そんで文化祭が終わったら修学旅行じゃねえですか......体育祭どうします?いります?それとも不要?
「さてわかっていると思うがくれぐれも雪ノ下を傷つける行為をしないように」
「わかってる」
俺は平先の車に乗り雪ノ下が住むマンションにたどり着いた。はあ、まさか雪ノ下の家で一晩泊まることになるとは.....でも今のコイツを一人にはできないししゃあないか。幸いコイツの寝顔を見る限りさっきよりは確かに回復してるし明日には微熱ぐらいになってるかもな
「もしお前が蛮行に及んだら私はお前を躊躇なく殺す」
「しねえよそんなこと。ていうか早くコイツを横にしてやりてえから離せ」
平先は俺の肩を離し運転席に座る
「だが私は嬉しいよ」
「なにがだ?」
「雪ノ下は今まで人に頼ることをしなかった....いやできなかった。そんな彼女がお前を頼った。こんなときに言うのはなんだが彼女の成長を見れて嬉しいんだ」
「ふっ、そいつは光栄だな」
「ああ、存分に誇れ」
ああ、嬉しいさ。この上なくな
「もし彼女の看病の件で何かあったら私に連絡しろ」
「おう」
「雪ノ下を頼む」
そういい平先は去っていく
「ああ、任された」
俺は雪ノ下をおぶりマンションのエレベーターに乗り雪ノ下の部屋の前に着く
「悪いな、雪ノ下。ちょっと鞄の中漁らせてもらうぞ~....ってなんだよこれ」
コイツ、文化祭の資料と承認印入れてやがる。どこまで無茶するつもりだよ
「この生真面目副委員長が......」
部屋の鍵を入れ俺は雪ノ下宅にお邪魔する
「おしゃれだな....って今はそれよりも」
俺は雪ノ下をソファに寝かせる
「さてと冷蔵庫拝見させてもらうぞ....マジかよ、この家冷えピタ常備してねえのかよ」
一人暮らしの家には冷えピタ完備してるもんだろ....というか冷蔵庫の中、見事になにもねえ
「19時.....」
ここからだったらあそこのスーパーに行くか。冷えピタ、米、卵、にんにく、はちみつ、レモン汁、ほうれん草......あとは俺用の歯磨きとかか
「........はあ」
俺は先ほどの書類の存在を思い出す。俺、細かい作業得意じゃねえんだけど......
「エナドリも買うか」
雪乃side
ここは.....私の家?というより私、いままで眠っていたの?
「思い出せない......」
確か黒崎君と家庭科室で洗い物をしていて.....
「Zzz....Zzz......」
「え.....?」
これは夢なの?なんで目の前には机に突っ伏している黒崎君がいるの?それにこの匂いは......私は匂いが発せられているキッチンの方に足を進める。そこには黄金に輝く卵粥が鍋一杯に置かれていた
「思い出した、私家庭科室で倒れたんだわ。それで平塚先生と黒崎君が病院まで連れて行ってくれてそれで....」
私が黒崎君にお願いしたんだったわ......それにしても
「美味しそう....」
頭痛もひどいし、体もだるい。でもこの料理を見るとその全てを押しのけて食欲が勝ってしまう
ぐうううううううう......
「............ッ」
こ、これは///////コホン、そうこれは人間として当然の反応で.....いえやめましょう。私は一体誰に言い訳をしているのかしら。とりあえず彼を起こしましょう。私はリビング寝ている彼に近づくとあるものが目に入る
「この書類は.....」
私が全部持って帰って確認するつもりだった書類。まさかこの量を全部.....しかも承認、否認でちゃんと分けてくれている
「Zzz......Zzz........」
『これ以上足手まといに構ってる暇はないの!』
『俺はお前の足手まといというわけだ!』
とんだ見当違いね。私も貴方も...
