ。後で合流するならもうそれ迂回路の類いですわよ」

 

燈「立希ちゃん、ぜんぜん違う……」

 

立希「!?」

 

そよ「そうだよ祥ちゃん、燈ちゃんはずっと待っててくれたんだよ。今だって、人間になりたいうた753・ツヴァイ改2nd edition_タイプγ final-phase ver.555の続きの人間になりたいうた753・ツヴァイ改2nd edition_タイプγ final-phase ver.555 - コピーを作ってる最中で……」

 

祥子「作り過ぎて作業環境がPCに……!」

 

そよ「みんなで祥ちゃんが戻って来ることを信じて人間になりたいうたを作ってるの。燈ちゃんも、立希ちゃんも、睦ちゃんとも、みんなで一緒に作ったから……」

 

祥子「迷走しすぎなんですのよ。誰かひとりは壊滅的なセンスの方がいますわよねこれ?」

 

燈「迷走……? 迷子……!?」

 

祥子「あっ、これ……」

 

燈「迷子でも良い……っ! 迷子でも進めぇーーーーっ!!!」

 

祥子「めんどくさいですわその迷子スイッチ!」

 

睦「作詞、楽しいって思ったこと……一度もない……」

 

そよ「睦ちゃん……!?」

 

祥子「ほら! 多分睦は作詞に向いてませんわ!」

 

睦「私が下手だから……」

 

祥子「いや向いてるとかそういう話ではなく! そもそも"人間になりたいうた"をそんなに作ってどうするんですの!? そんなにあってもしょうがないですわよ。むしろわたくしがいない間に大量に作詞だけされても戻りにくいですわ! 誰が作曲しますの!」

 

そよ「大丈夫だよ祥ちゃん。そしたら今度はみんなで作曲する祥ちゃんを応援するから」

 

祥子「わたくしのワンオペ作曲ですの? 過労死しますわ!!」

 

そよ「大丈夫だよ。一生一緒、って約束したから。地下で集中して作曲すればすぐに終わるから……」

 

祥子「RiNGの地下に監禁されますの!? ちょっともう大分戻りたくない感じがしますの」

 

立希「燈はお前を待ってるんだよ!!!!!!!」

 

祥子「きゃっ! 急に復活しないでください!」

 

燈「祥ちゃん、一緒にバンド……やろ?」

 

祥子「ですからわたくしは……!」

 

そよ「大丈夫。ゆっくり話し合って答えを出せばいいよ。地下で春日影を聞きながらゆっくり話し合おう……ね?」

 

祥子「もうそよさん怖いですわ! 春日影エンドレスされて気が狂うなんて嫌ですわよわたくし!」

 

そよ「春日影……? な”ん”て”春”日”影”や”っ”た”の”!!!!!!!」

 

祥子「もうシンプルに怖いですわ! 何!?」

 

睦「玉子焼き……醬油かけたいって思ったこと、一度もない……」

 

祥子「だから何だって話なんですの?」

 

楽奈「フッ、おもしれー女」

 

祥子「誰!?」

 

海鈴「豊川さん、皆さんで集まるならどうして私を呼んでくれないんですか?」

 

祥子「追加しないで! 既にキャパのシティが限界ですわっ」

 

海鈴「そんなに私が新用なりませんか? トラウマなんですよッ! 一人だけ除け者にされるのは!」

 

祥子「いやだってあなたはCRYCHICとは関係ないじゃないですか」

 

海鈴「そんな……! 私が例え部外者だとしても急に内輪の話し合いに参加することの何がいけないんですかッ!」

 

祥子「急に参加することだと思いますわ」

 

清告「祥子ぉ……俺も迷惑なのかぁ……」

 

祥子「くっ、お父様!?」

 

立希「おとう……」

 

そよ「さま……!?」

 

楽奈「息ピッタリ」

 

祥子「く……お父様、どうしてここに?」

 

清告「酒がなくなったから、酒とお前の臭いを辿って……」

 

祥子「帰りなさいクソ親父!!」

 

立希「『く……』ってそういう」

 

清告「祥子のお友達がこぉんなに……祥子を助けてやってくれぇ……」

 

祥子「!」

 

清告「あと酒……」

 

祥子「帰れクソ親父!!」

 

定治「やはりお前一人の力では、外の世界を独りで生きていくことなんてできなかったのだ」

 

そよ「どちら様……?」

 

祥子「おじいさま……ッ!?」

 

燈「祥ちゃんの、おじいちゃん……?」

 

定治「168億円の借金! 168億の借金があるッ! 168億!!!!」

 

祥子「!?」

 

立希「168億って……どういうことだよ!」

 

睦「……祥が」

 

そよ「そんな……祥ちゃん、ギャンブルはやめよう。ね?」

 

