fate/grand order 神域立証遊戯トータス   作:KAZ1421

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続きです。 

今回もオリジナル設定を書きました。

ご理解の程よろしくお願いします。


残念ウサギと戦況。

 

 

 オルクス大迷宮の最下層にあった解放者オスカーの部屋。 その部屋にあった魔法陣で転移したハジメ、ユエ、藤丸、マシュの4人。

 

転移した先には地上───ではなく、

 

 

「……洞窟?」

 

 

周りが岩だらけの場所に転移したのだ。

 

 

「すぐに地上かと思ったけど、良く考えれば当然か。」

 

 

 解放者達はエヒトの策略で世界を滅ぼそうとした大罪人達となっている。 そんな彼等の隠れ家とも言える迷宮へ続く場所だ。 当然隠されている。

 

 

「なんか、紋様の様なものがある。」

 

「……此処でアーチャーの手紙にあった指輪を使うのかな? ハジメ。」

 

「ああ。」

 

 

 藤丸の言葉通り、ハジメはアーチャーからの手紙にあった指輪を紋様に近付ける。 すると紋様がピカっと光り、すぐに目の前の岩の壁がまるで自動ドアのように“ゴゴゴゴゴ”と音を立てながら開く。

 

 そして開いた場所から光が入ってくる。 それはこの先が地上に繋がっている事を示していた。 4人は道なりに進むと絶壁の壁が見える。 現在4人がいる場所は渓谷の底と言って良いだろう。 

 

だが、その上空には青い空、白い雲。 そして数羽の鳥が空を飛んでいた。

 

これが示すのは自分達がオルクス大迷宮から地上に戻ってきたという事実だ。

 

 

「……戻って……来たんだな…」

 

「ああ。 あの日から2ヶ月ぐらい? ようやく地上に戻って来たんだ。」

 

 

 ハジメと藤丸は自分達が生きてオルクス大迷宮から地上に戻って来た事実を噛み締める。

 

あの日、檜山から意図的に狙われ、2人が奈落に落ちた時から苦労の連続だった。

 

今まで出会って来た魔物とは一線を画す実力がある多くの強力な魔物達。 更に地球でも英雄と呼ばれる人物達との命懸けの戦い。 全てが綱渡りの連続だった。

 

 

だが、マシュとの出会いから始まり、クー・フーリン、そしてユエと頼りになる人達の協力もあり、生きて地上に戻って来たのだ。

 

 

「ユエはどう? 久しぶりの地上は。」

 

「……うん。 嬉しい。 これもハジメ達のおかげ。」

 

 

300年以上オルクス大迷宮で封印されていたユエも久しぶりの地上という事で喜びを噛み締めていた。 そしてそんな自分を救ってくれたハジメ達に改めて感謝を伝える。

 

 

「! 皆さん、喜んでいる中すみません。敵です!!」

 

「「「!!」」」

 

 

喜んでいると突然マシュがそう叫ぶ。 その言葉の通りにゾロゾロと魔物が集まってくる。

 

 

「せっかく外に出たことを実感してたのに。」

 

「もうちょっと余韻に浸らせてよ。」

 

 

藤丸とハジメは集まってくる魔物達に文句を言いつつ、戦闘の構えをする。

 

 

「とりあえず、目の前の敵を倒してからだ!」

 

「ああ。」

 

 

 その言葉と共に藤丸が右手を構えると、目の前に3(・)つ(・)の(・)人(・)影(・)が(・)召(・)喚(・)さ(・)れ(・)る(・)。 1人は巨体で剣と兜を着た人物、もう1人は鎧を着て、剣を携えた人物。 そして最後は赤いマントを羽織り、日本刀を持った人物。

 

格好等バラバラではあるが、共通して顔(・)が(・)影(・)に(・)隠(・)れ(・)る(・)よ(・)う(・)に(・)見(・)え(・)づ(・)ら(・)い(・)。

 

 

「頼むよ、3人とも!」

 

 

藤丸が召喚したのはサーヴァントではある。 だが、【シャドウサーヴァント】というサーヴァントだ。

 