「.......ありがとう」
「んが!?」
「........!」
「おお、雪ノ下おはよう。体調はどうだ?」
「ま、まだ体はだるいけれどさっきよりはだいぶ良くなったわ」
「ならよかった。どうだ食欲あるか?一応飯作ってっけど」
「いただくわ」
「了解。じゃあ座って待っててくれ」
黒崎君はキッチンの方に向かい温めたおかゆを持ってきてくれた
「ほい、俺特製たまご粥。あちいから気を付けて食えよ」
「....いただきます」
私はレンゲでお粥を掬いそれを口の中に運ぶ。その瞬間優しい味が口いっぱいに広がる
「....美味しいわ」
「そりゃあよかった。それにそのお粥少量のチューブのにんにくが入ってからすぐにポカポカになるぞ」
なるほどさっきの香ばしい匂いはにんにくね。
「それとこれアクエリな。冷蔵庫の中にあと2本入ってからじゃんじゃん飲んでくれ。それとデザートにヨーグルトとプリン買ってきたから好きな方食え」
そうだ。よく考えたら今日、私は買い物して帰る予定だったらからさっきまで冷蔵庫の中にはなにもなかったはず。それにこの額に貼られている熱さまシート、私の家にはなかったはず
「わざわざ買い物させてしまってごめんなさい。いくらかしら?」
「はい?」
「買い物代よ。....さっきも言ったけれど私、他人に借りを作るのが嫌いなの」
「はあ........5円」
「ふざけないで。ちゃんと答えなさい」
私の言葉に黒崎君はため息をつく。なに?私、そんなおかしなこと言ったかしら
「じゃあお前はその借りっつうの返せればいいんだよな?」
「ええ」
「だったら借りを返すな。これでチャラな」
「は...?」
「だから借りを返さない。そうしたら借りを返したことにするって言ってんだよ」
めちゃくちゃだわ。
「ふふっ、馬鹿みたい」
「馬鹿で結構だ。それよりもう茶碗空だけどまだ食うか?」
「そうね...今度はもう少しほうれん草を多めにお願い」
「かしこまり」
優美子さん
『かーくんは子どもっぽいしデリカシーないしめちゃくちゃだけど.....』
『.............』
『あーしはかーくんのそういうところに救われた』
あのときは理解ができなかった。けど今なら少しわかった気がするわ
「ほらお待ち!」
こうして私は二杯目のおかゆを平らげ手を合わせる
「食器もらっちまうな」
「このぐらい自分で」
「病人は大人しくしてろ」
黒崎君にソファに座らされて数十分後
「よし、こんなもんだな」
彼は湯気を発しているコップを持ってきて机に置いた
「風と言ったらやっぱりこれだろ”ホットレモン”。お湯にレモン汁、はちみつを混ぜ合わせたもんだ」
はちみつとレモンの優しい匂いが広がる。私は舌先に熱を感じながら”ホットレモン”を飲み進める
「ふう......」
「美味いだろ。ビタミンCとはちみつで一気に疲労回復よ」
彼の言う通りさきほどまで感じていた寒気が消え去った。それどころか体と心が温まっていくのを感じる
「あとこれ病院でもらった解熱剤な。一緒に飲んでくれ」
そう言いながら彼は氷枕を手際よく準備していく。......なんか手慣れすぎてて少し怖い
「体拭いてくるわ」
「おう、行ってら」
私は洗面室の方に足を進める。でも熱のせいなのかいつも通っている廊下がいつもより暗く、冷たく、長く感じてしまう。さらに言えばちょっとした恐怖すら感じてくる
『目の前に困ってる友人がいる。だったら絶対助けたいし支えたいだろ?』
「............ねえ」
「ん?」
海斗side
「...............」
「...............」
なんでこうなった?状況を整理しよう。まず雪ノ下はお粥もホットレモンも完食完飲した。薬も飲んで体を拭くために洗面所に向かった。そしたらすごく弱弱しい声で俺に声をかけてきて
『背中...拭いてほしいのだけれど......その....まだ体が思うように動かなくて』
そしてリビングで上裸(前はちゃんと隠してる)の雪ノ下。うん、なにがどうなってこうなった?でも仕方ねえじゃん!あんな声でお願いされたら断れねえ.....でもなあ
「黒崎君、できればはやくしてほしいわ」
「ああ、そうだな、悪い」
そうだ。今のコイツは病人。長時間の上裸はやべえ。覚悟を決めろ
「じゃあ...いくぞ」
「ええ。お願い」
俺はゆっくり雪ノ下の背中にタオルをあてる
「んっ...!」
「あ、強かったか?」
「いえ。少しおどろいただけだから....だいじょうぶ」
「じゃあ続けるな」
俺はゆっくりそして丁寧に背中を拭いていく。それにしてもコイツ体、ちいせえな。この体に色んなもん背負ってたんだよな......
