大体なんでもできる転生者と能力者たち   作:ジャストダイバー

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今この時代にCharlotteを書こう。


大体なんでもできる転生者との出会い

 

 

『特殊能力』

 七十五年周期で地球に接近する長期彗星、通称シャーロット彗星から降り注ぐ未知なる粒子を吸った人間に発症する、いわば病の様なもの。

 その時期に差はあれど、共通してその者の一番多感な時期に発症する。しかし、永遠に、という訳ではない。その者の思春期が終わると、自然に消えていく。

 病、と表現したのはこういった部分も含めてだ。

 

 また、発現する能力にも個人差があり、その能力はどこか未完成、欠点がある。例えば……乙坂隼翼さん。彼の能力である『時間跳躍(タイムリープ)』は、自分の意識を過去の自分へと送り、上書きする。文字通り、過去に戻れるという訳だ。非常に強力な力だが、先程も言った通り、能力にはどこか欠点がある。彼の場合、『能力を行使する毎に徐々に視力を失っていく』というものだ。そして、完全に視力を失った場合、能力を行使することはできなくなる。

 

 もちろん、この欠点も個人差があり、全ての能力には総じてこの欠点がどこかに存在する。これは、能力が発現する時期が原因であると考える。

 

『最も多感な時期』

 具体的に言えば、中学生から高校生くらいの時期だ。大人から見れば未だに子供。大人と比べ、どこかが足りない、欠けている。そんな彼らの力だからこそ、それもまたどこか欠けている、といった風に。

 

 ……ここまで話したが、別に俺は能力者という訳ではない。ああ、もちろんこれから発現する可能性もあるが……まあ、無いと言っていいだろう。

 こういってしまうのはなんだが、俺は大体なんでもできる。慢心とかでは無く、この世界に来る時に神様にそうお願いしたからだ。

 

 そう、俺は転生者である。普通に生きてたら神様のミスで死んじゃったという、よくあるパターンで転生してきた。大体なんでもできるっていうのは、そのお詫びで貰った、いわば特典というやつ。まあ、この特典についてはほぼ使っていない。せいぜい、産まれた時に親共々これからも健康な肉体になるようにした位だ。おかげで俺の両親はすこぶる元気。元気すぎて騒がしいと感じる程だ。

 

 能力を使わないことに特段理由がある訳でもない。ただ、何となくだ。何となく、この力を自由に使っていたら、この世界に生きる人達を対等な人間として見れなくなると思ったからだ。傲慢だと思うかもしれない。しかし、どうしてもそう思ってしまった。ま、おかげでそこそこ友達は居るし、関係も良好なものであると思っている。

 

 そして、さっき話した特殊能力云々は、この世界に転生した時、大体の世界の全貌というか、そういうのを知ろうとしたら流れ込んできたもの。例で言った乙坂隼翼さんの能力というのも、分かりやすい例を求めたら流れてきた情報だ。彼のことはよく知らない。少しは知ってるけど。

 

 さて、どうしてこんなことを思い出しているのか、という話になってくるが、それについては、俺の友人が関係している。

 

 どうやら最近そいつにも能力が発現したと思われる。隠しているつもりらしいが、能力のことを知っているこちらからすれば分かりやすいったらありゃしない。誤魔化し方が下手すぎるんだよ、急に意識を失っておいて何が『地面を抱き締めたくなった』だ。馬鹿か。馬鹿だったなあいつは。

 

『五秒間任意の人間の身体に乗り移る』というのがそいつの能力らしい。なるほど、それならあいつのテストの点数が急に上がったのも、俺に授業の内容を聞きに来なくなったのにも頷ける。当日にカンニングすれば終わりだからな。

 

 しかし、だからと言って、なあ? 中の中くらいの成績だったやつが、急に満点なんて取り出したら疑われるに決まってる。カンニングしろとは言わないが、もう少しこう、上手くやれただろうに。

 

 あんな調子じゃいつか痛い目見るぞ、絶対。まあ、あいつが楽しそうなら別に良いんだが───っと、電話? 誰から……おお、噂をすれば。

 

「もしもし? 急に電話してきてどうした? 有宇(ゆう)

『ああ悪いな九重(ここのえ)! だがっ、その、緊急事態でな!』

「そんな息切らしてるなんて珍し……くもないな。お前体力無いし。で、なんでそんな急いでんの?」

『なんか、変な奴らに追われてて! 助けてくれ!』

「追われてる……? 今どこにいる?」

『いつもの商店街、だっ! 頼む! マジでやばいんだよ!』

「分かった分かった。今行くから。電話は切るなよ、何かあったら逐一報告しろ」

『頼むぞ! っと、うわぁ!?』

 