オルクス大迷宮で藤丸はマシュとクー・フーリンと2騎のサーヴァントを召喚しているが、彼らと違い召喚された3人は契約したサーヴァント本人の霊(・)基(・)の(・)一(・)部(・)である。 戦いの技術等は刻まれている故に戦闘に殆ど影響しないが、話したり、思考等を巡らせる事が出来ない。 しかし消費される魔力が本人を召喚するより負担が少ないというメリットがある。

 

彼等シャドウサーヴァントは藤丸の指示のみに従う。今回の場合は目の前の魔物達を倒すという目的の為に3人は行動する。

 

 

巨体の男、【スパルタクス】はその巨体と身体能力を武器に魔物へと突撃。 その巨体を活かした攻撃を受けた魔物達はまるで車に轢かれる様に吹き飛ばられ、身体がぐちゃぐちゃになる。

 

そして鎧を着て剣を携えた人物、【ゲオルギオス】はその剣【アスカロン】で敵を切り刻んでいく。

 

そして最後の日本刀を持った人物は突然周囲にある物を出現させる。 空中に浮いた状態で複数のその武器【火縄銃】を【織田信長】は放つ。 その放たれた銃弾に一体一体と次々と死体となっていく。

 

 

「やあ!!」

 

 

 

 

そしてマシュも持っているその盾と身体能力で魔物を蹴散らしていく。

 

 

そんな中、ある一体の魔物がハジメへ迫る。

 

 

当然だが皆、その魔物を認識している。 が、ハジメの近くにはユエがいる。 彼女の魔法ならば特に問題ないと思っていたのだが、

 

 

「! 魔法の威力が!?」

 

 

 ユエが発動し攻撃したのだが、魔法の威力が思った以上に弱い。 かつてアーチャーからの情報で此処がライセン大峡谷である事と、仮に魔法を発動する場合、分解される以上の魔力を使えばいいと分かっていたので、普段よりも多めに消費して発動した。

 

しかし、想像以上に威力が弱く、攻撃を受けながらその魔物はハジメヘと迫っていく。

 

 

「!」

 

 

ハジメは迫ってくる拳に対して構えることはせず、咄嗟に宝物庫からある物を魔物の拳の前に出現させる。

 

魔物はその出現した物に阻まれハジメを攻撃する事が出来なかった。

 

 

 

 

 

それは盾だった。

 

その形はマシュが持っている盾と似ている形状をしていた。 その盾が魔物の攻撃を防いだのだ。

 

 

 

(距離が近い、なら!!)

 

 

ハジメはこの2ヶ月間の事を思い出しながら次の行動をする。

 

 

 

 

─── オルクス大迷宮 ───

 

 

『接近戦に備える?』

 

『そうだ。』

 

 

 ハジメは藤丸が自分の修行の為に召喚してくれたサーヴァント、【エミヤ】からの言葉に驚く。

 

 

『でも僕は銃に専念したいんだけど、ほらどうすれば射撃の腕が上手くなるとか、教えて貰えると思った。』

 

『確かにそれも重要だ。 だが君の【宝物庫】のポテンシャルを考えれば遠距離攻撃の武器のみというのは良くない。 君がサーヴァント並みの身体能力があれば接近されても問題ないだろうが、そうでは無いだろう?』

 

 

エミヤの言葉にハジメは頷く。 今のハジメの身体能力は此処に来た事でレベルを大きく上昇し、確かに並の人以上の身体能力を持っている。

 

だが、魔物と真正面に勝てる程の筋力などはない。

 

IF(もし)その様な能力を持っていたらその様な心配は無いのだが、生憎今の南雲ハジメにはそんな能力はない。

 

 

『故に銃の扱いだけでなく、接近戦もある程度可能にしなければいけない。 とても素早い魔物や姿だけでなく気配も消せる魔物に対してもある程度守れる程度にはな。 例えば──、』

 

 

 

エミヤはそう何か呪文の様な物を唱えながら手のひらをこちらに向ける。 するとその手からある薄い膜の様な盾が一枚現れる。

 

 

『これは私の魔術で作った盾だが、君が作った盾を宝物庫に保管し、戦闘中瞬時にこの様に盾を宝物庫から出現させ、敵の攻撃を防ぐ。 または短剣を取り出し攻撃するという様に状況次第で宝物庫を開く。 これだけでも君の力は大きく向上するはずだ。』

