ギターヒーロー   作:右から左へ

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その後と掲示板回くらい書いとかないと区切りが悪いなぁ、と思ったので一話だけ投下しまふ




後始末

 

 

 ── 騒動の翌日

 

 雄英高校、会議室。

 

「状況の共有をお願い出来るかな……」

 

「昨日、1年A組で林間合宿の買い出しに近隣のショッピングモールに出かけた所、後藤、蛙吹、緑谷の三名がヴィラン連合の死柄木と名乗る男と遭遇。緑谷出久が人質にとられ、後藤ひとり……ギターヒーローに演奏するよう強要。その際に『俺が気に入りそうな曲を弾け。クソみたいな曲なら緑谷出久を殺す』と脅迫されたため、ギターヒーローがゲリラライブを敢行。その演奏を聴いた観客の一部が暴徒化。殴り合いに発展し、一部の生徒が暴動を止めようと個性を使用して鎮圧したとのことです」

 

「死柄木は?」

 

「騒ぎに乗じて逃走したと思われます」

 

 会議室に設置されたプロジェクターには、商用施設の防犯カメラの映像と、ネットに流出していたスマホで撮影したと思われるライブ映像が複数映されている。

 

 緑谷が爆豪に殴りかかったのを皮切りに、熱にうかされたかのように一部の聴衆が殴り合いを始めていた。

 

「うーん、これを見ると緑谷くんから殴りかかってない? しかも人質だったのに……」

 

 プロジェクターには、死柄木に首を握られ人質にとられていた緑谷が、瞬時に脱出したかと思うと、何故か爆豪に殴りかかっている光景が映し出されている。

 

 そして、死柄木がその様子を見てあっけにとられていた。

 

「緑谷の証言では『かっちゃんが個性を使っていたから止めようとした』と言っていますね」

 

「むちゃくちゃだねぇ……」

 

「ギターヒーローの"演奏"の効果かと思われます。事件後に検証しましたが該当の曲を演奏すると、モラルや遵法精神の低下が見られました。現場で殴り合っていた聴衆も『腕が当たってムカついたから殴った』『隣の奴が煩くて曲がよく聞こえなかったから殴った』等と、些細な事から殴り合いに発展していたようです」

 

「うん、ありがとう。じゃあ、とりあえずの議題としてギターヒーロー……後藤くんと、暴動に参加していたA組の子達の処遇だね」

 

 根津が疲れたように椅子に腰掛け、会議室に揃っている教師陣を見渡す。昨日から後始末に追われてろくに寝てないせいもあり、自慢の毛並みはパサついている。

 

「緑谷が人質にとられてたんだろ? なら今回のゲリラライブは仕方ねぇんじゃねえか」

 

「そうですが、せめて選曲は何とかならなかったんでしょうか……メタルですよね、これ」

 

「それはNOだ! メタルも入ってるがロックがベースだし、ポップスもラップも入り乱れている。ミクスチャーロックと言った方がしっくりくるゼ!」

 

「後藤もミクスチャーロックと言っていたな。『ホルモンをメタルと言うと、メタラーにフルボッコにされるんでダメですよ』とも言っていた」

 

「メタル好きはうるせぇからなぁ……まぁ、死柄木がそうリクエストしたんだろ? それにギターヒーローは応えただけだ。少しはっちゃけた曲を弾いただけだし、今回は不問でいいんじゃねえか」

 

「そうだねぇ……本人もこの曲を公衆の面前でライブするのは初めてで、まさか騒動になるとは思ってなかったようだしね」

 

「良い曲なのにネットでも配信してないんだよなぁ、これ。相澤が禁止してたのか?」

 

「未発表の曲まで把握してる訳ないだろう。歌詞が下品すぎて親から禁止されていたそうだ」

 

「下品? これが?」

 

「他の曲がだな。そのイメージに引っ張られて、暴動に結びついたのかもしれないと言っていた。下品な曲が多い、自由奔放でロックなバンドらしいが……その下品な曲を試しに聞いてみたが、それを弾かなかっただけ*1褒めてやりたいくらい、下品だ」

 

「ふーん、試しに聞いてみてえな……まぁ、人命がかかってたんだ。下手に抵抗したり、曲が気に入らなかったら緑谷が死んでいた可能性もあった。不問にするしかないだろ」

 