 ふむ、意外とヤバそうだな。ただ、死にそうなら何となく分かるし、今回のは然程やばくないタイプのヤバいやつだ。多方あいつがなんかやらかしたんだろ。なんか呼び出しくらってたし。

 

 しゃーない。行ってやるか。

 

「悪い、ちょっと先帰るわ」

「ん、おお。気をつけてな」

「おう、また明日な」

 

 途中まで一緒に帰っていた友人に断りを入れ、とりあえず商店街へと向かうが……電話口からは、早くしろだのヤバいだの馬鹿みたいなことしか聞こえてこない。情報を言えってんだ情報を。

 

 少しイラつきながらも商店街へと辿り着くが、いつもとは違い、少し荒れている。恐らく、有宇を追っているというやつの仕業だろう。

 

「……ちょっと急ぐか。有宇、今どこにいる? こっちは商店街に着いた」

『奥の河川敷の前! でも、流石に撒いた……は!? まだ居るぅぅぅぅぇぇぇぇ!?!?!?』

「有宇? おい有宇! ……ちっ、捕まったか。だからちゃんと運動しろって言ってるんだ!」

 

 クソ、もう捕まったのかよ。あいつ弱すぎだろ。

 ……はぁ、仕方ない。産まれた時以外で使わない様にしてたけど、流石に使うべきか。

 

「確か、奥の河川敷だったな。だったらこの位でっ!」

 

 良い感じに足に力を込め、上へ飛ぶ。跳躍では無く、殆ど飛行の様なものだ。大体なんでもできるからね。

 さーて、あいつは何処に……お、居た。一緒に居るのは、多分有宇を追ってたやつらだろう。つーか、相手学生じゃん。しかも女の子居るし。

 

 あ、殴られてる。結構良いの打つな、あの子。……っと、いけね、とりあえず事情聞かないと。

 

 そう考え、空を飛んできたということがバレない様、彼らの後ろに着地する。

 

「あー、ちょっと良い?」

「「っ!?」」

「っ! 九重! お前遅いぞ! めっちゃ殴られたんだけど!?」

「知らねぇよそんなの。早い方だろ?」

「うぐっ……」

 

 それなりにボコされていたが、意外と元気そうで安心。

 

「失礼、貴方は?」

 

 そんな話をしていれば、先程からこちらを警戒していた二人の内、男子の方がこちらに話しかけてくる。

 

「ああ、邪魔しちゃって悪いね。俺、こいつの友達なんだけどさ。どうせこいつがなんかやらかしたんだろうけど、一応状況聞いて良い?」

「おい、どうせって何だ」

「お前関係で問題が起きる時は大体お前が悪い」

「ぐぅ……!」

「っと、ごめん。名乗って無かったな。俺は九重廻(ここのえめぐる)

「これはご丁寧に。私は高城丈士朗(たかじょう じょうじろう)と申します。そしてこちらが……」

友利奈緒(ともりなお)っす。で、なんで我々が乙坂有宇さんにこんなことをしているのか、でしたか?」

「ああ、一応友人なんでね。理由は聞いときたくて」

「分かりました、お話しましょう」

「おい、僕の意見はどうなる! こいつにはあまり知られたくないんだが!」

「知らないっすよ。貴方が悪いんですから、大人しくしていて下さい」

「ぐぬぬ……!!!」

 

 そうして彼女、友利奈緒さんから語られたのは、予想通りというかなんというか。単にこいつがカンニングしてたのがバレたから、それを問い詰める為に追いかけていた、ということらしい。

 

 まあ、恐らくそれだけでは無いとは思うが。ただカンニングしただけなら、学年主任かなんかに呼び出しを受け、厳重注意か成績を下げられるくらいだ。ここまで追いかけたりはしない。つーか、そもそもこの人達うちの学校の生徒じゃないし。

 

 十中八九、特殊能力関係だろう。ま、態々それを言う必要も無いけど。

 

「ふーん、なるほどね。やっぱお前が悪いじゃねぇか」

「ちっ! だからと言って、ここまで追いかけてボコってくるのはやり過ぎだろう!」

「まあ気持ちは分からんでもないが。つか、お前がカンニングしてるなんてとっくに気づいてたぞ」

「は!? いつ! どうやって!?」

「分かりやすすぎるんだよ。急に授業の内容とか聞きにこなくなったり、点数が伸びたり。勉強見てきたの誰だと思ってんだよ」

「ぐぅ……」

 

