なんでも一つ願いが叶うらしい(ただしその条件は鬼畜とする)   作:イーサン・W

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遅くなってごめんよ。

アギトっていう神話が面白かったんや。


俺、パパになっちった

 

 

 

 

───時間というのは意識していないと、あれよあれよという間に過ぎ去っていく。

 

 

 74層のボス。

《ザ・グリーム・アイズ》が攻略組に倒されるのを見て俺は蚊帳の外に居るように、そう思った。

 

 

 この世界ではディアベルが生存しているので、アインクラッド解放軍による暴走はない。

 

 故にキリトが一人でボスに挑む必要がない。

 

 偵察班を送り、その情報から事前に対策を打ち立て、攻略組の精鋭を当てる。

 

 74層のボスはそれで呆気なく討ち倒された。

 

 結晶無効化エリアなどのイレギュラーな事は、事前に俺が情報提供をしていたのでトラブルが起きる事もなく。

 

 ただ本当に呆気なく74層のボス攻略は終わった。

 

 

 

 

 

 

「───急にどうしたんだa(エー)?デュエルをしたいだなんて」

 

 誰も寄らない殺風景な広々とした空間。

 そこで向き合う二人の男。

 嘗て第1層ボス《イルファング・ザ・コボルト・ロード》が居たボス部屋で俺とキリトは向かい合う。

 

「───いや、一度でいいからお前と本気で戦ってみたいと思ってよ」

 

 口から適当に出任せを吐き捨てる。

 本当の目的はキリトの二刀流を引き出す事、そしてラスボス戦最後の演習。

 

 漠然としない感覚を覚えながらも、自身の目の前にいるキリトへと俺は目を向ける。

 

「そうか、俺もお前と一度は本気で剣を交えてみたかった」

「───ならさっさとやろうぜ」

 

 剣を構える。

 キリトも応じるように剣を構える。

 

 デュエルのカウントが始まる。

 

 3

 

 2

 

 1

 

 カウントが0になる。

 

 その瞬間、俺たちは剣と剣をぶつけ、濃密な、だけど呆気ない、刹那の勝負が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───いや〜やっぱキリト強いなぁ」

「別に大した事ないさ」

 

 何時ぞやかクラインと訪れた店で俺とキリトは肩を並べながら、ジョッキを片手に乾杯をする。

 

 もう外は暗い。

 いつの間にか時間は過ぎ去り、一日が終わった。

 

「いやいや、謙遜は良くないぜキリトさん。10回勝負の内に俺がお前に勝てたのはたったの3回だぜ?」

「2回は引き分けだろ?」

「5回はお前が勝ってるじゃねーか」

 

 俺とキリトはお互いを小突きあいながら軽く笑う。

 今日は丸一日野郎と過ごしてしまった。

 キリトが超絶美少女だったならよかったのに。

 

「ここに超絶美少女が居たならなあー………」

「アスナでも呼んでやろうか?」

「はっはっは。お前面白い冗談を言うな?」

 

 心の声が漏れていたらしく、キリトに意外な返答をもらう。

 

(アスナかー………うーん、アスナかー)

 

 アスナは確かに超絶美少女だが何か違うのだ。

 既に誰かの物という人妻感が俺の中で拭いきれない。

 

 手を出してはいけない存在みたいな?

 

「それよりお前こそどうなんだ?アスナといい感じなんじゃないのか?それともサチか?はたまたリズベットか?」

「何でそんなに多いんだよ」

「お前がハーレム野郎だからだよ」

 

 原作と違ってこの世界のアスナはまだキリトとは結ばれていないが、どうなるのだろか。

 恋愛フラグが大きく進むイベントは、死人が出るので俺が防いでしまった。

 今のキリトは黒猫団のサチと良い感じとも聞くが、武具店のリズベットとも良い感じだと聞く。

 

 この世界だと正妻争いが大変そうだ。

 後でアスナにフォローでも入れるか?

 

a(エー)そういえばスキルの事は内密に出来るか……?」

「二刀流の事か?別にいいぜ」

「───即答だな 理由は聞かないのか?」

「別に興味ないからな」

 

 キリトの『二刀流』というスキル。

 原作曰く、それは気がついたらスキルロットに入っていたらしく、いつ身につけたのか本人にもわからない。

 だからキリトはそのスキルをどうやって手に入れるのか人に教えることもできないし、情報を隠していると周りから思われるのも面倒だと思っている。

 

 故にキリトはこのスキルを隠したいと思っている。

 

 そこらの事情を俺は知っている。

 なのでキリトに深く聞き込む事もなければ、その事を言いふらす事もないのだ。

 

 これでキリトは安心安全。

 

 あら、やだ?