「そうですね……他の生徒たちも、ギターヒーローの演奏の影響を受けただけなら、同じく不問でよろしいかと。アレは無理ですよ」

 

 期末実技テストを担当していたセメントスが、しみじみと呟く。教師陣で唯一、ギターヒーローのデバフを直に受けているので、その脅威は身に染みていた。当然、その様子は記録に残っているので他の教師陣も把握している。

 

「じゃあ、雄英(うち)としては今回の件はお咎めなし……警察の方も似たような結論になりそうなんだよね」

 

 ヴィラン引き取り係と揶揄されているとはいえ、警察は行政機関だ。警察の判断と雄英との処罰は別になる。

 

「それにしてもよ、公安がギターヒーローの警備にヒーローを派遣してたんじゃないのか? その辺どーなってんのよ?」

 

「今回の人質は緑谷だったからな……一見親しそうに振舞っていたので判断に迷っていたそうだ。叱責するなら危機感の薄い緑谷だ。簡単に懐に入られやがって……」

 

 担任の相澤がそう怒気を露にする。

 

 不審者(死柄木)がひとりに接触していたなら、即座に公安から派遣されたヒーローが動いていた。それ以前にひとり自体に緊急時の護身術を叩き込んでいたので、易々と人質になることは無かっただろう。

 

 触れられる前に腕を決めて制圧、もしくは即離脱するように日々厳しくしごいている。

 

「護衛が様子見をしていたらゲリラライブが始まって、演奏に聞き惚れていたら暴動が始まり、収めようとした所に後ろから何者か*2に殴られて気絶していたようだね」

 

「何だそりゃ、だらしねえな。もっと警備を強化しないと不味いんじゃないのか」

 

「本人がそれを望んでないからねぇ……今回の件で打診してみたけど『面識のない人に四六時中そばに張り付かれるのは耐えられそうにないから、今のままでいいです』と言ってたネ」

 

「人見知りが過ぎるからな、後藤自身を鍛えるしかないだろう。それに、後藤にも反省する点は多い。身体能力の向上や対人訓練を優先していたせいもあり、個性の制御はおざなりになっていた。ライブ前に緊張して対象の制御が出来なくなるのは矯正できたが、感情の制御も課題だな……」

 

「そうだねぇ、それが出来るようになれば、ライブで弾ける曲も増えそうだよね」

 

「同じ轍は踏まないよう、林間合宿で鍛えます」

 

「ライブで演奏するだけなら、イレイザーヘッドがいれば弾き放題だろ」

 

「俺はドライアイなんだ、緊急時以外はお断りだ。それに、本人の個性制御を磨けば済む問題だ。甘やかすつもりはない」

 

「じゃあ、今回の処遇の件は全員お咎めなしでいいね。突発的にヴィランと遭遇したんだ、大した被害もなく済んで良かったよ」

 

 暴動に発展はしていたが幸い軽傷者ばかりで、駆けつけたリカバリーガールの尽力ですぐに全員完治していた。そして施設の損傷も、セメントスの個性で何事もなかったように元通りになっている。

 

「じゃあ、次の議題だね」

 

「林間合宿の変更の件ですか?」

 

「それもあるけど、また問い合わせというか苦情が増えて来ていてね……」

 

「またですか……」

 

「今回の被害者からは……だいたい千通くらいメールがきてるね。まぁ、同じ内容を連投してきてるんだけど……要約すると『お宅の生徒に殴られて気絶していたせいで最後まで曲が聞けなかった。謝罪と賠償の代わりに雄英でライブしろ』という内容だね。何故かゲリラライブや暴動自体の苦情は殆ど無かったよ。後は流出した動画を見た層から、ゲリラライブした曲の配信はいつかという問い合わせが、その10倍以上……電話回線は鳴り止まないから抜いたよ」

 

「最近はUAレディオやってなかったですしね……その反動でしょうか」

 

 期末テスト期間だったためUAレディオを自粛していて、テスト明けに即事件を起こしたのでラジオは継続して自粛中だ。

 

 そしてこのまま夏休みに入るため、一ヶ月以上UAレディオが配信される予定はない。

 