 自業自得、そう言う他ない。はぁ、急いで来て損した。久しぶりに特典使ったからちょっと疲れたし、今日は湯船にでも浸かるかな。

 

「にしても、随分来るのが早かったっすね。乙坂有宇君が貴方に電話をかけて五分も経ってないと思いますけど」

「ああ、そりゃ空をひとっ飛びして───あ"っ」

「空を───」

「───ひとっ飛び?」

 

 やべぇミスった。完全にミスった。油断した〜クソ! ど、どうする? どう隠す? この場を上手く切り抜けるには……って、ん? よく考えたら別に隠す必要なんて無いよな? 俺別に悪いことなんてしてないし、この人達は暫定特殊能力とか、そういったものに対しての理解があるから、別にヤバいやつ認定なんてされない。

 

 うん、別に隠さなくていいな。危ねぇ〜、焦った焦った。

 

「ま、待て待て待て! 九重、お前も能力を持ってるのか!?」

「お前もって、まるで他にも能力者が居るみたいな言い方だな」

「あっ……。い、いや、そんなことはないけどな? 言葉の綾ってやつだよ」

「九重さん、それ本当ですか?」

「そうそう。俺実は超能力者でした〜ってね。どう? びっくりした?」

「そりゃもう驚きっすよ。因みに、見せてもらうことって可能ですか?」

「ん〜、あんまり人に見せるのもね。将来はマジシャンになろうと思ってるんだ、実際に見せるのは、俺がマジシャンになってテレビに出てからってことで」

「……その能力は、大人になる前に消えてしまいます。ですから、その夢は少し厳しいかもしれませんね」

「へぇ? そうなんだ」

「それは───」

 

 そう言って、彼女は特殊能力についての説明をしてくれた。知っての通り、俺の能力はそれとは少し違うものであるが、彼女は真剣に、俺の為を思ってこう言ってくれている。それを要らぬ心配だ、と切り捨てるのは、あまりに宜しくない。ここは素直に従っておこう。

 

「なるほど、じゃあマジックショーで大儲け、っていうのは出来なさそうか。残念残念」

「そうっすね。その能力が消える時まで、使わないことをお勧めします。でないと、こわ〜い研究者達に見つかって解剖されちゃうかもしれないっすよ?」

「怖い怖い。まあ、これまでもほぼ使って無かったんだ。今回も有宇が緊急事態って言うから使っただけだし。これからも使う気はないよ」

「なら安心です」

 

 心底安心したような顔をする友利さん。どうやら、さっき言ってた研究者にどうたらって内容も嘘という訳では無さそうだ。捕まってもどうにかできるとは思うが、家族に危険が及ぶ可能性もある。もう使わないに越したことはないだろう。

 

「ちょ、ちょっと待てよ! 僕のことはあれだけ殴っておいて、こいつには何にもなしか!?」

「何言ってるんすか。貴方と違って、彼は無闇に能力を使ったりしていません。殴る理由が無いでしょう」

「能力を使ったからと言って、殴っていい理由にもならないだろ! クソっ、なんだってんだ全く。……そうだ! 僕が転入って言うなら、こいつも転入させればいいだろ!」

「転入? お前転入すんのか?」

「ああそうだよ! こいつらの学園に無理矢理な!」

「そうか、頑張れよ」

「もう少し動揺してみたらどうだ! おい!」

 

 にしても、俺も転入ね。そりゃ無理な話だ。俺はこいつみたいに何かをやらかしたとかではないからな。せいぜい知り合いが誰も居ない学校で友達作りを頑張るんだな。はっはっは。

 

「ふむ、九重さんも、ですか。どう思います? 友利さん」

「そうっすねぇ……。本人が能力者で、こちらの話を理解してくれる、と。野放しにしておくのも不安が残りますし……うん、九重さん」

「どうかした?」

「貴方にもうちの学園に転入してもらいます」

「え??」

 

 え???? 

 

 

 

 

 





・九重 廻(ここのえ めぐる)
本作オリ主。いつものテンプレ展開で転生したオリ主。原作知識はない。なんとな〜くで貰った特典は使ってないが、使う時は使う。
乙坂有宇とは幼馴染、とまでは行かないが長い付き合い。あいつの兄ちゃんどこ行ったんだろうな〜と思っている。胸より足派。

今の時期にCharlotteを書く勇気。ハメって思ったよりCharlotte原作少ないのね。
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