両津勘吉がデスノートを拾った世界   作:梅酒24

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第5億円:天狗

亀有公園前派出所――昼下がり。

 

ドアが勢いよく開いた。

 

バァァン!!

 

「フハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」

 

派出所の空気が一瞬で止まった。

 

ドアの前に立っていたのは――

 

わし、両津勘吉。

 

だがいつものわしではない。

 

サングラス。

胸元には金色のネックレス三本。

腕にはギラギラの時計。

指には宝石リング。

 

シャツのボタンは三つ開け。

 

まるでどこかの怪しい社長である。

 

中川が目を丸くした。

 

「せ、先輩……?」

 

麗子も固まる。

 

「どうしたんですかその格好……」

 

わしはニヤリと笑った。

 

「フフフ……」

 

ポケットから万札の束を取り出す。

 

バシッ!!

 

「ぐはっ!」

 

部長のほっぺを万札で叩いた。

 

「大原君!」

 

「好きな出前を注文したまえ!」

 

ドン!!

 

机に万札を置く。

 

「この大金持ち両津様がな!」

 

部長が震える。

 

「両津……」

 

「お前……」

 

「ついに頭がおかしくなったのか?」

 

「違うわ!!」

 

わしはサングラスを外した。

 

「金持ちになったんだよ!!」

 

中川が驚く。

 

「え!?」

 

麗子も叫ぶ。

 

「ええ!?」

 

部長が聞く。

 

「いくらだ?」

 

わしはゆっくり言った。

 

「10億円」

 

派出所が静まり返る。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

部長が言った。

 

「まさか両津が10億円を手にするとはな……」

 

わしは椅子にふんぞり返る。

 

「フハハハ!」

 

「これが勝ち組というものだ!」

 

机に足を乗せる。

 

「今までわしをバカにしてきたな!」

 

「部長!」

 

「ボーナスがどうとか!」

 

「給料がどうとか!」

 

万札をパラパラと扇子のように広げる。

 

「だが今はどうだ!」

 

「銀行残高10億円!」

 

「億万長者だ!」

 

リュークが横で笑っている。

 

「ククク……」

 

「本当に合法で金を手にしたな」

 

 

 

――数日前。

 

 

 

わしは競馬場にいた。

 

もちろん金はデスノート資金。

 

だがそのまま使うわけにはいかない。

 

そこで思いついた。

 

「競馬だ」

 

リュークが聞いた。

 

「どういうことだ?」

 

「簡単だ」

 

わしは言った。

 

 

「万馬券を当てる」

 

「それだけだ」

 

リュークが言う。

 

「当てられるのか?」

 

わしはニヤリ。

 

「という訳だ……」

 

「お前は天才だな……」

 

――結果。

 

 

 

テレビ局。

 

新聞社。

 

YouTube。

 

全部が騒いだ。

 

 

 

【奇跡の警察官】

 

【派出所の巡査長が10億円万馬券】

 

【両津勘吉という男】

 

 

 

テレビでは司会者が叫んでいる。

 

「すごいですね!」

 

「両津さん今どんな気持ちですか!?」

 

わしは言った。

 

「人生はギャンブルですよ」

 

ドヤ顔。

 

ネットでは

 

 

 

【両津伝説】

 

【リアル漫画】

 

【警察官億万長者】

 

 

 

再生数1000万。

 

 

 

派出所では。

 

中川が感動している。

 

「先輩すごいです!」

 

麗子も言う。

 

「夢がありますね!」

 

部長だけは腕を組む。

 

「怪しい……」

 

わしは鼻で笑う。

 

「フフフ」

 

通帳を出す。

 

ドン。

 

 

 

残高 1,023,000,000円

 

 

 

わしは言った。

 

「どうだ!」

 

「合法だ!」

 

「税金も払う!」

 

「文句あるか!」

 

部長は何も言えない。

 

「ぐぬぬ……」

 

わしは立ち上がる。

 

「今日は祝賀会だ!」

 

「寿司100人前!」

 

「ピザ50枚!」

 

「うな重30個!」

 

「全部わしのおごりだ!」

 

中川が言う。

 

「そんなに食べられませんよ」

 

「残ったらどうする」

 

わしは笑った。

 

「持ち帰れ!」

 

「10億円あるんだ!」

 

リュークが言う。

 

「お前完全に天狗だな」

 

わしは胸を張る。

 

「当然だ!」

 

「だがなリューク」

 

ニヤリ。

 

「これでも10兆円のほんの一部だ」

 

リュークの目が光る。

 

「……人間って面白っ」

 

わしは笑った。

 

「フハハハハハ!!」

 

こうして――

 

銀行残高10億円。

 

シェルターには10兆円。

 

 

 

史上最強に金持ちな警察官

 

両津勘吉

 

 

 

その伝説は

 

まだ始まったばかりだった。

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