名探偵津田 冬の杯と暗殺者の影編 作:邪竜神デスドラグーン
原作:Fate/
タグ:ボーイズラブ 転生 クロスオーバー 台本形式 台本形式 打ち切りエンド 原作改変 独自設定 Fate/Grand Order
マリスビリー「あの名探偵の津田さんを召喚できるなんて、光栄だよ」
名探偵津田「また始まってもうた……もう嫌やこれ」
マリスビリー「申し訳ない。どうか私のために、アニムスフィアのためにお力を貸していただきたい。私は津田さんの弟子に連なる魔術師の血筋で、グランドオーダーのために研鑽を積み重ねて来た。この聖杯戦争を通して――」
名探偵津田「あーもうっいい! そこはいい! 面倒くさそうだからいいよ! やりゃいんだろ! やれば!」
マリスビリー(津田さんはやっぱり、事件を解決することにだけ集中してる人なんだ……好き……)
◆
名探偵津田「で、何させられるの俺」
スタジオ「津田が召喚されてしまったのは冬木の聖杯戦争。7騎のサーヴァントが戦い、最後の陣営だけが願いを叶えられる」
スタジオ「では、ここで聖杯戦争についておさらいしておこう。聖杯戦争とは――」
マリスビリー(出た、津田さんの宝具『第二の世界来たれり』だ)
マリスビリー(こことは異なる位相を展開し、異次元の使い魔を使役する。その力はソロモン王の神殿と72の魔神に匹敵すると言われている……!)
名探偵津田「うわ……設定多いな今回……」
名探偵津田「っていうか6人も倒すのは話が長すぎない? おれちょっと休んでるから、敵同士で勝手に戦ってくれねぇかな」
マリスビリー「自らは動かず状況を見極める、か。理性的な選択だと思う。さすが津田さんだ」
名探偵津田「あっ、休んでいいんだ。マジか、きみ話が分かるね。名前なんだっけ、えっと、マリちゃん」
マリスビリー「しかし静観とは、見るべきものを見極めてこそ可能になる行動と言える」
名探偵津田「話が分からないやつになってきたな」
マリスビリー「まずは各陣営の脅威度を確認する、という理解で構わないだろうか?」
名探偵津田「勝手にしてくれ」
マリスビリー「はい、及ばずながら津田さんの推理をお手伝いさせていただきましょう」
マリスビリー「では、まず最も警戒すべきは――ぐわぁっ! うっ……」
名探偵津田「えっ」
マリスビリー「申し訳ない。今の一瞬で心臓を破壊されてしまった。私は死ぬ」
名探偵津田「おまえ被害者なの!? えっ、珍しいな。マリちゃんが死ぬ話なん!?」
マリスビリー「襲われた瞬間はおろか、今でさえ敵が見えなかった。相当高位の気配遮断のようだ」
マリスビリー「おそらくアサシンの仕事、今から私がどれほどあがいたところで絶命は免れない……」
名探偵津田「あっ、じゃあ帰っていい!?」
マリスビリー「だが津田さんは、まだここから状況を変えられる。津田さんの第二宝具なら……」
名探偵津田「心臓壊れてる設定なのに、お前いっぱい話すなぁ」
マリスビリー「津田さんの足を引っ張るわけにはいかないよ。死の際だろうと微力を尽くすとも」
マリスビリー「さあ津田さん。第一宝具にはあの力が含まれるはずだ。次元の違いを利用した定点観測と霊子変換、レイシフトの力なら!」
名探偵津田「1の世界のタイムマシンかー……あれ関わるとややこしいんだよな……」
マリスビリー「行ってくれ、津田さん! 私のことは気にせず、過去へ!」
名探偵津田「気にせず帰っていい?」
マリスビリー「ああ、帰るんだ! 私のことは気にせず、過去へ!」
◆
マリスビリー「霊子的情報量の変動を観測した。レイシフトか……」
マリスビリー「だが津田さんが他の英霊に遅れを取るとは考えづらい。つまり、私が津田さんに迷惑をかけてしまったのかな」
名探偵津田「お前5分後に死ぬぞ」
名探偵津田「いや、ほんとは5分後に死んでから長生きしてめっちゃ喋るんだけどさぁ」
マリスビリー「それは……良いことだ。死後に残る功績、永遠の言葉を宙に刻む。その域に達したくて私は」
名探偵津田「うるさいわ!」
名探偵津田「5分後に死ぬ言うてるやん! その話あと! あとで! いや、あとになっても聞かんわ!」
マリスビリー「すまない。謝罪が先か。未来の私がよほど迷惑をかけたと見える」
名探偵津田「はーっ……。ほんま……。いや、怒ってる暇無いからね?」
マリスビリー(さすが、津田さんは怒りの感情で真実を見失ったりしない……好き……)
名探偵津田「とにかく、ここ離れよう」
マリスビリー「私の生死を気遣ってくれているのだろうか? だがその配慮は不要だよ」
名探偵津田「いや、お前死ぬんだって。離れよう」
マリスビリー「サーヴァントの機動力に対して、数分程度の移動など無意味だ。この工房より安全な場所など無いし、あったとしても移動する時間がない。津田さんも分かっているはずだ」
名探偵津田「逃げる以外わかんないよ!? おれ、できないって!」
マリスビリー「できるさ。津田さんは、私が死ぬところを何度でも観察し、敵の正体を突き止めることができる」
マリスビリー(津田さんは、私の憧れの大英雄なのだから……)
◆
