狼は今酒場にいる
「オッ…オオガミィ~なんで行くんだよ~」
狼は今、酔っ払いの相手をしていた。
酔っているのはマリスにゾルダート…
他にもステップトリーダーの団員の皆さんもいた。
大声を出して酔っているのは、いつもの二人
非常に面倒である。
時刻は今日の昼に遡る。
明後日にはここを立とうと思う…
そうマリスに言うと
「なら最後に皆で飲もうぜ」
その結果
「テッメェッッ!!最後まで俺の勧誘断りやがってッ」
泣き上戸に怒り上戸…実に愉快な店内だ。
団員がまあまあとゾルダートを落ち着かせる。
「カルネル」
「んぁ…どうした狼」
狼はどうしたじゃないだろッ…そんな意思がこもった目線を送る。
「ぁあ...そうだった」
「俺さ狼の旅について行く事にしたから」
…
……
「「はぁ?」」
「オマエッ何抜け駆けしてんだッ!!」
ゾルダートが怒る
「カルネルッお前ー!!」
マリスが掴みかかる。
それを何人かで抑える。
そんなことが繰り返されて楽しく騒がしい時間は過ぎていく。
数時間後
風が冷えてきた。
「カルネルを連れてくのは、正直正解だな…」
彼らの頭もクールダウンしてきたらしい。
確かに彼は金勘定に関しては、他の二人よりも群を抜いて優秀だ。旅商人としての経歴もあるため外国語にも深く精通している。
「俺はまだお前の弾きを体得できてないんだが…」
「勝手に身に付けろ、教えれることは全て教えた」
「くそ~」
ゾルダートは文句を言ってその後も酒をガブガブと飲んでいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
狼は夜風に当たるために店のベランダに出ていた。
商店街からは賑やかな声が聞こえてくる、勿論狼が出た店内からもだ。
ベランダの柵にもたれる。
上を見ればそこには星空が浮かんでいて、月は静寂を体現しているかのように美しい。しかし、ひと度目線を下げれば騒がしく活気に満ちた空気になるのだから不思議なものだ。
そこにあるのは血ではないのだから
「にしても、こんなものか…」
少しは人のいる生活に慣れてきた狼、これからもカルネルとか言う商人が旅の仲間になるのだ。
旅の仲間が加わったので、改めてこれからのことを少し整理しなくてはならない。
「旦那~?」
すると声が聞こえてきた、少し酔いが回っているらしい。
「…」
その呼び方は気に入らない
「ごめんッて」
カルネルは狼の隣に来る。
「…」
「カルネル…死ぬぞ…」
顔を見ずにそう言った、狼の旅は恐らく厳しいものになる。杞憂になる可能性は低いだろう、頭の中にあるのは自身の竜胤の力とあのヒトガミという神紛いの存在についてだ。
奴の御告げには逆らった、恐らく今の状態に変化がなければ奴自身に何らかの不利益が起こるのだろう。
目的も分からぬ以上、奴の利益など考えたところでしょうがないが。何らかの刺客ぐらいは来るかもしれない。
そんな中でカルネルが自身の命を守れるとは思えなかった、なんなら狼はカルネルを途中で見捨てることすら想定している。
当然と言えば当然だ、狼の隣に立っていた存在は己の生存は二の次と考える者達しかいなかった。
和気藹々とした空気などない。名誉、誉れ、死様、使命、それこそが彼らが常に指針としていたものだ。
それに彼は主ではない、
「本当によいのか?」
…
「お前が俺に恩を感じていて、それを返したいと思っているのなら。これから先の旅で後悔することになるからもしれん」
……
「お前は…敵に勝てるか?」
「無理だな、お前の基準で言うと勝てる確率は低い」
狼の強さは一級品だ、その本人が忠告するのだから、それ相応の相手と遭遇する可能性があることぐらいはカルネルにも理解できる。
「狼、少し付き合えよ」
「…」
そういって狼はカルネルに着いていく、そこから数分間は歩き続けた。着いた場所はちょっとした広場。
「俺さ、考えたんだ…狼には俺たちに言えない秘密があるって。」
「それが何なのかは分からないけど、でも俺がお前の旅に同行すると言った時にさ、俺に忠告してくれただろ?その秘密が関係してるってことぐらいは察しが着く。」
「安心してくれ逃げるのは得意な方だ…その…少し目を瞑っててくれないか?」
そう言われて狼は目を瞑った。
「もう開けていいぞ」
目を開けるとそこにカルネルはいなかった
「ここだよ」
声のした方に振り返る…
しかし…そこには誰もいない。
「前だよ」
再度振り向くとそこにカルネルはいた
これにはさすがの狼も驚かされた、動く音はした。呼吸の音も声も確かに聞こえた、なのに姿だけが消えていた。
「俺さ神子なんだ」
「神子…」
「そっ神子、生まれながら何らかの力を有している存在、それが神子」
「この力で姿を消して、今まで何度か死線を掻い潜ってきたこともあったんだ(笑)」
「自身で操れるのか?」
「うん、限度はあるけどね」
あとは音を完全に消せば、もはや月隠ではないかと狼は思った。好きなタイミングで月隠を使用できる、実に便利な力だ。
確かにこれなら敵から身を隠す、戦線から逃れることも容易かもしれん…或いは忍殺すらも…
「旅に着いていくと言いきれた理由はもう今ので十分に分かった。」
だが、それだけでは足りん…
するとカルネルは何かを決心したような表情をする。
「狼ッ…無茶を承知で言う。」
「旅の道中で俺に剣を教えてくれ」
はぁ...