 

『……どういう事ですか?』

 

 

ハジメはエミヤの言葉の意味を理解出来ず、質問する。

 

 

『この動きの強みは相手がこ(・)ち(・)ら(・)が(・)持(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)手(・)段(・)を(・)読(・)む(・)事(・)が(・)非(・)常(・)に(・)困(・)難(・)に(・)な(・)る(・)事だ。』

 

『様々な武器を使う。 これだけでどれ程の手段を持っているか分からない。 ましてや宝物庫という何(・)も(・)無(・)い(・)所(・)か(・)ら(・)現(・)れ(・)る(・)状(・)態(・)。』

 

『他にどんな手段があるか全く読めないというのは大きなアドバンテージだ。 例えもう手段が無かったとしてもハッタリ等相手を狂わせる事も状況次第ではあるが可能だろう。』

 

 

 

 エミヤの言葉にハジメは納得する。 確かに相手からすればどの様な手段があるのか不明というのはこちらには大きく有利に働くだろう。 しかも接近戦もある程度できると認識されれば遠距離では銃で、接近戦は短剣などで攻撃する。 相手からすれば攻め辛いことこの上ない。

 

 

『これから君も含め、マスターも鍛えていく。 特に君には剣の腕を磨いてもらう。 何、主な目的は防衛だ。 君には相手を倒すのではなく、自身の身を守る技を磨いてもらう。 守り続ければ隙を突く事もできるだろう。』

 

 

 

 

─── ライセン大渓谷 ───

 

 

ハジメは宝物庫から2本の剣を取り出す。 そしてその二振りの剣で迫って来た魔物を斬り裂く。

 

 

魔物は悲鳴をあげてそのまま倒れるのだった。

 

 

 

「はあ、はあ……で、出来た。」

 

 

ハジメは魔物を斬るという慣れない感覚に襲われながらも心を奮い立たせ、動く。

 

 

剣をしまい、次に2丁の銃を取り出し、打つ。 その様な戦いを続け、最後の魔物がマシュによって討伐され、戦闘は終了となった。

 

 

「戦闘終了です。」

 

「うん、ありがとうマシュ。」

 

 

マシュのその言葉を聞き、藤丸はシャドウサーヴァントの召喚をやめる。

 

 

「……ハジメ、ごめん。 私のせいで危険な目に──」

 

「大丈夫。 ユエの魔法でさっきの魔物の勢いが弱まったから防御出来た。 ちゃんとユエは守ってくれたよ。」

 

「……うん。 どの程度魔力を使えばいいか分かった。 もうあんな失敗はしない。」

 

 

ユエの決意を聞き、ハジメは笑みを浮かべる。

 

 

「ありがとう。 それじゃみんな、移動しようか。」

 

 

その言葉と共にハジメは宝物庫からある機械を生み出す。

 

 

「車か。 大迷宮でハジメが作った時は本当に驚いたな。」

 

「殆ど生成魔法のおかげだよ。 遠距離は藤丸が召喚したサーヴァントと僕の銃ぐらいしか充分な威力が発揮されないし此処は広い。 車で移動しながら大迷宮を探索しよう。」

 

「うん。 でも、誰が運転する? 一応俺は免許取ろうと勉強とかしてるけど、」

 

 

 

藤丸の【誰が運転するか】という質問にハジメは考える。

 

 

 

「……マシュは僕達を守ってくれる重要な要。 運転をすれば即座に戦うのが難しくなる。 だからと言って全く知識がないユエは危ういね。」

 

 

ハジメはそこまで考え、決める。

 

 

「なら、僕か藤丸のどちらかが良いと思う。 なんなら時間で交代制にしようか。」

 

「分かった。 じゃあ最初に誰が運転するか、公平にジャンケンで決めようか。」

 

 

そう2人は頷く。 運転手は事故等起こらない様に周囲の確認、アクセル、ブレーキ等長時間行うと疲れる作業。 故に2人は真剣な表情で行う。

 

 

「「ジャン、ケン ぽん!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先輩、今の所周囲に大迷宮らしき物はありません。」

 

「うん。 俺も見てるけど見つからないや。」

 