マリスビリー「というわけでこれが私の作った極秘資料、『ハサン診断ガイド』だ」
名探偵津田「こういうのなんて言うんだっけ。薄い本なんだけど薄い本じゃなくて……小冊子?」
マリスビリー「ユネスコの定義では、小冊子とは48ページ程度の冊子を言う。これはギリギリで冊子だ。津田さん」
名探偵津田「はい」
マリスビリー「というわけでこれが私の作った極秘資料『ハサン診断ガイド』だ」
マリスビリー「第一回の聖杯戦争では、アサシンは歴代のハサンしか召喚されない」
マリスビリー「よって私は事前に全てのハサンを調査し、その能力をまとめている」
名探偵津田「マリちゃん、あと一分でその話終わる?」
マリスビリー「私が用意したアニムス秘密調査グッズで殺人現場を調べ、その性質を明らかにしていけば」
マリスビリー「必ずどのハサンか突き止められるようになっている」
名探偵津田「お前がやれば?」
マリスビリー「私としても津田さんの手を煩わせたくはなかったが――ぐわぁっ! うっ……」
名探偵津田「でもお前、このあと結構生きてるんだよな」
マリスビリー「こう見ても津田さんの時代から続く魔術刻印だからね。多少の悪あがきはできるようだ」
名探偵津田「じゃ調査はお前がやれよぉ。48ページ読みたくねえよぉ」
マリスビリー「申し訳ない。今の一瞬で心臓を破壊されてしまった。私は死ぬ」
名探偵津田「知っとるわ。おい、血糊垂れそうだぞ」
マリスビリー「だが私が用意したアニムス秘密調査グッズで殺人現場を調べ、その性質を明らかにしていけば」
名探偵津田「あぁ~! この世界嫌い!嫌い! 設定がめんどくさい!」
マリスビリー(やっぱり津田さんも、今の世界は間違ってると思ってるんだ……)
◆
名探偵津田「あの、これ全部読まないとダメ? 48ページ……いや56ページか」
マリスビリー「ああ、そういえば、このページ数は多いかと思って」
名探偵津田「多いよ」
マリスビリー「1ページにまとめたレジュメもこちらに。要りますか?」
名探偵津田「それだけでええやん」
マリスビリー「これだけでよかったか」
マリスビリー(津田さん……! 私のことを信用して、推理工程を省略してくれるのか……!)
名探偵津田「じゃリスト上からやってくぞ。まずこの、えーと……的……痕……」
マリスビリー「咒詛的蝕痕・逆率解剖キット、と読むんだ。津田さん」
名探偵津田「解剖キットな」
マリスビリー「端的な要約だね」
名探偵津田「で、お前に向けて1番のスイッチ押せばいいのな。順番に1番2番3番ってボタン押してけばいいわけ?」
名探偵津田「やるから、もうめんどくさいけどやるから。解剖キット出して」
マリスビリー「待つんだ」
マリスビリー「最小の調査回数で答えを出す方法を考えないか?」
名探偵津田「なになに!?」
名探偵津田「なんか忘れてそうだから言っとくけど、おまえ死にかけって設定だからさぁ。急いだほうが」
マリスビリー「私の命など安いものだ。津田さんの時間に比べればね」
名探偵津田「おれの時間のためにも早く済ませたいの」
マリスビリー「同意する。最小の調査回数で答えを出す方法を考えよう」
マリスビリー「歴代19人のハサンに対して969種類のアニムス秘密調査法」
マリスビリー「だがその全てを使わなくても、ハサンを特定できそうだ。この論理パズルはより少ない手順で解けると思うんだ」
名探偵津田「お前が考えてくれ~! それは事前になんとかなるやつやん」
マリスビリー「このレジュメは状況に合わせて内容が変化する魔術で出来ている。私はすでに考えているということなんだ」
名探偵津田「???」
マリスビリー「死にかけの私に考えられるのはここが限界……だが津田さんならその先を推理できるだろう?」
名探偵津田「???」
名探偵津田「えっと、ごめん、なに?」
マリスビリー「つまり本来はより複雑な手順があるのだが、私の判断でもろもろ要約したのがそのレジュメなんだ」
名探偵津田「せやな。48ページの冊子が1ページにな」
マリスビリー「56ページだよ、津田さん」
名探偵津田「はい」
マリスビリー「うん」
名探偵津田「はい」
マリスビリー「」
名探偵津田「死んじゃった……」
◆
スタジオ「状況に納得して論理パズルに取り組むまでにマリちゃんを2回殺してしまう津田」
スタジオ「パズルをやる気になっても、問題の意味が分からずマリちゃんを困らせてしまう」
「いや、これ結構難しいよ」「俺分かんねえわ」「ガチの論理パズルですね」
「津田はつまずいてるとこがまずおかしいから。パズル考えてないんだよ」
◆
マリスビリー「969というのはつまり19C3の値に等しい」
マリスビリー「19人のハサンの中から3人選んで、その中で誰が一番『今回の犯人である確率が高いか』を限定観測・演算しているというわけだ」
名探偵津田「わかんないわかんないわかんないわかんない」
マリスビリー「より簡単に説明すれば以下のようになる」
19頭の馬がいる。この馬にレースをさせて早さのトップ3を決めたい。
ただし1度のレースで走れるのは同時に3頭までとする。
何回レースをさせれば1位が確定するだろうか?