燈「祥ちゃん、お金のことは……あんまりそういうの、よくないと思う……」

 

楽奈「フッ、おもしれー女」

 

祥子「いやわたくしちゃいますわ! このクソ親父が168億!」

 

立希「168億って、このダメそうな大人が!?」

 

海鈴「そこまで価値のある人質には見えませんが……」

 

そよ「祥ちゃん、誘拐はやめよう。ね?」

 

燈「祥ちゃん、お金のことは……あんまり人を誘拐したりするの、よくないと思う……」

 

楽奈「フッ、おもしれー女」

 

祥子「いや誘拐もしとらんですわ! このっ! クソ親父がっ! 借金! 168億ッッッ!!」

 

定治「祥子、家に帰って来い」

 

燈「!」

 

そよ「まさか祥ちゃんがCRYCHICやめるって言ったの……」

 

祥子「……わたくしは、」

 

定治「お前は豊川の跡を継ぐ者だ。バンドなんていうバカげた遊びに惚けてないで帰って来い」

 

祥子「そんな言い方……ッ」

 

定治「豊川グループもそう言っている」

 

豊川グループ「TO・GA・WA♪ ぐるぅぷ♪」

 

祥子「なっ、何!?」

 

豊川グループ「TO・GA・WA♪ ぐるぅぷ♪」

 

定治「『家に帰って来い』。豊川グループもそう言っている」

 

祥子「ちょっと待ってください。何か豊川の"概念"みたいなものが浮いてるんですけど!?」

 

豊川グループ「TO・GA・WA♪ ぐるぅぷ♪」

 

定治「『家に帰って来い』。豊川グループもそう言っている」

 

祥子「それでゴリ押すつもりですの!? NPCの類い!?」

 

定治「『家に帰って来い』。瑞穂もそう言っている」

 

瑞穂「祥子……久し振り」

 

祥子「お、おお、おっ、お母様!?!!? 死んだはずじゃ……」

 

瑞穂「祥子の歌声が天まで届いたの。とても美しい歌声だったわ。ありがとう、あなたはわたしの一番の誇り」

 

祥子「いやわたくしボーカルじゃないですわ」

 

瑞穂「……」

 

祥子「……」

 

瑞穂「祥子がかき鳴らすギターの音が天まで届いたの」

 

祥子「楽器総当たりしないで」

 

定治「とにかく瑞穂もこう言っている。家に帰って来なさい、祥子」

 

祥子「いやぜんぜんそう言ってないですわ! どちらかと言えばバンド肯定しそうな感じでしたけど!?」

 

燈「祥ちゃんは渡さない……もう何があっても離さないっ! ずっと一緒……!!」

 

祥子「と、燈……」

 

そよ「祥ちゃんのおじいさん。私達は祥ちゃんと一生一緒にバンドをするって約束したんです。だから、祥ちゃんのバンド活動、許してくれませんか?」

 

祥子「そよさん……」

 

海鈴「私からもお願いします。豊川さんとずっと一緒にバンドするって約束したので」

 

祥子「……いやしてないですわよね」

 

立希「祥子、燈はずっと待ってたんだ。バンド続けるかどうかはともかく、それにちゃんと答えないのは……燈がかわいそうだろ」

 

祥子「立希さん……」

 

睦「……私、バンド楽しいって思ったこと、一度も────」

 

祥子「わー!!! 睦ぃいいいい!!」

 

睦「……」

 

祥子「…………」

 

清告「祥子ぉ、お前、良い友達を持ったなぁ……俺、こんなダメだけど、ずっと祥子の父親だから……だから……祥子がやりたいっていうんなら、応援するから」

 

祥子「お父様……」

 

犬「わん!」

 

祥子「犬さん……」

 

猫「にゃー」

 

祥子「猫さんも……」

 

瑞穂「祥子のドラムサウンドが天国まで響いたの」

 

祥子「お母様もうそのフェーズ終わってます」

 

定治「さぁ、祥子! 家に帰って来なさい!」

 

祥子「……」

 

燈「……CRYCHICは、心の叫び」

 

祥子「……すぅー、」

 

 

祥子「わたくしはっ!」

 

 

 

 

祥子「人間になりたいですわーーーーーーーっっっ!!!!!」

 

 

 

 

燈「!」

 

定治「!?」

 

祥子「豊川家の豊川祥子でもない、過去の幻影を求めるだけの亡霊でもない!

