ついにあの人が登場!?!??()
前話あらすじ。
・悪い人達の集まり、そこで皆んなはベリアル達に報復するぞ!と言う話になる。
・ムコーダさん達は突然発生した霧から逃れる為に、偶然発見した村に匿ってもらうことに。
・飯屋にたどりつく。なんだか様子がおかしいなぁ
・おい毒入りやんけ!!どういうつもりやワレコラ!!
・お前らが先仕掛けて来たんやろがいてこますぞ(邪神召喚)!!
・グェーマジか戦うしかないんか
・おい逃げんなコラ!!チッ!俺たちでこの怪獣をなんとかしねーと!!
──ギュォォォォイィイィィィン……!!
「……どいてろォ」
ぶっきらぼうに言い放ち、ベリアルは一歩足を踏み出す。目の前には恐ろしげな巨獣が所狭しと身を捩り、耳をつんざく咆哮を上げる姿がある。
「な、ベリアルさん?!いくらなんでも、あんなの無理ですよ!逃げないとっ」
「うるせェぞ!!あの怪獣の中に大量の人間の命が縛られてやがるんだよ!!良いからどけッ!!死ぬぞッ!!」
「敵の言葉です!正しいとは限らない、それに後からでも間に合うかもしれないでしょうっ」
『……やめよ、櫂斗。我々同士で言い争っている場合ではないわ』
「けどっ」
「バケモンの中で永遠に苦しむ……そんな事があって良い筈がねェ。奴は俺がこの手でしとめてやるってんだよッ」
ベリアルは過去に数万年を孤独な独房で過ごした。邪神の体内で栄養分として囚われ、苦痛をただ味合わされるというその地獄に、どうしても己の感情が許さなかった。己を見失いそうになっていることには気づいていても、それでも腹が収まらない。
──ギュゥゥゥイィイィィィン……!!
「生き物の鳴き声かよ、これが」
金属が擦れ合うかの様な高音と、獣が嘶くような歪んだ重低音を思わせる怪獣の叫び。それは木々を揺らし、地を割る。彼ら一行が逃げようにも、この地が破壊し尽くされる方が速いのかもしれない……それに、何もしなければ止まりはしない。
「フェル。頼んだぞ」
『……フン、任されてやるがな──乗れッ!4人ともだ』
フェルが迫り来る怪獣に背を向け、身を屈める。おろおろしているムコーダをしんがりに、櫂斗達三人がその背中へしがみつく。どうにかムコーダまで乗り込んだ時、フェルは一度だけ振り返った。
『任されてはやる。が、
「え?待って、ベリアルさんが死……」
「行けッ」
『嗚呼』
──……四人を乗せて、フェルは駆けて行った。後に残ったのはベリアルのみ。
いや、怪獣も合わせれば一人と一匹。
「フン。言われなくても、死んでやるつもりなんてねェよ」
だが、望みと現実で叶うかどうかは別だ。
「まだ旅は始まったばっかりだしなァ」
ベリアルはムコーダの旅を見届けていない。
「ったく、怪獣退治なんて何万年もやってねェってのによ」
罰を背負っていた間のブランク。全盛期とは程遠い……プレッシャーがベリアルの両肩に重くのしかかる。似合わぬ軽口もやめる気はなく、咎める隣人も今は誰もいない。
──ギイィィィィィアァァアァァン!!
「オォォォォォォォ゛オ゛ォォ゛ォ゛ッ!!」
かくして二者は相対し、ここに更なる地獄は生まれる。
この地に呼び出されたガタノゾーアは困惑していた。自ら程とは言わずとも、目の前に大きな人影が唐突に現れたからである。
此のガタノゾーアは不完全で未熟であった。到底足りぬ贄を元に、無理やりに呼び寄せられたからである。
抑えきれぬ、堪えきれぬ飢餓感に身を任せ、美味そうな
──腹が、減った。
「ォオ゛ルゥアアアアアッ」
ドガァアンッ!
ベリアルの正拳が硬い甲殻を打つ。とんでもない衝撃が一帯に走るが、ダメージは与えておらずにただガタノゾーアを怒らせる結果となった。
ガタノゾーアはここでやっとベリアルを敵であると見做した。意識を行く先から黒き同胞の臭いを持つ人型に向ける。
──同じ闇の者ではなく、此奴は敵であるのだ。
幾本もの触手を鞭のように唸らせる。大地を荒らし、空気を切り裂く連続攻撃をベリアルはかろうじて避けた。触手が通った後には酷い破壊の痕跡のみが残る。人里であった事実など、もうそこにはない。
「喰らえェエ゛やァァ゛アァ゛アアッ」
──デスシウム光線!
