悟空「次はお前らの番だ。」   作:ぐぬぬです

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第十二話 まだ終われない。

戦闘開始のブザーが鳴り響くと、緑谷と麗日はビルの入り口から入り、堂々と先へ進んで行く。

 

そしてビル二階、曲がり角へと向かうと

 

 

「‥‥‥よぉ。デク」

 

 

そこには爆豪が待ち構えていた

 

()()()()()()()

 

 

「‥‥麗日さん、別の方向から先に行ってて。

かっちゃんは()()()()()()()()()()

 

 

「うん!わかった!」

 

 

緑谷は、爆豪の意図を理解する。

だからこそ麗日を先に向かわせた。

 

 

「いいの?かっちゃん。麗日さんを追わなくて」

 

「追ったらテメェがフリーになんだろうが。

テメェにばっか好き勝手やられてたまるかよ」

 

「嬉しいよ。かっちゃん」

 

 

緑谷は口角を上げながら構える。

それを見た爆豪は改めて気合を入れ直しながら緑谷に向き直った。

 

 

「‥‥デク、今まで楽しかったか?」

 

 

「‥?いきなり何を‥‥」

 

 

「さぞ滑稽だったろうな‥‥俺を見下せる立場になれてよ‥!!!」

 

 

そう言いながら爆豪は個性である爆破を使って一気に加速し、先手を狙う。

狙うは顔面爆破での一発K,Oだが

 

「早いね!」

 

 

口ではそう言ってはいるが、彼の顔付きは至って余裕。

焦る様子すら見せずに片腕で受け流してみせる

____それどころか

 

「ごふっ!?」

 

カウンターの蹴りが爆豪の横っ腹に突き刺さる。

爆豪はその勢いのまま壁に叩きつけられてしまった

 

「かっちゃん、僕は君に対してそんなこと思った事なんてないよ。」

 

「‥‥ッ‥‥‥‥‥そいつは、どうだかなァッ!!!」

 

 

 

そんなカウンターをもらっても彼は止まらない。

攻撃をまともに貰っても尚、怯むことなく緑谷へと向かう。

爆豪は何度も緑谷に手を伸ばす。

なんとか一発、自身の個性である爆破をぶつけようと試みる

 

だが_______架空()現実(本物)になっていた。

 

 

 

 

手を伸ばしては弾かれ、腹に一発。

 

手を伸ばしては躱されて、反対の腕に一発。

 

手を伸ばしては避けられて、顎に一発。

 

手を伸ばしては受け流され、顔面に一発。

 

 

_____届かない。

 

何度、腕を伸ばしても。

何度、爆破の間合いに踏み込んでも。

 

攻撃を仕掛ける“前”に、すでにそこには居ない。

 

速さじゃない。

力の差でもない。

 

___読まれている。

 

爆豪は、そこで初めて違和感に気づいた。

 

(……なんだ、これ)

 

自分が動こうとした瞬間、

いや、“動くと決めた”瞬間には、もう対応されている。

 

まるで――

自分の内側を覗かれているみたいじゃねえか。

 

________いつからだ。

 

 

いつからこんなにも差が出来ちまったんだ?

 

 

 

「クソ……なら右からフェイント……!」

 

爆豪は低く呟きながら攻撃を重ねる。

だが結果は同じ。

 

手を伸ばしては弾かれ、腹に一発。

躱されて、腕に一発。

受け流されて、顎に一発。

 

身体が軋む。

視界が揺れる。

 

 

 

(……違う)

 

必死に考えを巡らせる。

フェイント。

間合い。

タイミング。

 

――違う。

 

どれも“技術”だ。

どれも“後追い”だ。

 

(……じゃあ、なんだ)

 

その瞬間、

早朝の公園で聞いた、あの男の声が脳裏をよぎった。

 

『相手との差が何なのか。

 そこをちゃんと見ろ』

 

爆豪は、歯を噛み締める。

 

(……テメェは、俺を見てやがる)

 

なら____

 

 

「クソ‥‥‥こうなったら‥‥‥」

 

 

「これくらい‥‥貰っとけよ‥‥ッ!!」

 

この手榴弾の形をしたアームガードには特殊機構が備わってる。

この中に汗を溜め込み、レバーを引けば

溜め込んだ汗を一気に爆破させることが可能

彼は逆転の一手として、中距離での発射を行った。

 

しかし、その攻撃すらも緑谷出久には___届かない。

 

 

 

「はっ!!」

 

 

 