 俺って出来る男?

 

「ただキリト。そのスキル隠すの75層のボス戦ではやめておけよ」

「それってやっぱり、アレか?」

「まあ、そうだな。75層はクォーター・ポイント。それに伴ってボスも強力な筈だ。今までに比べて更にな」

 

 75層のボス《スカルリーパー》。

 原作ではコイツのせいで合計24名の犠牲者が出ている。

 

 俺にとってこのボスは最終戦に行く前の最後の関門。

 越えねばいけない高い壁だ。

 そこにはキリトの二刀流が必須となる。

 

「キリト。今日って何月何日だっけ?」

「?……9月11日だが、それがどうしたんだ?」

「いや少し気になってよ。それにしても後二ヶ月経てばもう2年かー。長かった様な短かったような………」

 

 前にもこんな事を言った事があるなと思いながら、一気にジョッキに入った飲み物を飲み干す。

 

 キリトたちとも何だかんだ言って長い付き合いになった。

 

 クソみたいなミッションのせいで色々と大変な目には遭ったが、キリトたちとも色々な思い出を作ることも出来た。

 

「───キリト。ありがとな」

「ん、何か言ったか?」

「何でもねーよ」

 

 残り少し。

 後少しの日々を俺は楽しもうと思った。

 

 

 

 

 

▼▼

 

 

 

 

 

 揺れる。

 フラフラと揺れる。

 

 真っ白な純白のワンピースをヒラヒラとはためかせながら、当てもなくフラフラと森の中を少女は歩いていた。

 

 1日……いや何日かも分からない程、少女は彷徨っている。

 自分の目的すら忘れ、ただ彷徨っている。

 

 何かを求める様にただフラフラと。

 

「───へい、そこの嬢ちゃん。俺とお茶しない?」

 

 ビクッと少女の身体が震える。

 目を向ければそこには黒髪の青年が立っていた。

 

「君がいいなら近くに俺の家があるんだけど寄ってくー?」

 

 青年はおちゃらけた様にヘラヘラと笑う。

 

 それに対して少女は安堵する。

 ずっと人に出会う事ができず、ただ彷徨うだけ。

 それがようやく終わる──そう思った少女は緊迫とした緊張が解けたのか、フラリと力が抜けたかの様に倒れ込む。

 

「───ユイちゃん。すぐに見つけ出す事が出来なくてごめんな。俺がすぐにキリトやアスナたちに会わせてやるから」

 

 青年はそっと倒れ込む少女を抱き止める。

 ずっと冷たい所を一人で彷徨っていた少女には、それが酷く暖かく感じた。

 

「あったかい………」

「安心しろ。更に暖かい場所に連れてってやるからな」

 

 青年は少女の心を安心させるように、そっと抱き抱える。

 そして壊れ物を扱うかの様に、少女を大切に扱いながら、青年は歩き出した。

 

 

 

 

 という事でどうも。

 側から見たら事案案件確定なa(エー)君です。

 

 今はキリトやアスナが結婚したら結婚記念に『はいどうぞ』とプレゼント出来るよう買うだけ買って放置していたログハウスに向かっています。

 

 ここで皆は思った筈だ。

 俺は少女を自分の家に連れ込む誘拐犯だと。

 

 ちょっと待ってほしい。決め込むのはまだ早い。

 状況を振り返るんだ。

 

 誰も居ない静かな森。

 そこに居る幼い少女と俺。

 少女は眠っており、俺が家に連れ帰っている。

 

 うーん。

 俺は今、少女を誘拐しています!

 

───おっとそこの君。

 110番するそのスマホを置いてくれ。

 

 安心して欲しい。

 

 俺はロリコンではない。

 だからユイちゃんにそういう感情を持つ事は絶対ないと断言しよう。

 

 因みに俺が好きなのは合法ロリなので、ロリコンではない訳ではないのだが、まあ、関係ないだろう!