ベリアルの放つ光線は、確かに殻に罅を刻み、ダメージを与えた。だが、それだけだ。ガタノゾーアは止まりはしない。
ガタノゾーアには光の力に対してその力を通じさせない理不尽な特性を持っている。ベリアルはその身を闇に染めた特異なウルトラマンである故に、多少なりともダメージを与えられた。
──ギイィィィィィン!!
お返しだ、とばかりにガタノゾーアは口からミスト状のおどろおどろしい光線を放つ。
ベリアルは曲がりなりにも元・戦闘のプロであった。自らの攻撃が通らないからと動揺することはなく、その拡散する攻撃を避け切ってみせた。
ガタノゾーアが常時身体から放つはシャドウ・ミスト。一帯を、いや世界中を覆い尽くして太陽光を遮断する効力を持つ。更には直接吸い込んだ人間を即死させるほどの毒性がある……フェルに乗せられて運ばれていなければ、そして結界に守られていなければ、下手を打てば人間組の全滅もありえた。
大きく振るわれる鋏の一撃を、ベリアルは己の力を込めた拳で弾く。その身を拘束せんと迫り来る触手達は鋭い爪で引き裂いて躱わす。かろうじて、かろうじてベリアルは
だが、ベリアルは見逃していなかった。先ほど己が叩き壊した甲殻のその中に垣間見えるガタノゾーアの身から、大気を歪ませる程大量の苦悶に泣く人間の魂達を見た。
しかしそれは弱点などではない。寧ろ、このガタノゾーアを呼び寄せた男の言葉──邪神の体内で贄はその肉体と魂を縛られ、永劫に苦しみ続けるという台詞が事実であるとむざむざ見せつけるその光景は、ベリアルに無力感と、ガタノゾーアを殺せばこの人間達を全て殺す事になるという絶望のみを味合わせた。
今尚、ベリアルは腐っても宇宙警備隊の大部分を壊滅させるほどの力を持つ筈だ。対抗できる、その筈だった。
だがどうすればよいというのか。倒せば生贄達もろとも滅び、かと言って放置すればこの星が危うい。肉体を失い、数万年の長きに渡って封印され、弱体化しているベリアルには余りにも荷が重かった。
──ギイィィィィィアァァアァァン!!
……ただの噛み合いだったのかもしれない。が、それは致命的な隙であった。
目の前に迫る巨大な鋏をベリアルは避ける。だが、それと同時に意識と視界をその鋏に奪われていたのだ。
足元を掬う様に這う細い触手がとうとうベリアルの足首を捉えてしまった。
「しまっ」
──キギュゥゥウォォォォン……!!
ズルルルルッ!ドォッスゥン……!
「グハァッ」
ベリアルは足首に絡みついた触手を引っ張られ、受け身も取れずに仰向けに倒れ、背中と頭を強かに大地へ打ちつけた。
その醜態をガタノゾーアは見逃さず、捉えて離さなかった。ベリアルよりも数回り大きいその巨体でベリアルにのしかかる。
おおよそ人の姿ではない異形のガタノゾーアであるが、例えるのであればそれは馬乗りというに相応しい姿勢と拘束である。
両の鋏がベリアルにしかと穂先を向ける。間を置かず放たれたのは先ほど口からも放たれた深い闇色の光線──
ベリアルは半ば生身の肉体を持たない。その殆どを魔力で構成されたベリアルの肉体は、石化光線の直撃を受けてもかろうじて石化による死を免れていた。だが……
(やべェ……意識が……保たねえッ)
その分、その光線はベリアルの意識を、魂を直接打つ。ガリガリと精神を削られるようなその攻撃にベリアルはなす術がない。
「ォォ──ォォオオッ」
負けじと闇の力を込めた今できる渾身の拳を鋏に叩きつける。だがその仰向けという力を込めづらい体勢と、朦朧としかけている意識のせいで鋏を砕くにはいたらない。
だというのにガタノゾーアは何を思ってかペトリファクション・ビームを放つことをやめた。しかし、次の瞬間には固く重たい大鋏の振り下ろしが待っていた。
ドゴォオン!!