 

後(・)ろ(・)の(・)席(・)に座っている藤丸とマシュはそう話しながら周囲を見ていた。

 

 

「くそ〰︎〰︎、あの時チョキを出していれば。」

 

 

 

一方で運転しているハジメは悔しながらも横で初めての車に興奮気味のユエを見て、

 

 

(まあ、いいか。 ユエは凄く楽しそうだし。)

 

 

そう考えるながらハジメは東へと向かっていく。

 

東には樹海が存在しており、反対側の西にある大砂漠より町などが多いと考えた事と樹海側には大迷宮があるという情報も得ていたので捜索しながら向かっていた。 

 

 

そんな中、4人は グルア“ア“ア“ア“ア“ と魔物の怒りの叫びが聞こえた。

 

 

「! ハジメ。」

 

「ああ。 さっきの魔物より手強そうだ。」

 

 

藤丸の言葉にハジメはそう返し戦闘の覚悟を決め、車から降りる。

 

 

しばらくすると大型の魔物が現れた。その魔物の見た目は正に恐竜ティラノザウルスの様な姿をしていた。 

 

 

ただし、首と顔が二つある姿で。 身体まではティラノザウルスそのものだが、本来顔と首が一つの筈が二つ存在すると言えば分かるだろうか?

 

 

その姿だけでも驚きだが、最も重要な事はその魔物では無かった。

 

 

「……なんだ…アレ?」

 

「人?」

 

 

その魔物に追われているのか1人の女性がいた。 特徴としては青みがかった白髪の長髪でウサ耳をしていた。

 

 

そんな子が自分達を見ると、

 

 

「やっと見つけました〰︎!  助けてくだざ〰︎い!!!」

 

 

と自分達に言うのだ。

 

 

「や(・)っ(・)と(・)見(・)つ(・)け(・)た(・)? どういう意味だろう?」

 

「……とりあえずまずは助けよう。 もしかしたら解放者の関係者かもしれないし。」

 

 

藤丸の言葉に3人は“確かに”と頷き、ハジメは銃をマシュは盾を構える。

 

 

「……そこだ!」

 

 

ハジメは銃を放ち、銃弾は正(・)確(・)に(・)魔(・)物(・)の(・)目(・)に(・)命(・)中(・)す(・)る(・)。

 

ティラノモドキは怯み、その隙にマシュが攻撃。 ティラノモドキはそのまま倒れるのだった。

 

 

「死んでる…… 【ダイヘドア】こんな簡単に倒すなんて……」

 

 

その女性は自分達の強さに驚く。

 

 

「君大丈夫か──「助けて頂きありがとうございますぅ!」う、うん、無事でよかった。」

 

 

ハジメが大丈夫かと声をかけた瞬間、飛び付くように感謝を伝えるのでハジメは戸惑う。

 

 

「では私の話を聞いてください!」

 

「い、いきなり? すごい子だなこの子。」

 

 

その女性の勢いに藤丸は唖然とするしか無かったが、『やっと見つけた』というセリフが気になっていたので話を聞くことにした。

 

 

彼女の名前は【シア・ハウリア】と言い、ハウリア族という種族との事。

 

彼らは亜人国【フェアベルゲン】にある樹海の奥の集落ではで暮らしていたが、シアのせいで一族は国から追われることになったそうだ。

 

 

亜人族は本来魔力を持っていないがシアは魔力を持ち、直接操作ができる。 さらに固有魔法“未来視”で仮定した先の未来を見る力を持っているとの事。

 

これは魔物と同等の力を持つという事で捕まれば処刑されてしまうとの事。

 

 

「……処刑って、一緒に暮らしていた他の亜人族にって事?」

 

 

ハジメの言葉にシア頷く。

 

 

「それに未来視か。 それで俺達の事を知ったのか。 というか他のハウリア族は? シアだけがどうして此処に?」

 

 

藤丸が話を聞きながら疑問に思った事を質問する。

 

 

「それも含めて話します。 一族は樹海を後にし北の山脈へと向かいました。 ですがその途中で帝国兵に見つかってしまったんです。」

 

「帝国──ヘルシャー帝国の事か。 確か王国と友好関係を結んでいた国だよ。」

 