 そのしわ寄せが、苦情や問い合わせでまた雄英の回線のパンクする事態になっていた。

 

「配信は急務だね……悪いけど山田くん、レコーディングと手続きの代理頼むよ」

 

「YEAH! オレも聞きたかったからお安い御用ッスよ!」

 

「相澤くんも立ち会いお願い出来るかな。今回は曲が曲だしね」

 

「仕方ないですね……ドライアイなんですけど」

 

「うん、頼むよ。ライブはどうしようかね……不可抗力とはいえ、雄英(うち)の生徒が迷惑をかけたのは間違いないからね……」

 

「詫びにライブやりゃーいいんじゃないスか。元からライブの要望多かったんでしょ?」

 

「そうだねぇ……そうしようか。夏休み中に出来るように、手配しよう。UA夏フェスかな」

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 ── 数日後、再び雄英会議室

 

「忙しい中、集まってもらって悪いね」

 

「いえ、校長が一番忙しいと思いますが……で、今日はどうかしたんでしょうか?」

 

 数日前に事件の処遇を巡って職員で全体会議を開いたばかりで、校長は未だ後始末に追われていて多忙の身だ。しかし、今回は『相談したいことがあるから、来れる人は来てね』という緩い招集だったが、ほぼ全ての職員が集まっていた。

 

「いやね、山田くんから例の曲のレコーディングが終わって、ついでに他の曲も収録したから配信の許可が欲しいと言われてね……ボクの一存じゃ決められなくて、皆の意見を聞きたいのさ……」

 

「今までそんな事なかったですよね……? 配信くらい自由にすればよろしいと思いますけど」

 

「いや、例の下品なヤツだよ。聞いてたら全部ダメな気もするし、別にこれくらいなら平気かなぁとか悩むんだよね……アナルウィスキーはセーフかなぁ?」

 

「「「「校長!?」」」」

 

「いや、至極真面目な話なんだよ……とりあえず曲を聴いた方が早いよね。山田くん、お願いできるかい」

 

「YEAH! じゃあ『my girl』からいくぜ!」

 

 

 ・

 

 ・

 

 ・

 

 

「良い曲だとは思いますが……さっき『ヴァギナ』って歌ってませんでした?」

 

「歌ってるな。むしろその前に『良い腟惚れ惚れ』とか言ってるぞ」

 

「いや、ダメでしょうこれ。何を考えてこの曲を配信しようとしたの山田??」

 

「理解不能……」

 

 

 ・

 

 ・

 

 

「……ダメチンポ握れかぁ」

 

「……チンポは駄目だな」

 

「……ダメよねぇ」

 

「……曲はもの凄く良いんですけどね」

 

 

 ・

 

 ・

 

 

「恋のスペルマ……精液のことか。ひたすら連呼してる」

 

「それ以外でもほぼ九割下ネタというか、下そのもの過ぎる。アウトだ」

 

「陰部で慰安とか、語呂は良いのよね……」

 

「良い曲過ぎてなんか泣けてきたんですけど……なんで歌詞はこんなに下品なんですか? いや、一周まわって下品だから良いような……」

 

 

 ・

 

 ・

 

 

「チューチュー ラブリー ムニムニ……」

 

「これも普通に歌詞が最低ね」

 

「ポップな曲調とメタル調が入り乱れて好みですけど……」

 

「幼稚園児は駄目だ、アウトだ」

 

「直接的な隠語は少ないが、一番ヤバイだろこれ」

 

 

 ・

 

 ・

 

 

「不勃起日本、ケツ毛に引火、ロッキンポを起たせ……」

 

「下品なワードはそれくらいだし、これはセーフじゃないかしら?」

 

「ロックな感じがしてすごく好みです!」

 

「まぁ、これくらいなら全然アリだな」

 

 

 ・

 

 ・

 

 

「恋のスウィート糞メリケンなぁ……」

 

「恋とかスウィートを付ければキャッチーになると思ってるのかしら?」

 

「下的な下品さは薄いが、アメリカに喧嘩売ってないか、この曲」

 

「アメリカのアーティストが『I love fucking Jap』と歌ってるようなものですかね?」

 

「そう考えるのアリですか? ロックですし」

 