一度振り下ろされて、それで終わるわけがない。大鋏が持ち上がったと思ったら、反対側の鋏が叩きつけられる。ベリアルに伝わる衝撃は想像を絶し、背中側の地面は陥没してしまっている。
ドガァアン!!
ゴガァアアンッ!!
「ぁガッ!……グォッ!ゲホッ」
何度も、何度も何度も大地が揺れる。かろうじてガードを構えていたベリアルの腕にももはや力は篭らない。
──カラータイマーが点滅する。
(クソッ……俺が……死ねば……あいつらも……)
『邪神風情が何するものぞ!!我は真なる風の神、ニンリル様の眷属なりッ!!ハァァァァァ──ッ』
「当てる!必ずッ!
「行っけぇぇえっ!
「
『久方振りの全力だッ!存分に喰らえェエェエエッ』
「頑張れ、皆んなぁーーっ」
ベリアルが刻んだ殻の罅に向かって計四つの魔法攻撃がほぼ同時に着弾する。三人の攻撃は未熟だったのかもしれない。だが、フェンリルはこの星の最強の一角なのである。
──ギイィィィィィアァァアァァン……!!
『ぐッ……我の死力、全力を尽くせども……!その程度の
逆だ。全長が約150mの、自らの100倍以上は大きい相手に痛みを味合わせること。これがどれだけの偉業であるか。
……少なくとも、その少ない痛みは幼生ガタノゾーアに、煩わしさという感情を持って隙を産ませた。
「ォオ゛ッルァ゛ァアァアア゛ッ!!」
──ギョォォオオァァァァアァアアンッ?!
仲間が決死で作った隙。ベリアルはガタノゾーアを持ち上げ、馬乗りから脱却せしめてみせた。突き飛ばすように距離を取り、しかしベリアルは苦しげに膝をついた。
「なんで……ッ、戻ってきやがったァ……!ハァッ、逃げろと!……言ったろうがッ……!ガフッ」
『やかましいぞッ!我々が助かる道は、奴の消滅だけだ──つまり、ベリアル!貴様が勝利する他ないッ!!』
「……ッ」
『貴様は彼奴に何故勝てぬ!何故その強大な力を持ってしても届かぬ!答えよベリアル!』
ちらと、顔だけを傾けて地上を見た。全員が必死の形相で、まるで叱責しているような、縋り付いているような焦燥の顔だ。
「今の俺には、肉体が無ェ。……俺をこの世に押し留める器が無えんだ」
『無いとどうなる!』
「相手の攻撃で、ダイレクトに魂が削られる。俺の攻撃にも質量が乗らねェし、物理的なダメージも入れ辛ェ」
『ならば!我らに求める力はなんだ!』
「肉体……。……だが、それァ……」
仮に彼らが己を差し出し、ベリアルが肉体を得た上で死ねば──肉体の持ち主も死ぬ。命の補給はここにはない。一度死ねば蘇らない、それは当たり前のことである。
『くどい!我の肉体でもなんでも差し出してやるわッ!好きに使えばよい!』
「ま、待てよ!フェルは狼だろう?それなら俺の方が人に近い見た目だぞ!」
「ムコーダさん、それなら俺の方が力も魔力も強い!俺の身体を使ってください!」
「そんな、あたし達だって……!」
「使ってください!それで、勝って明日も生きましょうよ!」
──ギイィィィィィン!!
『時間がない。決断せよ』
「……チッ!勝てる保証はねェぞ!覚悟してんだな!?」
「「「はい!」」」
「──任せましたよ、ベリアルさん!」
「ケッ、どいつもこいつも揃ってェ──俺好みの良い根性してやがるぜ!!」
ベリアルは自らの巨体をぐらりと持ち上げて跪く。少々強引に四人と一匹を手の中に掻っ攫い、紫に明滅する己がカラータイマーに……取り込んだ。
「オォ゛ォオォ゛オォオァァア゛ッ!!」
ベリアルは再び立ち上がる。しかしその姿は先ほどとは違っていた。透けるような不安定さはなくなり、身体の輪郭がはっきりと見える。
「ああ……悪くねェ。確かに借りたぜ」
ベリアルが大口を開けて姿勢を低く構える。
「覚悟しろや」
ベリアルはまだ、生贄となった者たちを含めた全員を救うということを──諦めてはいない。
──ギュゥゥゥイィイィィィン!!