名探偵津田「最初からそう言え~?」
マリスビリー(まったくその通りだ……。私も効率化が足りていない。津田さんはそれを教えるために……!)
名探偵津田「で、ここまですっきりしたら、もうマリちゃんが答え出せんのやない?」
マリスビリー「私は心臓を破壊されている。だから魔術回路を演算に使う余裕がもう残っていないんだ」
名探偵津田「まじゅ……そういうのじゃなくて、あー!」
マリスビリー「細かな状況設定を過去の私に伝えるのは困難だ。情報量が多すぎる。答えは津田さんが見つけるしか」
名探偵津田「だから簡単にしてもらったのがここまでの流れ、でしょ?」
名探偵津田「今から過去に戻って、元気なころのマリちゃんにレースのやつ伝えたら解決じゃない?」
マリスビリー「え」
名探偵津田「お前はここで死ぬけど、俺には関係ないし」
マリスビリー「その通りだ。さすが無駄のない知性だよ、津田さん。この程度の問題、自分で考える価値もないと」
名探偵津田「じゃあおれはタイムマシンするんで、この世界のマリちゃんはそろそろ死んでもろて」
マリスビリー「」
◆
マリスビリー「というわけで存在濃度順位は1妄想心音2異想追憶3無想駆体ということがわかった」
名探偵津田「なんで第三位まではっきりさせないといけなかったん? 1位だけでえあろ」
マリスビリー「プリズマイリヤのワカメハサンは、複数のハサンの要素が混ざり合った存在しない仮想英霊だった」
マリスビリー「Strangefakeの偽アサシンは、過去のハサンの技術をアレンジして再現する技の使い手だった」
マリスビリー「そもそもハサンという英霊は、19人全員で1つの存在を共有している特殊な英霊だという設定がサイマテで語られていて」
名探偵津田「あー!あー! 理解したくない。その設定たぶんアサシン解決したら要らなくなるよね?」
マリスビリー「! 確かにこれは必要ない。中身が混ざるなんて気味の悪い話だしね」
名探偵津田「はやく終わらせて帰りたい」
マリスビリー「きっとすぐさ。アサシンの暗殺さえ回避してしまえば、津田さんを倒せる敵なんていないだろう」
マリスビリー「津田さんの脅威はアサシンだけ。マスターである私の暗殺だけが津田さんの弱点だったんだ。ほんとうにすまない」
名探偵津田「この話、ほんと設定多い」
◆
なんらかのハサン「うわーっ! ぎゃー! やーらーれーたー!」
マリスビリー「これが津田さんの力だ! お前がやってくることは完璧に推理済みだったのだよ」
名探偵津田「なんもしてへんけどな、おれ」
マリスビリー「津田さんが貸すのは知恵のみ。つまらない作業は従者の仕事。心得ているとも」
マリスビリー「この調子でいこう。次は……」
名探偵津田「やだ! つかれたもう。今日はもう寝かせて」
マリスビリー「サーヴァントに睡眠は必要ないはずでは?」
名探偵津田「もう考えたくない。マリちゃんといると疲れる」
マリスビリー「思考リソースの節約のために休眠状態になりたいということか。津田さんらしい合理性だ」
マリスビリー「しかし弱ったな。サーヴァントの寝所は用意がない」
マリスビリー「私のベッドで構わないだろうか?」
名探偵津田「おう。お前は床で寝てろ」
マリスビリー「しかし私はあまり身体が強くない」
マリスビリー「添い寝させてもらえないか?」
名探偵津田「嫌です」
◆
名探偵津田「あんな。部屋で一人になってる時間が! どれだけ! 大切か!」
名探偵津田「これ始まるたびに頭の中ぐちゃぐちゃにされて、まわりに人いるとどっちの世界にいるべきか勝手に決まるわけで」
名探偵津田「頼むから一人にしてください」
マリスビリー「分かった……配慮に欠ける要求だった。浅ましい私を許してほしい」
名探偵津田「じゃあおれ寝るから」
名探偵津田「おまえ横来るなら、おれが完全に寝たあとで、静かに、な。もし起こされたらマジでキレるよ」
マリスビリー(津田さん……! 好きだ……!)
◆
マリスビリー「こうして生まれたのが君というわけなんだ」
マリスカルデアス「そっかー」
【HAPPY START】 続きはFate/Grand Orderアプリで確認しよう
みんなマリスビリーがカスすぎるとかマリスカルデアスが格低すぎるとか言ってるけど
私は「これ私のことかも……」って思ってしまって怖い。