「よく頑張ったな」
「え......?」
俺の口は自然とその言葉を発していた
「いやお前はすげえなって思ったんだよ。委員のやつらが来なくなって自分の仕事量がありえねえぐらい増えてもお前は副委員長として誰よりも頑張ってきたんだもんな」
「...........ッ」
「俺なんてあの机の書類に目を通すだけでもう目が痛いのなんのって....お前はあの量の何倍もこなしてるっつうのにな」
もしエナドリがなかったら間違いなく沈んでたぜ。って俺いまもしかしてすげえ上から目線?
「...そうなのかしら?」
「そうだろ。だってお前の頑張りがなかったら多分...いや今年の文化祭開催されなかっただろあれは」
「......姉さん」
「ん?」
「私が姉さんみたいに完璧だったら...もっとうまくやれていたわ」
「雪ノ下?」
「私がもっとうまく立ち回っていたら....こんなことにはならなかった。貴方達にも迷惑をかけることなんてなかった。それにあの時」
「えい」
「ひゃあ!?」
俺はたまらず雪ノ下の背中を人差し指でなぞる
「ふふっ、”ひゃあ”って」
「く、黒崎君...!貴方、いまのは訴えられても」
「わるいな。つい」
「ついって...貴方...!」
「だって仕方ねえだろ?文化祭の為に必死に努力してきた俺の友人を悪く言うやつが目の前にいたからよ。ちょっとお灸を据えてやった」
いやマジでムカついたわ。でも相手は女子だったから手加減したけどこれが戸部とかだったら間違いなく張り手だぜ?
「確かに陽さんはすげえ。でもな文化祭の実行委員を率いてここまで来られたのは陽さんのおかげじゃなくてお前の努力があったからだろうが」
「............でも私は副委員長として何もできなかった。もし貴方達がいなかったら」
「そんなことない。自分の努力を誰かと比べんな」
「............ッ」
「もう一回上から目線だけど言うな。........”よく頑張ったな。そんで俺たちの文化祭の為にここまで頑張ってくれて本当にありがとう”」
「黒崎君.......」
雪ノ下は振り返り頭を俺の胸にうずめる
「私....ずっと努力してきた....雪ノ下陽乃の妹として周りの期待に応えなきゃって.....」
「おう」
「でもどれだけ努力しても私は姉さんのようになれなかった。努力すればするほどみんな私から離れていったわ」
「............」
「だから今まで一人で頑張ってきた......うまく立ち回ろうとした、完璧になろうとした。でも.........でも私は完璧でもなければ強くもない.....」
雪ノ下の腕の力が強くなる
「一人では限界があった.....でもわからないの。今まで一人だったから」
そうか。コイツは人に頼らなかったんじゃねえ.....頼れなかったんだ。ずっと一人で努力してきたんだもんな
「だったらまずは本心をぶつけてみろ」
「本心....」
雪ノ下が顔をあげ俺の目を見る
「お前はいま何に苦しんでる?何が辛い?何にムカついてる?何を求めてる?」
「私は......」
「ゆっくりでいい。お前が話せるようになるまで俺はずっとここにいる。だから.............