   仮面を着けた誰かでもない! わたくしは今ここにいるわたくしだけッ!」

 

そよ「祥ちゃん……」

 

祥子「CRYCHICをやめると言った瞬間、CRYCHICは壊れました。

   家を飛び出した時、豊川家としてのわたくしは死にました。

   大好きだったお父様をクソ親父と呼んだ時、親子の絆が千切れた音がしました。

   わたくしは、結局全部自分で壊してばかりですの」

 

楽奈「~♪」

 

祥子「全部なくして、大好きだったものが全部なくなって、それでも残ったこの叫びだけが今のわたくしの答えですわッ!」

 

鳥「トリィ……」

 

祥子「燈」

 

燈「!」

 

祥子「わたくしはCRYCHICに戻りませんわ」

 

燈「ん……」

 

祥子「自分からやめると言い出したのに今更どんな────いや、そういうことじゃないですわよね。

   わたくしは、多分、あなたに頼りっきりになりたくないのですわ。

   わたくしはちゃんと自分の力で、わたくしの心の叫びを叫んでみたいんですわ」

 

燈「わ、私も、祥ちゃんのこと、わかりたくて必死に……人間になりたいうたの、続きを書き続けてた……祥ちゃんのこと考えてないと歌詞が書けなくなってて……」

 

祥子「お互い、一番最初のところを忘れてましたわね。

   自分のこともまるでわからないというのに、相手のことばかり……」

 

立希「CRYCHICをやめて、その後のことは考えてあんの?」

 

祥子「いいえ。でも、行く先なんてわからなくても良いと思っていますわ。

   迷子でも進めるんですから」

 

そよ「本当にやめちゃうの?」

 

祥子「ええ。そよさん、あなたには悪いことしましたわね。

   ずっと心配してくださったのに、わたくしが逃げてばっかりで。

   CRYCHICを好きでいてくれて、ありがとうございました」

 

そよ「……そう、終わっちゃうんだ」

 

祥子「そよさん、最後のお願いがあります。

   CRYCHICを……終わらせてください。

   きっと、あなたがやるのが適任ですわ」

 

そよ「……わかった。私が、終わらせてあげる」

 

定治「いいのか!? そんな不安定な道を選んでも! 豊川の家にいればずっと……」

 

清告「お義父さん」

 

定治「!」

 

清告「子供が決めた道を、僕らみたいな"クソ親父"がどうにか言うのは、違うんじゃないかな。

   瑞穂が死んだ時、ダメダメになった僕を支えてくれたのは、他でもない祥子だ。

   もっと自分の子供の強さを信じてあげましょうよ、お義父さん……」

 

海鈴「そうです。おじいさま」

 

立希「そうだよ。じいちゃん」

 

そよ「そうだよね。おじいちゃん」

 

定治「クソッ! 実子以外には強く言い返しにくい……! あと祥子以外はおじいちゃん呼ばわりするな」

 

祥子「おじい様、わたくしはちゃんと一人でやっていけます」

 

犬「わん……!」

 

猫「にゃぁ……!」

 

きじ「きじぃ……!」

 

燈「祥ちゃん」

 

祥子「燈」

 

燈「待ってる。道が違えても、その先で。だから、進み続けて、そこでまた……」

 

祥子「わたくしも進み続けますわ。迷子でも良い、らしいですから」

 

楽奈「~♪」

 

そよ「! この曲……!」

 

立希「春日影だ」

 

そよ「なん────」

 

海鈴「演りましょう」

 

定治「そうだな。私も昔は、ビートルズをよく聞いていたな……」

 

祥子「おじいさま!? どこからベースを……」

 

清告「僕も昔はラルクに憧れていたなぁ……よし! お父さん頑張っちゃうぞー!」

 

祥子「マイク!? どこから!?」

 

そよ「なんで……なんではるひ────」

 

瑞穂「祥子の鳴らす尺八の音は天国まで届いたから、今度はこっちから届けてあげないとね……お母さんの尺八」

 

犬「わん!」

 

猫「にゃあ!」

 

立希「やろう、春日影!」

 

そよ「春日影は私達のだい────」

 

睦「春日影なら、弾ける……」

 

燈「……やろう、祥ちゃん!」

 

そよ「春日影はやらないって────」

 

鳥「トリィ……」

 

きじ「きじぃ……」

 

豊川グループ「ぐるぅぷ♪」

 

RiNG「ングングング……!」

 

祥子「あぁもう! もうどうなっても知りませんわよ! キーボード召喚(サモン)ッ!」

 

キーボード「きー!」

 

燈「祥ちゃん、これからも頑張ってね」

 

祥子「……ええ」

 

燈「私達も、祥ちゃんがいなくても頑張るから……バンドⅡ」

 

祥子「ツーやめてください」

 

 

 




 

 

 

初華「祥ちゃん! 歌詞書けたよ! 曲名は『KiLLKiLL』!」

 

祥子「殺意が高すぎますわ!?」

 

 

 

────────おしまい

 

 




授業中に2時間ぐらいで書いた

MyGOだとサイドバッシャーを洗車する草加ストリウス彦が好きです(誰!?)

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