ガタノゾーアが咆哮し、大地と大気が震える。無数の触腕が再び一斉に襲いかかるが──しかしベリアルは真正面に迫る触腕を力強く掴み取り、力任せに引き寄せる。続けざまに拳が、蹴りが、爪の斬撃が巨体に刻まれる。
「だが、長くは保たねェ」
反撃に振るわれる触手を払い除け、死角へと回り込んで間髪入れずに攻撃を浴びせる。──対峙する巨獣と巨人の形勢は今ここに逆転した。圧倒的な巨体を持つガタノゾーアは今やベリアルの猛攻に押されているのだから。
しかし、ベリアルの顔に余裕はない。喜びもない。
──攻撃を加える度に、ガタノゾーアの内側から苦悶の気配が滲んで伝わる。それは巨獣自身のものだけではなく……囚われた魂たちの痛みと苦しみだった。
「チィッ……!」
このまま力任せに叩き潰せば、ガタノゾーアを倒すことはできるかもしれない──いや、きっとできるだろう。だが、ガタノゾーアは受けた傷の影響を、内側に閉じ込めた生贄の魂達に押し付けていた。
傷つければ、魂達が先に傷つく。仮に一撃で殺し切ることができたとしても、その時は囚われた魂たちも共に死にゆくことだろう。
ベリアルは知らぬうちに拳を硬く硬く握りしめていた。
だが、ガタノゾーアの外傷は治らない。切れた触手が再生することはなく、叩き割られた甲殻もそのままだ。魂への押し付けにも限度がある。
「叩き割る……!!」
ベリアルは全身の力を一点の為に込める。それは大地を支える足であり捻りを加える腰であり打撃を与える拳へと伝わる。
「ォオ゛ルル゛ゥア゛ッ!!」
鈍い轟音が響き渡る。ひび割れていた外殻が砕け散り、その奥には、ガタノゾーアの内側へと通じる道が顕になっていた。
この好機は逃せない。ベリアルは迷わずにその裂け目へと身を躍らせる。ガタノゾーアが身を捩らせ、絶叫していて、巨体が激しく揺れ、触腕が無秩序に大暴れしていても、それでもベリアルは止まらなかった。
響き渡る魂の悲鳴にも絶叫にも、己の体に襲いかかる傷の痛みにも、構っている余裕など何処にもありはしない。彼が目指すのはガタノゾーアの中心、そして唯一つ。魂たちが封じられている、ガタノゾーアの力の源その一点!
内臓を引きちぎり、肉を掻き分け、溢れ返る血に溺れながら、残酷な音を立ててベリアルは突き進む。
──闇の奥にそれを見つけた。脈打ち、おどろおどろしい光が明滅する巨大な心臓。そこへ幾重にもグロテスクに絡みつく幾万の魂の気配……!
「見つけたぞォ……!!」
心臓を破壊すれば、魂たちまで消えてしまう恐れがある。ならば、破壊するのではなく、取り込むしかない。
魂達と共に、ガタノゾーアの穢れもそこに蓄えられた闇も、全て己が内に受け入れる……
飲み込む。
……危険な賭けだ。成功する保証はどこにも、誰にもありはせず、そして一つ間違えれば自分自身がその闇に呑まれ、身を窶してしまうかもしれない。
それでも他に道はねェ!
