文珠によって他国に移動していく最中、立ち寄ったフレバンス王国の全ての珀鉛を銀に変化させておき、将来的にフレバンス王国の国民達が珀鉛病を発症することがないようにしておいた俺は、おでんの屋台を引きながら様々な国や島を巡っていった。
そのついでに目につく天竜人を、害虫を駆除するような気持ちで処理したりもしていたが、ちまちま処理していくのが面倒になってきたんで、大量に用意した文珠で「全」「世」「界」「天」「竜」「人」「全」「員」「幽」「体」「離」「脱」と12文字で12個の文珠を発動させ、全世界の天竜人を全員幽体離脱させた俺。
そして次に「全」「世」「界」「天」「竜」「人」「肉」「体」「太」「陽」「転」「送」と12個で12文字の文珠を用いて、全世界の天竜人の肉体を太陽に転送し、汚物は消毒だって感じにした後は、最後に「全」「世」「界」「天」「竜」「人」「霊」「魂」「強」「制」「成」「仏」という12文字で12個の文珠で、残った全天竜人の魂を強制的に成仏させておく。
肉体は太陽で焼かれて、魂は強制的に成仏することになった天竜人が、完全にこの世界から消え去ったのは間違いない。
多分五老星や神の騎士団にイム様も天竜人なんで、一緒に消え去ったかもしれないが、俺は別に困らないから大丈夫だ。
寧ろゴミを処理したことには大感謝されるかもしれないが、実はシャンクスもフィガーランド家という天竜人の血筋だったようだから、赤髪のシャンクスも生まれなくなった可能性は高いな。
ルフィの憧れの海賊が生まれなくなって、麦わら帽子がルフィに継承されなくなった可能性は非常に高いが、その場合は麦わらのルフィと呼ばれなくなって、麦わらの一味も呼び名が変わるだろう。
それはそれとして、イム様や神の騎士団が消滅したことで、いずれロックス・D・ジーベックが世界の王になる可能性が出てきた訳だが、荒くれ者で暴力的であっても友人は大切にするジーベックの方がイム様や天竜人よりもまともな王様になりそうな気がするんで、ジーベックの方は放置で良さそうだ。
おでんの屋台を引きながら世界の島を巡る最中、ゴッドバレーという島に到着した俺は、おでんの屋台で客引きしてみたが、エリスと名乗った女性とその息子であるティーチという幼い少年がおでんに興味を示していた。
値段は格安にしておいたんでエリスの手持ちのベリーで払えない金額でもなかったようで、沢山のおでんを注文して食べていくエリスとティーチ。
特に味が染みた大根やゆで卵が気に入っていたようで、大根と卵をおかわりしていく2人。
「美味しいねティーチ」
「うん」
仲がいい母と子を見れた俺は気分が良かったんで、会計の時に持ち帰り用のおでんもサービスで提供しておいたが、その日からゴッドバレーで屋台を開いていると、たまにエリスとティーチが屋台に顔を出すようになる。
そんなある日、エリスの夫でティーチの父であるジーベックが俺の屋台にまでやって来たが、たらふくおでん食べて酒を飲んだ後に金を払わずに立ち去ろうとしたんで、ぶちのめしてから飲食代だけ奪っておくと、翌日から「オレと一緒に海賊やろうぜ!お前が一緒なら確実に世界を獲れる!」とジーベックが勧誘してくるようになった。
腕っぷしの強いやつを集めて、世界の王になろうとしているジーベックからすると、一方的にジーベックをぶちのめして倒した俺という戦力は魅力的に見えたのかもしれない。
「興味ないから帰れジーベック」
「つれねぇこと言うなよントム。今日はちゃんと金を払う気はあるぜ。客の話なら聞いてくれるよな?」
金貨銀貨の詰まった袋を見せながら、笑みを浮かべながら聞いてきたジーベックは、屋台の客として居座るつもりみたいだ。
「暇潰しでやってる屋台だからな、俺の気分次第で閉店することもあるぞ」
そう言った俺は今日の屋台は閉店にしようかと考えていたんだが、ちょうどエリスとティーチが「ントムさん。屋台やってる?」と顔を出してきたんで、閉店は取り止めて来客を迎えた俺。
「いらっしゃい。何にしましょうか」
笑顔で接客を始めた俺を見ていたジーベックが「明らかにオレとエリス達で対応が違うじゃねぇか」と言ったが、食い逃げしようとした奴と、ちゃんと代金支払う常連客で対応が違うのは当たり前だな。
それからジーベック一家におでんを提供していき、ジーベックがおでんを食い逃げしようとしたことをエリスに伝えておくと叱られていたジーベックは、素直に謝っていたが、惚れた女に弱いのはどんな世界の男でも変わらないらしい。
そんなことがあったりもしたが、世界中の天竜人が消え去ったことで混乱していた世界政府は、ジーベックが率いるロックス海賊団に敗北を重ねたようで、海軍も大将2名と中将を数名も討ち取られて完全敗北していたようだ。
五老星や神の騎士団が消え去ったことも大きかったみたいで、敗北を積み重ねた世界政府はジーベックに屈して、ハチノスという海賊島を国と認めさせたジーベックは、海賊島ハチノスの王となった。
王になったとしてもハチノスに常に留まることはなかったジーベックは、定期的にゴッドバレーやエルバフに顔を出しているようで、俺のおでんをエルバフの国王に食べさせてやりたいと考えたジーベックに頼まれて、巨人達の国のエルバフで屋台をやることになる。
巨人族用にデカイ鍋と具材を用意して、作成していったおでんをエルバフの国王であるハロルドやその家族に食べてもらったが「美味しい」と言ってもらうことができたのは確かだ。
おでんの代金として、エルバフに存在するアダムという大樹の枝を貰った俺は、定期的にエルバフでも屋台を開くようになった。
様々な国や島があるこの世界を巡る旅は、中々楽しいんで、これからもおでんの屋台を引きながら世界を巡っていくとしよう。
この世界だとティーチの好物に、おでんが含まれているかもしれません