ペルソナ産聖杯がログインしました   作:サクラモッチー

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副題:なお、桜ちゃんは後々人類悪になる模様

〈ヤルダバオトのヤバいところ〉
☆神格化された聖杯
☆認知を操る
☆その気になれば、ありとあらゆる物を消すことが出来る
☆イゴールに成り代わってベルベットルームを乗っ取る

結論:とにかくヤヴァイ


偽りの愛と歪んだ愛

間桐邸での一件の後、ヤルダバオトは間桐桜と共に大聖杯が置かれている円蔵山の大空洞に移動すると、そこで黒聖杯と合流していた。

ただし、後々黒聖杯やヤルダバオトの正体が聖杯だとバレると面倒なためか、彼女の方は自らのことをクロノスフィールと名乗った一方、ヤルダバオトは真名のこともあってなのか、自らのことをルーラーと名乗っていた。

 

ちなみに、黒聖杯は使い魔で友人であるヤルダバオトがルーラーと名乗ったことに対し、律儀だねぇと呟いていた。

そんな黒聖杯の言葉を聞いたヤルダバオトは、怒ることも悲しむことも胸が痛むこともなく、ただただ桜の頭を撫でていた。

 

一方、桜は桜でヤルダバオトからプレゼントされた服を気に入っていたようで、間桐家に引き取られてから忘れていた感情を....喜びというモノを実感していた。

そのためか、桜は彼のことを魔法使いのような存在だと思い込み、ますますヤルダバオトに懐いていたとか。

 

「しっかし、聖杯戦争の基盤を作った魔術師の一人があそこまで堕ちるとはねぇ」

「人間は堕ちる時はどこまでも堕ちる生物だ。そうなるのも必然だろう」

 

愚かだと言うようにそうボヤく黒聖杯を尻目に、聖杯として人間の欲望を知り尽くしているからか、臓硯の末路に対してバッサリとそう言い切るヤルダバオト。

それを聞いた同じ聖杯として思うところがあったのか、黒聖杯は確かになという反応になっていた。

 

人間の欲望とは、どこまで沈んでも底の見えない沼である。

そのため、どんなに願いを変えたとしても人間の欲望は満たされることなく、無限に溢れ続けることを二人は聖杯という立場から知っていたがために、黒聖杯は人間という生物は愚かだとばかりにニチャリと笑っていた。

 

「....魔法使いさん」

「何だ?要件を言え」

 

桜から魔法使いと呼ばれることにもう慣れてしまったのか、ヤルダバオトはその言葉を受け入れつつもそう言うと、桜はモジモジしながらも彼の方を真っ直ぐに見つめるとこう言った。

 

「....私、魔法使いさんみたいになりたい」

 

彼女がそう言った瞬間、ヤルダバオトは桜が言い放ったその言葉が叶うはずのない夢だと思ったのか、その眉をピクッと動かしていた。

黒聖杯は黒聖杯でコイツは面白そうだと思ったのか、その状況を見守っていたとか。

 

ヤルダバオトはこの世界に召喚された際、ある程度の知識はインプットされていたようで....彼女の発した言葉の意味を理解したのか、馬鹿馬鹿しいと思いつつもこう言った。

 

「....何故、そう思った」

 

ヤルダバオトがそう尋ねたところ、桜はその質問に対して自身の着ているスカートの裾をギュッと握ると、しばらく何かを考えるかのような顔になったかと思えば、ヤルダバオトの顔をジッと見つめていた。

そんな彼女の様子を見た黒聖杯はニタニタと笑うと、彼女の代わりにヤルダバオトに向けてこう言った。

 

「多分、君のことをフェアリーゴッドマザーだと思ったんじゃないのかい?」

「....私はそこまで生易しい存在ではない」

 

冗談っぽくそう言う黒聖杯の言葉に対し、表情一つ変えずにバッサリと切り捨てるヤルダバオト。

黒聖杯は黒聖杯でこの状況が面白いと思っていたのか、なおもニタニタと笑っていた。

 

ただ、桜からの憧れの感情が抱かれていることは認めたようで、自身に対する彼女の視線がその言葉への返答だと感じつつも、特に情を持っていない様子でこう言った。

 

「桜、お前は我々の戦いのための道具だ。故に、その価値はそれ以上でもそれ以下でもない。良いな?」

 

ヤルダバオトが言い放ったその言葉は、単に彼女に対する情が無いことを意味していただけではなく、桜という少女を助けたことに対する事実を突き付けていた。

ただし、その言葉は桜本人にとっては特別な意味が込められていると感じたようで

 

「........じゃあ、魔法使いさんの立派な道具になれるように頑張る」

 

彼女がそう返答したところ、逆にヤルダバオトはそんな感じの言葉を言い放つのは思ってもいなかったのか、思わず表情どころかその動きすら固まっていた。

 