雪乃、本心と向き合ってやれ」
雪乃side
私の本心.......
『雪ノ下さん、お姉さんと何があったか知らないけど委員会に私情を持ち込まないでよ』
『私の時はクラスの方もたのしんでたけどな~」
貴方達のせいで実行委員は半減したのよ?
『さすが雪ノ下さんの妹!』
『やっぱり姉が天才だと妹も天才なのね』
姉さんは関係ない。これは私が努力した結果
『なんでアンタなんかが葉山君に気に入られているのよ』
『いいよね雪ノ下さんはなんでもできて』
私がなんでもできる?馬鹿言わないで。できるようになるまで努力しただけよ勝手に知った風な口を聞かないでちょうだい。ていうか葉山君に関しては本当に知らないわよ
『雪ノ下』
『雪乃』
『ゆきのん!』
『雪ノ下さん』
『雪ノ下....』
『雪ノ下さん』
「雪乃」
私は..........
「黒崎君.....」
「おう。」
「すう.......」
私はたぶん人生で一番大きい深呼吸をする。そして
「なんで相模さんはあの愚姉の言うことを鵜呑みにしてあんな馬鹿みたいな提案をしたの!?あとそれに乗る他の人も一体どういうつもり?責任と言う言葉を子宮に置いてきたのかしら?そのおかげで残った人がどれだけ苦労したのか....!というか姉さん、本当に余計なことをしてくれたわよね.....今考えるとなんで私あの人のこと尊敬していたのかしら?あんな人ただのトラブルメーカーじゃない!」
ああ、今までの蓄積が全部外に出ていくのを感じるわ
「それに昔からあの人と私を比べてくるの本当にやめてほしかった、ただただ不愉快だしそれを教員がやるって....教員いえ一人の大人として失格よね?あと私は天才肌でもなんでもないのにやれ天才だの....才能だの....本当に腸が煮えくり返りそうだわ....!私はただできるようになるまで努力をしただけ。それを見ないで勝手に嫉妬して離れていじめて.....!」
「おう。それでそれで...」
「気づけば高校2年生まで友人が0。だから人との会話もいつの間にか不得意になってたわ。笑えるわよね」
「いや笑えは...しねえな」
そこから私は黒崎君に今まで隠してきた本音を全部ぶつけた。途中で泣いたり怒ったりと....自分でもわかる子どものようだったとでも彼は
「それは確かにムカつくな」
「そうでしょう?そのせいで私は毎日うわばきを持って帰る羽目になったのよ」
ただまっすぐ
「ええ。秋穂さん...」
「あの人は昔からそういう人よ。外面がいいだけなんだから」
「それはさすがに言いすぎじゃね?」
「いいえ。だいたい........」
うるさい私のうるさい話を聞いてくれた。でも仕方ないじゃない。彼、聞き上手なのよ
「私は雪ノ下陽乃の妹としてずっと頑張ってきたのよ....」
「そんな周りが勝手につけた肩書なんて気にすんな」
「そうは言っても」
「肩書はお前の全てを語るもんじゃねえだろ。だったら気にする必要なんてない」
暖かい。彼と話していると本当に暖かい。まるで太陽と話しているみたい
「ねえ」
「どうした?」
「こんなタイミングで言うことじゃないでしょうけど...」
『目の前に困ってる友人がいる。だったら絶対助けたいし支えたいだろ?』
「文化祭実行委員、次も手伝ってくれる?」
「........雪乃」
「貴方達のおかげでだいぶ進めることができたけどまだまだ全然間に合わない。それに貴方がいてくれれば私はすごく心強いのだけれど......」
私の言葉に黒崎君は笑みを浮かべる
「せいぜいこき使ってくれよ?副委員長」
「ええ。存分に使ってあげるわ。覚悟しておきなさい」
安っぽい言い回しだけど本当の友情を結ぶように私たちは握手をする
「それとお前につたえたいことがある」
「なにかしら?」
黒崎君は頭を掻きながらそっぽを向く
「いや..あの....あまりにもエキサイトしてから言うに言えなくて」
「言いなさい。私の本音を聞いた以上貴方も私に言いたいことは言うというの筋でしょう?」
「........胸隠さないでいいの?」
「え...........ッ//////////!」
ま、まさか私ずっと.....!
