名前を持たない男がいる。記録には残っていない。残っているのは呼称だけだ――ムーア渡り。
男が持つのは武器と、わずかな食料と、一つの座標データだけだ。命令を下した上官はすでに消えた。理由も目的も持たないまま、男はただ歩く。巨大構造体・ムーアの深部を、一人で。
廃区画GR-001で、男は女と出会う。キャシー。仲間とはぐれ、武器も地図も持たない彼女は、男に同行を求めた。目的地の方向が違うことはわかっていた。それでも男は承諾した。理由は自分でもわからなかった。
無口な男と、かまわず話しかける女。リコレクターが巡回し、リントン・システムが沈黙するムーアの中を、噛み合わない二人が歩き続ける。座標の先に何があるのか
※この小説はカクヨムでも投稿してます
男が持つのは武器と、わずかな食料と、一つの座標データだけだ。命令を下した上官はすでに消えた。理由も目的も持たないまま、男はただ歩く。巨大構造体・ムーアの深部を、一人で。
廃区画GR-001で、男は女と出会う。キャシー。仲間とはぐれ、武器も地図も持たない彼女は、男に同行を求めた。目的地の方向が違うことはわかっていた。それでも男は承諾した。理由は自分でもわからなかった。
無口な男と、かまわず話しかける女。リコレクターが巡回し、リントン・システムが沈黙するムーアの中を、噛み合わない二人が歩き続ける。座標の先に何があるのか
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