「ロックならいいか……」

 

 

 ・

 

 ・

 

 

「アナル・ウィスキー・ポンセ……」

 

「これも下品なワードはそれくらいだし、セーフかしら……? えっ? あれ?」

 

「先輩、アナルウィスキーって何ですか?」

 

「俺に聞くな」

 

「……お尻にウィスキーの瓶を刺す事じゃないかしら」

 

「何でそんな曲を……」

 

「ギターヒーローは『わかめ酒に対抗したみたいです』とは言ってたぜ!」

 

「対抗するな」

 

「先輩、わかめ酒って何ですか?」

 

「俺に聞くなと言ってるだろう……お前分かって聞いてないか?」

 

「えへへ、いやぁそんな事は……なら、ポンセって何ですか?」

 

「『大洋ホエールズのポンセじゃないと言ってたので、大洋ホエールズのポンセの事らしいです』だとYO!」

 

「「「なんて???」」」

 

「俺に聞くな……俺はもう疲れた……」

 

「まぁ、これはセーフでいいだろう」

 

「HAHAHA! やっぱりアナルウィスキーはセーフだよネ!」

 

 

 ・

 

 ・

 

 ・

 

 ・

 

 ・

 

 

「じゃあ、大体判定は終わったかな。長時間お疲れさま」

 

「二割くらいですかね、ダメだったのは」

 

「そんなもんだネ。いやぁ、ボクだけじゃもう判断つかなくなってさ、助かったよ!」

 

 数時間に渡り、収録した曲を流しては配信できるか話し合い、会議を終えた。

 

 当初は一人で聞いていて、良いのか悪いのか、だんだんと感覚が麻痺して正常なジャッジが出来なくなっていた根津だったが、すっかり肩の荷がおりた気分で会議を終えていた。

 

「いえ、歌詞は下品でしたが良い曲ばかりでしたので、我々も楽しめましたよ」

 

「歌詞だけ直して配信とか出来ないんですか? せっかく良い曲なのにもったいないですよ、これ」

 

「13号……それはロックへの、魂の冒涜だ。ダメならそれまで。歌詞を変えるのはナシだ」

 

「ひぇ……山田先輩、分かりましたから怒らないで下さいよぉ……」

 

 

「そういえば、オールマイトはずっと黙っていたけど、何か意見は無いのかい?」

 

 会議中、特に意見を述べずに黙って聞きに徹していたオールマイトに、根津が水を向けた。

 

「いえ……我々に、彼女の配信を止める権利があるのか迷っていまして……音楽配信では個性の悪影響は無いんですよね?」

 

「録音されたデータならかなり薄まるね。それに今回は相澤くんにレコーディングに立ち会ってもらって、"抹消"で個性の影響はキレイに除去済みのはずだよ。現に聴いていても精神に異常は無かっただろう?」

 

「なら、我々には配信を止める権利は無いんじゃないかと思いまして……ただ下品だから配信を止めろというのは、横暴ではないですか?」

 

「うーん、君の言うことも分かるけど、今は雄英の生徒で看板を背負ってるようなものだからね……卒業後なら自己責任で好きにやって貰って構わないんだけど、在籍中はそうもいかないのさ」

 

「特に他者に迷惑をかけないなら、表現の自由、創作の自由は守られるべきです。ただ下品なだけで配信を止めさせるのは、私は反対です」

 

「えぇ……いや、でもこんな下品な歌詞の曲を配信させる訳にはいかないだろう? 絶対に大炎上するよ?」

 

「そうなったら私が彼女を守ります。Plus Ultra! 雄英の校訓じゃないですか……行きましょう、さらに向こう側へ」

 

「えぇ……」

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 side ひとり

 

 ── 配信会議終了後

 

 特別放送室。

 

「と言う訳で、殆どの曲が配信できるようになっちまったが、どうするよ……?」

 

「へっ? ま、マジですか?」

 

「マジマジ、大マジ」

 

 プレゼント・マイク先生から話があると、私の特別放送室(プライベートルーム)に呼び出されると、先日レコーディングしたホルモンの曲が、殆ど音楽配信されると聞いて私は仰天していた。

 

「ほへー……だ、大丈夫なんですかね?」

 