この先あと何度ため息を吐くことがあるのか狼は考えたくもなかった。
数秒の沈黙…
「いいだろう…」
「いや~やっぱ駄目だよなっt…いいの!?」
「他に自衛の手段があるのか?」
「いやッ念のため魔道具とかもあるけど…」
なら後でその魔道具も見ておこう…
「それだけでは直ぐに死ぬだろうな、先ほどの力も限度があると言っていたからな。」
「…」
「言っておくが決して優しくはしない、今のお前は消耗品や道具に頼らなければ雑兵にすら負ける危険がある。共に旅をすると言った以上は、そう簡単に死ぬことは許さん。
だから体術や剣術の見本を俺が見せる。死ぬ気でそれを己の血肉にしろ。」
ゾルダートのように剣術としての経験があるわけでもない、これは長い目で見ても骨が折れそうだと狼は覚悟した。
「ところで…その力その事を二人は知っているのか?」
「いや…知らない筈だ」
…
……
「お前も俺と対して変わらないじゃないか…」
「そ…うだな…」
深く追求しないのは御互い様らしい、狼はそれ以上のことを聞きはしなかった。
カルネルは少しだけ笑った
「どうした」
「そうか…いずれ話すよ、俺はな?」
「…」
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ゾルダートとマリスは狼とカルネルがいないことに気付くも、構わずに飲んでいた。
アイツら遅いなぁ…
店の扉が開く
「オッどぉこ~行ってたんだよ」
「ワリィ、少しだけ外で話してた」
「ゾルダート…」
「何だ」
「明日の朝にはここを出る、世話になったな」
「ハッ根性の別れみたいにしてんじゃねぇ~」
狼は冗談を言うような性格ではない、そのため毎回真面目な雰囲気になってしまう。
「マリス…」
「いい旅仲間が見つかって良かったな?」
「そうだな…」
「はぁ...寂しくなるなぁ~」
「…」
「でもお陰で不安は無くなった、行ってこい、ゾルダートの言う通り根性の別れかは分からねぇからな」
この時の狼はその言葉に実感を持てていなかった。
「そんなことよりお前らッ今夜は飲むぞッ!!!!」
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!!
そこから酒を飲むスピードは上がり、腹ボケを起こして、アルコールに胃を殴られ吐きそうになる。
「狼…」
「マリス…どうした」
オェ♪♪♪♪~♫♫~★~
!?!!
キンッ
狼は人生で始めてゲロを弾いた…
しかし…
流石はマリス。
見事に狼のズボンへ、二滴のゲロを着弾させることに成功した。
彼の人生には、もっと酷いものを弾いた経験もある。
だがこれは、間違いなく“二番目に酷い”。
弾かれたゲロは、天井にべったりと張り付いた。
その光景に、ゾルダートは大爆笑してそのままノックアウト。
今にも笑い死にしそうだ。
店内のボルテージは、さらに上がっていく。
「狼ッお絞り…」
カルネルは慌てて持ってきた。
「はぁ...助かる」
今日は朝まで帰れそうにない、そんな勢いに狼の心は少しだけ悪くないと思った。
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別れの当日
飲み会のどんちゃん騒ぎが嘘かのように静かな早朝。
馬車を見送る二人
「アイツら上手くやっていけんのかね…」
「まぁ…なんとかやるだろ」
二人は遠くなる馬車を見て、静かに二人の旅の安寧を願った。
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「旅が始まるなぁ…懐かしいなこの感覚」
「行き先はもう把握してるな?」
「あぁ…ベガリット大陸だろ」
こうして狼とカルネルの旅が始まった。
取り敢えず強敵と戦わせないと戦闘描写が長く書けない
増やして欲しい描写
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戦闘シーン
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日常会話
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今のところ問題ない