威力はビルの一部を吹き飛ばすほどの火力。

流石の緑谷もこれをまともに食らってはタダでは済まないと即座に判断

緑谷はそのアームガードの発射口を逸らすことでその攻撃を避けてみせた

更にそこから流れるような回し蹴りが再び爆豪へと突き刺さる。

 

 

 

「ごッ‥‥‥‥がァッ‥‥‥!!」

 

 

 

地面に膝を付き、全身に巡る痛みに爆豪は必死に耐えながら立ち上がろうとする。

 

しかしその姿はあまりにも痛々しく、立ち上がるのがやっとの様子だった。

 

 

‥‥‥誰がどう見ようが『勝敗は明らかだ。』

 

 

 

 

 

「‥‥‥‥もう、辞めにしようよ。かっちゃん。」

 

 

 

 

これ以上続けても無駄だと判断した緑谷は、拳を降ろす。

 

爆豪は見るからにもう()()だ。

 

 

______だが、それでもまだ。

 

 

 

 

「ざっ‥‥‥けんな‥‥‥‥」

 

 

 

身体がもうボロボロの中、ゆっくりと立ち上がった爆豪は緑谷へ眼光を飛ばす。

 

 

 

「舐めプした挙句、まだ倒れてねえのに決着宣言だと……?

_____ふざけンじゃねェッ!!」

 

 

 

「まだ、俺は立ってんぞ‥‥ッ」

 

 

その瞬間だった。

 

爆豪の内側で、何かが弾けたわけじゃない。

逆だ。

 

今まで外へ向けていた意識が、初めて“内側”へ沈んでいく。

 

怒りでもない。

焦りでもない。

 

___集中。

 

緑谷が、はっと息を呑む。

 

(……なに、この感じ)

 

爆豪の周囲の空気が、わずかに震えていた。

本人に自覚はない。

だが確かに。

 

“気”が、滲み出している。

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

彼がそう言うと共に、()()()()()()()()()()()()()

 

その事態を見た緑谷は大きく目を見開いた。

 

…彼はまだ本気で勝つ気でいる

 

どんな状況でも、どんな人が相手でも、自分が一番になる為に誰よりも努力する君を知っている

 

そして、そんな想いに応えてくれるだけの才能を持ち合わせてることを僕は知ってる

 

 

 

_________そうだ。僕は、そういう君に憧れたんだ。

 

 

 

緑谷は静かに構え直す。

 

爆豪の問に答えるかのように

 

 

 

 

__________行くぞ。デク

 

 

 

 

彼がそう口にした次の瞬間

 

()()()()()()

 

気が付けば爆豪は既に緑谷の背後に回り込んでいた。

 

それは今の緑谷でさえ反応が遅れるほどの速さだった。

 

 

 

 

「な‥ッ!?」

 

 

 

 

 

気づいた時には、爆豪は背後にいた。

今の緑谷ですら反応が遅れる速度。

 

本能が警鐘を鳴らす。

 

危険だ。

 

爆豪の気が、爆破と同時に膨れ上がる。

 

 

 

「うおおおおおおおおおッ!!」

 

 

なんとか両腕を入れて、爆破のダメージを最小限に収めた緑谷はすぐさま爆豪に向き直る。

 

これ以上続けてたらこっちが危ない。

 

咄嗟に判断した緑谷は気を開放しながらOFAの力も開放する。

 

 

‥‥‥‥‥しかし

 

 

「‥‥‥‥‥‥かっちゃん‥‥‥‥!」

 

 

 

爆豪はすでに、うつ伏せに倒れていた。

 

拳を握ったまま。

 

そう、この闘いはもう決していたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくした後、演習は終わった。

 

 

勝利したのはヒーローチーム

 

 

僕と麗日さんペアだ。




要望が多かったため、再投稿前の作品も公開設定にすることにしました。
ここでは、なぜ今回書き直しに至ったのかを少しお話しさせていただきます。

まず一つ目は、悟空の扱いについてです。
当初はどこかでフェードアウトさせる予定だったのですが、気づけば物語に常にいる存在になってしまっていました。GT後の悟空のような、「どこにでもいそうで、でもどこにもいない」――そんな不思議な人物像を描きたかったんです。

二つ目は、オリジナルキャラクター「パーツ」について。
設定自体は決めていたものの、性格面などで自分でも魅力的に描ける自信が持てなくなってしまったのが大きな理由です。今回の作品では、改めてしっかり設定を固めてから描いていきたいと思っています。

そして三つ目は、読み返したときに「丁寧に書けている部分」と「勢い任せで書いてしまっている部分」の差が大きいと感じたことです。

こうした要素が重なり、今回の書き直しに至りました。
改めて楽しんでもらえる作品を目指していくので、よろしくお願いします。


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