「その伝えにくくて...」
「そ、そういうことはもっと早く言いなさい!バかいと君!」
「痛すぎる!」
海斗side
「風呂あんがとさん」
「気にしないで」
あれから俺は雪乃の厚意でシャワーを浴びさせてもらった。すると雪乃は俺を手招きしソファのとなりに座らせた
「どうした?」
「もう一人、文化祭実行委員に呼ばないといけない人がいることを思い出したの」
雪乃は俺にスマホの画面を見せる。画面には陽さんのLINEが開かれていた
「.....確かに」
「全ての元凶はこの女よ。だから絶対に責任を取ってもらう」
雪乃はテレビ電話をかけ始める。すると2コール後、陽さんの顔がスマホ上に出てくる
「やっほ~雪乃ちゃん!めずらしいねそっちから電話かけてくるなんて....あ、もしかして愛しいお姉ちゃんに会いたくなっちゃた?.........は?」
「なにかしら?」
「いや...いやいやいや!え!?なんで海斗君がいるの!?」
「今日、私学校で高熱で倒れたの。それで彼に私の看病をお願いしたの」
「なんで....そこは私を呼べば....」
あんな慌てふためく陽さんはめずらしいな
「海斗君、まさか雪乃ちゃんにちょっかい出してないよね?もし....」
「やめて」
「ゆ、雪乃ちゃん」
「彼は私の為に色々なことをしてくれたわ。美味しい料理に飲み物、買い物、本当に色々とね。それと背中も拭いてくれたかしら」
「せ....!?」
あ、陽さん固まった
「それに誰かさんのおかげで滞ってしまった文化祭実行委員の仕事も進めてくれたわ。ほら見てこの資料、全部黒崎君がやってくれたのよ?」
「そ、そうなんだ。さ、さすがだね」
「彼には次の委員会から本格的な委員として手伝ってもらうことになったの。でもまだ人では全然足りないの。.....誰かさんのせいで」
「あ、あはは....雪乃ちゃん、顔こわいよ?お姉ちゃん。かわいい雪乃ちゃんの顔が見たいな~」
「いいわよ。どうせなら生で見ればいいじゃない」
雪乃は満面な笑みでそういう
「歓迎するわ。ちなみにさっき平塚先生に相談したらオッケーを出してくれたから。よかったわねこれからしばらくは妹の可愛い顔を拝めるわよ」
「わ、わあい。でも残念だな~。ほら私大学生で普通に授業が....それに総武高校の文化祭は総武生が作るべ...」
「責任取りなさい?」
「う”っ」
「もちろん取るわよね?だった貴方はもう大学生。自分の責任ぐらいとれる年齢よね?そうよね?........ね?」
怖い....
「いやでも今まで外部の人が委員会に....」
「責任.......phuqhawi.....përgjegjësia.....verantwoordelijkheid......Responsibility....」
「色んな言語で”責任”って言葉をつぶやくのはやめて!」
すげえ、俺最後のやつしかわかんなかったぞ。だがまあとにかくあと一息って感じだな。だったら....!