「ダメだと思うぞ。炎上する覚悟はしとけ」

 

「で、ですよねー」

 

 私だってバカじゃない。

 

 下品な曲は軒並み却下されるだろうと思っていた。

 

 だけど、最初に下品すぎる曲を聞かせれば、それほど下品じゃない曲が通りやすくなるだろうと、プレマイ先生と共謀して最初に一番下品だと思う「my girl」から聴かせるようお願いしていた。

 

 ドア・イン・ザ・フェイスの手法だね。

 

 本命は「ロッキンポ殺し」辺りが通ればいいなと思っていた。

 

 ロッキンポでもいきなり聞かせたら「下品だ!」と言われかねない曲だけど、「my girl」の後なら「それほど下品じゃないかも?」と思わせられると踏んでたんだけど……まさか殆どOKになるとは予想外すぎる。

 

 

「で、でも、大丈夫ですよ。全部すごく良い曲ですので! 結果オーライです!」

 

「そうだな!」

 

 イエーイと喜びながらプレマイ先生とハイタッチする。

 

 夏休みになって授業は無くなったので、ここ数日は集中してレコーディングしていた。付き合ってくれたプレマイ先生(と相澤先生)には頭が上がらない。

 

「話はそんだけだ、休み中に呼び出して悪かったな」

 

「い、いえ……夏休みでも補習はやるので」

 

 話が終わるとプレマイ先生は颯爽と出ていった。

 

 私やヒーロー科の生徒たちは、夏休みでも学校に通って自主練をする予定だ。公共の場で個性の無断使用は出来ないから、訓練するなら必然的に学校に来るしかないからだ。それに設備も国内トップクラスに良い。

 

 そして自主練以外でも、私は相澤先生にお願いして補習をやってもらう予定だし、バンド練習やライブもある。

 

 プロヒーローを目指すなら、のんびりと夏休みを満喫している暇なんて無い。

 

 補習のためにジャージに着替えようと服を脱いでいたら、ガチャリとプライベートルームの扉が開いた。

 

「言い忘れたが、UA夏フェス……うぉ!? 着替え中だったか、すまん!」

 

「あ、すみません、鍵をかけ忘れてました……」

 

 慌てて出ていくプレマイ先生に謝っておく。わざわざ更衣室に行くのが面倒な場合は、よくココで着替えているけど、いつもはちゃんと内鍵をしている。

 

 油断して鍵をかけ忘れていた私が悪い。

 

 パパっと着替えてプレマイ先生をまた中に入れる。

 

「あ、着替え終わりました……」

 

「いや、悪かったな。覗くつもりは無かったんだが」

 

「いえいえ、か、鍵をかけ忘れていた私が悪いので……」

 

「UA夏フェスの件だが、林間合宿の後に開催することになった。ステージはギターヒーローのソロライブがメインだが、それ以外に結束バンドで演ってもいいし、他に呼びたいバンドがいるなら呼んでもいいとよ」

 

「え、いいんですか?」

 

「今回は詫びライブでチケット代は発生しないから、好きにやってくれて構わないとさ。だから、お前のギターヒーローのギャラはロハだ。呼ぶなら他のメンツには多少ギャラを出せるが、雄英からの持ち出しになるから、そんなに払えないとだけ認識しておいてくれ」

 

「わ、分かりました」

 

「そんだけだ、また詳細が決まったら通達する。林間合宿の前までには、どうするか決めておいてくれよ、じゃあな!」

 

 そうプレマイ先生が言うと、また慌ただしく出ていった。私も補習のためにプライベートルームを出て、鍵をかけて実習施設に向かう。

 

 とりあえず、結束バンドのみんなには話をしてみるとして……きくり姐さんに対バンするか聞いてみようかな。しょっちゅう対バン誘われてるから、いい機会だし。

 

 後は、SIDEROS(シデロス)とかワンチャンないかな。

 

 忙しすぎてあれから会ってないけど、SIDEROSのライブも観てみたかったし、きくり姐さんから話を通して貰えれば釣れるかもしれない。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

【戦わない】ギターヒーローを語るスレ Partxxx【ヒーロー】

 

 

256:名無しの音楽ファン

【悲報】ギターヒーローさん、またやらかしてしまう

※ゲリラライブしている動画のurl

 

257:名無しの音楽ファン

ギターヒーロー、定期的にやらかしてないか

 

258:名無しの音楽ファン

いうてまだゲリラライブ2回目じゃない?

