【夢の中】で女を犯しまくっていたら、【現実】に影響でちゃった……。 作:BIBI
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――――これは高校に入学して、一ヵ月目くらいの出来事だった。
「人の悪口ばっか言って楽しいのかよ。つまんねぇ生き方してんな、お前。気持ちが悪いんだよ」
「言い方きちー」
「あいつウザイから絡まない方が良いって。やめときなぁ」
「俺はお前と違って熱血系だからよぉ。あーいうネチネチした陰キャ君って、マジで相性悪いんだよなぁ♪」
「お前、マジ陽キャ過ぎてウザすぎだろ、ははは」
昼休憩の教室。俺の悪口をケタケタ笑う陽キャ気取りの集団がいた。それに俺は怒りを覚える事なく、単純に彼らのやり取りに疑問を持つ。
「えっと……? 熱血系って……、何?」
教室の隅の席。俺は隣の席のイノリに尋ねた。
「さぁ? 分かんない。聞いた事ないけど……」
白髪の少女――イノリは首をコテンと傾げる。相変わらず顔が整っており、何気ない仕草がめちゃくちゃ可愛い。
「あー、何かネットで見た事ある様な……。ネットだとオタクが最近、自分を熱血系なんだっていうの流行ってたよな……?」
ジュンは壁際を背もたれにして、焼きそばを食いながら眼下を見た。
「あぁ、何かあるねぇ」
サンドイッチを食べながら、ソウヤは胡坐を掻いて呑気に返事をする。
「…………? オタクなのに、熱血系、なのか?」
意味が分かんね……。オタクに熱血系なんていねぇだろ。ゲーセンの格ゲーや音ゲーしてはしゃいでるオタクの事かな……?
確かにアレは熱血かも知れない……、怖いくらい……。
発狂して、暴れてる奴いるし……。
「……なんつーつのかな。熱血系ってのは、陽キャになれなかったイキリ陰キャの末路みたいなもんだな。勉強できない奴が多いし、あんま関わるのは止めとけ」
熱血君が嫌いなのか、ジュンが妙に棘のある言い方で説明してくれる。わりと悪意に満ちた説明であったものの、俺は熱血系なるものを理解できた気がした。
「あー、そっか、陰キャで勉強できない奴が、現実逃避で自分は熱血系なんだって慰めてる感じか……。なんか、闇が深いな……」
「お、お前等……」
俺が悲し気な目を向けると、熱血君の顔に怒りが滲み出ていた。茶髪のイケメンが台無しになる程に、嫌悪感を隠さず此方を睨んでる。
この程度の軽口で、ちょっと怒り過ぎじゃない? お前なんて仲間と一緒に俺の悪口言ってたのに……。
そもそも人の悪口を言うって事は、人から悪口言われても仕方がないだろ。そんな小学生でも分かる事が、分かってない奴、世の中多すぎだよなぁ。
だる~……。
「つーか、何でお前、そのネットの流行の言葉をリアルで言ったんだ? そういう止めた方が良くね? いきなり熱血だとか、冷笑とか言われてもよく分かんねぇよ。俺、お前みたいにネットばっか見てねぇし」
流石に呆れてしまった。別に煽る目的はなかったけど、多分顔に出てしまった、熱血君を見下している気持ちが。
「……俺を馬鹿にしてんのか?」
熱血君が声に怒気を込めて尋ねてくる。
「…………。ネットの言葉をリアルで使わない方が良いって、言ってるだけ。それにお前は違うかもだけど、お前のご友人はどちらかっていうと陰キャ側だろ。人の悪口言いたいのは分かるけど、『キモイ』『ウザイ』『陰キャ』とか、そういう言葉は使ったら駄目だ。お前の友人が当てはまるからな? 悪口っていうのは、身内が当て嵌まらない様なことを言わないと――」
ブチ切れてる熱血君に、俺はヤレヤレと冷笑し深々と溜息を吐く。
「別にこいつ等はお前みたいに、キモくもウザくもねぇし、陰キャじゃねぇ!」
熱血君が振り返ると、そこには一人ポツンと不細工なゴリゴリの陰キャがいた。その陰キャ君は彼の取り巻きであり、今は頬を掻き、気まずそうにしている。
「いやいや、顔が不細工な時点でキメェ側から……。後、お前らが言ってる悪口が全部、陰キャ君に刺さってるからな……!? その気がなかったとしても、キモイとか陰キャとか言う度に、陰キャ君が心の中で傷ついてるから! 傷つけるなら俺だけ傷つける悪口を言えっての……! 友人が当て嵌まる様な悪口を言ってやんなって!」
その後も俺はペラペラと軽口を叩いた。
結果として、熱血君は学校で殆ど喋らなくなった。
軽口を叩いてきたから、こっちも応戦してじゃれ合いを興じていたつもりだったが、俺はもしかすると熱血君を傷つけてしまったのかも知れない。
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「こういう事があってさ……。アレ以来、俺は自称陽キャ君から嫌われちゃって……」
俺は席に着いて、珈琲を飲みながら思い出話に耽っていた。
外でうろちょろしながら会話してたら、偏差値が高い学校の制服だと多少目立ってしまう所だった。
でも、ここは先輩行き付けの喫茶店らしく、朝から学生服で入っても問題ない。カナミ先輩からのご厚意ということもあって、俺は遠慮せず学校のサボりに付き合っていた。
「……実は君って凄く酷い人なの?」
テーブルを挟んだ向かい側の席で、カナミ先輩がジト目で此方を見て微笑していた。
「オタクの癖に熱血とかいう方が悪くないですか? 部屋に引き籠って熱血って意味分からないんですけど……。もしかして熱血って、キーボードが火を噴くほどアンチコメ書きまくってるって意味だったりします? 熱血って、そういう物理的な意味なんですか?」
冗談を口にしつつ、俺は珈琲を飲む。
「貴方は色んな意味で、ネットに向いてないかも……。ていうか、キーボードが火を噴くほどアンチコメ書いているのは貴方よね……?」
困った様に呆れ笑い。ホントに先輩という風格で、子供っぽい態度の俺に突っ込みを入れてくれる。
「アンチコメってより、読書感想文気分だったんですけど……。もしかして俺の感想って傍からみたらアンチ行為とか荒らしに見えます? さっき話した通り、俺はネットの事に少し疎くて、よく分かんなくて……」
「ちゃんと何年も熱心に読んでるみたいだし……、作品を楽しんでるの分かるけど……。アレはアンチコメにしか見えない……、かも?」
少し戸惑い頬を掻く俺に、カナミ先輩は腕組みして「う~ん、多分」と悩む。
俺はレスバはしても、アンチコメはしてない。そのつもりだったけど……、そうか……。傍から見たら俺の感想は、アンチコメだったのか……。
ネットには普段喋ってる感じで気軽に書き込んでたけど、今度からは少しマナーに気を付けた方がいいかもなぁ……。
いや、今さらか……。
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