「なあ、雪乃ちょっと耳貸せ」
「なに?」
俺は雪乃にあることを伝える
「ええ、うそでしょ?姉さん、貴方そんなこと.....」
「え、なになに?海斗君、何言ったの!?」
「それに....」
「あ、ありえないわ....!本当に血を分けた姉がそんなことをしていたなんて....軽蔑するわ」
「カハッ....!」
陽さんが血反吐を吐く
「あとな...」
「待って!待って待って!わかった!わかりました!!!!責任取るからいや取らせていただきますから!雑用でも何でも押し付けていいからもうこれ以上は勘弁して!!!!!」
「その言葉にうそは「ありません!」.....そう。わかった。じゃあ明日からよろしくね。ついでに言うと明日、私は安静にしないといけないから休むけど。もし他の委員の人に迷惑かけたら承知しないから」
「わかりました!」
「じゃあ貴方の働きに期待してるから。これからよろしくね、姉さん」
そう言って雪乃は通話を切る
「..............」
「.............ふ」
「.............ぷっ」
「ふっ..うふふ...」
「ぷっは...あはははは!」
俺たちは足をバタバタさせその場で笑いあう
「まさかあんなカマかけに引っ掛かるなんてな!」
「ふっ....姉さんのあんな様子初めて見たわ....ふふっ」
「俺も!」
ダメだ、笑いが止まらねえ....!
「黒崎君、そろそろ.....w」
「お前だって笑ってんじゃん....w」
「仕方ないじゃない。ずっと笑いをこらえていた...のだから」
22時12分、俺たちはここからしばらくその場で笑い転げてしまうのだった。
雪乃side
「え、お前マジで?」
「マジよ」
歯も磨き終わり私たちは寝る準備をする
「いやマジって.....」
「何か問題でも?まさか貴方、体調を崩して心細くしている女子を一人放っておくつもり?”支える”ってさっき言ったわよね?その言葉は嘘だったのかしら?」
「いやいや....何かあったら俺を呼んでくれたらいいから。さすがに一緒のベッドを二人で寝るのはまずいって」
「私、10年風ぶりぐらいに本心を語ったのよ?」
「”本心”って言葉そこまで万能じゃねえぞ.....はあ、わかった」
まったく折れるなら早く折れなさい....また私、一応病人だからはやく温まりたいの。彼は私の隣に入り反対方向を向く
「じゃあおやすみ」
「ええ」
私はリモコンを手に取り寝室の電気を消す
「Zzz......Zzz.....」
「....いくらなんでもはやすぎない?」
いや、彼は色んなことをしてくれたものね....無理はないわ
「はあ......」
私は寝ている黒崎君の背中に抱き着く
「ありがとう、海斗君」
「Zzz......おう」
こうして私は暖かさに包まれながら意識を落とすのだった
おまけ1
「そんじゃあお前、あの時あそこにいたのか」
「ええ」
陽乃との電話も終わり、雪乃は海斗に当時のことを話す。彼女は文句の一つや二つ言われる覚悟いや嫌われる覚悟を持っていた。沈黙.....
「ほ~ん」
することなく海斗の気の抜けた声が響く
「いや...えっと...そのなにかないの?」
「え...あ、怖かっただろ大丈夫だったか?」
「いやそうではなくて...ほら文句の一つや二つ」
「文句....あ」
海斗は思いついたように手を叩く。雪乃は覚悟を決める
「お前、一人暮らしのくせに冷えピタ完備してねえのはやばいぞ」
「そうね。次から気を付けるわ。......いやそうでなくて」
「あとお前ゆーちゃんから聞いたけどホットサンドの試食会やるみてえじゃねえかよ。俺も誘ってくれてもよくね?」
「ごめんなさい。一応女子会っていう提で彼女たちを誘っていたから黒崎君はまたの機会に」
「そうか。だったらまあ...仕方ねえか」
そう言って海斗は洗面所に歯を磨きに行くのだった
「.........え?」
雪乃は想定外の海斗の反応にしばらく固まらざるおえなかった
『ごめんなさい。私のせいで貴方は....』
「なにが私のせいだっての」
海斗は鏡で自身の腹部の傷を見て笑う
「やっぱ生真面目副委員長だよお前.......」
おま........け?
