魔法科高校の刈り取るもの   作:ぶどうのプレッツェル

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討論会

 

 

 

公開討論会当日

 

講堂には全校の半分の生徒がいた。

 

 

「予想外に集まったな」

 

「こんなにも暇な方が多いとは思いませんでした。カリキュラムの強化でも進言しましょうか」

 

「よしてくれ、市原」

 

「放送室占拠のメンバーがいませんね。実力行使の部隊でも控えているのでしょうか?」

 

「その可能性はあるな」

 

「こちらから手出しできんからな。とくに死刈、先にやるなよ」

 

「はい」

 

 

 

討論会が始まった。議題はもちろん一科生と二科生との格差だ。

 

 

「会長、クラブ予算について質問です。私たちが入手した資料によれば一科生の多い魔法競技系は予算が多く、二科生の多い非魔法競技系は予算が少ない!これは不平等です!」

 

「予算の割り振りにばらつきがあるのは、過去の活動実績と在籍人数を反映している部分が大きいからです。その証拠に、実績をあげている非魔法競技系のクラブには、実際に魔法競技系のクラブと遜色ない予算が与えられています」

 

「二科生はあらゆる面で、一科生よりも劣る扱いを受けている! 生徒会はその事実を誤魔化そうとしているだけだ!」

 

「あらゆる面で、というご指摘がありましたが、A組からH組まで同じ施設で授業を行い、またその内容も同様のものです。あくまで両者との違いは必要最低限のものです。しかし、生徒たちに間に差別意識があるのは事実だと言えるでしょう。ブルームとウィード、多くの生徒がこの言葉を使っています。これは意識の壁が問題なのです。二科生もまた自らをウィードと蔑んでいるのです。また、学校が半分の生徒に重点的に指導をすると決めたのです。これは人手不足が原因なのでどうすることも出来ません」

 

 

ちゃんと反論して、納得できる理由を添えているな。これでは感情論のような主張の同盟側は黙るしかないだろうな。

それにしてもさらに踏み込んだこと言ってるな。まあ分け隔てなく拍手起きてるし、これは真由美の狙い通りということかな。

 

それにしても無粋だ。こんないい時間に襲撃を起こそうだなんてね。

けど予想されてたし、刈り取るものの力は使わなくていいか。もう対処された。

 

 

「私は、みんなを、落ち着かせるね」

 

 

バフは意識するだけで発動するから楽なんだけどな、他は発砲しなければならないのは面倒だと思ってしまうな。

CADを変化させる。片方だけで十分だ。

 

バキューーン!

 

コンセントレイト、と。精神を集中させるものなだけあって落ち着かせるのに最適だね。

達也たちも出て行っちゃったし、私も制圧しに行こう。

刈り取るものは相手を正確に追跡することができる。もちろん刈り取るものの力を持つ私も同じことが出来る。獲物だけだけど、壬生先輩はどこかな……図書館?機密文書があるらしいし、それが目的かな。近くに閉じられた箱があればいいのだが。

 

 

◆◆◆◆

 

 

達也たち実習棟でレオンハルトとエリカと合流し、図書館が目的だと察し、図書館に到着していた。

そこで目にしたのは…

 

 

「全員眠っているな」

 

「放送室を占拠されたときに無那さんが使っていた魔法でしょうか、けれど、無那さんは講堂でみんなを落ち着かせるために残っていたはずですが」

 

「考えてもしょうがない。行くぞ」

 

「俺は襲撃者たちを捕まえとくぜ!」

 

「頼んだ!」

 

 

図書館の中は静かだった。

 

達也は意識を広げ、存在を探る。

 

 

「2階特別閲覧室に5人、階段の登り口に2人、上りきった所に2人だな」

 

「すごいね。実戦だと敵にしたくないや。でもなんで特別閲覧室にいるんだろう?」

 

「機密文献を盗もうとしているのだろう。あそこなら非公開文献にもアクセス出来るからな」

 

「青春みたいなのだと思ってワクワクしてたのにつまんないな。まっ、待ち伏せはあたしがやろ〜っと」

 

「いや待て、おかしい。座り込んでる?」

 

「へぇ」

 

 

エリカがにやりと笑みを浮かべると止める間もなく飛び出した。

 

 

「わ、ほんとだ。これは正常じゃないね」

 

 

そこにいたのは何かに絶望したように座り込んでいる待ち伏せ要員がいた。

階段の上にはぼんやりとしている人がいた。

 

 

「声かける?」

 

「拘束するだけにしよう」

 

 

拘束しようと近づくと彼らは「ああ、ああ…」と言葉にならないうめき声を上げている。

 

 

「気になるけど後にしましょう」

 

「上の奴らもやるか」

 

 

階段の上にいた彼らはふと気がつく。

 

 

「あれ?俺らは何を?」

 

「気絶してなさい!」

 

「ぐぇっ!」

 

 

ぼんやりとしていた所から回復して、周りを把握を出来てない所でエリカがあっけなく気絶させた。

 

 

「あたしはこいつら縛っとくわ」

 

「任せた」

 

 

達也と深雪は特別閲覧室に向かった。

 

 

 

壬生紗耶香に地面に伏していた。

待ち構えていたかのように管理室から出てきた死刈無那に全員が昏倒させられたからだ。

死刈無那は一度出ていったが少しして戻ってきていた。

ふと、死刈無那が扉の方に視線を向ける。

四角に切り取られたドアが内側に倒れる。

 

 

「どうやって来たのか非常に気になるが制圧してくれてありがとう。無那」

 

「抵抗、少なかったし」

 

 

司波達也と司波深雪が入ってくる。

 

 

「すぐに運び出すか」

 

「私も」

 

 

壬生はゆっくりと意識を失った。

 

 

◆◆◆◆

 

 

達也がブランシュのアジトに乗り込むことを決めたようだ。もちろん私も参加する。

車に乗ると追加メンバーもいた。

 

 

◆◆◆◆

 

 

大型オフローダーが門扉を突き破る。

停車した車から無那たちが降りる。

 

 

「司波、お前が考えた作戦だ。指示を出せ」

 

「分かりました。レオ、エリカはここで退路の確保と逃げ出す奴の始末。無那は…」

 

「ねぇ、全部、消し去ってもいい?」

 

「ダメだ、無那。証拠が無くなる」

 

「そう、なら、凍らすのは?」

 

「それならいいが…」

 

 

バキューーン!

 

 

「大氷河期」

 

 

無那が呟く。

次の瞬間、廃工場を覆い尽くす氷が出現した。

 

 

「……」

 

 

「あとは、中をやる、だけ」

 

「……分かった。無那もここで待機だ。これ以上はやりすぎになる」

 

「分かった」

 

「他の全員で中に行きましょう」

 

 

◆◆◆◆

 

 

事件は収束した。後始末は克人が引き受けてくれた。

あんなにも巨大な氷塊をどす処理するのか。私には関係ないことだし気にしないでいいや。

司直の手も来なかった。

 

紗耶香は入院することになった。5月ぐらいに退院するらしいしお見舞いに行こうにも行っとこうかな。

 

ま、これで『日常』に戻れる。次のイベントは九校戦か、楽しみだな。

 

 

 

 

 

 

 




法律があったりで暴れさせることが出来ないんですよね。暴れさせるのは横浜騒乱編までお預けかな。
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