白銀かぐやはどうにかしたい 〜2周目の恋路〜   作:チャリンコ2025

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───選挙期間2日目

 

 

 

初日は地道に選挙活動をしていた白銀御行は、意を決して四宮かぐやのクラスを訪れたが、入りづらくて入り口でモジモジしてるところを早坂愛に捕まった。

 

 

 

『すまないが、四宮を呼んでくれないか?』

 

『OK! しっのみーやーさーんっ!』

 

 

(早坂という四宮の友達に、四宮を呼んで貰ったのは失敗だった。

しかし、多分、自分だけでは呼び出せなかっただろうけど、なんでクラス中どころか他のクラスの奴らまで廊下に出てきて人垣作ってんだよ!)

 

 

(愛さん、これはやりすぎよ・・・。

皆さん、そんな乗り出す様に聞こうとしなくても・・・。)

 

 

(かぐや様、バッチリ決めてください!

・・・ここまで人が出てくるのは予想外だったけど。)

 

 

生徒会解散から数日、同級生達はロマンスに飢えていた。

従って、猛烈な衆人環視に白銀御行と四宮かぐやは呑まれてしまい、あらぬ事をお互いに口走ってしまう。

見てる者達の雑音も言葉を聞き取りにくくしてしまい、

 

 

 

白銀御行は、

 

『(四宮に応援演説を頼みたいので)話がある。(ここではなんだから)うちの教室で待ってる。』

 

 

 

四宮かぐやは、

 

『・・・(素案を考えてますから)時間をください。』

 

 

 

それだけだが、雑音で聞き取れなかった言葉の部分に周りの勝手な妄想が押し込まれ、

 

 

 

─白銀御行─

『「俺達の関係をハッキリしたいから」話がある。「俺の気持ちへの返事を」うちの教室で待ってる。』

 

 

─四宮かぐや─

『・・・「まだ迷ってるから」時間をください。』

 

 

 

と、周りが勝手に変換・翻訳してしまい、白銀御行と四宮かぐやの交際は秒読みと高等部だけではなく中等部にも駆け巡った。

 

結果、放課後に藤原萌葉が興味本位で噂の出所を消極的な白銀圭と共に訪れ、「白銀達の同級生達(先輩達)」の早とちりと勝手な好意で、特等席(白銀御行の待つ教室の隣の教室)から二人を見守る事となった。

 

各所に分散潜伏した同級生達は、アリの這い出る隙もない様に教室を取り囲み息を潜めて今か今かと待ち構えている。

 

包囲網は完成していた!

 

 

 

『・・・私は逃亡者か何か?』

 

 

向かいの校舎の最上階から早坂愛に渡された双眼鏡で「状況」を確かめた四宮かぐやは長い長いため息を吐いた。

 

行かないという選択肢はない。

白銀御行が囚われの姫の様に自分の教室に居残っているから。

「経験」した応援演説の依頼の時より酷いと感じていた。

 

 

 

『申し訳ありません、かぐや様。

軽率でした。』

 

『誰であっても、これは予想外よ。

さて、ちゃちゃっと行きますか。』

 

 

そう言って双眼鏡を愛に返したかぐやは、下り階段に向かう。しかし、降って校舎を抜け自分達の教室にある校舎に入った辺りから、段々と鼓動の高まりを自覚し始める。

登り階段を一段上がるだけなのに、心臓の鼓動が昂っていく。

 

 

(なぜ!? どうして!?

応援演説の返事に行くだけなのに、なぜこんなに!?)

 

 

なんとか鼓動を許容範囲内に収める様に、

 

しかし、

 

既にノボセた様に顔も身体も真っ赤になりながら、

 

 

 

いよいよ、

 

 

 

 

 

白銀御行の待つ教室のドアを、

 

 

 

 

 

 

 

意を決して開ける四宮かぐや!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────そして!

 

 

 

 

 

 

 

誰も居なかった・・・。

 

 

 

 

 

目が点になり事態が理解できないかぐや。

 

 

 

『あ、あのぅ、四宮さん?』

 

『はぁ、はいっ!?』

 

 

飛び上がりそうなぐらい驚き振り向けば、周りに潜伏していた同級生達が申し訳なさそうに、ある方向を指差す。

 

 

 

─────トイレの方を。

 

 

 

高まりに高まった気持ちは白銀御行の裏切り(生理現象は仕方ない)と、衆人環視で一部始終を同級生達に見られていた恥ずかしさから、急激な感情の反転現状を起こし、

 

 

 

 

結果!

 

絶対零度の氷のかぐや姫に四宮かぐやを変貌させた。

 

間が悪い事に、そこにスッキリした白銀御行がトイレから出てくる。

彼もまた、極度の緊張の中に居た。

そして、安堵の表情から四宮かぐやを視認した事で一気に緊張の表情に変わる。

 

それが、四宮かぐやの癇に障った。

 

一歩づつ、だが徐々に速度を上げ白銀御行に迫っていく四宮かぐや!

 

 

そして、白銀御行に綺麗な回し蹴りを喰らわせた!

 

 

 

『おおぁぁっ!?』

 

 

脇腹を庇いながら悶える白銀御行。

痛みを堪えながら態勢を立て直し、理不尽な暴力に抗議する。

 

 

 

『なんで、蹴るんだ!』

 

『呼び出しておいてトイレに行くって、どういう神経してるですか!?』

 

『仕方無いだろう!

止まらないんだよ、コレばっかりは!!』

 

 

もはや誰にも(当人達にも)止められない口論は続き、本人達が落ち着いた時には、白銀圭と早坂愛以外は居た堪れなくて立ち去った後だった

 

 

 

『お兄、格好悪いよ。

 

かぐやさんも、落ち着いて。

 

二人とも喧嘩する為に会ったんじゃないでしょ。』

 

 

圭自身は兄に日頃は蹴りを入れてるのに、棚に上げて二人に大概な小言を言う。

 

 

 

『でも、今ならギャラリー居ないから、落ち着いて話ができますよ。

お兄、かぐやさん。』

 

 

まさか、自分が兄と彼女の仲裁めいた事をするとは、今日の朝には想像もしなかった白銀圭。

一方、御行やかぐやもまさか圭がいるとは予想できず、モジモジしてる。

二人を尻目に早坂愛と白銀圭はアイコンタクトをして、場を離れる。

 

背中越しに、互いに謝罪が始まり肝心の話に進まずじゃれ合いみたいな会話に発展する。

あれならほっといて大丈夫だろう。

そう思い廊下を曲がると、壁かと見紛う人垣があった。

同級生達は息を潜めて二人を観察していたのだ。

 

 

 

流石、秀知院学園高等部!

 

 

 

進級すべきか不安になりだす白銀圭だった。

 

 

 

結局、途中で感極まったかぐやが泣き出して、謝罪するかぐやと距離を取って監視してる同級生達、蹴られた事で緊張が解けた白銀御行は全部どうでもよくなって、四宮かぐやをお姫様抱っこして逃亡した。

 

 

 

『俺達は見世物じゃねぇーーー!!』

 

 

という、雄叫びを残して。

 

因みに、藤原千花、石上優、伊井野ミコ、大仏こばちもちゃっかり参加して二人を観察してた。

 

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