 

「ただいま!!」

 

 誰も居ない家の扉を元気良く開ける。

 うん。やっぱり行ってきますとただいまの挨拶は大切だと思うんだよね。帰ってきたって感じがしてさ。

 

 これからもこの習慣を忘れない様にしよう。

 

「───あ、a(エー)君。丁度よかった。今日は貴方に用があって来たん……だけ………ど」

 

 扉を開け、家に入る。

 そしてタイミングである人物が俺の元を訪れた。

 

 タイミングが良いと言うのか、悪いと言うのか。

 

「あ、アスナさん……きゅ、急にど、どうしたんすか?」

a(エー)君はその子は何?どうする気なの?」

「ちょ、ちょっと家で寝かせようと思いまして………」

 

 アスナの目がどんどんと鋭くなり冷めていく。

 それに対して俺は冷や汗ダラダラ。

 

 うーん、マズイ。

 

a(エー)君。遂にやったわね───自首しなさい」

「待ってくれ!冤罪だ!」

「何が冤罪よ!こんな小さな子を連れて!何処から連れて来たのよ!」

 

 アスナに剣を抜かれてしまい、俺は壁に追い詰められてしまう。

 このままではアスナの手によって豚箱行きだ。

 

「これには訳!訳があるんだ!」

「へぇーー、どんな言い訳なのかしらー?」

 

 アスナがジリジリと詰め寄ってくる。

 俺はそれに対して監獄行きを阻止する為、アスナに必死に事情を説明する。

 こんなので豚箱行きになったら社会的にも死ぬし、俺が元の世界に帰れなくなるぅ!!

 

「───とりあえず状況はわかったわ。ひとまずその子を寝かせましょ」

 

 そんな俺の必死の努力の成果か、アスナはまだ納得いってないようだが、ひとまず状況を飲み込んでくれたようだ。

 

 ふぅ、危なかったぜ。

 俺の残りの生活が獄中生活とか洒落にならん。

 

「───んんッ!」

 

 アスナがユイをベッドに寝かせるのを見届ける。

 そして改めて俺とアスナは向かい合った。

 

「それでこの子何処に居たの?まだ近くに親御さんが居るかもしれないわ」

「近くの森だよ。それに近くに親御さんは居ないと思うぞ。もう探し回った」

 

 アスナが少女が何処に居たのかを問う。

 まだ近くに少女の親御さんが居るかもしれないと思ったのだろう。

 

 だがその少女に親御さんが居ないのを俺は分かりきっているので、俺は適当に嘘でアスナを誤魔化す。

 

「それより俺に用があるって言ってたが、何の用だ?」

「ああ、それならもういいわ。さっき無くなったから」

「何じゃそりゃ」

 

 アスナの適当な物言いに違和感を覚える。

 が、今はスヤスヤと寝ている少女の方が大事だ。

 

 俺はこの子の事をどうするか考えなくてはいけない。

 

「それよりもこの子が起きたら事情を聞きましょ」

「起きるまで時間がかかると思うぞ」

「なら私はこの子が起きるまでここに居るわ」

「わーお」

 

 アスナの唐突な物言いに驚きの声が漏れる。

 だが今回は俺としては都合が良い。

 

 もうこんな状況になってしまったのだ。

 

 このままアスナにはユイちゃんのママになって貰おう。

 勿論パパはキリトな!

 

「それにしてもこの子一体何処から………」

 

 アスナが心配そうな表情を浮かべながら、少女の髪を優しく撫でる。

 その様は正に聖母のよう。

 

 美少女が美少女を撫でるその光景は正に眼福物だった。

 

 こ、これがSAOの正ヒロインの力だというのか?!

 

「あっ、因みにそれならもう当てが付いてるから平気だぞ」

「そうなの?!」

 

 この子の正体。

 それは、SAOのメインシステムカーディナルの『メンタルヘルスカウンセリングプログラム試作1号(MHCP001)・コードネームユイ』

 

 すなわち人工知能だ。

 故に彼女の親御さんというのは存在しない。

 

 彼女がこの場に居る理由は、原作ではキリトとアスナに会う為に森を彷徨っていたという感じだったので、今回もそんな感じだろう。

 

 

 彼女は今、カヤバーンのせいで色々とあり心を魔障し記憶を失ってしまっている。

 つまりは身寄りのないただの少女なのだ。

 

 そんな少女を放っておく訳にはいかない。

 

 なので俺はそんな少女を家族として向かい入れるつもりだ。

 勿論、キリトとアスナの家族としてな!

 

「実はな。この子をアスナとキリトに預けようと思う」

「は?」

「この子には身寄りがなくてな。記憶も失っているみたいなんだ。だから信頼できるお前たちに任せたい」

 

 無論、アスナやキリトたちに任せっきりなんて事はしない。

 彼女が記憶を取り戻したら、キリトかアスナのナーヴギアにデータを移すのを手伝うつもりだ。

 

 第一層の隠しダンジョンのボスをユイちゃんに速攻で倒してもらい、俺が速攻でユイちゃんのデータが削除される前にデータを移すという神作戦(ただのゴリ押し)を決行するつもりだ。

 

 あら、やだ。

 俺って出来る男?