そんなやらかしてる?

 

259:名無しの音楽ファン

4月にゲリラライブ

今まで全く露出がなかったギターヒーローさん初出

無許可ライブだったためヒーローに連行される姿が全国ニュースに

 ↓

雄英体育祭で入学していたのが発覚

体育祭をライブ会場にして殆どの生徒を走らせずに予選敗退させてしまう

 ↓

体育祭の余興で何故か罰ライブ

初のリアルタイム配信で未発表のヒーローの曲を弾いて、全国の視聴者の脳をこんがり焼いてしまう

 ↓

ギターヒーローが拠点にしていたライブハウスがヴィランに襲撃される

巨大な黄熊のヴィランが脳無と呼ばれるヴィランを惨殺している姿が全国ニュースに

 ↓

ゲリラライブ2回目、何故か暴動に発展 ←new

 

260:名無しの音楽ファン

今んとこ月イチのペースでやらかしてる?

まぁ、ヴィラン襲撃は被害者だけど

 

261:名無しの音楽ファン

下北沢のベヒモスという

脳無よりヤバいヴィラン

 

262:名無しの音楽ファン

あんだけヤバいヴィランが現れたのに

以降全く話を聞かないな

 

263:名無しの音楽ファン

脳無と一緒にタルタロスに収監されたと聞いた

 

264:名無しの音楽ファン

ホントぉ?

 

265:名無しの音楽ファン

ゲリラライブ、何で観客が殴り合いしてんの?

 

266:名無しの音楽ファン

ニュースで自称専門家がギターヒーローの個性のせいじゃないかと言ってたが

 

267:名無しの音楽ファン

それが本当ならヤバいでしょ

 

268:名無しの音楽ファン

オレ現場にいたけど特に変わった感じはしなかったけどな

しかし他の連中は腕が当たったとかで何故か喧嘩始めてた

 

269:名無しの音楽ファン

オレも現場にいた

盛り上がってたらいきなりもじゃもじゃ頭にぶん殴られて気絶したわ

せっかくギターヒーローの生ライブに遭遇できたと思ってたのに

あのもじゃもじゃ頭は絶対に許さない、絶対にだ

 

270:名無しの音楽ファン

もじゃもじゃ頭と爆発の個性のヤツが派手にやり合ってたな

すげー迷惑だった

 

271:名無しの音楽ファン

アイツら雄英一年じゃないのか

体育祭で優勝した爆豪と、予選で派手に暴れてた緑谷だろ

 

272:名無しの音楽ファン

あぁ、見覚えあると思ってたらアイツらか

 

273:名無しの音楽ファン

何で雄英生が暴れてるんすかね……事案だろこれ

苦情メール100通くらい送っとこ

 

274:名無しの音楽ファン

俺は1000通送った

 

275:名無しの音楽ファン

雄英のHPに事件の声明でたぞ

ヴィランが人質を取ってギターヒーローに演奏を強要したとのこと

その際に個性が暴走したと書いてある

 

276:名無しの音楽ファン

暴走……メタル弾くと個性が暴走するんか?

 

277:名無しの音楽ファン

あれメタルなのか?

曲調がコロコロ変わってたからイマイチ分からんかったけど

 

278:名無しの音楽ファン

メタルだろ、多分

 

279:名無しの音楽ファン

メタルじゃねーよ

 

280:名無しの音楽ファン

はあ? メタルじゃないなら何なんだよ

 

281:名無しの音楽ファン

分類するならミクスチャーロックだな

 

282:名無しの音楽ファン

ジャンルなんてどうでもいい

良い曲過ぎたからまた聞きてえんだよ……

 

283:名無しの音楽ファン

今までに無かった方向性の曲ですげー良かった

ワンチャン音楽配信してくれかなぁ……

 

284:名無しの音楽ファン

あんな騒ぎになったら無理じゃないのか

 

285:名無しの音楽ファン

音楽配信しないのか問い合わせメールも100通くらい送ったろ

 

286:名無しの音楽ファン

オレも

 

287:名無しの音楽ファン

期末テストから流れるように事件になってUAレディオも停止中だしなぁ

 

288:名無しの音楽ファン

何時になったら再開するんです?