「来やがれ──全部、俺が受け入れてやらァ!!」
ベリアルは心臓へと手を伸ばし、そして、躊躇なく喰らい付いた。
「ごプッ゛」
途端に全身を駆け巡る、凄まじい拒絶反応。喉の奥から迫り上がる不快感を押し殺し、ベリアルはそれを飲み込んでいる。細胞の一片一片が口に入れることを拒否するように、口に含む肉が外に出せと暴れているようにえずく。
「ォ゛…ぐェ゛アッ゛」
ガタノゾーアの絶叫が一際大きく響き渡った。巨体が震え、闇が轟々と渦巻く。ガタノゾーアは瀕死である。これは時間との勝負であり、魂達を救えるかが賭かっている。
喰らう。呑み込む。牙を突き立てる。血の涙を流すような思いで、吐き出しそうになるのを必死に堪えながら、心臓の全てをベリアルの腹に嚥下した時──
──オ゛ォォ──……
ガタノゾーアは最期の嘶きを残し、やがてその巨体を形取っていた輪郭が崩れ始める。黒い影が霧のようにほどけ、触腕も空気も、全てが空気に溶けていき、……最後に残ったのは静寂のみ。
ベリアルは膝をつきながらも、どうにか踏みとどまって堪える。
「……ぐッ、えぅ゛……!!」
身体の内側で、膨大な力が暴れ回り荒れ狂っている。ガタノゾーアの持つ闇と穢れの呪われた力と、数え切れない幾多の魂。それらが今、ベリアルの内側に──
ここからが本当の正念場と言っても差し支えはない。魂たちにこびりついた邪神の残滓をベリアル自身の体で濾過し、分離させなければならない。
荒く、そして震える呼吸を繰り返しながら、意識を体内に向ける。
「もう少しだ……もうちッとだけ……耐えやがれ……」
誰に向けた言葉だったのかがベリアル自身にもわからなくなっていた。ただ、ベリアルにまだ倒れるわけにはいかない理由があることは確かだ。
そして──不運ここに極まれりと言うべきか、もしタイミングがあと数時間……いや数分でもずれていれば穏当に、何事もなく事態は収束していたことだろう。
この時、凄まじい勢いで空を切り裂き何者かが飛来する。まさに星の大気圏を貫く光そのもののような者が──……ベリアルから少し離れた場所へと降り立った。
大地が揺れ、土煙が舞い上がる。
ベリアルは咄嗟に伏せ、背けていた顔を上げた。現れた
銀に、赤と青の体色を持っていた。厚く鋭い眼差しで──ベリアルへと、明白な敵意を向けられている。
「
希望などでは、ない。
「とんでもない邪悪な気配を感じてきてみりゃ──ベリアル!まさかお前がここにいるとはな!いったい何を企んでいやがる!」
「!?……誰だ、俺はテメェの顔なんざ、見たことねェぜ……!」
──その正義に寄った言動と、今となっては眩しい光の暖かなオーラ。それに銀や赤や青の体色に加え、乳白色の鉱物状の目……紛れもなく元の自分と同じウルトラマンだ。
そして。破壊された村、荒れ果てた周囲の大地。元凶とも言うべきガタノゾーアは消え去り、そしてベリアルの内に取り込まれた無数の──無垢なる人間の魂。
目の前の状況を理解せざるを得ない。この光景だけを見て、疑念を向けられるのは誰であるかということなど、自明の理。
「へっ、今さらとぼけても無駄だぜ。この場所に残る邪悪な気配……お前の放つ気配と同じだ!それに──」
そしてなぜこの男は自分の名を知っていたのか。それは……自分の犯した罪を、
光の巨人が腕を構える。
「ベリアル!お前の中にいる魂たちを解放しろ!まさか、そいつらを吸収して力を得るつもりか!?──いーぜ、どのみちお前を野放しにするつもりはねぇ!この俺、ウルトラマンダイナがお前の好きにはさせねぇぜ!」
THOOoOoM!!
言い終わるより前に巨人──ウルトラマンダイナが腕を振り抜き、そして放たれた光刃が一直線にベリアルへと迫る。
「待っ──!!」
ベリアルは咄嗟に身を捩らせ、光刃が身体の脇を掠めて背後の大地へと突き刺さる。轟音と共に衝撃と土煙が巻き起こり、ベリアルの身体が更に大きくよろめいた。
「ハッ、ハァッ、……ッ」
今のこの身体は向田やフェル、勇者達……仲間達から借り受けたもの。これ以上不必要に傷つけてしまうわけにはいかない。
ベリアルは反撃しなかった──できなかっただけとも言う。
改めて、お前は正義ではないと!お前は敵であり討伐の対象であると!お前は悪であるのだと!お前の罪は誰も忘れちゃいない!お前は世紀の大悪党だ!
……まざまざと鮮明に叩きつけられたそれは、一体いかほどのショックであるか。
だが、まだ何も終わってはいない。
再び始めさせてやる為に、
ウルトラサインを受け取ってから然程の時間も経ってないからね、誤解されるのも仕方ないね。
主人公はパラレルワールドのベリアルであって、本来のベリアルは極悪人。そっちの世界から来たダイナにとっては、ベリアルはどうしようもない悪人でしかないのです。
あと、戦闘描写のときに文章を詰めてみると何が何だかわからなくなっちゃって(作者の文章読解力の著しい悪化)、行間を意識して開けております。読みづらいと感じられましたら、誠に申し訳ございません。