 

ハジメは今まで調べていた知識から帝国の事を思い出し、藤丸達に説明する。

 

「ハウリア族はを争いを苦手とする一族だ(・)っ(・)た(・)ので半数以上が捕らわれてしまったのです。」

 

「──だった?」

 

 

シアの言葉にユエが疑問を持つ。 

 

 

「はい。 実は、その時に助けてくれた人達がいて、その人達のおかげで捕らわれたみんなは解放されました。 それだけじゃありません。 あの人達は私たちハウリア族が帝国と戦えるように色々な物を作(・)っ(・)て(・)く(・)れ(・)た(・)ん(・)で(・)す(・)。」

 

「……話を聞く限り、俺達が介入する必要が無さそうだけど、それでも俺達を探していたっていうのはどういう意味?」

 

 

藤丸の疑問にシアが答える。

 

 

「実は、帝国と一定戦える様にとしてくれている最中に帝国のバ(・)イ(・)ア(・)ス(・)という人物が私に奴隷なるように迫って来まして、ちょうどあの人達が留守の時に“言う事を聞かなければ皆殺しにする”って迫って来たんです。」

 

「……シアが此処にいるって事は断ったって事?」

 

 

ハジメの言葉にシアは頷く。

 

 

「それで力付くで奪おうとして戦ったんですが、その戦いで勝利したんです。 それでバイアスって人はその恐怖で逃げてそのまま自ら崖から落ちて……。」

 

「そっか。」

 

 

その戦いの結末は分かった。 そして此処からがシアが藤丸達に接触した理由だ。

 

 

「それで実はそのバイアスって人は帝国の【皇太子】だったそうで、私達ハウリア族が【皇太子】を殺したと言われて戦争を仕掛けられたんです。」

 

「ハア!? なんだそれ!?」

 

 

帝国側の余りの言い分にハジメ達は唖然とする。 帝国の皇太子の自業自得で死んだことが原因で帝国と戦争状態というのだ。

 

 

「それで助けてくれた人達と一緒に帝国と戦争して帝都まで追い詰めたんです。 そこで今後私たちハウリア族に関わらないようにさせるつもりだったんですが、突然帝国に味方をする強い人達が現れて、現在不利な状況なんです。」

 

「……状況は分かったけど、どうして僕たちを探す事になったの?」

 

 

 

今までの話でシア達の状況は理解したが、なぜ自分達を探しているのか分からなかった。 故に質問すると驚く事になる。

 

 

「……皆さんが私たちのために帝国にいるその強い人達と戦う未来が見えたんです。 だから探していました。」

 

「──俺達が戦う? 帝国と?」

 

 

シアの言葉に藤丸達は困惑する。 自分達が帝国と戦う。 そんな未来を見たというが、どうしてそんな事になったのか疑問だったからだ。

 

 

「お願いです。 私たちを──私の一族を助けてください!」

 

「……無視は出来ないけどな。」

 

 

シアの願いにハジメは呟く。 戸惑う理由は戦争という殺し合いと一方だけの言葉で信じて良いのかという思いがあるからだ。

 

 

確かにシアの言葉が真実なら義はハウリア族側にある。 怖いのはシアが自分達を騙している可能性だ。

 

本人と話した時の印象でそのような事はなさそうだが、相手は王国と友好関係を築いている帝国。 最悪の場合、王国からクラスメイト達が戦力として参戦している可能性もある。

 

故にハジメは戸惑う。 仮にハウリア族側に付き、クラスメイト達と殺し合う事になってしまったらと。

 

 

「ハジメ、とりあえず行ってみようよ。」

 

「藤丸。」

 

 

悩んでいると藤丸がハジメに言う。

 

 

「まだ情報が何もない状況。 なら例え危険だったとしても向かった方が良い。」

 

「それに、樹海には案内人が必要。 元住民ならちょうどいい。」

 

「……確かにそうだけど、戦争に参加するのは抵抗があるよ。」

 

 

ハジメは藤丸とユエの提案に同意しつつも自分たちが戦争に参加する事に抵抗がある。

 

自分たちの力はオルクス大迷宮で得た神代魔法の力は強大。 そんな力を持った自分たちが勝手に参加して良いか悩んでいたのだ。

 