 

「身寄りがないって何でわかるの?さっき出会ったのよね?」

「つ、伝手の情報屋複数に至急で調べさせたんだ」

 

 アスナの質問に狼狽えるもそこで動じる俺ではない。

 

 咄嗟に頭に出て来た言い訳で何とか乗り切る。

 俺は存在もしない親御さん探しなどはしたくないのだ!

 

「何でキリト君と私なの?」

「え?そりゃあ………お似合いだし?」

「へぇ………」

 

 アスナの目がスッと細くなる。

 パパ、ママ!

 なんかこの子怖いよ!!

 

「───決めた。私ここに住む事にしたわ」

「へ?………俺出て行った方がいい?」

「何言ってるの?貴方もここに住むのよ」

「へ?」

 

 アスナの言葉に思わずフリーズする。

 俺とアスナが一緒に暮らす?

 

 ん?どゆこと???

 

「今日中には荷物纏めて来るから」

「ん?……ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「───ママー!」

「ふふ、ユイちゃんたら本当に元気なんだから」

「んー?……ん?……ん?」

 

 今、俺の目の前では珍妙な光景が広がっている。

 何故だかアスナが俺とログハウスで暮らし、ユイちゃんと楽しく微笑ましく遊んでいる。

 

 これは何だ?

 俺がおかしいのか?

 

「パパー!」

「んー何だーユイー?」

 

 とりあえずユイちゃんが可愛いと思いながら、俺は過去を振り返る。

 

 俺はアスナに、ユイちゃんが人工知能だという事を明かしている。

 どうせ遅いにせよ早いにせよバレるのは分かっていたので、さっさと明かした方が為だと考えたのだ。

 

 実際、アスナはそれをすぐに受け入れ、ユイちゃんのママとしてこのログハウスで暮らす事を選択した。

 

───で、そこに何故か俺がいる。

 

 キリトにユイちゃんを会わせてみたのだが、キリトはおにーちゃん。何故か俺がユイちゃんのパパ判定。

 

 うーん。わからん。

 何で俺がパパになった?

 

「パパ!ギューってして!」

「うーん……それは流石にママにしてもらった方が………」

「ダメ……?」

「ダメじゃないよ!!」

 

 俺がユイちゃんのパパとか解釈違いな気もする。

 だがそれ以上に強い!この子強すぎるよ!これが子供を持つという事なのか?!

 

 ユイちゃんが可愛い過ぎる!!良い子過ぎる!!

 

「ママも一緒にギューってして!」

「へ?!それは流石に……恥ずかしいかなー……って」

「ママ、私の事、きらい?」

「ううん!そんな事ない!ユイちゃんの事大好きだよ!」

 

 今のこの家での権力者。

 

 1位 ユイちゃん

 

 2位 アスナ

 

 圏外 俺

 

 うーん。俺の扱い。

 

「おわっ?!」

「ユイちゃんのお願いなの!我慢しなさい!」

 

 アスナが俺とユイを一緒に抱き締める。

 心なしか抱き締める力が強い。

 後、俺の心にも悪い。

 このままじゃ潰れちまいそうだ。

 

「おいおい、アスナさん。このままじゃユイちゃんと俺が一緒に潰されちまうって」

「潰されちゃうーー」

「え?あ、ごめんなさい!」

 

 アスナは顔を真っ赤にしながらパッと手を離す。

 それを見たユイちゃんは面白かったのかニッコリと笑顔を浮かべながら笑っている。可愛い。

 

「も、もう夜も遅いし寝ましょ!」

 

 外を見れば太陽はすっかりと沈み、暗くなってしまっている。

 やはり時間は意識していないと、あれよあれよという間に過ぎていくようだ。

 

「えーまだ遊びたいー」

「俺もレベル上げしたいー」

 

 ユイちゃんと俺でアスナに抗議を入れる。

 流石のアスナもユイちゃんパワーで俺を見逃してくれるに違いない筈だ!

 

 俺、最近ユイちゃんとかアスナに拘束されてレベル上げ出来てないもん!

 それに俺、アスナの休暇を取る為に謎にギルドに加入することになっちゃったもん!

 

「良い子はもう寝る時間よユイちゃん。そして貴方は───フンッ!」

「ゴボフッ?!」

 

 ユイちゃんを優しく宥めるのに対して俺はアスナによる強制ノックバックパンチ。

 

 見事に俺はベッドへと吹き飛んだ。

 

 うーん、俺の扱い酷くない?