「わあ...久々に帰ってきたけどここの景色は変わってないなあ」
あ、この自販機確か....あ、やっぱりマッカンが80円で売ってる。学生の時よくここにお世話になったけ
「うん、やっぱりマッカンは美味しいね」
やっぱり僕の職場にもマッカン自販機置こうかな?.......飲むの僕しかいないけど。おっと....考え事するとすぐに着いてしまった
「総武高校....うん、ここもあんまり変わってない」
でもあそこのテニスコートの扉なんか新しくなってる....ん?なんで扉だけ?もしかして誰か蹴破ったり?
「彩人君?」
「.....ん?....もしかして坂口先生ですか!?」
なつかしい...!まだ学校にいらっしゃってたんだ!
「用務員になったんですね」
「ええ。もう教鞭を振るえるほど脳のしわはありませんから」
「何を言ってるんですか...けれど坂口先生が用務員か....ここ意外と広いから管理大変でしょう」
「いいえ。一人よく手伝ってくれる生徒さんがいるからそこまで苦労はしてませんよ」
へえ、そんな心優しい生徒さんがいるんだ
「ところで彩人君は今日何しに?」
「......いや特に何をしに来たわけではないんです。ただ久々に地元に帰ってきたから寄ってみただけです」
「そうでしたか。どうします?せっかくなら中に入ってみます?」
「う~ん.....いや大丈夫です。本当にふらっと寄っただけなんで。では僕はこれで」
僕は坂口先生に頭を下げその場から去る。その時、校庭に置いてあるキッチンカーが目に留まる
「...楓から聞いてたけどもう接触するなんてね」
はあ.....まあでもあの子もいずれ知らないといけないもんね。でも僕はもし君が殴られたとしても心配なんかしてあげないよ
「ジェラード」
読んでくださりありがとうございました!
今回、雪乃は完全に海斗に対し心を許しました。しかしそれは決して恋愛感情といったものではなくそうですね...結衣に近い感じでしょうか?でも雪乃にとって海斗は太陽そのものでありもし彼の身になにかあったら彼女は....たぶんやばいです
なにかあったら.......ですけど
最後に出てきた男性はPicrewの「ぬるめーかー」で作成させていただきましたhttps://picrew.me/share?cd=uRalgHkGm3 #Picrew #ぬるめーかー
ここでマル秘情報エピソードのコーナー!
「由比ヶ浜さん!」
「はい!えっと.....だれ?」
「同じ文実の森田です!由比ヶ浜さんにお話があって...今時間、大丈夫ですか!?」
「え、う、うん」
「その....由比ヶ浜さん!ぼく....」
「お~い、結衣~!今からめぐ姉とたい焼き食いに行くんだけど一緒に行くか~?」
「海君!うん、行く行く!.....えっと森田君、ごめんちょっと急いでくれると助かるなあ」
「.........黒崎」
「うん?.......」
「あ、あんな馬鹿とつるむのはやめたほうがいいですよ」
「...........は?」
「アイツ....いっつも文実をかき乱してるじゃないですか!?おまけに仕事もできないしいっつも城廻先輩や木戸先輩に迷惑をかけて...ああいうのを高校デビューって言うんでしょうね!ああ、恥ずかしいしみっともない...少し顔がいいからってあんな...」
「ねえ.....」
「はい.....ッ」
「うるさい。もう喋らないで.......キモイ」
「え......」
「じゃあね、もう二度とアタシに話しかけないでね。もし次、海君の悪口言ったら、絶対許さないから」
「え....え......?」
「お待たせしてごめんなさい~!」
「結衣、あれアイツ森田じゃん。あ、悪いもしかして俺話してる途中で話しかけちまったか?」
「ううん。全然大丈夫!ほら、早く食べに行こうよ!」
「おう!」
「ああ、ほんっと気持ち悪いなあ」
「ん?なんか言ったか?」
「なんにも!」