戦争に参加するとは、その国の歴史に関わる事。 果たして大きな力を持つ自分達が勝手に参加。 それは少し抵抗がある。

 

 

「まずはハウリア族の皆さんに会いに行きましょう。 それから考えても良いのではないでしょうか?」

 

「──確かに一度会ってみるのも良いかな。 よし!」

 

 

ハジメは方針を決め、頷く。

 

 

「シア。 ハウリア族の人たちの所に案内出来る? まだ完全に味方になるってのはまだ情報が足りないから難しいけど、一度他のハウリア族と話を聞こうと思うんだ。」

 

「! は、はい!! 案内は任せてください!!」

 

 

シアはそう喜んで案内を請け負う。

 

 

「なら自己紹介かな? 僕は南雲ハジメ。」

 

「俺は藤丸立香。」

 

「………ユエ。」

 

「マシュ・キリエライトと言います。」

 

「はい! よろしくお願いします!!」

 

 

自己紹介の後、シアが加わってメンバー全員ハジメが錬成した車に乗って移動するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

移動中、シアはハジメ達の言葉を聞いて驚きを隠せなかった。

 

 

「それじゃあ、皆さん魔力を直接操れたり、固有魔法が使えると?」

 

「固有魔法と魔力を操る事が出来るのはユエで僕たちは魔力操作が出来るんだ。というか、魔力を操るのは本来誰(・)で(・)も(・)出(・)来(・)る(・)筈(・)な(・)ん(・)だ(・)。事実僕や藤丸も後から魔力を操れる様になったからね。」

 

 

ハジメの言葉にシアは驚きを隠せなかった。

 

そう、この数ヶ月時々迷宮でクー・フーリンとメディアがクラスメイト達の様子を見たりして分かった事だが、光輝達や王国の兵士達にも魔術回路がある可能性が高いことが分かった。 それはつまり、魔力操作は魔物のみが使える物ではなく、その技術を知る者がいないだけなのだ。

 

 

 

「魔力を操作するのに凄く苦労したけど、今はなんとかできるよ。 お陰でできる事も増えたしね。」

 

 

 

 

例えば地球の魔術の一つに【ガンド】と呼ばれる魔術がある。

 

これはルーン魔術の一種で呪う相手を人差し指で指し、その体調を崩させる魔術だ。

 

この魔術は一工程(シングルアクション)と呼ばれる部類に入り、魔力を通すだけで起動できる魔術で魔力を操作することで発動する魔術だ。

 

 

(ちなみに現在クー・フーリン達の知識とハジメが魔力を通すだけで発動できる様に作成した簡易の腕輪を藤丸とハジメは付けている。)

 

 

「……そうなんですか。 魔力操作は誰でも出来る筈の技術なんですね。 驚きました。 まさかこの力が当たり前の技術だったなんて。」

 

 

そう話していると目的地の方角から大きな音が聞こえる。

 

 

「! この音!! 皆さん帝国軍が攻めて来ている様です!!」

 

「帝国軍が!? ハジメ!!」

 

「ああ。 とりあえず早く行こう。」

 

 

どうやらハウリア族がいる場所が帝国軍に攻められているらしく、ハジメはアクセルを更に踏み、スピードを上げる。

 

そして戦闘の様子が見える所まで来たのだが……

 

 

 

「……これって。」

 

 

その戦場は一言で言うなら【異質】だった。

 

帝国軍は一目で分かる通り槍や杖で応戦しているのだが、ハウリア族側が異質だった。 なぜなら───

 

 

 

 

 

「……なんで【人型の機械】が此処に!? しかもあの機械、ア(・)メ(・)リ(・)カ(・)の(・)国(・)旗(・)み(・)た(・)い(・)な(・)模(・)様(・)が(・)あ(・)る(・)!?」

 

 

 

異世界には余りにも似合わない、というか地球以上のテクノロジーで銃などを放っていて、地球に存在する国の国旗の様な模様をした機械兵に驚きを隠せなかったのだ。

 

 

 

 




以上如何でしょうか?

この作品では人は魔力操作を行う技術を知らないだけという設定で行きます。

ではまた次回。
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