 

 俺が吹き飛ぶ様を見たユイちゃんは面白かったのか、更に凄い満面の笑みを浮かべて笑ってるし。

 

「ほら、ユイちゃんはこっち。私と寝ましょ」

 

 アスナがユイちゃんの手を引き、俺が居るベッドとは違うベッドに行こうとする。

 

「パパとは寝ないの?」

「パパは獣だからいいの」

 

 誰が獣じゃい!

 この世界に来てからそういう事一回も出来てないわ!

 

 アスナの心外な言葉に俺は心の中で異議を申し立てる。

 だが直接は言わない。

 何故なら吹き飛ばされるから(小物)

 

「───皆んなで寝たい!」

「うーん……どうしようかなぁ………」

 

 どうやらユイちゃんは皆んなで一緒に寝たいらしく、アスナに不満を露わにする。

 それに対してアスナは困った顔をしながら、頭を抱える。

 

 ま、流石に俺とは寝たくないよな。

 アスナも一人の女性な訳だし。

 

「ほらママ!」

「きゃっ?!」

 

 それにユイちゃんが痺れを切らしたのかアスナの手を引き、俺の居るベッドにアスナ諸共ダイブしてくる。

 

 俺はそれを勿論受け切れる訳ないので、見事に下敷きだ。

 

 あっ、柔らかい。

 

「ちょっと?!!」

「すまん。事故」

 

 柔らかな双山を掴んでしまうという事故が起こるが、ユイちゃんが居る為アスナは俺を殴る事は出来ない。

 

 ありがとうユイちゃん。

 君は天使だ。

 

「もう……ユイちゃんったら」

 

 アスナが何処か諦めた顔をしながらユイちゃんの頭を撫でる。

 それを受けたユイちゃんは気持ち良さそうに目を瞑り、やがて身体の力を抜いていく。

 

「寝ちまったな………」

「子供は寝るのが早いのよ………」

「そうか」

 

 ユイちゃんは疲れていたのか一瞬で爆睡してしまった。

 

 今の俺たちは一つのベッドで、ユイちゃんを挟んで川の字で寝ている形となる。

 ユイちゃんを挟んでいるとはいえ、今の俺はアスナとの距離が凄く近い。 

 

「どうする、このまま寝るか?」

「どうするもこうするもないでしょ。ユイちゃんが起きちゃったらどうするの」

「へいへい、そーすっか」

「…………」

「…………」

 

 静かな空間が数分続く。

 聞こえるのユイちゃんの可愛らしい寝音のみ。

 

 隣をふと見つめてみる。

 

 するとアスナの綺麗な瞳と目が合う。

 

「ッ……しょーがないから俺もこのまま寝るわ。おやすみー」

 

 気まずくなった俺はそれから逃げるように瞳を閉じる。

 そして夢の中へと逃げようとするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

▼▼

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユイちゃんとa(エー)が寝てから1時間後。

 

 アスナはただ眠れずにベッドに寝っ転がっていた。

 

「もう流石に寝たわよね………?」

 

 アスナは確認するようにユイちゃんとa(エー)の顔を覗き込み、そして安堵する。

 無事に二人が寝ているのを確認出来たからだ。

 

「…………」

 

 アスナは寝ているa(エー)の顔をジッと見つめる。

 アスナのその顔には儚いような、熱ったような表情が浮かんでいた。

 

「別に…今なら正直になってもいいの……かな?」

 

 アスナは躊躇った後に覚悟を決めた表情をする。

 

 そしてゆっくりと身体を近づける。

 抱き締めるように、もう離さないように身体を寄せる。

 

「ッ───」

 

 アスナはとても幸せそうな、微笑ましいような笑みを浮かべてユイちゃんとa(エー)を強く抱き締めて眠りにつく。

 

 その際におでこにキスをするというおまけ付きだ。

 

(あの、俺、起きてるんすけどおおおお?!!)

 

 その際、a(エー)はアスナと一緒に居て寝れる筈もなく、寝てるフリをしていたとか。

 

 

 

 

 





ユイちゃんはこの後、無事に記憶を取り戻して主人公の手によって速攻データをアスナのナーヴギアに移されます。

その際に主人公はユイちゃんに未来のアドバイスを残したとか、何とか。

因みに主人公がギルドに加入した理由は、もうSAOの残りの日々も少ないし、やり残した事も余りないし、別にギルド入ってもいいや!的なノリで入りました。

団長との一騎打ちはありません。
これによりキリトがカヤバーンに気付くこともないので、完全に主人公とカヤバーンの一騎打ちルートに入りました。

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