 

289:名無しの音楽ファン

このまま夏休み入ったら再開は9月じゃねーのか

学校の昼休みにラジオしてただけだしな

 

290:名無しの音楽ファン

そんなぁ!? 希望は無いんですかッ!!

 

291:名無しの音楽ファン

そこになければ無いですね

 

292:名無しの音楽ファン

(´・ω・`)そんなー

 

293:名無しの音楽ファン

再開するまで問い合わせメール送り続けよ

 

294:名無しの音楽ファン

なんかまた雄英が声明出したぞ

今回の事件の詫びにギターヒーローがライブするとさ

詳細は引き続き告知するから、問い合わせは控えてくれと書いてある

 

295:名無しの音楽ファン

は? ゲリラライブの詫びにライブするの?

 

296:名無しの音楽ファン

 

297:名無しの音楽ファン

いや、嬉しいけど草

 

298:名無しの音楽ファン

声明が本当ならギターヒーローも被害者側だと思うが

まぁ、ライブしてくれるなら何でもいいや

 

299:名無しの音楽ファン

今回の被害者優先で残りは抽選……戦争か?

 

300:名無しの音楽ファン

えっ、現場にいたけど特に被害受けなかったワイは対象外?

ライブにいけないの?

 

301:名無しの音楽ファン

うひょー! 殴られて良かったああぁぁぁぁ!

緑谷きゅんありがとう!!!

>>300 抽選がんばれwwwwwww

 

302:名無しの音楽ファン

>>300

ゲリラライブ観れただけ良かったじゃねえか

俺なんて一度もライブ見たことねぇわ

 

303:名無しの音楽ファン

雄英体育祭を除けばゲリラライブ2回しかやってないから

殆どのヤツがライブ観た事ないんだよなぁ

 

304:名無しの音楽ファン

いや、頻繁にライブやってるんだろ

何故かクソ狭い小さな箱だけど

 

305:名無しの音楽ファン

アレは固定客しか入れない仕様ぽいから無いも同然

もっとデカイ箱でやれよなぁ……

 

306:名無しの音楽ファン

いや、次がそれだろ

雄英なんだから数万人規模になると思うぞ

体育祭でも万単位なんだし

 

307:名無しの音楽ファン

お、また雄英のHP更新された

UA夏フェスだとよ

 

 

 

 

 

*1
初手で弾こうとしてた

*2
デク






反応が良いと執筆が捗りますね
いつも感想、評価、誤字報告ありがとうございます

「対バンしよー」ときくり姐さんから雑に呼び出されて、いつものライブかなと行ってみたら数万人規模(アリーナクラス)のライブ会場で顔面ブルーレイになる大槻ちゃんを見てみたい

「姐さんッ! こんな所でやるなんて聞いてないですよ!」
「いや、私も聞いてない……てっきりSTARRYで演ると思ってたんだけど……」

 ◇

ちなみに「チューチューラブリー(ry」は配信NGだった模様

「幼稚園児はダメだろ」

 ◇

区切りが良いので、ここまで

また書き溜めします


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わたしの物語は始まる前に終わっていました。▼これは、その後のわたしたちの物語です。▼(副題:ガールズバンドクライside B)▼※▼後藤ひとりに転生した一般人(22歳)がトゲナシトゲアリに加入します。▼流れは原作準拠ですが、描写は端折ったり違う場面を入れる予定です。▼どちらかの原作を知っていれば読めるように書いているつもりです。▼それぞれのキャラの活躍の幅が…


総合評価:6780/評価:8.91/連載:9話/更新日時:2026年01月26日(月) 21:01 小説情報

主人公の個性奪っちゃったみたいだから返すね(作者:しおんの書棚)(原作:僕のヒーローアカデミア)

原作のあらすじすら怪しいような転生オリ主の勘違いから始まる、僕と私のヒーローアカデミア。


総合評価:7153/評価:7.94/連載:16話/更新日時:2026年02月04日(水) 06:00 小説情報


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