ζ(Zeta) / 呉爾羅(Godzilla) 作:AllZ:M
◆地名/組織
■
九州北部・K県に位置する山間の村で、旧称は「大戸村」。
阿蘇外輪山、及び五岳に近い位置にあり、江戸末期より数百年にかけて、村外れの上色見神宮を中心に、高次存在との接続点となり続けた場所。
旧来・大戸村の時代より続く"神楽"の伝統と、土着信仰的な神話が織り成され続けている。
■
村外れ、杉林の奥に鎮座する古社。
数百段の石段と、球体を括弧型に封じた意匠の灯篭を持つ。
此の灯篭は少なくとも一八〇〇年以降に建造されたとされており、先代の呉爾羅を
本殿周辺は非ユークリッド的な構造を示し、地下通口の最奥に石楔と鎖が封じられていた。
■
槻御輿村の派出所で、箪笥凱・転錬奥求易が駐在する。
伊藤庵が血の曼荼羅を描いた地点であり、物語終盤、鎖を撃ち込む座標となる。
■
山道の先の旅館で、
槻御輿縁記残録の保管場所であり、一行の退避拠点。
■
KS県の火山。約十年前の噴火で、砂座間那が友人・英猪を喪った場所。
この噴火を機に、NEO:GQの九州各地の観測拠点が強化された。
■
S県の超高高度活火山。
南海海溝の群発地震を引鉄に準破局噴火を起こし、関東広域に甚大な被害をもたらした。
■
政府学会直属の地震波観測機関。
火山性地震の頻発と富士嶽噴火を受けて設立され、第一次設置場所は富士嶽・宝永火口直近。
阿蘇外輪の前哨拠点には乱堂好景が室長として勤める。
---
◆現象/概念
■
伊藤庵、及び芹沢大助の自称。
公的記録・学術記録に該当名称はない。
高次存在の実態を、筆致によって現世に固定し記述する者を指す。
■ζ
位相裂孔、観測不能領域、未定義数式、外部知性、"存在以前の問い"、然して
観測者はζを完全には認識できず、認識には必ず脳内補完が生じるため、視認形状に個体差が出る。
曼荼羅中央の「ζ」は観測裂創とされる。
■
世界の外輪、宇宙の外側にあるとされる領域。
時間の概念がなく、数多の並行世界を内側から観測できる。
■
外部的な存在が此の世界に土着する工程。
存在定義そのものが此岸側へ適応されてゆくことを指す。
■
高次存在が現世に定着し、質量と肉体を保つこと。
生態的行動を伴わずに留める「凍結」も、土着の一形態とされる。
■
世界の層構造における位置。
「位相の土着」「位相衝突」など、顕現や空間異常の説明に用いられる。
■
乱堂好景の持論。現実は九つの重層的位相で構築され、人間が知覚できるのは最表層の一皮分に過ぎないとする。
■
呉爾羅が世界の生態系を改竄し、地球環境を白亜紀以前へ退行させる工程。
川の逆流、花の蕾への回帰など、時間を遡す現象を伴う。
■
通称を"スーパー・プリューム"。
マントル深部の異常熱対流による、火山帯の連鎖的活性化。爾来遡行の前段階と解釈される。
■ちぇれんこふ
高次存在が放つ青白い光。山根恭平はこれを槻御輿縁記残録に「其が希滅の汽笛」と記した。
核分裂時のチェレンコフ光に酷似する。
■熱線
呉爾羅が口腔から放つ、超高密度のエネルギー奔流。
放射直前、背鰭が順に青白く励起される。
---
◆道具/儀式
■
先代独立観測者・芹沢が遺した、血と墨による解析録。
山根恭平の共同筆記を含み、「鎖を引く。其の楔は、神宮の奥つ宮、石の階の下に」と、後世に未来を託す一文で途絶える。
■
観測者が自らの血で描く、高次元的な幾何学図形。
中央のζを、概念生物の輪郭とゴラス・データが囲む。
乾かず、生きたように流動を続ける。
■ゴラス・データ / ツナギの妖星
クロッキー帳に散見される丸点の筆跡群。
概念生物を筆跡外へ漏出させないための観測アンカーであり、凶暴な個体ほど大量に必要とし、不足すると部分顕現や異常増殖を招く。
■
芹沢が遺した三本一組の黒い鎖。
光を反射せず、芯から脈動が伝わる。
高次情報を物質化する増幅回路であり、呉爾羅、然して"ゴジラ"に相対するに相応しい形態へ自律的に変換される。
■
芹沢が一度だけ使用した試作型の兵器。
呉爾羅の肉体記述を無に帰し、第零次元へ押し返した。
然し、消去は否定の蓄積を招き、事態を悪化させた。
■
那と伊藤が詠唱した、経文に似た活漢字の文言。
芹沢の遺した写経用紙に記されていた。
菩薩ヶ魏怒羅の顕現補助を促す。
---
◆概念生物
■
伊藤庵がクロッキー帳に書き留める、高次元概念の筆致化。
呉爾羅が伊藤を介して渡した存在であり、個々が自立した意志を持つ可能性を秘める。
又の名称を"怪獣"とする。
---