ちなみに、その一連の会話を聞いた黒聖杯は思わず爆笑していたのだった。

 

「......何がおかしい」

「いやぁ、まさか()()遠坂の人間がそんなことを言うとは思わなかっただけだよ」

 

黒聖杯自身、聖杯戦争を作り上げた一族の人間がそんなことを言うとは思ってもいなかったのか、今にも笑い死にそうな顔でそう言っていたため、ヤルダバオトは何故そこまで笑うのかが分からないという顔に表情になっていたため、黒聖杯は再び爆笑していた。

 

桜は桜で、そんなヤルダバオトと黒聖杯を見て良い人だと尚更思い込んだ様子になっていて、二人に対してギュッとハグしていた。

なお、それを見たヤルダバオトが何がしたいんだ?的な顔になっていたのに対し、黒聖杯はやるねぇという顔になっていたとか。

 

「で、どうする?このまま何もない洞窟に潜伏し続けるのは私的にはつまらないんだけど」

「だが、それで奴らに居場所がバレたらどうする」

「その時はその時で、殲滅すれば良い話だよね?」

「.................」

 

黒聖杯がそう言った瞬間、確かになとヤルダバオトは思ったようで.......彼が指をパチリと鳴らしたのと同時に、その空間にヒビ割れのようなモノが生じたかと思えば、その場は青を基調した大人のラグジュアリーな空間に、クラブ風の世界ことベルベットルームへと変貌していた。

 

それを見た黒聖杯がやるじゃんと声を漏らしていたのを尻目に、桜は洞窟が大人の空間に変貌したことに対し、大きく目を見開いていた。

そして、そのまま従業員風の衣装を身に纏った可愛らしいマスコットこと、ジャック・フロストに促されるままソファに座ったところ、そのソファのフカフカ度合いにビックリしたのか、ソファに座りながらカチンコチンに固まっていたのだった。

 

「.....何故、そこまで固まっている」

「このソファがフカフカだったからじゃないの?」

「.......人間はよく分からん」

 

カチカチに固まっている桜を見つめながら、そんな会話をする黒聖杯とヤルダバオト。

その数分後、彼らの下にジャック・フロストが持って来たのは.......二種類のカクテルとクリームソーダだったため、桜のテンションは分かりやすく上がっていたのだった。

 

「これ、私も飲んで良いの?」

「.....むしろ、何故飲んではいけないと思った」

 

ヤルダバオトがそう言ったその瞬間、恐る恐るな様子でクリームソーダを飲み始める桜。

しかし、そのクリームソーダの味が美味しかったのか.........アイスとメロンソーダを交互に飲んでいた。

 

その様子をニヤニヤと笑いながら見ていた黒聖杯は、カクテルを飲みながらヤルダバオトの方を見ていたため、ヤルダバオトはその視線に気がつきつつも無視してカクテルを飲むと、ステージ上で行われていたピクシーの歌に耳を傾けていた。

 

「で、これからどうする?」

「どうするも何も、既に餌なら撒いた」

 

ピクシーの歌声がベルベットルーム内に響き渡る中、黒聖杯の言葉に対してそう返答するヤルダバオト。

その言葉を聞いた黒聖杯は、彼からそんな返答が返ってくることをある程度予想していたようで、ふぅんと声を漏らしつつもその顔にはこれから起こるであろう出来事を予想したのか、愉悦に満ちた表情になっていた。

 

一方、その会話に対して思わずキョトンとした顔になっていた桜は、彼に対してアイスが乗ったスプーンを差し出すと、ヤルダバオトは何がしたいのだと呟いていた。

そんな彼に対し、黒聖杯は幸せのお裾分け的なやつじゃない?と呟いたからか、ヤルダバオトは面倒な顔になりながらもそのスプーンに乗ったアイスを一口食べたのだった。

 

「クリームソーダ、美味しいね」

「.....そういうモノなのか?」

「そうそう、これはそーゆーモノだからね!!」

 

そういうわけで、クラブ風のベルベットルームへと改装された洞窟内での時間を楽しむ傍ら、桜という道具をどう使用するかを考え始めるヤルダバオトなのだった。




桜ちゃん、ヤルダバオトと黒聖杯に懐くの巻。

ヤルダバオトはペルソナ5の終盤まではベルベットルームの主人を名乗っていたから、きっと統制神としての力を使ってベルベットルームを作り上げるんだろうなぁ。
んで、その理由が単純に桜ちゃんが喜んで欲しいとかじゃなくて、桜ちゃんを道具として使役しやすくするためにリフォームしたとか。
なお、洞窟内をベルベットルームに改装した理由については黒聖杯は理解している上に、彼の行動が後々聖杯戦争を狂わせる要因となることを知ってるからこそ、否定するどころか容認しているらしい。
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